消閑の挑戦者
以下はWikipediaより引用
要約
『消閑の挑戦者』(しょうかんのちょうせんしゃ)は、岩井恭平による日本のライトノベル。イラストは四季童子が担当。角川書店(角川スニーカー文庫)より2002年11月から刊行されている。第6回角川学園小説大賞〈優秀賞〉受賞作。
驚異的な頭脳を持つが受動的な天才少女・鈴藤小槙と、そのクラスメートで小槙には及ばないが天才である能動的な少年・春野祥の2人が主人公。この2人が、世界の天才や超人、またはそれにまつわる事件に対して挑戦していく物語である。
ストーリー
「パーフェクト・キング」
夏休みが間近に迫ったある日、潮天市で暮らす高校1年生の少女鈴藤小槙は怪物とまで言われる世紀の天才少年、果須田裕杜が開催するバトル・ゲーム、「ルール・オブ・ザ・ルール」に巻き込まれてしまう。成り行きから参加してしまった小槙だが、彼女のゲームでのパートナーであるクラスメイト、春野祥と離れ離れになりつつも、防御人(ディフェンダー)や敵プレイヤーの妨害をかいくぐり、幼馴染の裕杜が仕掛ける難問に挑戦していく。
「永遠と変化の小箱」
「ルール・オブ・ザ・ルール」が幕を下ろして最初の夏休み。ある人物からの招待状を受け取った鈴藤小槙は、チェスの世界王者決定戦が行われる超大型客船“うてな”で、天才的な科学者灰火秋アキヒコが治める火山島、灰火秋島に向かっていた。しかし船は謎の武装集団の襲撃を受けて占拠され、島に上陸していた小槙も火山の大噴火という危機的な事態に遭遇してしまう。
「ロスト・エリュシオン」
夏休みも終わりに差し掛かった頃。鈴藤小槙は従姉妹の鈴藤いるるに連れられて、「ルール・オブ・ザ・ルール」でのパートナー、春野祥と共に“混沌の街”アウルスシティを訪れる。そこで小槙は、人体改造実験によって“超人”の力を手に入れた少年、イオ・アンセルメと出会う。少年と心を通わせる小槙だったが、“超人”の研究を行っていた施設で爆破事件が発生し、小槙も次第に事件の中心へと巻き込まれていく…。
主な登場人物
主人公
鈴藤 小槙 (すずふじ こまき)
1巻に登場
果須田 裕杜(かすだ ゆうと)
祇園寺 新汰(ぎおんじ あらた)
安住 蔵人(あずみ くらんど)
2巻に登場
3巻に登場
イオ・アンセルメ
森野 いずみ(もりの いずみ)
クラウディア・ヘルダーリン
車 善鉄(チャ ソンチョル)
鈴藤 いるる(すずふじ いるる)
用語
超飛躍(ウルトラ・ジャンプ)
果須田裕杜の父である超心理学者・果須田厚志が提唱した概念だが、その存在は証明されておらず、学説としては認められていない。
ネクスト
超人
超飛躍に頼る事なく果須田祐社を超える人間を作る事が目的であった。
ミュータント
ルール・オブ・ザ・ルール
ルールの概要は以下の通り。
参加者は2人1組。一方が失格になった時点でもう一方も失格。
各組にパソコン端末が1つ支給され必要な情報を参照できる。各参加者に、参加者を認識するエントリーリング(ブレスレット)と、パートナーとの会話やシステムメッセージを聞く為の通信用ワイヤレスホンが支給される。
口頭で"ギブアップ"と言う、エントリーリングを破壊される、死亡する、プログラム(後述)を全て失うのいずれかで失格。他の参加者への攻撃は自由。果須田祐社いわく「警察に発見・拘束されないなら殺人もルールとして認める」とのこと。ちなみにこの宣言は全世界生中継されている映像の中で堂々となされたものであり、このゲームの異端ぶりがうかがえる。
ゲームは幾つかのステージで構成される。各ステージごとにクリア条件が1つ提示され、失格にならずにそれを満たす事で次のステージへ進める。また、ステージ開始時に参加者からランダムに3人が選ばれ、選ばれた者は主催者が認める範囲で自分自身の考えたルールを1つ追加・変更できる。
ゲーム開始時、各参加者には1組につきランダムにプログラムが1つ配られる。個々に異なる効果を持ち使用する事でゲームを有利にする事が出来るが、基本的に使い切りであり、プログラムを1つも所持していない状態になると失格となる。また、プログラムはパートナーと共有する。
参加者とは別に防御人(ディフェンダー)が300人以上おり、参加者を狙う。参加者が防御人を1人倒すごとに、その参加者にはプログラムが1つ与えられる。またディフェンダー達は参加者を刈った数だけ報酬が得られるという条件で果須田裕杜に雇われた「賞金稼ぎ」であり、「賞金首」であるリングをしている人間を発見すると、警告も躊躇も無くいきなり命を狙ってくる。
ヘラナ
エリュシオン(Elysium)
舞台
潮天市(しおあまし)
首都からは離れているが新幹線が通っており、流行の発信地として発展している。主な施設として、様々な店が軒を連ねる地下街、船の通行の為に中央部が回転する鉄橋・潮天市ドライバーズブリッジ、果須田裕杜の全面協力により作られたテーマパーク・潮天シーサイドパークがある。
うてな
作中の航海では潮天市や灰火秋島の他、ハワイ諸島などにも寄港している。また、その船上でとヘラナとチェス世界王者とのタイトル戦が行われた。
灰火秋島(うたびしとう)
ウォリスランド共和国
アウルス大学
病葉研究室(わくらばけんきゅうしつ)
既刊一覧
- 岩井恭平(著) / 四季童子(イラスト) 『消閑の挑戦者』 角川書店〈角川スニーカー文庫〉、既刊3巻(2005年5月31日現在)
- 「パーフェクト・キング」2002年11月30日発売、ISBN 4-04-428801-1
- 「永遠と変化の小箱」2003年7月31日発売、ISBN 4-04-428803-8
- 「ロスト・エリュシオン」2005年5月31日発売、ISBN 4-04-428809-7