小説

済衆院 (小説)


題材:朝鮮の歴史,

舞台:19世紀,医療機関,李氏朝鮮,

主人公の属性:医師,

各種表記



以下はWikipediaより引用

要約

『済衆院』(チェジュンウォン、ハングル: 제중원)は、韓国の脚本家・小説家イ・ギウォン(朝鮮語版)が2009年に発表した小説作品。

作品

旧韓末期、当時の最下層の身分であった白丁出身の主人公ファン・ジョンが、様々な困難を乗り越え済衆院(朝鮮語版)で西洋医学を学び医師となる姿が描かれている。実際に白丁出身で済衆院を卒業し、朝鮮半島初の西洋医学を学んだ医師のひとりとなった朴瑞陽(朝鮮語版)が主人公のモデル。

成立・背景

イ・ギウォンは2007年に『白い巨塔』の脚本を担当、その際執筆の参考にするために医学を学んだ。学びを深めていくうちに済衆院や朴瑞陽の存在を知った。

構想段階から、イ・ギウォンは小説と脚本の両方を書く事を念頭に置いていたという。まず小説の草稿を書き、次に脚本を書きながら新たに浮かんだアイディアを脚本だけでなく小説草稿に加えたり、逆に小説草稿中のエピソードを脚本中に加えたりと、双方の原稿に「追加補完」をして完成させた。完成させるまでに約2年かかったと2012年に行われたインタビューで述べている。

書誌情報

サムソン出版社刊行、全2巻。

  • 『済衆院 1』 ISBN 978-8915071032
  • 『済衆院 2』 ISBN 978-8915071049
テレビドラマ

SBS月火ドラマ(朝鮮語版)の枠にて2010年1月4日から同年5月4日まで放送された。全36話。制作にあたり延世大学校セブランス病院が協力し、同大教授で当時トンウン医学博物館館長の地位にあった朴瀅雨がアドバイザーとして参加した。

視聴率は同時間帯に他局で放送された『ドラゴン桜』や『パスタ』等に押され10パーセント台となったが、作品自体を高く評価する意見が、脚本家キム・スヒョンを含む複数の方面から提示されている。また放送期間中、番組公式サイトを通じてイ・ギウォンや演出を担当したホン・チャンウク、更にはヒロイン、ユ・ソンナン役を演じたハン・ヘジンから「視聴率に一喜一憂しない」という異例の声明がなされたりもしている。

作品
キャスティング

出演者については監督のホン・チャンウクや原作・脚本のイ・ギウォンをはじめとするスタッフ陣で各役ごとに演じさせたい俳優を1位から5位まで決めた後、俳優陣のスケジュールをチェックした上で問題のない俳優にオファーをする形を取った。

ペク・トヤン役のヨン・ジョンフンについてはイ・ギウォンが「『白い巨塔』で主人公を演じたキム・ミョンミンの役割を再現させてほしい」とミーティングの席上で直接依頼、ヨン・ジョンフンは悩んだ末出演を受諾した。『朱蒙』以来3年ぶりに時代劇に出演する事となったユ・ソンナン役のハン・ヘジンについてはホン・チャンウクが「ソンナンにぴったりだ」と評した。ファン・ジョン役のパク・ヨンウは同作品の企画がある事を知って自ら出演を希望する旨を訴えてきたと、イ・ギウォンがインタビューで明かしている。

オ・チュンファン役を演じたクォン・ヘヒョ(朝鮮語版)の出演が一時危ぶまれた。収録中、2008年の狂牛病問題を批判するデモに参加していた事を理由に大韓民国国家情報院がクォン・ヘヒョを出演させないようにとSBSの局長のひとりを通す形で圧力をかけてきた事を、監督だったホン・チャンウクは2017年9月にメディアに明かしている。ホン・チャンウクは「熱心に演技に取り組んでいて、犯罪・スキャンダルに手を染めた訳でもない俳優を理由なく外す事はできない」と主張、この局長と議論を重ねた。最終的にクォン・ヘヒョは同作品に出演する事ができた。

  • ペク・トヤン役のヨン・ジョンフン
  • オ・チュンファン役のクォン・ヘヒョ
ロケーション

以下の施設がロケ地として用いられている:

  • 聞慶セジェ(朝鮮語版)オープン撮影セット場(慶尚北道聞慶市)
  • 韓国ソンビ文化苑(慶尚北道栄州市)
  • 韓国民俗村(京畿道龍仁市)
キャスト

登場人物は、個別に注釈のある場合を除きに基づく:

一覧を表示する 主要人物 俳優 役名 作品中の設定等 パク・ヨンウ子供時代チャ・ジェドル ソグンゲ/ファン・ジョン 漢字表記は小斤犬/黄丁(第24話以降は黄正)。マダンゲの息子。本作品の主人公。 ヨン・ジョンフン子供時代シン・ドンギ ペク・トヤン 漢字表記は白途陽。両班出身の儒学生ながら西洋医学に並々ならぬ関心を寄せる。ソンナンとは幼馴染。 ハン・ヘジン子供時代ハム・ジェウン ユ・ソンナン 漢字表記は柳錫蘭。通訳官ユ・ヒソの娘。英語を流暢に話す。医学を志し済衆院でシャペロン(患者の付添人)を務め、後正式な医生として医学を学び医師となった。 ファン・ジョン関連人物 俳優 役名 作品中の設定等 チャン・ハンソン マダンゲ ファン・ジョンの父親。 チャ・ファヨン ファン・ジョンの母 マダンゲの妻。結核性肋膜炎を患い、それがファン・ジョンが闇解体に手を染める理由となる。 チョン・ソギョン チャクテ/イ・グァク ファン・ジョンの親友。漢字表記は李癨。闇解体に手を染めたために追われる身となったファン・ジョンと運命を共にする。ファン・ジョンが済衆院に入学した際は門番として働くようになった。 ペク・トヤン関連人物 俳優 役名 作品中の設定等 ソ・インソク ペク・テヒョン トヤンの父親で刑曹判書。保守的な考えの持ち主でトヤンとは考えを異にしていた。甲申政変時、入宮したところ刺客に襲われ負傷。ファン・ジョンの手当の甲斐なく息を引き取った。 イ・ヒョジョン ペク・キュヒョン トヤンの叔父で済衆院の主事。ファン・ジョンがテヒョンを殺したと恨み、あの手この手でファン・ジョンを迫害しようとした。 クォン・ヘヒョ オ・チュンファン トヤンの成均館時代の師匠。後にトヤンの推薦で済衆院の主事となる。原理原則に厳しい姿勢を見せるが、当初はトヤンの側に肩入れしてファン・ジョンを毛嫌いしていた。 ユン・ギウォン ユン・ジェウク 漢字表記は尹在旭。トヤンの成均館時代からの同期で済衆院でも同期となる。身分が違うファン・ジョンを嫌うだけでなく、トヤンが両班ではないソンナンを愛する事も理解しない。後済衆院を退学し、高級クラブに勤務するようになった。 ウォン・ギジュン チョン捕校 トヤンの手下。トヤンが違法ながらファン・ジョンに命じた遺体解剖の証拠を消すためにファン・ジョンを殺そうと付け狙う。ファン・ジョンに生命を救われた事で改心し、秘密を守ったまま去っていく。 ユ・ソンナン関連人物 俳優 役名 作品中の設定等 キム・ガプス ユ・ヒソ ソンナンの父親で朝廷に仕える通訳官。外国人との交流関係が広い一方で牛肉を届けるマダンゲとも顔見知りであった。後抗日運動に参加、拷問を受けた末生命を落とした。 クム・ボラ ソンナンの母 ユ・ヒソの妻。ひとり娘のソンナンがトヤンと結婚する事を願っていたが、娘が医学を志すようになってからは文句を言いつつ応援するようになった。 ソ・ヘリン キム・マクセン ソンナンの母が結婚する際に共にユ家にやってきた侍女。ソンナンにとっては友人のような存在。27話でモンチョンと結婚。 キム・ギュジン チルポク ユ家の使用人。 済衆院 俳優 役名 作品中の設定等 ショーン・リチャード アレン 済衆院初代院長。ファン・ジョンを医学の道にいざなった張本人。 リッキー・キム ヘロン 済衆院2代目院長。原則を重視し当初はファン・ジョンに厳しかったが、後に彼の実力を認める。トヤンに対しても愛情から厳しく接していた。赤痢患者を診察中自らも感染し死去。 ファビアン エビスン 済衆院4代目院長。ファン・ジョンの実力を認め済衆院の教授に迎えた。 キャサリン・ベイリー ホートン 済衆院医師でソンナンの医学の師。王室とも親交があった。 ト・ギソク モンチョン 済衆院の釜焚き人。27話でマクセンと結婚。 ユ・ヘジョン パク小使 済衆院医女。未亡人となり婚家から追い出されて路上にいたところ、最初に出会ったキュヒョンに引き取られて済衆院にやってきた。 キム・テヒ ミリョン 済衆院医女。もともとは妓生だったがトヤンに惹かれて医女に転身した。後にファン・ジョンの医業上の協力者となっていった。 シン・ジス ナンラン ミリョンの侍女。ミリョンに伴って済衆院にやってきてからはマクセンのもとで下働きをしていた。キム・ドンの策略で済衆院を負われた後天然痘を患い、患者として戻ってきた。後医女として働くようになる。 ソン・ヨンギュ コ・ジャングン 漢字表記は高長根。もともとは画員だったが家族を養うため済衆院の医生試験を受験。集団実技で同じ組になった事でファン・ジョンと知り合う。入学後はファン・ジョンの親友となった。 漢城病院/日本 俳優 役名 作品中の設定等 カン・ナムギル ワタナベ フルネームは渡辺俊介。自らを「大日本帝国のヒポクラテス」と名乗る日本人医師。漢城病院設立後は院長に就任、済衆院を飛び出したトヤンをスカウトし一時勤務させていた。31話で自らが肺癌に罹患した事を知り、ファン・ジョンの執刀で手術を受けた。 チョン・ギュス 日本公使 初代日本公使。済衆院を潰すためにワタナベを刺客として使ってきた。 キム・ビョンセ ミウラ 第2代日本公使。乙未事変/明成皇后暗殺事件の首謀者。 ソク・チニ スズキ ワタナベの元で働く看護師。 ユン・ソヒョン ハセガワ ワタナベの手先。朝鮮人医学生キム・ドン(金敦)を名乗って済衆院に入り込み、ニトログリセリンによる爆発事件を起こす。ファン・ジョンに濡れ衣を着せるための工作を偶然目撃したナンランを解雇に追いやるが、天然痘患者として済衆院に連れてこられた彼女の指摘により事が露見した。 チェ・ジャヘ ナオコ フルネームはコバヤシナオコ。外務大臣の娘でトヤンの婚約者。自らも看護師の資格を持ち漢城病院にて働いていた。 朝鮮王室/開化派等 俳優 役名 作品中の設定等 チェ・ジョンファン 高宗 李氏朝鮮第26代国王、後大韓帝国初代皇帝。民衆が西洋医学による治療を受けられるよう済衆院を設立してアレンに運営を任せていた。 ソ・イスク 明成皇后 高宗の正室。アレンやホートンと親交があり高宗ともども済衆院を陰ながら支援した。27話でミウラの放った刺客により暗殺された。 チャン・ヒョンソン ミン・ヨンイク 明成皇后の甥。3話で甲申政変に巻き込まれて重傷を負いファン・ジョンとユ・ヒソに助け出され、後アレンの治療により生命をとりとめた。以後済衆院およびファン・ジョンの庇護者となった。 ユ・テウン キム・オッキュン 開化派のひとり。3話で甲申政変を起こして高宗夫妻を幽閉、ミン・ヨンイクを襲撃して重傷を負わせた。 キム・スンウク ホン・ヨンシク 開化派のひとり。キム・オッキュンと共に甲申政変を起こすが清国軍に殺害された。彼の家は後に済衆院の施設として利用される事となる。 イ・ジョンヨン イ・ヨンイク 親露反日派。高宗と王世子を王宮から脱出させロシア公使館へ移動させた。29話でトヤンとファン・ジョンの執刀により手術を受けている。 その他 以下は出演形態が明らかにされていないパク・ヨンス(朝鮮語版)を除き全てカメオ出演。 俳優 役名 作品中の設定等 チョン・ウォンジュ ソンナンの媒婆 イ・サンユン チ・ソギョン 李氏朝鮮に種痘法を伝えた人物。13話、14話に登場。 オ・ジホン 日本軍兵士 17話に登場。ミリョンたちが立ち寄った食堂の客。後述の清国軍兵士と争い大乱闘に発展する原因となった。 ユン・ソンホ 清国軍兵士 17話に登場。ミリョンたちが立ち寄った食堂の客。日本軍兵士と諍いを始め、そこから大乱闘が発生した。 パク・ノシク 皮膚病患者 19話に登場。 カン・ソンボム 皮膚病患者 19話に登場。 チョン・ジョンチョル 宝石の行商人 20話に登場。ファン・ジョンがソンナンにプロポーズをする際にこの行商人から指輪を購入した。 パク・ヨンス 兵曹判書 後述ヨンイの父。済衆院でヨンイが生命を絶った事でファン・ジョンを逆恨みし、食堂でファン・ジョンの父を手下に襲わせ死に至らしめた。後肺癌に罹患し30、31話でトヤンの執刀により手術を受けた。 イ・ジン ヨンイ 兵曹判書の娘。結核性胸膜炎を患い、吐血した事がきっかけで患者として済衆院にやってきた。ファン・ジョンが胸腔穿刺を行った事で生命を取り止めたが、見知らぬ男性に身を任せたので自分は穢れたと考え、病舎にて縊死した。22話、23話に登場。 キ・テヨン 左議政の息子でヨンイの婚約者。トヤンの成均館時代の同級生で病が篤くなったヨンイを済衆院に連れて行った。22話等に登場。 ソン・ヒョンジュ ホ・ウィ将軍 朝鮮独立軍のリーダー。日本との戦闘で銃弾を受け、ファン・ジョンの治療を受けた。34話に登場。

主要人物

俳優 役名 作品中の設定等
パク・ヨンウ
子供時代チャ・ジェドル
ソグンゲ/ファン・ジョン 漢字表記は小斤犬/黄丁(第24話以降は黄正。マダンゲの息子。本作品の主人公。
ヨン・ジョンフン
子供時代シン・ドンギ
ペク・トヤン 漢字表記は白途陽両班出身の儒学生ながら西洋医学に並々ならぬ関心を寄せる。ソンナンとは幼馴染。
ハン・ヘジン
子供時代ハム・ジェウン
ユ・ソンナン 漢字表記は柳錫蘭。通訳官ユ・ヒソの娘。英語を流暢に話す。医学を志し済衆院でシャペロン(患者の付添人)を務め、後正式な医生として医学を学び医師となった。

ファン・ジョン関連人物

俳優 役名 作品中の設定等
チャン・ハンソン マダンゲ ファン・ジョンの父親。
チャ・ファヨン ファン・ジョンの母 マダンゲの妻。結核性肋膜炎を患い、それがファン・ジョンが闇解体に手を染める理由となる。
チョン・ソギョン チャクテ/イ・グァク ファン・ジョンの親友。漢字表記は李癨。闇解体に手を染めたために追われる身となったファン・ジョンと運命を共にする。ファン・ジョンが済衆院に入学した際は門番として働くようになった。

ペク・トヤン関連人物

俳優 役名 作品中の設定等
ソ・インソク ペク・テヒョン トヤンの父親で刑曹判書。保守的な考えの持ち主でトヤンとは考えを異にしていた。甲申政変時、入宮したところ刺客に襲われ負傷。ファン・ジョンの手当の甲斐なく息を引き取った。
イ・ヒョジョン ペク・キュヒョン トヤンの叔父で済衆院の主事。ファン・ジョンがテヒョンを殺したと恨み、あの手この手でファン・ジョンを迫害しようとした。
クォン・ヘヒョ オ・チュンファン トヤンの成均館時代の師匠。後にトヤンの推薦で済衆院の主事となる。原理原則に厳しい姿勢を見せるが、当初はトヤンの側に肩入れしてファン・ジョンを毛嫌いしていた。
ユン・ギウォン ユン・ジェウク 漢字表記は尹在旭。トヤンの成均館時代からの同期で済衆院でも同期となる。身分が違うファン・ジョンを嫌うだけでなく、トヤンが両班ではないソンナンを愛する事も理解しない。後済衆院を退学し、高級クラブに勤務するようになった。
ウォン・ギジュン チョン捕校 トヤンの手下。トヤンが違法ながらファン・ジョンに命じた遺体解剖の証拠を消すためにファン・ジョンを殺そうと付け狙う。ファン・ジョンに生命を救われた事で改心し、秘密を守ったまま去っていく。

ユ・ソンナン関連人物

俳優 役名 作品中の設定等
キム・ガプス ユ・ヒソ ソンナンの父親で朝廷に仕える通訳官。外国人との交流関係が広い一方で牛肉を届けるマダンゲとも顔見知りであった。後抗日運動に参加、拷問を受けた末生命を落とした。
クム・ボラ ソンナンの母 ユ・ヒソの妻。ひとり娘のソンナンがトヤンと結婚する事を願っていたが、娘が医学を志すようになってからは文句を言いつつ応援するようになった。
ソ・ヘリン キム・マクセン ソンナンの母が結婚する際に共にユ家にやってきた侍女。ソンナンにとっては友人のような存在。27話でモンチョンと結婚。
キム・ギュジン チルポク ユ家の使用人。

済衆院

俳優 役名 作品中の設定等
ショーン・リチャード アレン 済衆院初代院長。ファン・ジョンを医学の道にいざなった張本人。
リッキー・キム ヘロン 済衆院2代目院長。原則を重視し当初はファン・ジョンに厳しかったが、後に彼の実力を認める。トヤンに対しても愛情から厳しく接していた。赤痢患者を診察中自らも感染し死去。
ファビアン エビスン 済衆院4代目院長。ファン・ジョンの実力を認め済衆院の教授に迎えた。
キャサリン・ベイリー ホートン 済衆院医師でソンナンの医学の師。王室とも親交があった。
ト・ギソク モンチョン 済衆院の釜焚き人。27話でマクセンと結婚。
ユ・ヘジョン パク小使 済衆院医女。未亡人となり婚家から追い出されて路上にいたところ、最初に出会ったキュヒョンに引き取られて済衆院にやってきた。
キム・テヒ ミリョン 済衆院医女。もともとは妓生だったがトヤンに惹かれて医女に転身した。後にファン・ジョンの医業上の協力者となっていった。
シン・ジス ナンラン ミリョンの侍女。ミリョンに伴って済衆院にやってきてからはマクセンのもとで下働きをしていた。キム・ドンの策略で済衆院を負われた後天然痘を患い、患者として戻ってきた。後医女として働くようになる。
ソン・ヨンギュ コ・ジャングン 漢字表記は高長根。もともとは画員だったが家族を養うため済衆院の医生試験を受験。集団実技で同じ組になった事でファン・ジョンと知り合う。入学後はファン・ジョンの親友となった。

漢城病院/日本

俳優 役名 作品中の設定等
カン・ナムギル ワタナベ フルネームは渡辺俊介。自らを「大日本帝国のヒポクラテス」と名乗る日本人医師。漢城病院設立後は院長に就任、済衆院を飛び出したトヤンをスカウトし一時勤務させていた。31話で自らが肺癌に罹患した事を知り、ファン・ジョンの執刀で手術を受けた
チョン・ギュス 日本公使 初代日本公使。済衆院を潰すためにワタナベを刺客として使ってきた。
キム・ビョンセ ミウラ 第2代日本公使。乙未事変/明成皇后暗殺事件の首謀者。
ソク・チニ スズキ ワタナベの元で働く看護師。
ユン・ソヒョン ハセガワ ワタナベの手先。朝鮮人医学生キム・ドン金敦)を名乗って済衆院に入り込み、ニトログリセリンによる爆発事件を起こす。ファン・ジョンに濡れ衣を着せるための工作を偶然目撃したナンランを解雇に追いやるが、天然痘患者として済衆院に連れてこられた彼女の指摘により事が露見した。
チェ・ジャヘ ナオコ フルネームはコバヤシナオコ。外務大臣の娘でトヤンの婚約者。自らも看護師の資格を持ち漢城病院にて働いていた。

朝鮮王室/開化派等

俳優 役名 作品中の設定等
チェ・ジョンファン 高宗 李氏朝鮮第26代国王、後大韓帝国初代皇帝。民衆が西洋医学による治療を受けられるよう済衆院を設立してアレンに運営を任せていた。
ソ・イスク 明成皇后 高宗の正室。アレンやホートンと親交があり高宗ともども済衆院を陰ながら支援した。27話でミウラの放った刺客により暗殺された。
チャン・ヒョンソン ミン・ヨンイク 明成皇后の甥。3話で甲申政変に巻き込まれて重傷を負いファン・ジョンとユ・ヒソに助け出され、後アレンの治療により生命をとりとめた。以後済衆院およびファン・ジョンの庇護者となった。
ユ・テウン キム・オッキュン 開化派のひとり。3話で甲申政変を起こして高宗夫妻を幽閉、ミン・ヨンイクを襲撃して重傷を負わせた。
キム・スンウク ホン・ヨンシク 開化派のひとり。キム・オッキュンと共に甲申政変を起こすが清国軍に殺害された。彼の家は後に済衆院の施設として利用される事となる。
イ・ジョンヨン イ・ヨンイク 親露反日派。高宗と王世子を王宮から脱出させロシア公使館へ移動させた。29話でトヤンとファン・ジョンの執刀により手術を受けている。

その他

以下は出演形態が明らかにされていないパク・ヨンス(朝鮮語版)を除き全てカメオ出演。

俳優 役名 作品中の設定等
チョン・ウォンジュ ソンナンの媒婆
イ・サンユン チ・ソギョン 李氏朝鮮に種痘法を伝えた人物。13話、14話に登場
オ・ジホン 日本軍兵士 17話に登場。ミリョンたちが立ち寄った食堂の客。後述の清国軍兵士と争い大乱闘に発展する原因となった
ユン・ソンホ 清国軍兵士 17話に登場。ミリョンたちが立ち寄った食堂の客。日本軍兵士と諍いを始め、そこから大乱闘が発生した
パク・ノシク 皮膚病患者 19話に登場
カン・ソンボム 皮膚病患者 19話に登場
チョン・ジョンチョル 宝石の行商人 20話に登場。ファン・ジョンがソンナンにプロポーズをする際にこの行商人から指輪を購入した
パク・ヨンス 兵曹判書 後述ヨンイの父。済衆院でヨンイが生命を絶った事でファン・ジョンを逆恨みし、食堂でファン・ジョンの父を手下に襲わせ死に至らしめた。後肺癌に罹患し30、31話でトヤンの執刀により手術を受けた
イ・ジン ヨンイ 兵曹判書の娘。結核性胸膜炎を患い、吐血した事がきっかけで患者として済衆院にやってきた。ファン・ジョンが胸腔穿刺を行った事で生命を取り止めたが、見知らぬ男性に身を任せたので自分は穢れたと考え、病舎にて縊死した。22話、23話に登場
キ・テヨン 左議政の息子でヨンイの婚約者。トヤンの成均館時代の同級生で病が篤くなったヨンイを済衆院に連れて行った。22話等に登場
ソン・ヒョンジュ ホ・ウィ将軍 朝鮮独立軍のリーダー。日本との戦闘で銃弾を受け、ファン・ジョンの治療を受けた。34話に登場

エピソード

エピソードは、個別に注釈がある場合を除きに基づく:

一覧を表示する 話数タイトル初回放送日 (SBS)視聴率 第1話2010年1月4日15.11884年、高宗治世下の李氏朝鮮。牛の屠畜・解体をして暮らすソグンゲは「神聖なもの」とされている牛刀を落としてしまい謹慎処分を受け、仕事ができなくなってしまった。重い病気を患う母を持ち、病院からも金がなければ治療ができないと宣告されていたソグンゲにとっては死活問題。見つかれば死刑になると知りながらも密屠畜に手を染める事に。同じころ成均館の学生であるペク・トヤンは儒学の書物ではなく西洋医学の本を耽読し師匠に叱責されていた。トヤンは医学を学ぼうと日本人医師ワタナベのもとに通っていたが、ワタナベは人体解剖を行う必要があるとトヤンに告げた。密屠畜の咎で捕らえたソグンゲにトヤンは生命を助ける代わりに死刑囚(ソグンゲの友人ユクソン)の遺体を解剖しろと迫る。キム・オッキュン、ホン・ヨンシクら開化派と共にお忍びで王宮外に出掛けた高宗は自らの手で西洋医学に基づいた病院を設立せねばと決心していた。 第2話2010年1月5日14.6報酬を片手にソグンゲは母を入院させているワタナベ病院へ向かったが一足遅く、母は亡くなったと聞かされ慟哭した。トヤンは西洋医学に夢中になっている事を成均館だけでなく父テヒョンからも非難される。成均館から放校処分を受け、医学書を父に燃やされた挙句勘当を言い渡されてしまった。山中から腹部に縫合跡のある遺体が見つかり、捕盗庁は大騒ぎになっていた。トヤンはチョン捕校に証拠隠滅のために一刻も早くソグンゲを殺害する事を指示。友人チャクテと共に逃亡していたソグンゲは偶然出会った両班とその従者から衣服と号牌を奪い、ふたりは号牌に記されていた「ファン・ジョン」「イ・グァク」を名乗る事となる。宣教師アレンからプレゼントされた花火を楽しむ通訳官の娘ユ・ソンナンがうめき声のする方向へ行くと、そこには追っ手に銃撃されて瀕死の重傷を負ったファン・ジョンがいた。 第3話2010年1月11日13.1ソンナンの家に運び込まれたファン・ジョンはアレンの手術を受けて一命を取り止めた。トヤンは日本で医学を学ぼうと決心したがキム・オッキュンは申し出を拒否、資金援助の依頼にユ・ヒソの家に行きそこでアレンに出会う。高宗の前で西洋風病院と医学校を設立すべきかで開化派とミン・ヨンイクらとの間で舌戦が起こる。開化派はヨンイクを排除しなければと考え、日本式病院の設立計画が頓挫し激怒している日本公使に助力を要請した。12月4日、甲申政変が勃発しヨンイクは襲撃されて重傷を負う。ヒソとファン・ジョンがヨンイクを救出し高宗のドイツ人外交顧問メレンドルフの家に運び込むが、アレンの到着前に朝鮮人医官たちが治療を始めてしまう。 第4話2010年1月12日14.8トヤンの必死の説得にもかかわらずテヒョンは王宮へ行ってしまった。アレンがメレンドルフの家に到着したが「洋鬼(西洋人)には渡せない」と抵抗する医官たちを、ファン・ジョンは自らの治療跡を示しながら説得する。ヨンイクの治療の最中にワタナベが刺客としてやってくるが、意図を見抜いたファン・ジョンがワタナベを牽制し事なきを得る。高宗夫妻の避難先景祐宮にやってきたテヒョンは開化派に斬られてしまい、父の身を案じてついてきたトヤンも腕に刀傷を負った。トヤンはイ・グァクの手を借りてテヒョンを救出するがアレンの到着前にテヒョンは危篤状態に。トヤンの叔父キュヒョンの懇願に負け、居合わせたファン・ジョンはテヒョンを治療しようとするが、傷の縫合中にテヒョンは息絶えてしまった。 第5話2010年1月18日14.2アレンを連れて戻ってきたトヤンは「父を殺した」とファン・ジョンを責め、殺人犯として捕盗庁に引き渡そうとする。その前にソンナンはファン・ジョンを逃がしたが、テヒョンの死に責任を感じていたファン・ジョンは一度は逃げたものの戻り、本屋で西洋医学の本を見て自らの治療が正しかったかを検証した。ソンナンに医療助手になる事を薦められたファン・ジョンはアレンの元に行く。アレンはファン・ジョンの申し出を一度は拒むが、献身的にヨンイクの看病をする彼の姿を見て翻意する。一方景祐宮ではキム・オッキュンらの反対にもかかわらず高宗夫妻が昌徳宮に帰ってしまい、開化派に動揺が走る。清国軍が政変に介入、ホン・ヨンシクは「開化を必ず成し遂げなければ」との言葉を残して殺害された。 第6話2010年1月19日14.5ファン・ジョンがアレンの医療助手になった事をしったトヤンは怒り狂い、チョン捕校に対し何が何でもファン・ジョンの生命を奪うようにと命じた。アレンのもとに高宗が視察に訪れたが、その最中にファン・ジョンはチョン捕校に殺されそうになる。イ・グァクが彼を救ったがその際にチョン捕校は頭部を強打し重体となってしまった。チョン捕校の心臓が手術中に止まってしまうが、ファン・ジョンはミン・ヨンイクの顔面麻痺治療に使われた電気療法器具をとっさに用いて蘇生させる。自分の生命を救ったのがファン・ジョンと知ったチョン捕校は、彼にまつわる秘密を胸に秘めたまま立ち去った。一部始終を見ていた高宗はアレンに「安連(アルリョン)」の朝鮮名を与え西洋式病院を彼に託すことにした。病院名も当初の「広恵院」から「済衆院」となる。 第7話2010年1月25日13.6開院当日の済衆院に人々がやってきた。「洋鬼は子供を取って食らう」という日本側が流したデマを信じ込んでしまった人々は院内に突入するが、アレンたちはすんでのところでトヤンに助けられた。ファン・ジョンはソンナンに「負担に感じるから自分を助けようとしないで」と告げる。患者が寄り付かない済衆院について「ワタナベを院長にしては」と高宗に申し入れる日本公使。一方済衆院に押し寄せた際に怪我をした人々の中に痔瘻を患うものがいた。アレンたちは危険を顧みず治療のため痔瘻患者の家に向かうが近所の男たちに捕らえられてしまった。「もし失敗した場合はアレンの手を潰す」という条件で手術が行われ、ファン・ジョンは身代わりに自らの手を差し出す。手術は終わったが患者が目覚めず失敗だと思い込んだ男たちが、臼の中のファン・ジョンの右手に杵を振り下ろす。 第8話2010年1月26日14.7振り下ろされた杵が直撃しファン・ジョンは苦痛に顔をゆがめるが、その時麻酔で眠っていた患者が目を覚ます。手術が成功したことが判明、以後人々はアレンへの偏見を捨て済衆院には治療を受けようと人々が訪れるようになった。済衆院の実務を司る主事としてペク・キュヒョンと成均館時代のトヤンの師オ・チュンファンが就任。ふたりはファン・ジョンを追い出しにかかり「医療助手を続けたければ医学堂の試験に合格しろ」と迫った。ファン・ジョンは仕事の合間を縫って受験勉強に励むが、ある患者を守るために殴りつけた患者の夫の恨みを買い無実の罪を着せられて牢に入れられてしまった。疑いはすぐに晴れて釈放されるが、試験会場の前に彼を待つ人物が。本物のファン・ジョンであった。 第9話2010年2月1日15.9窮地に追い込まれたファン・ジョンは替え玉受験で合格したら本物のファン・ジョンが入学し代わりに身分詐称の罪を見逃してもらう約束をし、試験会場へ向かった。アレンからシャペロン(患者の付添人)になる事を依頼されていたが自分が医師として通用するか試してみたかったソンナンは男装して受験。午後の解剖実技試験でソンナンが誤ってメスの刃を鈍らせたがファン・ジョンが右手のギプスを割り、動かない右手にメスをくくりつけて解剖を行う。同じ組になった画員出身のコ・ジャングンが詳細なスケッチをし実技では高得点を取れたが、キュヒョンが答案のひとつを抜き取ったためファン・ジョンはぎりぎりで不合格に。ファン・ジョンは済衆院から追い出されそうになり主事らにおいてもらえるよう懇願した。 第10話2010年2月2日15.5首席合格したソンナンは、ファン・ジョンを繰上合格させるためアレンにシャペロンへの就任を伝えた後再び男装して入学式に出席。入学辞退を申し出るが容姿を怪しんだキュヒョンに男装している事を見破られてしまう。不正受験は厳罰の対象だがミン・ヨンイクは全てを不問に付してファン・ジョンを繰上合格させるよう指示した。晴れて済衆院の医学生となったファン・ジョンだが、アレンが医療助手として特別扱いする事で他の医学生の嫉妬の対象となる。トヤンもまた、ファン・ジョンとソンナンが親しい様子なのに嫉妬しオ・チュンファンに財政難を理由にソンナンを解雇する事を進言。更にトヤンはファン・ジョンに、ソンナンが解雇されたのはファン・ジョンの繰上合格のためだと告げた。 第11話2010年2月8日13.9済衆院にアメリカ人の女性医師ホートンが着任。済衆院を訪れていた臨月の妊婦が逆子であると分かり、ホートンはソンナンが通訳として付き添う中帝王切開を行い母子を救い、医学生たちの婦人科医療への偏見を払拭した。高宗に謁見したホートンはソンナンが自らの助手として復帰できるよう依頼、高宗はこれを聞き入れソンナンは済衆院に戻ることができた。イ・グァクは近隣の家に肉を納めに来たファン・ジョンの父親と遭遇。驚いたイ・グァクはファン・ジョンが父親と会わないよう苦心する。医学生たちは交代でニトログリセリンの生成実験に取り組むが、ファン・ジョンの次に当番に当たっていたトヤンが実験室に入った途端、ハセガワが仕掛けた爆発物が爆発した。 第12話2010年2月9日14.5爆発音を聞いたファン・ジョンとソンナンは実験室の方へ向かう。実験室前で倒れていたユン・ジェウクからトヤンが中にいる事を告げられ、ファン・ジョンは危険を顧みず実験室に飛び込み炎の中からトヤンを救出した。トヤンの治療に使う薬を製薬室で探していたファン・ジョンは軟膏の残りがひとつもない事に気づく。実はキュヒョンが酒代のために済衆院の薬を妓楼に横流ししていた。ハセガワはファン・ジョンに濡れ衣を着せようとした際に偶然出くわしたナンランに薬物泥棒の汚名を着せ済衆院から追放させる。朝鮮中に天然痘が流行し、患者が生きたまま遺体と共に捨てられる現状を憂慮したアレンは生きている患者を済衆院に連れてくるよう医学生たちに指示。ファン・ジョンは年若い女性患者を連れてくるが、その患者はナンランであった。ハセガワの策略のためファン・ジョンは疑いをかけられるが、ナンランがハセガワの仕業だと苦しい息の下から証言する。 第13話2010年2月15日13.1ファン・ジョンはハセガワを角に追い詰めるものの捕らえる事はできなかった。ミリョンが妓生時代に妓楼でハセガワとワタナベが共にいた事を覚えており、爆破事件の背後にはワタナベがいる事が分かる。患者から祈祷代を稼ぎたい占い師たちの脅しに屈する事なく医学生たちは天然痘患者を済衆院に運び治療を続けるが、運搬中の膿疱粉がワタナベに指示されたハセガワらに強奪されてしまった。トヤンは牛痘ワクチンの生産を提案しアレンもこれに賛同。白丁の村に古い種痘場が残っており、そこで作業をすることとなった。イ・グァクは密屠畜犯として捕らえられると止めたが、ファン・ジョンは顔をマスクで覆った姿で白丁の村へ向かう。迎えに来たのはマダンゲであった。 第14話2010年2月16日14.3ファン・ジョンはマダンゲが足を怪我している事に心を痛め半ば無理矢理に軟膏を渡した。ソンナンもマダンゲの足を診ようとするがトヤンに制止される。牛痘菌を子牛に接種する作業は滞りなく終わったが、占い師たちが武器を持って種痘場に現れた。トヤンはファン・ジョンにソンナンと共に先に戻るよう指示するが、ふたりが逃げ帰る途中にファン・ジョンは白丁の村の長老に顔を見られてしまった。長老がファン・ジョンに思わず「ソグンゲ」と呼びかけた事がソンナンは気になり、戻った後もその話をしてファン・ジョンを困惑させる。牛痘ワクチンが完成し、多くの人が予防接種を受けた事により天然痘の流行は終息に向かっていった。 第15話2010年2月22日12.8ファン・ジョンは新しい軟膏を秘かにマダンゲに届けるが、帰り道でソンナンに出くわした。その後ファン・ジョンの出自を一瞬疑ったが善意で軟膏を届けただけだったと言ってソンナンは謝罪し、悩んだ末自らの出自を打ち明けようとしたファン・ジョンは何も言えなくなってしまう。イノシシに襲われた父子の手術で出血多量で父親が死亡。アレンは自分が止めるのも聞かずに傷を縫合し、遺族への謝罪もせず、更には輸血の実験でジェウクを危うく死なせかけたトヤンを「真の医師にはなれない」と厳しく叱責した。王妃の依頼でホートンとソンナンは宮殿の池でスケートを披露するが、突然氷が割れてソンナンが落ちてしまった。ファン・ジョンが駆けつけてソンナンを池から救出したがソンナンは息をしていない。ファン・ジョンは夢中で人工呼吸をする。 第16話2010年2月23日13.5ファン・ジョンがソンナンに人工呼吸をしているところにトヤンが現れる。診察室にソンナンを運んだ後男たちは廊下に出てくるが、その瞬間トヤンはファン・ジョンを拳で殴りつける。アレンとユ・ヒソは人工呼吸の事を伝えソンナンの生命を救うために行ったのだとトヤンに告げた。手吉備の動脈を切ったソンナンは出血多量で生死の境を彷徨っており輸血をすることに。血液型が適合したファン・ジョンが自らの血を提供した。輸血後ファン・ジョンは自らの出自への苦悩と医師になるチャンスを得た事への感謝を述べるが、その言葉をソンナンは全て聞いていた。その頃済衆院に新たなアメリカ人医師ヘロンが着任。腹痛を訴えるモンチョンをヘロンは急性虫垂炎と診断、開腹手術が行われる事となった。 第17話2010年3月1日13.3アレンは高宗の命令によりアメリカ国内に新設される公使館に赴任する事となった。これにともないヘロンが済衆院の第2代院長に就任。ソンナンは研修医になった時に必要だろうとファン・ジョンに聴診器を渡す。ファン・ジョンはソンナンが自分の正体を知っている事に気づくが、アメリカに旅立つアレンを見送った後ふたりでその事が明るみに出ないようにと祈った。日本軍兵士と清国軍兵士の乱闘で怪我人が出、ワタナベが看護師スズキと共に日本軍兵士の治療に訪れるが、そこでスズキがファン・ジョンを見かけてソグンゲであると気づく。ヘロンは「ファン・ジョンを引き続き」というアレンの推挙に反して新しい医療助手を選ぶことに決めたが、トヤンに対しても「両班としての意識が患者や同僚を苦しめるだろうから」と言い放ち助手就任を拒否。トヤンはヘロンの前で、両班の生命とも言える髷を切り落とし決意を表した。 第18話2010年3月2日14.2髷を切り落として両班意識との決別を表明したトヤンは医学生たちや患者への接し方が穏やかになり、雑用もすすんでこなすようになった。ヘロンはトヤンを医療助手に任じたが医学生たちは「髷を切れば助手になれるのか」と皮肉る。医学生たちは研修医となるための試験に先立ちヘロンから問診の課題を課せられるが、ファン・ジョンは患者の話を丁寧に聴くため期日までの目標の50人分の問診票を作成できず落第するかもしれないと告げられる。一方高宗のもとにある上奏文が届けられそれがもとで武器の密売買の容疑でユ・ヒソが拘束されてしまった。蔵から硫黄が見つかったためユ・ヒソは義禁府に引き渡されてしまう。その硫黄は皮膚病治療薬の材料としてアレンが注文したものであり、火薬の材料ではない事を証明するためにファン・ジョンはソンナンと共に夜道を自転車で走るが、道中盗賊に取り囲まれた。 第19話2010年3月8日14.4盗賊に追われたファン・ジョンとソンナンだがなんとか逃げ延び、避難先の洞窟で一夜を明かし皮膚病患者の元へ向かった。話を聞いた患者たちは快く協力を申し出る。一方トヤンは二人が行方不明の報を聞きモンチョンとイ・グァクに山の捜索を指示。そしてヘロンに硫黄の件で証言してもらえるよう説得するが拒否され、やむなく信書を偽造する。義禁府でユ・ヒソの尋問が始まった。患者の証言もファン・ジョンとソンナンが提出したアレンのメモも信用してもらえず形勢は悪い。その時トヤンがヘロンの偽の信書を提出しようやくユ・ヒソは釈放された。済衆院で結核性肋膜炎の患者が胸腔穿刺を受ける事になり、トヤンはファン・ジョンを見学に誘った。かつて自分の母親の生命を奪った結核性肋膜炎の治療法をファン・ジョンはこの時詳しく知る事となる。 第20話2010年3月9日14.4キュヒョンらの反対を押し切りトヤンはソンナンの家に請婚書を送り結婚を申し込む。格上の家からの申し込みは通常断ることが許されないが、ソンナンは両親に「今は結婚できない」と告げる。娘の悩みの深さを察したユ・ヒソはソンナンの目の前で請婚書を破り捨てた。ヘロンは信書偽造の真相を知ってトヤンに「またこのような事が起きたら容赦しない」と警告する。監査のため王妃の甥ミン・ヨンイクが済衆院を訪ねてきた。これまで行ってきた不正が明るみに出て2人の主事は杖刑に処せられる。ヨンイクは更にファン・ジョンにアレンからのアメリカ留学を誘う手紙を渡した。行商人から指輪を買ったファン・ジョンは勇気を出してソンナンに会いに行き、西洋式に片膝をついて指輪を渡し結婚を申し込む。研修医試験の結果が出てファン・ジョンが首席、トヤンは4位となった。首席合格者が手伝う事ができる白内障患者の公開手術の日、足の怪我を悪化させたマダンゲが済衆院にやってくる。 第21話2010年3月15日15.5白内障患者の公開手術はファン・ジョンが司会進行、ソンナンが通訳を務め無事成功した。人々に侮蔑の視線を投げかけられるマダンゲに気付いたイ・グァクは彼を帰そうとし、院内でファン・ジョンとも遭遇したマダンゲは事情を悟って帰ろうとするが引き留められて治療を受ける事となった。マダンゲの脚は壊死が進んでおり切断出術を受けなければ危険な状態であったがマダンゲは先は長くないと治療を拒否。ファン・ジョンは自分がマダンゲの息子ソグンゲである事を明かし家族の同意があることで手術を行う事を懇願した。偶然済衆院にミン・ヨンイクが現れた事もあり、ファン・ジョン=ソグンゲの処遇をめぐり会議が行われる。オ・チュンファンが擁護した事もあり追放処分だけで済む事となったファン・ジョンはマダンゲやイ・グァクと共に白丁の村へ戻っていく。 第22話2010年3月16日16.5ソンナンがファン・ジョンの一件を聞いて駆けつけたが一足遅く、彼は父親らとともに済衆院を発った後であった。白丁の村に戻ったファン・ジョン=ソグンゲは密屠畜の咎で村人たちから棒で殴られるが長老のとりなしにより助けられ、その後村でコレラ患者の治療を行いなくてはならない存在となっていった。そんなソグンゲのもとを訪れたワタナベは日本公使館の息のかかった病院へ彼を誘う。一方両親の反対にもかかわらずソンナンは済衆院に復帰し医学生たちの嫌がらせにも負けず学業や仕事に取り組んでいく。済物浦でコレラが大流行し医師・医学生たちが現地で寝泊まりしながら患者の治療や防疫に奔走する中、医師不在の済衆院に兵曹判書の娘ヨンイがやってくる。ヨンイは結核性肋膜炎を患い胸腔穿刺をすぐに行わないと生命が危険な状態であった。胸腔穿刺ができるヘロンとトヤンは済物浦におりすぐには戻れないため、ソンナンは白丁の村に戻ったソグンゲの元を訪ねていく。 第23話2010年3月22日14.0逮捕される危険を顧みずヨンイの治療にかけつけたソグンゲ。「男性は手術室に入るな」という強い要請もあり廊下でソグンゲが指示を出してソンナンが胸腔穿刺を行う事となったがソグンゲが窓から中の様子を伺う事さえも婚約者は許さない。オ・チュンファンが治療の妨げになるからと婚約者たちを連れ出してくれたがヨンイの気管に痰が入り呼吸困難を起こしてしまう。ソンナンの手に負える状態ではなくなったためソグンゲは約束を破り手術室に入りヨンイの治療を行う。ヨンイは一命を取り止めたものの自分の治療をしたのが男性だと覚えており婚約者以外の男性に身を任せて自分は穢れてしまったと敷地内で縊死した。この件が明るみに出た事で捕らえられたソグンゲは死刑を宣告される。 第24話2010年3月23日16.0ファン・ジョンとソグンゲが同一人物という事を知ったトヤンは捕盗庁を訪れ過去に人間の遺体を解剖した事があるかとソグンゲに問う。ソグンゲはこれに応え、いくら白丁でも友人の遺体を解剖する事は有り得ず、これを自分にさせたトヤンに復讐したいと思っていた事、そして西洋医学を学ぶ中でこの思いが薄れていった事を話す。「今はあなたの事が理解できる、たぶん私とあなたとはいい仲間になれたかもしれない」と残しトヤンは立ち去る。ユ・ヒソやソンナン、コ・ジャングン、そしてアメリカ人宣教師たちの助命嘆願にもかかわらずソグンゲの死刑執行が行われる事となった。しかしソグンゲは輿に乗せられ高宗の元に連れていかれロシア公使の白内障の手術を任された。無事手術を成功させたソグンゲは父マダンゲともども平民に引き上げられ、「正しく生きるように」と黄正(ファン・ジョン)の名を与えられた。 第25話2010年3月29日13.7済衆院に戻る事はできたもののファン・ジョンを見る医学生たちや一部患者たちの目は冷たい。ヘロンは「実力を付けなければ」と励まし診療時間表を手渡し、朝鮮人初の西洋医としてファン・ジョンはスタートを切った。マダンゲはユ・ヒソの元を訪れて息子とソンナンを別れさせると伝え、息子にもソンナンに近づかないよう伝える。娘ヨンイを自殺という形で失った兵曹判書はファン・ジョンを恨み、ソンナンを送って帰る途中のファン・ジョンを刺客に襲わせたが失敗、父親を今度は標的にする。ファン・ジョンはマダンゲと2人でクッパを食べに店を訪れたが、ファン・ジョンが離席した間にマダンゲは一般客を装った刺客に因縁を付けられ殴り殺されてしまった。 第26話2010年3月30日13.9過労から重病に罹患した状態でヘロンは結石患者の手術を行おうとしたが倒れてしまい、結局ファン・ジョンとトヤンの2人が手術を行い成功させた。国王の命令で別荘での療養に入ったヘロンだが容体が急変し、混濁する意識の中でトヤンをファン・ジョンと思い遺言を残し世を去った。ヘロンの言葉に衝撃を受けたトヤンは埋葬の場から黙って姿を消す。ヘロンの死から5年後、ファン・ジョンとソンナンは済衆院を卒業し医師として独り立ちしていた。ワタナベが設立した漢城病院の様子を見に行ったソンナンは、行方不明になっていたトヤンが日本に渡り東京帝国大学に留学していた事、そして留学を終えて同病院に勤務している事を知る。女官の治療のため王宮を訪れていた医師たちは偶然日本浪人たちの襲撃に遭遇した。 第27話2010年4月5日14.0王宮を襲撃した日本浪人たちは王妃はどこだと高宗を脅す。王妃は女官に変装してソンナンや女官たちと逃げようとしたが別の浪人の一群に捕まってしまう。ソンナンに「世子を頼む」と言い残し、皆殺しを避けるために王妃は自ら名乗り出て浪人に斬り殺された。妻を失った高宗は食事や薬を拒み衰弱していく。王妃殺害を受けて挑戦の民は義兵となり日本当局と戦うようになり、負傷した義兵たちが多数済衆院に運び込まれるようになった。院内の医師や医学生たちだけでは手が回らず各地の病院に応援要請をしたところ、漢城病院からトヤンがやってきた。 第28話2010年4月6日12.7トヤンが現れた事に済衆院の関係者たちは動揺するがトヤンは動じることなく患者たちを治療していく。院長のエビスンはまた済衆院で働かないかとトヤンを誘うがトヤンはこれをきっぱりと断る。親露派のイ・ヨンイクが高宗と世子をロシア公使館に脱出させる計画を立てる。父子は女官に変装し、病気になった女官たちを輿に乗せて病院に連れて行くふりをして王宮を出発した。この動きを察知していた日本当局が一行に前に立ちふさがるが感染をおそれて輿の中を詳しく調べずに通行許可を出し、ふたりは無事ロシア公使館に到着した。イ・ヨンイクが急病で済衆院を訪れ、X線撮影機のある漢城病院で検査をする事に。検査の結果胃穿孔による腹膜炎と判明しイ・ヨンイクはそのまま漢城病院で手術を受ける事となった。日本公使ミウラはワタナベに、イ・ヨンイクを殺してファン・ジョンが医療ミスで死なせたように見せかけろと指示する。 第29話2010年4月12日11.5トヤンの手術のスピーディーで洗練された様子にファン・ジョンは感心するが腹膜炎の手術を終えて下肢静脈瘤の手術に取り掛かった時、患者にかけた麻酔が切れかけてきた。再度麻酔をかける事を主張するトヤンに対して再麻酔で患者が死ぬかもしれないと反対意見を述べるファン・ジョン。結局再麻酔を行わずファン・ジョンは手術を成功させる。術後のイ・ヨンイクが使用する病室に、ミウラから暗殺を指示されたハセガワが爆薬をしかけるがトヤンが済衆院に避難させヨンイクは軽い怪我で済んだ。連日高宗に呼び出されるファン・ジョンに、エビスンもソンナンも「治療を優先しろ」と告げる。ファン・ジョンはその言葉を受け入れるが口唇裂患者の手術を始めようとした時またもや呼び出しがかかった。代わりに手術をする医師を募ったところ、婚約者のナオコと日本で挙式するため日本行きの船に乗る予定をキャンセルしたトヤンがやってきた。 第30話2010年4月13日11.7高宗のところから戻ってきたファン・ジョンはトヤンとソンナンが手術をしているところを目にする。一方結婚式をキャンセルされたナオコはふたりの様子を見て「ソンナンからの呼び出しが自分たちの結婚式よりも重要なのか」と激怒した。済衆院にアヘン中毒の男が来るが実はファン・ジョンの父の殺害犯のひとりであった。父親の死の背後に兵曹判書がいる事を聞き激怒したファン・ジョンは兵曹判書の家に行くが追い返された。トヤンも兵曹判書の家に行きマダンゲの件を問い質す。その際兵曹判書の様子がおかしいと感じたトヤンが漢城病院に連れて行き検査をすると末期の肺癌に罹患していると判明。トヤンの執刀で手術を受け病室で休む兵曹判書の元をファン・ジョンが訪れるが、謝罪を求めるファン・ジョンに対して兵曹判書は反省のそぶりすら見せない。 第31話2010年4月19日11.2 第32話2010年4月20日12.1 第33話2010年4月26日10.3 第34話2010年4月27日9.9 第35話2010年5月3日9.3 第36話(最終話)2010年5月4日9.9

話数タイトル初回放送日 (SBS)視聴率
第1話2010年1月4日15.1
1884年、高宗治世下の李氏朝鮮。牛の屠畜・解体をして暮らすソグンゲは「神聖なもの」とされている牛刀を落としてしまい謹慎処分を受け、仕事ができなくなってしまった。重い病気を患う母を持ち、病院からも金がなければ治療ができないと宣告されていたソグンゲにとっては死活問題。見つかれば死刑になると知りながらも密屠畜に手を染める事に。同じころ成均館の学生であるペク・トヤンは儒学の書物ではなく西洋医学の本を耽読し師匠に叱責されていた。トヤンは医学を学ぼうと日本人医師ワタナベのもとに通っていたが、ワタナベは人体解剖を行う必要があるとトヤンに告げた。密屠畜の咎で捕らえたソグンゲにトヤンは生命を助ける代わりに死刑囚(ソグンゲの友人ユクソン)の遺体を解剖しろと迫る。キム・オッキュン、ホン・ヨンシクら開化派と共にお忍びで王宮外に出掛けた高宗は自らの手で西洋医学に基づいた病院を設立せねばと決心していた。
第2話2010年1月5日14.6
報酬を片手にソグンゲは母を入院させているワタナベ病院へ向かったが一足遅く、母は亡くなったと聞かされ慟哭した。トヤンは西洋医学に夢中になっている事を成均館だけでなく父テヒョンからも非難される。成均館から放校処分を受け、医学書を父に燃やされた挙句勘当を言い渡されてしまった。山中から腹部に縫合跡のある遺体が見つかり、捕盗庁は大騒ぎになっていた。トヤンはチョン捕校に証拠隠滅のために一刻も早くソグンゲを殺害する事を指示。友人チャクテと共に逃亡していたソグンゲは偶然出会った両班とその従者から衣服と号牌を奪い、ふたりは号牌に記されていた「ファン・ジョン」「イ・グァク」を名乗る事となる。宣教師アレンからプレゼントされた花火を楽しむ通訳官の娘ユ・ソンナンがうめき声のする方向へ行くと、そこには追っ手に銃撃されて瀕死の重傷を負ったファン・ジョンがいた。
第3話2010年1月11日13.1
ソンナンの家に運び込まれたファン・ジョンはアレンの手術を受けて一命を取り止めた。トヤンは日本で医学を学ぼうと決心したがキム・オッキュンは申し出を拒否、資金援助の依頼にユ・ヒソの家に行きそこでアレンに出会う。高宗の前で西洋風病院と医学校を設立すべきかで開化派とミン・ヨンイクらとの間で舌戦が起こる。開化派はヨンイクを排除しなければと考え、日本式病院の設立計画が頓挫し激怒している日本公使に助力を要請した。12月4日、甲申政変が勃発しヨンイクは襲撃されて重傷を負う。ヒソとファン・ジョンがヨンイクを救出し高宗のドイツ人外交顧問メレンドルフの家に運び込むが、アレンの到着前に朝鮮人医官たちが治療を始めてしまう。
第4話2010年1月12日14.8
トヤンの必死の説得にもかかわらずテヒョンは王宮へ行ってしまった。アレンがメレンドルフの家に到着したが「洋鬼(西洋人)には渡せない」と抵抗する医官たちを、ファン・ジョンは自らの治療跡を示しながら説得する。ヨンイクの治療の最中にワタナベが刺客としてやってくるが、意図を見抜いたファン・ジョンがワタナベを牽制し事なきを得る。高宗夫妻の避難先景祐宮にやってきたテヒョンは開化派に斬られてしまい、父の身を案じてついてきたトヤンも腕に刀傷を負った。トヤンはイ・グァクの手を借りてテヒョンを救出するがアレンの到着前にテヒョンは危篤状態に。トヤンの叔父キュヒョンの懇願に負け、居合わせたファン・ジョンはテヒョンを治療しようとするが、傷の縫合中にテヒョンは息絶えてしまった。
第5話2010年1月18日14.2
アレンを連れて戻ってきたトヤンは「父を殺した」とファン・ジョンを責め、殺人犯として捕盗庁に引き渡そうとする。その前にソンナンはファン・ジョンを逃がしたが、テヒョンの死に責任を感じていたファン・ジョンは一度は逃げたものの戻り、本屋で西洋医学の本を見て自らの治療が正しかったかを検証した。ソンナンに医療助手になる事を薦められたファン・ジョンはアレンの元に行く。アレンはファン・ジョンの申し出を一度は拒むが、献身的にヨンイクの看病をする彼の姿を見て翻意する。一方景祐宮ではキム・オッキュンらの反対にもかかわらず高宗夫妻が昌徳宮に帰ってしまい、開化派に動揺が走る。清国軍が政変に介入、ホン・ヨンシクは「開化を必ず成し遂げなければ」との言葉を残して殺害された。
第6話2010年1月19日14.5
ファン・ジョンがアレンの医療助手になった事をしったトヤンは怒り狂い、チョン捕校に対し何が何でもファン・ジョンの生命を奪うようにと命じた。アレンのもとに高宗が視察に訪れたが、その最中にファン・ジョンはチョン捕校に殺されそうになる。イ・グァクが彼を救ったがその際にチョン捕校は頭部を強打し重体となってしまった。チョン捕校の心臓が手術中に止まってしまうが、ファン・ジョンはミン・ヨンイクの顔面麻痺治療に使われた電気療法器具をとっさに用いて蘇生させる。自分の生命を救ったのがファン・ジョンと知ったチョン捕校は、彼にまつわる秘密を胸に秘めたまま立ち去った。一部始終を見ていた高宗はアレンに「安連(アルリョン)」の朝鮮名を与え西洋式病院を彼に託すことにした。病院名も当初の「広恵院」から「済衆院」となる。
第7話2010年1月25日13.6
開院当日の済衆院に人々がやってきた。「洋鬼は子供を取って食らう」という日本側が流したデマを信じ込んでしまった人々は院内に突入するが、アレンたちはすんでのところでトヤンに助けられた。ファン・ジョンはソンナンに「負担に感じるから自分を助けようとしないで」と告げる。患者が寄り付かない済衆院について「ワタナベを院長にしては」と高宗に申し入れる日本公使。一方済衆院に押し寄せた際に怪我をした人々の中に痔瘻を患うものがいた。アレンたちは危険を顧みず治療のため痔瘻患者の家に向かうが近所の男たちに捕らえられてしまった。「もし失敗した場合はアレンの手を潰す」という条件で手術が行われ、ファン・ジョンは身代わりに自らの手を差し出す。手術は終わったが患者が目覚めず失敗だと思い込んだ男たちが、臼の中のファン・ジョンの右手に杵を振り下ろす。
第8話2010年1月26日14.7
振り下ろされた杵が直撃しファン・ジョンは苦痛に顔をゆがめるが、その時麻酔で眠っていた患者が目を覚ます。手術が成功したことが判明、以後人々はアレンへの偏見を捨て済衆院には治療を受けようと人々が訪れるようになった。済衆院の実務を司る主事としてペク・キュヒョンと成均館時代のトヤンの師オ・チュンファンが就任。ふたりはファン・ジョンを追い出しにかかり「医療助手を続けたければ医学堂の試験に合格しろ」と迫った。ファン・ジョンは仕事の合間を縫って受験勉強に励むが、ある患者を守るために殴りつけた患者の夫の恨みを買い無実の罪を着せられて牢に入れられてしまった。疑いはすぐに晴れて釈放されるが、試験会場の前に彼を待つ人物が。本物のファン・ジョンであった。
第9話2010年2月1日15.9
窮地に追い込まれたファン・ジョンは替え玉受験で合格したら本物のファン・ジョンが入学し代わりに身分詐称の罪を見逃してもらう約束をし、試験会場へ向かった。アレンからシャペロン(患者の付添人)になる事を依頼されていたが自分が医師として通用するか試してみたかったソンナンは男装して受験。午後の解剖実技試験でソンナンが誤ってメスの刃を鈍らせたがファン・ジョンが右手のギプスを割り、動かない右手にメスをくくりつけて解剖を行う。同じ組になった画員出身のコ・ジャングンが詳細なスケッチをし実技では高得点を取れたが、キュヒョンが答案のひとつを抜き取ったためファン・ジョンはぎりぎりで不合格に。ファン・ジョンは済衆院から追い出されそうになり主事らにおいてもらえるよう懇願した。
第10話2010年2月2日15.5
首席合格したソンナンは、ファン・ジョンを繰上合格させるためアレンにシャペロンへの就任を伝えた後再び男装して入学式に出席。入学辞退を申し出るが容姿を怪しんだキュヒョンに男装している事を見破られてしまう。不正受験は厳罰の対象だがミン・ヨンイクは全てを不問に付してファン・ジョンを繰上合格させるよう指示した。晴れて済衆院の医学生となったファン・ジョンだが、アレンが医療助手として特別扱いする事で他の医学生の嫉妬の対象となる。トヤンもまた、ファン・ジョンとソンナンが親しい様子なのに嫉妬しオ・チュンファンに財政難を理由にソンナンを解雇する事を進言。更にトヤンはファン・ジョンに、ソンナンが解雇されたのはファン・ジョンの繰上合格のためだと告げた。
第11話2010年2月8日13.9
済衆院にアメリカ人の女性医師ホートンが着任。済衆院を訪れていた臨月の妊婦が逆子であると分かり、ホートンはソンナンが通訳として付き添う中帝王切開を行い母子を救い、医学生たちの婦人科医療への偏見を払拭した。高宗に謁見したホートンはソンナンが自らの助手として復帰できるよう依頼、高宗はこれを聞き入れソンナンは済衆院に戻ることができた。イ・グァクは近隣の家に肉を納めに来たファン・ジョンの父親と遭遇。驚いたイ・グァクはファン・ジョンが父親と会わないよう苦心する。医学生たちは交代でニトログリセリンの生成実験に取り組むが、ファン・ジョンの次に当番に当たっていたトヤンが実験室に入った途端、ハセガワが仕掛けた爆発物が爆発した。
第12話2010年2月9日14.5
爆発音を聞いたファン・ジョンとソンナンは実験室の方へ向かう。実験室前で倒れていたユン・ジェウクからトヤンが中にいる事を告げられ、ファン・ジョンは危険を顧みず実験室に飛び込み炎の中からトヤンを救出した。トヤンの治療に使う薬を製薬室で探していたファン・ジョンは軟膏の残りがひとつもない事に気づく。実はキュヒョンが酒代のために済衆院の薬を妓楼に横流ししていた。ハセガワはファン・ジョンに濡れ衣を着せようとした際に偶然出くわしたナンランに薬物泥棒の汚名を着せ済衆院から追放させる。朝鮮中に天然痘が流行し、患者が生きたまま遺体と共に捨てられる現状を憂慮したアレンは生きている患者を済衆院に連れてくるよう医学生たちに指示。ファン・ジョンは年若い女性患者を連れてくるが、その患者はナンランであった。ハセガワの策略のためファン・ジョンは疑いをかけられるが、ナンランがハセガワの仕業だと苦しい息の下から証言する。
第13話2010年2月15日13.1
ファン・ジョンはハセガワを角に追い詰めるものの捕らえる事はできなかった。ミリョンが妓生時代に妓楼でハセガワとワタナベが共にいた事を覚えており、爆破事件の背後にはワタナベがいる事が分かる。患者から祈祷代を稼ぎたい占い師たちの脅しに屈する事なく医学生たちは天然痘患者を済衆院に運び治療を続けるが、運搬中の膿疱粉がワタナベに指示されたハセガワらに強奪されてしまった。トヤンは牛痘ワクチンの生産を提案しアレンもこれに賛同。白丁の村に古い種痘場が残っており、そこで作業をすることとなった。イ・グァクは密屠畜犯として捕らえられると止めたが、ファン・ジョンは顔をマスクで覆った姿で白丁の村へ向かう。迎えに来たのはマダンゲであった。
第14話2010年2月16日14.3
ファン・ジョンはマダンゲが足を怪我している事に心を痛め半ば無理矢理に軟膏を渡した。ソンナンもマダンゲの足を診ようとするがトヤンに制止される。牛痘菌を子牛に接種する作業は滞りなく終わったが、占い師たちが武器を持って種痘場に現れた。トヤンはファン・ジョンにソンナンと共に先に戻るよう指示するが、ふたりが逃げ帰る途中にファン・ジョンは白丁の村の長老に顔を見られてしまった。長老がファン・ジョンに思わず「ソグンゲ」と呼びかけた事がソンナンは気になり、戻った後もその話をしてファン・ジョンを困惑させる。牛痘ワクチンが完成し、多くの人が予防接種を受けた事により天然痘の流行は終息に向かっていった。
第15話2010年2月22日12.8
ファン・ジョンは新しい軟膏を秘かにマダンゲに届けるが、帰り道でソンナンに出くわした。その後ファン・ジョンの出自を一瞬疑ったが善意で軟膏を届けただけだったと言ってソンナンは謝罪し、悩んだ末自らの出自を打ち明けようとしたファン・ジョンは何も言えなくなってしまう。イノシシに襲われた父子の手術で出血多量で父親が死亡。アレンは自分が止めるのも聞かずに傷を縫合し、遺族への謝罪もせず、更には輸血の実験でジェウクを危うく死なせかけたトヤンを「真の医師にはなれない」と厳しく叱責した。王妃の依頼でホートンとソンナンは宮殿の池でスケートを披露するが、突然氷が割れてソンナンが落ちてしまった。ファン・ジョンが駆けつけてソンナンを池から救出したがソンナンは息をしていない。ファン・ジョンは夢中で人工呼吸をする。
第16話2010年2月23日13.5
ファン・ジョンがソンナンに人工呼吸をしているところにトヤンが現れる。診察室にソンナンを運んだ後男たちは廊下に出てくるが、その瞬間トヤンはファン・ジョンを拳で殴りつける。アレンとユ・ヒソは人工呼吸の事を伝えソンナンの生命を救うために行ったのだとトヤンに告げた。手吉備の動脈を切ったソンナンは出血多量で生死の境を彷徨っており輸血をすることに。血液型が適合したファン・ジョンが自らの血を提供した。輸血後ファン・ジョンは自らの出自への苦悩と医師になるチャンスを得た事への感謝を述べるが、その言葉をソンナンは全て聞いていた。その頃済衆院に新たなアメリカ人医師ヘロンが着任。腹痛を訴えるモンチョンをヘロンは急性虫垂炎と診断、開腹手術が行われる事となった。
第17話2010年3月1日13.3
アレンは高宗の命令によりアメリカ国内に新設される公使館に赴任する事となった。これにともないヘロンが済衆院の第2代院長に就任。ソンナンは研修医になった時に必要だろうとファン・ジョンに聴診器を渡す。ファン・ジョンはソンナンが自分の正体を知っている事に気づくが、アメリカに旅立つアレンを見送った後ふたりでその事が明るみに出ないようにと祈った。日本軍兵士と清国軍兵士の乱闘で怪我人が出、ワタナベが看護師スズキと共に日本軍兵士の治療に訪れるが、そこでスズキがファン・ジョンを見かけてソグンゲであると気づく。ヘロンは「ファン・ジョンを引き続き」というアレンの推挙に反して新しい医療助手を選ぶことに決めたが、トヤンに対しても「両班としての意識が患者や同僚を苦しめるだろうから」と言い放ち助手就任を拒否。トヤンはヘロンの前で、両班の生命とも言える髷を切り落とし決意を表した。
第18話2010年3月2日14.2
髷を切り落として両班意識との決別を表明したトヤンは医学生たちや患者への接し方が穏やかになり、雑用もすすんでこなすようになった。ヘロンはトヤンを医療助手に任じたが医学生たちは「髷を切れば助手になれるのか」と皮肉る。医学生たちは研修医となるための試験に先立ちヘロンから問診の課題を課せられるが、ファン・ジョンは患者の話を丁寧に聴くため期日までの目標の50人分の問診票を作成できず落第するかもしれないと告げられる。一方高宗のもとにある上奏文が届けられそれがもとで武器の密売買の容疑でユ・ヒソが拘束されてしまった。蔵から硫黄が見つかったためユ・ヒソは義禁府に引き渡されてしまう。その硫黄は皮膚病治療薬の材料としてアレンが注文したものであり、火薬の材料ではない事を証明するためにファン・ジョンはソンナンと共に夜道を自転車で走るが、道中盗賊に取り囲まれた。
第19話2010年3月8日14.4
盗賊に追われたファン・ジョンとソンナンだがなんとか逃げ延び、避難先の洞窟で一夜を明かし皮膚病患者の元へ向かった。話を聞いた患者たちは快く協力を申し出る。一方トヤンは二人が行方不明の報を聞きモンチョンとイ・グァクに山の捜索を指示。そしてヘロンに硫黄の件で証言してもらえるよう説得するが拒否され、やむなく信書を偽造する。義禁府でユ・ヒソの尋問が始まった。患者の証言もファン・ジョンとソンナンが提出したアレンのメモも信用してもらえず形勢は悪い。その時トヤンがヘロンの偽の信書を提出しようやくユ・ヒソは釈放された。済衆院で結核性肋膜炎の患者が胸腔穿刺を受ける事になり、トヤンはファン・ジョンを見学に誘った。かつて自分の母親の生命を奪った結核性肋膜炎の治療法をファン・ジョンはこの時詳しく知る事となる。
第20話2010年3月9日14.4
キュヒョンらの反対を押し切りトヤンはソンナンの家に請婚書を送り結婚を申し込む。格上の家からの申し込みは通常断ることが許されないが、ソンナンは両親に「今は結婚できない」と告げる。娘の悩みの深さを察したユ・ヒソはソンナンの目の前で請婚書を破り捨てた。ヘロンは信書偽造の真相を知ってトヤンに「またこのような事が起きたら容赦しない」と警告する。監査のため王妃の甥ミン・ヨンイクが済衆院を訪ねてきた。これまで行ってきた不正が明るみに出て2人の主事は杖刑に処せられる。ヨンイクは更にファン・ジョンにアレンからのアメリカ留学を誘う手紙を渡した。行商人から指輪を買ったファン・ジョンは勇気を出してソンナンに会いに行き、西洋式に片膝をついて指輪を渡し結婚を申し込む。研修医試験の結果が出てファン・ジョンが首席、トヤンは4位となった。首席合格者が手伝う事ができる白内障患者の公開手術の日、足の怪我を悪化させたマダンゲが済衆院にやってくる。
第21話2010年3月15日15.5
白内障患者の公開手術はファン・ジョンが司会進行、ソンナンが通訳を務め無事成功した。人々に侮蔑の視線を投げかけられるマダンゲに気付いたイ・グァクは彼を帰そうとし、院内でファン・ジョンとも遭遇したマダンゲは事情を悟って帰ろうとするが引き留められて治療を受ける事となった。マダンゲの脚は壊死が進んでおり切断出術を受けなければ危険な状態であったがマダンゲは先は長くないと治療を拒否。ファン・ジョンは自分がマダンゲの息子ソグンゲである事を明かし家族の同意があることで手術を行う事を懇願した。偶然済衆院にミン・ヨンイクが現れた事もあり、ファン・ジョン=ソグンゲの処遇をめぐり会議が行われる。オ・チュンファンが擁護した事もあり追放処分だけで済む事となったファン・ジョンはマダンゲやイ・グァクと共に白丁の村へ戻っていく。
第22話2010年3月16日16.5
ソンナンがファン・ジョンの一件を聞いて駆けつけたが一足遅く、彼は父親らとともに済衆院を発った後であった。白丁の村に戻ったファン・ジョン=ソグンゲは密屠畜の咎で村人たちから棒で殴られるが長老のとりなしにより助けられ、その後村でコレラ患者の治療を行いなくてはならない存在となっていった。そんなソグンゲのもとを訪れたワタナベは日本公使館の息のかかった病院へ彼を誘う。一方両親の反対にもかかわらずソンナンは済衆院に復帰し医学生たちの嫌がらせにも負けず学業や仕事に取り組んでいく。済物浦でコレラが大流行し医師・医学生たちが現地で寝泊まりしながら患者の治療や防疫に奔走する中、医師不在の済衆院に兵曹判書の娘ヨンイがやってくる。ヨンイは結核性肋膜炎を患い胸腔穿刺をすぐに行わないと生命が危険な状態であった。胸腔穿刺ができるヘロンとトヤンは済物浦におりすぐには戻れないため、ソンナンは白丁の村に戻ったソグンゲの元を訪ねていく。
第23話2010年3月22日14.0
逮捕される危険を顧みずヨンイの治療にかけつけたソグンゲ。「男性は手術室に入るな」という強い要請もあり廊下でソグンゲが指示を出してソンナンが胸腔穿刺を行う事となったがソグンゲが窓から中の様子を伺う事さえも婚約者は許さない。オ・チュンファンが治療の妨げになるからと婚約者たちを連れ出してくれたがヨンイの気管に痰が入り呼吸困難を起こしてしまう。ソンナンの手に負える状態ではなくなったためソグンゲは約束を破り手術室に入りヨンイの治療を行う。ヨンイは一命を取り止めたものの自分の治療をしたのが男性だと覚えており婚約者以外の男性に身を任せて自分は穢れてしまったと敷地内で縊死した。この件が明るみに出た事で捕らえられたソグンゲは死刑を宣告される。
第24話2010年3月23日16.0
ファン・ジョンとソグンゲが同一人物という事を知ったトヤンは捕盗庁を訪れ過去に人間の遺体を解剖した事があるかとソグンゲに問う。ソグンゲはこれに応え、いくら白丁でも友人の遺体を解剖する事は有り得ず、これを自分にさせたトヤンに復讐したいと思っていた事、そして西洋医学を学ぶ中でこの思いが薄れていった事を話す。「今はあなたの事が理解できる、たぶん私とあなたとはいい仲間になれたかもしれない」と残しトヤンは立ち去る。ユ・ヒソやソンナン、コ・ジャングン、そしてアメリカ人宣教師たちの助命嘆願にもかかわらずソグンゲの死刑執行が行われる事となった。しかしソグンゲは輿に乗せられ高宗の元に連れていかれロシア公使の白内障の手術を任された。無事手術を成功させたソグンゲは父マダンゲともども平民に引き上げられ、「正しく生きるように」と黄正(ファン・ジョン)の名を与えられた。
第25話2010年3月29日13.7
済衆院に戻る事はできたもののファン・ジョンを見る医学生たちや一部患者たちの目は冷たい。ヘロンは「実力を付けなければ」と励まし診療時間表を手渡し、朝鮮人初の西洋医としてファン・ジョンはスタートを切った。マダンゲはユ・ヒソの元を訪れて息子とソンナンを別れさせると伝え、息子にもソンナンに近づかないよう伝える。娘ヨンイを自殺という形で失った兵曹判書はファン・ジョンを恨み、ソンナンを送って帰る途中のファン・ジョンを刺客に襲わせたが失敗、父親を今度は標的にする。ファン・ジョンはマダンゲと2人でクッパを食べに店を訪れたが、ファン・ジョンが離席した間にマダンゲは一般客を装った刺客に因縁を付けられ殴り殺されてしまった。
第26話2010年3月30日13.9
過労から重病に罹患した状態でヘロンは結石患者の手術を行おうとしたが倒れてしまい、結局ファン・ジョンとトヤンの2人が手術を行い成功させた。国王の命令で別荘での療養に入ったヘロンだが容体が急変し、混濁する意識の中でトヤンをファン・ジョンと思い遺言を残し世を去った。ヘロンの言葉に衝撃を受けたトヤンは埋葬の場から黙って姿を消す。ヘロンの死から5年後、ファン・ジョンとソンナンは済衆院を卒業し医師として独り立ちしていた。ワタナベが設立した漢城病院の様子を見に行ったソンナンは、行方不明になっていたトヤンが日本に渡り東京帝国大学に留学していた事、そして留学を終えて同病院に勤務している事を知る。女官の治療のため王宮を訪れていた医師たちは偶然日本浪人たちの襲撃に遭遇した。
第27話2010年4月5日14.0
王宮を襲撃した日本浪人たちは王妃はどこだと高宗を脅す。王妃は女官に変装してソンナンや女官たちと逃げようとしたが別の浪人の一群に捕まってしまう。ソンナンに「世子を頼む」と言い残し、皆殺しを避けるために王妃は自ら名乗り出て浪人に斬り殺された。妻を失った高宗は食事や薬を拒み衰弱していく。王妃殺害を受けて挑戦の民は義兵となり日本当局と戦うようになり、負傷した義兵たちが多数済衆院に運び込まれるようになった。院内の医師や医学生たちだけでは手が回らず各地の病院に応援要請をしたところ、漢城病院からトヤンがやってきた。
第28話2010年4月6日12.7
トヤンが現れた事に済衆院の関係者たちは動揺するがトヤンは動じることなく患者たちを治療していく。院長のエビスンはまた済衆院で働かないかとトヤンを誘うがトヤンはこれをきっぱりと断る。親露派のイ・ヨンイクが高宗と世子をロシア公使館に脱出させる計画を立てる。父子は女官に変装し、病気になった女官たちを輿に乗せて病院に連れて行くふりをして王宮を出発した。この動きを察知していた日本当局が一行に前に立ちふさがるが感染をおそれて輿の中を詳しく調べずに通行許可を出し、ふたりは無事ロシア公使館に到着した。イ・ヨンイクが急病で済衆院を訪れ、X線撮影機のある漢城病院で検査をする事に。検査の結果胃穿孔による腹膜炎と判明しイ・ヨンイクはそのまま漢城病院で手術を受ける事となった。日本公使ミウラはワタナベに、イ・ヨンイクを殺してファン・ジョンが医療ミスで死なせたように見せかけろと指示する。
第29話2010年4月12日11.5
トヤンの手術のスピーディーで洗練された様子にファン・ジョンは感心するが腹膜炎の手術を終えて下肢静脈瘤の手術に取り掛かった時、患者にかけた麻酔が切れかけてきた。再度麻酔をかける事を主張するトヤンに対して再麻酔で患者が死ぬかもしれないと反対意見を述べるファン・ジョン。結局再麻酔を行わずファン・ジョンは手術を成功させる。術後のイ・ヨンイクが使用する病室に、ミウラから暗殺を指示されたハセガワが爆薬をしかけるがトヤンが済衆院に避難させヨンイクは軽い怪我で済んだ。連日高宗に呼び出されるファン・ジョンに、エビスンもソンナンも「治療を優先しろ」と告げる。ファン・ジョンはその言葉を受け入れるが口唇裂患者の手術を始めようとした時またもや呼び出しがかかった。代わりに手術をする医師を募ったところ、婚約者のナオコと日本で挙式するため日本行きの船に乗る予定をキャンセルしたトヤンがやってきた。
第30話2010年4月13日11.7
高宗のところから戻ってきたファン・ジョンはトヤンとソンナンが手術をしているところを目にする。一方結婚式をキャンセルされたナオコはふたりの様子を見て「ソンナンからの呼び出しが自分たちの結婚式よりも重要なのか」と激怒した。済衆院にアヘン中毒の男が来るが実はファン・ジョンの父の殺害犯のひとりであった。父親の死の背後に兵曹判書がいる事を聞き激怒したファン・ジョンは兵曹判書の家に行くが追い返された。トヤンも兵曹判書の家に行きマダンゲの件を問い質す。その際兵曹判書の様子がおかしいと感じたトヤンが漢城病院に連れて行き検査をすると末期の肺癌に罹患していると判明。トヤンの執刀で手術を受け病室で休む兵曹判書の元をファン・ジョンが訪れるが、謝罪を求めるファン・ジョンに対して兵曹判書は反省のそぶりすら見せない。
第31話2010年4月19日11.2
第32話2010年4月20日12.1
第33話2010年4月26日10.3
第34話2010年4月27日9.9
第35話2010年5月3日9.3
第36話(最終話)2010年5月4日9.9

音楽

済衆院OST
#タイトル作詞・作曲
1.「Title Prologue」V. A.
2.「カリョジン・アプム」(가려진 아픔)チョ・グァヌ朝鮮語版
3.「サルジャナ」(살잖아)チャン・ヘジン朝鮮語版
4.「恨月歌」(한월가)パク・ヨンウ
5.「ナ・パラム・クデ」(나 바람 그대)パク・テジン朝鮮語版
6.「サラギ・イロッコ」(사랑이 이렇게)ヤン・ウンソン
7.「ク・サラム」(그 사람)パク・サンウ朝鮮語版
8.「セッカマッケ」(새까맣게)チョン・ダンビ朝鮮語版
9.「ノヌン・オディエ」(너는 어디에)キム・イェスル
10.「セサゲ・チュンシメソ・ナルル・ウェチダ」(세상의 중심에서 나를 외치다)JUST朝鮮語版
11.「ノ・アニミョン」(너 아니면)チ・ソリョン
12.「恨月歌」(한월가)ソジン
13.「クァンヤ 1」(광야 1)V. A.
14.「Purity」V. A.
15.「Passion」V. A.
16.「ナビエ・チュム」(나비의 춤)V. A.
17.「ヒマンゲ・ナラ」(희망의 나라)V. A.
合計時間:

反応

1月4日に放送された第1話では15.1パーセント(AGBニールセン)を記録し、同時間帯で地上波3局中1位を記録したが、翌1月5日にはKBS制作の『ドラゴン桜〈韓国版〉』に追い抜かれ2位となった。1月4日に放送開始した4作品(『済衆院』、『ドラゴン桜』、『パスタ』、『星をとって(朝鮮語版)』)中唯一視聴率を下げている。3月に『パスタ』が放送終了してから視聴率は上昇し、3月16日放送の第22話では16.5パーセント(同)を記録したものの以後は視聴率は下がり続け、4月27日放送の第34話では10パーセントを切った。結局視聴率は回復することなく、5月4日放送の最終話では9.9パーセントを記録した。

低視聴率にもかかわらず作品そのものに対する評価は悪いものではなく、インターネットメディアOSEN(朝鮮語版)の記者ポン・ジュニョンによる視聴率低下を残念がるコメントがメディア上に登場。続いて夕刊紙アジア経済新聞(朝鮮語版)の記者コ・ジェワンは「しっかりとしたストーリー」を作り上げたイ・ギウォンと俳優陣の演技を評価する旨を記事中に記している。

4月になると脚本家のキム・スヒョンがTwitter上にてファンと語り合う最中に同作品を視聴している事を公表した。キム・スヒョンは作品中で用いられている衣装のカラフルさについては批判的ではあるものの脚本の出来を賞讃し、「何故このドラマをあまり見ないのですか?」と問いかけ、同作品への注目が少ない事への疑問を呈した。結局低視聴率のまま終了したが、放送終了翌日、毎日経済新聞記者のチン・ヒョンヒは「真情性(切ない情感の意)のこもったドラマ」と、同作品を評価する意見を記事中にて表明した。

受賞歴

2010年度SBS演技大賞では賞レースに絡む事は殆どなく、ユ・ソンナン役を演じたハン・ヘジンがプロデューサー賞を受賞したのみであった。

年度 部門 対象者 結果 出典
2010 SBS演技大賞 プロデューサー賞 ハン・ヘジン 受賞

韓国国外での放送
  • 日本 - 2010年5月16日よりCS局KNTVにて放送開始。
  • 香港 - 2011年3月14日より濟眾院のタイトルで、CS局有線電視系チャンネル有線娯楽台(中国語版)にて放送開始。
  • タイ - 2012年5月30日よりเจจุงวอน ตำนานแพทย์แห่งโชซอนのタイトルで、民放局チャンネル3にて放送開始。
関連商品
DVD・BD

韓国版DVD-BOXは2010年7月にSBSコンテンツハブから全2巻、日本版DVD-BOXは2010年9月から11月にかけてワーナー・ホーム・ビデオよりコレクターズ・ボックス版が全3巻で発売された。

CD

韓国版サウンドトラックCDは2010年1月、シクスティーンメディアより発売された。

文献