湯神くんには友達がいない
ジャンル:シチュエーション・コメディ,
舞台:高等学校,
漫画
作者:佐倉準,
出版社:小学館,
レーベル:少年サンデーコミックス,
発表期間:2012年,2013年,
巻数:全16巻,
話数:全81話,
以下はWikipediaより引用
要約
『湯神くんには友達がいない』(ゆがみくんにはともだちがいない)は、佐倉準による日本の漫画。『週刊少年サンデーS』(小学館)にて、2012年7月号から2013年11月号まで17話分連載した後、『週刊少年サンデー』(同社)に移籍し、2013年48号から2019年25号まで月イチで連載。
高等学校を舞台としたコメディ作品。クラスメイトから距離を置かれているものの、その状況を満喫している変わり者の高校生・湯神裕二と、内気な転校生・綿貫ちひろを始めとした周囲の人々の日常をコミカルに描いている。
本作は元々、どうしても彼女ができない少年の話として構想されたが、当時の担当編集者・坪内崇との打ち合わせの際に「別に彼女がいなくても楽しく生きていける」ということに作者が気付き、友達ができない高校生の話へと変更された。また、当初は全5回(コミックス1巻分)での連載を予定されていたが、徐々に読者の支持を集めたこともあり連載が継続されたという。
2015年2月18日、ドラマCD付き特別版の単行本が発売された。このドラマCDには、主人公の湯神が文化祭の出し物として古典落語の『時そば』と『ねずみ穴』を演じる姿と、周囲の人間模様が収められている。
あらすじ
上星(かみほし)市にある上星高校に転校して来た綿貫ちひろは、独りを好む変わり者の湯神裕二と出会う。湯神は野球部のエースという顔とは別に、偏屈で凝り性な性格のためクラスでは浮いた存在であるが、好きな落語のことに思いふけったり、自己研磨に努めたりと、ぼっち生活を満喫している。
一方、ちひろは内気な性格のため、中々クラスに溶け込むことができない。そんな中、湯神のマイペースな性格に振り回されたり、彼の率直な意見を受けて助けられたりしていく。さらには、湯神のことで頭を悩ませているという野球部の門田春樹や久住若奈、湯神に恋心を抱いているという藤沢梨緒らと出会い、徐々に新しい生活へと馴染んでいく。
やがて、夏になり湯神の縁日の亀を巡っての騒動、秋になり文化祭の演目を巡ってのトラブルや修学旅行での遭難騒ぎ、冬になり湯神とちひろの落語デートを巡っての騒動、ちひろの父のアメリカ転勤を巡っての騒動が起こるなど、慌ただしく時間は過ぎていく。
そして春を迎え3年生に進級すると、野球部と手芸部の新入部員に絡んだ騒動、天城高校の林山がちひろへの告白話をこじらせて湯神に挑戦状を突き付ける騒動、ちひろが湯神に絶交宣言をする騒動などが起こるが、そんな状況をよそに湯神のマイペースな日常は続いていく。
登場人物
担当声優は「サンデーCM劇場」、「落語ドラマCD版」共通のもの。
主要人物
湯神 裕二(ゆがみ ゆうじ)
声 - 内山昂輝
10月17日生まれ。AB型。176センチメートル / 65キログラム
本作の主人公。上星高校2年A組→3年A組。左利き。
友達を必要とせず、いつも一人を楽しんでいる偏屈な少年。野球部のエースで学業も成績優秀だが、マイペースで理屈っぽい性格と歯に衣着せぬ物言いのため、当人に悪気はないものの、クラスメイトや野球部の仲間にはやっかいな奴だと思われている。
努力家で常に自己研鑚に余念がなく、私生活の細部に至るまで入念に計画を立てて行動している。疑り深い割に根が明るく、ポジティブで突っ走り易い。人助けをすることを日課としている(徳を積めば、自身にその運が返ってくると考えているため)。
自身のこだわりや意思は強いが、相手にそれを押し付けることはない。
落語家・燦々亭平楽(さんさんてい へいらく)の大ファンで、校内でも常にウォークマンで彼の落語を聞いており、ひとたび落語の話題になると相手が誰であろうと夢中になって一方的に話し続ける。
自宅では夏の縁日屋台で入手した二匹のミドリガメ「亀坊・亀吉」を飼育しており、その生活環境を良くするためには労力を惜しみなく割く。好きな食べ物はカレーパン。趣味は落語や野球のほか、城巡りや囲碁・将棋、日曜大工、ボウリングなど。重原や岩木らの引退後は、野球部のキャプテンを務めている。
綿貫ちひろとの関係は、友人ではないがお互いの補完をし合う共生関係であると周囲には評されている。
綿貫 ちひろ(わたぬき ちひろ)
声 - 米澤円
6月20日生まれ。A型。160センチメートル / 48キログラム
本作のヒロイン。上星高校2年A組→3年A組。物語冒頭で湯神のクラスにやってきた転校生。転勤の多い家庭に育ったため、長く腰を落ち着けられるこの地に早く友達が欲しいと願っていた。優しく善良な女子だが、内気で要領が悪いため、日常生活は大抵上手くいっていない。
転入以来およそろくな目にあっておらず、友人関係の悩みも尽きないが、湯神曰く主体性がなく流され易い性格で、大抵のことは受け流して暮らしている。湯神が困っていれば助け船を出し、逆に湯神に助けられることもある。湯神と周囲の騒動に毎回巻き込まれつつも、一緒にいて楽な面もあるような、いいところもあるようなないような…と思っている。裕二の祖母と重なる部分も多い。
自身が湯神をどう思っているか振り返ったとき、湯神の周りに流されず、苦難にあっても自身の行動に後悔をしない様子に元気をもらっていたと気づいた。湯神の言葉の裏にある本当の意味をある程度通訳することができる唯一の人物である。
容姿は良く、作中でしばしば「かわいい」と言われる一方で「オーラがない」と評されるなど、やや地味めな印象のようである。趣味は羊毛フェルト作りと一人カラオケ。手芸部に入部したものの、先輩が全員卒業してしまい、ただ一人の部員兼部長となる。教師から廃部の可能性を示唆され、何とか新入生の野上栞や駒井を勧誘する。湯神共々、作中通してのガラケー継続利用者。
門田 春樹(かどた はるき)
声 - 阿部敦
8月27日生まれ。B型。165センチメートル / 54キログラム
上星高校1年E組→2年E組(体育祭の話で、緑組であることから)。
友人からは「モンちゃん」と呼ばれている(『湯神くんには友達がいない』3巻参照)。
野球部所属で、湯神とは少年野球時代からの付き合い。チームの誰もが湯神とバッテリーを組みたがらなかったため、白羽の矢が当たり、彼専用のキャッチャーとしてレギュラー入りしている。そのため湯神に対して頭が上がらずフォロー役を務めているが、その自由奔放ぶりに振り回されている苦労人。努力を厭わない湯神の野球に対する姿勢に多少尊敬の念はあるものの、迷惑を掛けられてばかりなので先輩としては全く敬っていない。湯神曰く「気がつくけど気は利かない」。
新学年となってからは新入部員の仁堂との対立が続いており、両派閥の主導権争いおよび正捕手の座を巡って何かと張り合っている。
湯神からは、自身の球は門田にしか取れない等、野球に関しては評価を得ている。
久住 若奈(くずみ わかな)
藤沢 梨緒 (ふじさわ りお)
7月8日生まれ。A型。167センチメートル。体重は不明。
上星高校2年D組→3年D組。放送部所属。1年生当時の体育祭準備で助けられた出来事を美化して湯神に恋をし、ラブレターを送ったものの、彼の性格を把握しておらず、ちひろや門田を巻き込む騒動に発展した。律儀で優しい美人だが、その反面、物事に真面目に取り組み過ぎる気難しい面もあり、時には周囲を引かせてしまうほどの剣幕を見せる。高校野球のファンだがスター選手ではなく、それを盛り立てるチームメイトも満遍なく応援したいというこだわりがあるらしく、熱のこもった応援を見せる。ちひろを誘い、同じホームセンターのビビホームでアルバイトをしている。交流を通して、彼女とは下の名前で呼び合い、自宅へ招き入れる間柄になっている。
上星高校
A組クラスメイト
※2年次・3年次、両年度共通
百瀬 香織(ももせ かおり)
木村(きむら)
八重樫 良太(やえがし りょうた)
野球部
城戸(きど)
岩木 実(いわき みのる)
重原 清(しげはら きよし)
横溝 慎太郎(よこみぞ しんたろう)
仁堂 拓馬(にどう たくま)
新年度より登場、野球部の1年生。通称「ニタク」。強肩強打で、ポジションはキャッチャーを始め複数こなせる。
自信過剰で思い込みの激しい性格。子供のころからの野球経験者で実力は確かなものの、過剰な自己アピールは欠かせない。入部早々から「下克上」「仲良しグループなんか必要ない」と称して1年部員を先導し、門田を始めとした2年部員とトラブルを起こして部内は一時険悪な雰囲気となった。中学時代のチームメイトには「人をランク付けして管理しようとする犬みたいなやつ」「器が小さい」と評されている。
部活以外での学校生活では、本性を隠して明るく爽やかに振る舞っており、相手に取り入る術に長けている。策を弄して門田に取り入ることに成功し、少なくとも表面上は普通の先輩後輩として接するようになった。湯神も籠絡しようとする過程で、ちひろが湯神の弱点であると考えて彼女に近づくが、ちひろの人柄に触れ、またちひろが湯神の言葉を好意的に解釈して伝えたため、逆に湯神を尊敬するようになった。
その他の生徒
財前 譲治(ざいぜん じょうじ)
清水 綾香(しみずあやか)
佐々木(ささき)、結城(ゆうき)、志村(しむら)、入江(いりえ)
馬場(ばば)
白井(しらい)、轟(とどろき)、矢田(やだ)、岸川(きしかわ)
教員
倖田(こうだ)
天城高校
林山 真咲(はやしやま まさき)
11月11日生まれ。O型。178センチメートル / 70キログラム
天城高校野球部のピッチャー。湯神らと同学年。繊細でやや神経質な性格。
小学校3年生の時、校長室の壷を割ってしまった際に一緒に遊んでいた湯神に罪をなすりつけ逃げ出したことに罪悪感を持ち、彼を少年野球に誘って何かと面倒を見ていた。当時もピッチャーを務めていたが、インフルエンザで休んでいた間にその座を湯神に奪われたため、長年の間ライバル視していた。ところがいざ再会を果たした時、当の湯神は林山の存在自体を覚えていなかった。
出会い以来、友好的に接し続けてくれたちひろに好意を抱いており、彼女の前に現れては挙動不審な態度を取るなどしていた。そんな中、ちひろの父親の転勤話を聞くと、彼女にも会えなくなると誤解した末に大声で告白する。さらに話はこじれて、ちひろを賭けて湯神と春季大会で勝負をすると息巻くも、優勝し周囲の人々から温かく迎えられるようになると心が満たされ、恋心もどこかへ行ってしまう。
現在は周囲からの評価が気になり、スランプに陥っている。
北条学院高校
南田 生斗(なんだ いくと)
湯神家
湯神 裕子(ゆがみ ゆうこ)
裕二の妹。中学1年生→2年生。通称「ゆっこ」「ゆっこちゃん」。
冷静でテンションの低さは兄、裕二に似ているが、友達付き合いはしっかりとしている。また裕二と違い勉強はあまり得意ではなく、特に数学は赤点の常連である。偏屈で凝り性な裕二の性格について諦めに近い感情で見ているが、友達からは優秀なお兄様を持っていると認識されている。裕二が自分を気遣ってちひろに引き合わせてくれたと解釈して嬉しそうに微笑むなど、なんだかんだで兄を慕っている様子。門田は兄の少年野球時代からの知り合いで、「ハルくん」と呼んでいる。門田の情報が原因で、ちひろを裕二の彼女と勘違いしたままである。アイスが好物で、見ると目を輝かせて喜ぶ一面も。
湯神 登代子(ゆがみ とよこ)
湯神 鈴音(ゆがみ すずね)
裕二の1歳年上となる、父方の従姉。高校3年生→大学生。通称「鈴ちゃん」「鈴姉ちゃん」。
幼少のころに裕二の世話を焼き過ぎて偏屈な性格を作り上げたことに責任を感じており、将来は子供の教育に関わる仕事に就きたいと考えている。明るい元気者を自認しているが、その一方で思い込みの激しさから周囲を振り回している。幼少期以降は遠方に暮らしていて九州弁を喋るが、大学進学のため上京し、再び頻繁に湯神家を訪れるようになる。大学での新生活に馴染めず孤独を感じており、一人を得意とする裕二から気分を紛らすコツを学び取ろうとするが彼のペースについて行けず、さらに「才能がない」と追い打ちをかけられる。その後、ちひろとの対話を通じて「ひとり焼肉」や「ひとりカラオケ」に目覚めている。猫好きだが、猫アレルギー気味。
湯神 裕一(ゆがみ ゆういち)
綿貫家
綿貫 康一(わたぬき こういち)
その他
燦々亭 平楽(さんさんてい へいらく)
古典落語を得意とする実力派の落語家。湯神の憧れの存在であり、作中にしばしば登場している。彼曰く落語において老若男女問わずさまざまな役を演じ分ける実力があり、役者としても一流である。師匠の桃屋三蔵とはかつては仲違いをしていたが、現在は解消された模様。
燦々亭 平太郎(さんさんてい へいたろう)
平楽の弟子で、新作落語を得意としている。上星高校へ招へいされて公演を行ったことがあるが、不得意とする古典落語の小噺を演じたため生徒達からの反応は芳しくなかった。後日、湯神とちひろの落語デートの際の公演では平楽とともに巧みな話術を見せている。
亀すくい屋の店主
晃(あきら)
用語
上星高等学校
上星市
書誌情報
- 佐倉準 『湯神くんには友達がいない』 小学館〈少年サンデーコミックス〉 全16巻
- 2012年11月21日発行(2012年11月16日発売)、ISBN 978-4-09-124020-0
- 2013年4月23日発行(2013年4月18日発売)、ISBN 978-4-09-124293-8
- 2013年10月23日発行(2013年10月18日発売)、ISBN 978-4-09-124478-9
- 2014年4月23日発行(2014年4月18日発売)、ISBN 978-4-09-124625-7
- 2014年9月28日発行(2014年9月23日発売)、ISBN 978-4-09-125107-7
- 2015年2月23日発行(2015年2月18日発売)、ISBN 978-4-09-125607-2
- 落語ドラマCD付き特別版、ISBN 978-4-09-159202-6
- 2015年7月22日発行(2015年7月17日発売)、ISBN 978-4-09-126197-7
- 2015年12月23日発行(2015年12月18日発売)、ISBN 978-4-09-126566-1
- 2016年5月23日発行(2016年5月18日発売)、ISBN 978-4-09-127159-4
- 2016年10月23日発行(2016年10月18日発売)、ISBN 978-4-09-127407-6
- 2017年4月23日発行(2017年4月18日発売)、ISBN 978-4-09-127561-5
- 2017年10月23日発行(2017年10月18日発売)、ISBN 978-4-09-127863-0
- 2018年4月23日発行(2018年4月18日発売)、ISBN 978-4-09-128241-5
- 2018年10月23日発行(2018年10月18日発売)、ISBN 978-4-09-128559-1
- 2019年4月23日発行(2019年4月18日発売)、ISBN 978-4-09-129137-0
- 2019年7月23日発行(2019年7月18日発売)、ISBN 978-4-09-129305-3
- 落語ドラマCD付き特別版、ISBN 978-4-09-159202-6