小説

漱石山房の冬


題材:夏目漱石,



以下はWikipediaより引用

要約

『漱石山房の冬』(そうせきさんぼうのふゆ)は芥川龍之介の短編小説(掌編小説)である。1923年(大正12年)1月に、『サンデー毎日』に掲載された。夏目漱石についての回想を綴った作品である。

芥川にはこのほかに、漱石を「さうしてその机の後、二枚重ねた座蒲団の上には、何処か獅子を想はせる、脊の低い半白の老人が、或は手紙の筆を走らせたり、或は唐本の詩集を飜えしたりしながら、端然と独り坐つてゐる」と描写した「漱石山房の秋」(1920年『大阪毎日新聞』)や、漱石の葬儀の時のことを書いた「葬儀記」(1917年『新思潮』)といった作品がある。

内容

漱石の家(漱石山房)を訪れた何度かの思い出が書かれる。漱石没後、M(漱石の娘と結婚した松岡譲)に案内されて、かつて訪れた部屋を見て感慨にふける。大学生時代の芥川がK(久米正雄)と最初に漱石を訪れた時、漱石は「自分はまだ生涯に三度しか万歳を唱へたことはない」という話をして、芥川らは部屋の寒さに震えていた。別の日には漱石から「文を売つて口を餬するのも好い。しかし買ふ方は商売である。それを一々註文通り、引き受けてゐてはたまるものではない。貧の為ならば兎に角も、慎むべきものは濫作である」という助言をうけたことが記される。漱石の没後、漱石山房を訪れた時に家族から、部屋の寒さに対して漱石が「京都あたりの茶人の家と比べて見給へ。天井は穴だらけになつてゐるが、兎に角僕の書斎は雄大だからね」と傲語していた話を聞く。「穴は今でも明いた儘である。」