火神を盗め
舞台:インド,
以下はWikipediaより引用
要約
『火神を盗め』(アグニをぬすめ)は、山田正紀による日本の小説。
概要
この小説は『謀殺のチェス・ゲーム』を発表した翌年に、同じ出版社で続けて書き下ろした作品である。何人もの諜報機関員が暗躍する国際謀略小説としての一面もあるが、凄腕のスパイですら潜入に失敗した警戒厳重な原子力発電所を、日本人サラリーマンたちが奇抜なアイディアをもって攻略する物語終盤のシーンが見所である。後に、左京景の作画による劇画も描かれた。
この作品を書くにあたって、山田はカンヅメになって執筆しなければならないことになったが、その際に出版社の廊下にカンヅメというはめになってしまったという。そんな状況に陥った理由の1つは、特注して作った原子力発電所の模型が大きすぎて、ホテルに持ち込めなかったということもあった。出版社の廊下に机を置いて仕事をし、夜は週刊誌の記者たちが編集室に泊まる時に使うベッドで寝るという生活が続き、そんな様子を各フロアの編集者たちが見物に来たという。
あらすじ
中国との国境に近い場所に造られたインドの原子力発電所・火神(アグニ)に爆弾が仕掛けられた。極右派のCIA破壊工作員たちによる暴走だったが、その秘密を知った日本のサラリーマン・工藤篤は、生命の危機にさらされる。自らの身を守るため、工藤は会社を巻き込み、爆弾を撤去する作戦を決行する。作戦に参加するのは、1人を除いて無能者の烙印を押された平凡なサラリーマンたち。CIAの諜報部員を敵に回して、荒事には不向きな素人たちが警戒厳重な原子力発電所へと潜入する危険な作戦が開始された!!
登場人物
亜紀商事
工藤 篤(くどう あつし)
斉藤(さいとう)
佐門字 公秀(さもんじ きみひで)
桂 正太(かつら しょうた)
仙田 徹三(せんだ てつぞう)
須永 洋一(すなが よういち)
工作員
用語
アグニ
軍の警備兵が常駐しているのみならず、触圧反応装置、高圧電流の流れる有刺鉄線の二重柵、音響捕獲機(サウンド・キャッチ)、対テロリスト・レーダーなどの最新機器により厳重な警戒がなされている。
亜紀商事(あきしょうじ)
フラワー・チルドレン
放射能探知装置(クローク・ダイル)
ランキーマ
古代、この地では火神・アグニが羅刹(ラークシャサ)と争ったという伝承が残されている。その争いは1年有余に及び、やがてアグニの発する炎によって、羅刹は猛烈に発汗し、ついには溶け崩れてしまった。ランキーマの岩塩層は、元は羅刹の死骸だという。この伝承はヒンズー教徒が岩塩層を勝ち取った歴史を暗喩しているというのが、神話学者の説。
アンチオ・エクスプレス
ポコモコ
単行本
- ノン・ノベル(新書) 1977年9月5日発売 ISBN 4-396-20065-X
- 文春文庫 1983年6月25日発売 ISBN 4-16-728403-0
- ハルキ文庫 1999年6月18日発売 ISBN 4-89456-535-8
劇画版
左京景作画による劇画作品。基本的なストーリーは原作と同じだが、結末が若干変更されている。
- ホームミステリーコミックス(集英社) 1993年2月発売 ISBN 4-8342-3052-X