烙印の紋章
以下はWikipediaより引用
要約
『烙印の紋章』(らくいんのもんしょう)は、杉原智則による日本のライトノベル。イラストは3が手掛けている。アスキー・メディアワークス(電撃文庫)より2008年5月から2012年10月まで刊行された。
あらすじ
かつて高度な知能を持つ竜と魔素による文明が栄えた世界。メフィウスとガーベラによる十年戦争が政略結婚によって和平が成立しようとしていた。
戦災孤児であった仮面の剣闘士オルバはメフィウス帝朝第一皇子ギル・メフィウスと瓜二つであったために、影武者としてガーベラ国第三王女ビリーナ・アウエルとの婚礼に赴くこととなる。
一方ガーベラの王女ビリーナは、婚姻による戦争終結を良しとせず、うつけと評されるギルを篭絡し自国に利をもたらそうと決意する。 そんな中、何者かが婚姻の儀を襲撃。影武者であるはずのオルバに首謀者であるリュカオンを討てと命じられ…
登場人物
オルバ/ギル・メフィウス
本作の主人公。戦災孤児。非常に人を食ったような態度の持ち主で、気に入らない人物に対しては容赦がない。短気なところもあるが指揮官としては基本的には冷静で、情報収集をしながら本から得た知識と独自の勘から敵側の手段を予測し逆用する。自身が気に入らないと感じた人物には相手も同じであることが多く、その面憎い手段や策略・態度には好き嫌いが激しいといったある種因果な性格の持ち主。剣腕に関しては周囲から地味と評価されるが国を挙げて行われる剣闘大会で優勝するほどの実力者。しかし、騎乗しての戦いは経験の少なさもあって不得手である。シークや他の者からは自然と人の上に立つ資質の持ち主と目されており、シークが感じる限りではオルバが何もしなくとも、行動を起こせば大事を成すように時勢が動く。
幼少時から読書が好きで特に戦記や偉人伝等を好んでいた。兄であるロアンに懐いており、幼馴染であるアリスとよく遊んでいたが兄が徴兵され、その戦で勝利した敵国のガーベラ軍に村が襲われるが同じガーベラ軍であるリュカオンに助けられる。しかし、逃走先の村にて今度は自国であるメフィウス軍のオーバリー将軍から襲撃を受け母は死にアリスは行方不明となる。その後はメフィウス内の都市に流れ着き、自身同様孤児である悪がき達のリーダーとなって窃盗などの犯罪を犯しながら数年間生活していたが、敵対チームの密告によって逮捕される。その際メフィウス第一皇子ギル・メフィウスに顔が似ていたために、よりギルに似せる呪いをかけた虎の仮面をつけられた上、剣奴隷に落とされた。このような経験から、メフィウスの上流階級や国そのものに対して憎しみを抱いている。16歳(1巻登場時)。ギル死亡後フェドムによって影武者となり、リュカオン討伐を皮切りに活躍し始める。
その後、アプター砦にてロアンの死を知らされると同時に、上に立つ者としての兵や人を数として捉える自身が嫌う思考になっていたことに自己嫌悪と矛盾を感じ、オーバリーに対する復讐を終えた後にそうした自己矛盾から逃れる為もあってギルとしての死を偽装して、シークの誘いによって傭兵となる。その後タウーリアの戦争を経て魔導士ガルダを倒したことにより「西方の英雄」となった。しかし直後に起こったメフィウスとの戦争によってタウーリアでの自分の存在意義や成すべきことを模索し始め、ビリーナが行方不明となったことを皮切りに半ば衝動的にギル・メフィウスへと戻ることを決意した。
作中では明確な表現描写は描かれていないものの、西方一の美姫と名高いエスメナが一目惚れをしたことからなかなかの美男子であることが伺える。基本的に自分のことも含めて恋愛感情には疎いが、ビリーナのことは苦手としているとともに、自分でも何かしらの特別な感情を抱いていることは自覚。
ビリーナ・アウエル
本作のヒロイン。ガーベラ国第三王女。14歳(1巻登場時)。ギル・メフィウスの婚約者。ガーベラでは有数の飛空艇乗りだった。5年前の謀反の際、9歳ながら交渉人として犯人と渡り合った。あまり男女の機微や知略に明るくはないが、かなりの胆力と誇りの持ち主であり、負けず嫌いながらも怒ることはあまりない。騎士の国らしく率直な言動を好み、手の内を明かさないオルバに対して不満をよく漏らしているが、その大胆な手腕を好んでもいる。後に、皇太子近衛隊に飛空艇の扱いを教えるようになり、その負けん気から戦争に自身も何らかの役に立とうとする。婚約当初はよくオルバと反発しあっていたが、次第に互いを認め合うようになり、よきパートナーになりつつあった。
オルバの偽装死後しばらくは茫然自失していたが、ギルの死の真相を確かめるためにランと探索に出るも発見は叶わなかった。その後、メフィウスのタウラン侵攻では、自らが戦場へ赴き、メフィウス側の侵攻を止めようとしたが戦争の最中行方不明に。周辺の村落によってその命を救われるが、そこを刺客により命を狙われた。その際にメフィウス帰還時のオルバに救われ、メフィウスへ戻る。
オルバによるメフィウス領内での内紛中、ガーベラからビリーナ奪還を名目にメフィウス領に侵入したサラマンド・フォーゲルをグール皇帝より借り受けたメフィウス兵を引き連れ撃退するも、狙撃を受けた際の騒動によりガーベラ領内へ運び込まれる。
ホゥ・ラン
元タルカス剣闘会の竜丁。非常にマイペースな人物であり、誰に対しても殆ど態度を変えない。自分や人間のことよりも基本的に竜の事を優先する。奴隷ではなく、竜が好きという理由で剣闘会に所属していた。容姿はよく、襲われかけていたところをオルバが助けたことからの付き合い。竜神信仰の遊牧民の出身で、文字の読み書きはできない。本人曰く竜の<声>を聞くことができ、その異才のおかげで常識ではありえないほどの竜の統率や調練を行うことが可能。リュカオン討伐後には皇太子近衛隊付の竜丁となる。オルバがギルの影武者であることを知る数少ない人物で、オルバとはある種の信頼関係を結び、過去にはビリーナが嫉妬をしたこともある。容姿やその異能に関し、ラバン・ドゥに聞かされた史実に関する奇妙な符号をオルバは気にしていた。
ゴーウェン
シーク・エイランド
元タルカス剣闘会の剣闘士で双剣使い。美形で変装ができるほど化粧が得意。飄々とした性格で、女性の扱いはうまいが彼曰く「考えが分かりやすい」ことから基本的に女性は好きではない。リュカオン討伐後に皇太子近衛隊に取り立てられる。彼の母曰く古代帝国の末裔であり、彼自身もそれを自称している。プライドが高く過去に執着していた母に様々な教育を受けたが、自身は母が願うほどの器ではないという悟りもあって複雑な感情を母に対して持っている。顔を傷つけられることを嫌い、傷をつけられると激昂する。オルバを剣闘士時代から非常に気に入っており、自身の夢を預けられる人物という見込みもあって嬉々としてそのサポートに回っている。その延長で例外的にビリーナ王女のことも多少気に入っているようである。
オルバがギルの影武者であることを知っており、幾度となく彼の窮地を救ってきたが、メフィウス帰還後のピラク侵攻中、戦死。
大陸中央部
メフィウス帝朝
皇族
グール・メフィウス
ギル・メフィウス
イネーリ・メフィウス
メリッサの連れ子の一人。長女。16歳(1巻登場時)。グールに気に入れられていることもあって、我儘でプライドが高く目立ちたがりな性格。人の中心にいなければ気が済まずビリーナに対して対抗心を持っており、意地の悪い言動を行う。ギルに対して偽物ではないかという疑念を抱くようになり、オルバの精神状態と相まってのボロから疑念を確信へと変える。同時、その際に彼の放った暴言により深い敵意と執着を抱く。
偽者であることを暴露し、謀反騒ぎとオルバによって傷つけられたプライドを回復しようとするが、彼の偽装死により叶わなかった。初恋は家庭教師、結婚適齢期を迎えているが自身にその気はなく、自己顕示欲の強さゆえ将来自分は歴史に名を残す人物だと思っている。オルバ帰還後からは、後宮などを中心に行動を起こす。
貴族など
シモン・ロドルーム
オーバリー・ビラン
フェドム・オーリン
ユライア・マッター
ザース・シディウス
フォルカー・バラン
ウォルト
レイモン・ピースラウ
タルカス剣闘会
ギリアム
その他
ロアン
アリス
ローン・ジェイス
パーシル
ライラ・ジェイス
アルナック
ガーベラ王国
ジオルグ・アウエル
ゼノン・アウエル
ノウェ・サウザンテス
リュカオン
エンデ公国
ジェレミイ・アマン・ドーリア
エリック・ル・ドーリア
タウラン地域
タウーリア
アークス・バズガン
タウーリア太守。良くも悪くも単純な性格であり、高いプライドと短気の持ち主であるが切り替えは早く、領民のほとんどから慕われている。その昔、タウラン地方を治めていたヤッシュ・バズガンの子孫であるため、ゼル・タウラン国王を名乗りタウラン地方の諸国もやがては自身の統治国となると信じている。古代魔法王朝の玉璽ともいわれる軍配(その柄には竜神の爪と呼ばれる水晶)を常に腰に下げており、アプターでの戦いに敗れた折にはその軍配をギル(オルバ)に奪われメフィウスとの同盟を承諾させられた。その後、軍配はギル(オルバ)から友好の証としてエスメナ・バズガンの手を経由して返還された。ギル(オルバ)に対して敗戦直後は恨み骨髄であったが、和睦後はその手腕を認めてエスメナとの婚姻を視野に入れるなど気持ちを切り替えた。
ラバン・ドゥ
エスメナ・バズガン
ラスワン・バズガン
ボーワン・テドス
ヘリオ
スルール・ワイリム
ゼル・イリアス
ガルダ
カダイン
設定・用語
魔素(エーテル)
バーダイン教
国家
メフィウス帝朝
奴隷制度があり、奴隷同士を戦わせる剣闘技が盛ん。
ソロン
『黒の塔』地下には竜神を奉る竜神廟がある。
聖臨の谷
イドロ
アプター
ビラク
ネダイン
ガーベラ国
ザイム砦
エンデ公国
タウラン地域
タウーリア
ゼル・イリアス
ヘリオ
チェリク
エイメン
カダイン
ラケキシュ
フグリム
アルタク
大陸東方部
アリオン
聖ディティアーヌ同盟
その他
ゾンガー
ザビニア
バロール
リーブラ
サリサ
リャリド
既刊一覧
- 杉原智則(著) / 3(イラスト)、アスキー・メディアワークス〈電撃文庫〉、全12巻
- 『烙印の紋章 たそがれの星に竜は吠える』2008年5月10日初版発行(同日発売)、ISBN 978-4-04-867063-0
- 『烙印の紋章II 陰謀の都を竜は駆ける』2008年11月10日初版発行(同日発売)、ISBN 978-4-04-867347-1
- 『烙印の紋章III 竜の翼に天は翳ろう』2009年4月10日初版発行(同日発売)、ISBN 978-40-4-867767-7
- 『烙印の紋章IV 竜よ、復讐の爪牙を振るえ』2009年8月10日初版発行(同日発売)、ISBN 978-40-4-867942-8
- 『烙印の紋章V そして竜は荒野に降り立つ』2010年3月10日初版発行(同日発売)、ISBN 978-40-4-868398-2
- 『烙印の紋章VI いにしえの宮に竜はめざめる』2010年7月10日初版発行(同日発売)、ISBN 978-40-4-868653-2
- 『烙印の紋章 VII 愚者たちの挽歌よ、竜に届け』2010年12月10日初版発行(同日発売)、ISBN 978-4-04-870135-8
- 『烙印の紋章 VIII 竜は獅子を喰らいて転生す』2011年4月10日初版発行(同日発売)、ISBN 978-4-04-870424-3
- 『烙印の紋章 IX 征野に竜の慟哭吹きすさぶ』2011年9月10日初版発行(同日発売)、ISBN 978-4-04-870808-1
- 『烙印の紋章 X 竜の雌伏を風は嘆いて』2012年1月7日初版発行(同日発売)、ISBN 978-4-04-886248-6
- 『烙印の紋章 XI あかつきの空を竜は翔ける(上)』 2012年6月8日初版発行(同日発売)、ISBN 978-4-04-886248-6
- 『烙印の紋章 XI あかつきの空を竜は翔ける(下)』2012年10月10日初版発行(同日発売)、ISBN 978-4-04-886983-6
- 『烙印の紋章 たそがれの星に竜は吠える』2008年5月10日初版発行(同日発売)、ISBN 978-4-04-867063-0
- 『烙印の紋章II 陰謀の都を竜は駆ける』2008年11月10日初版発行(同日発売)、ISBN 978-4-04-867347-1
- 『烙印の紋章III 竜の翼に天は翳ろう』2009年4月10日初版発行(同日発売)、ISBN 978-40-4-867767-7
- 『烙印の紋章IV 竜よ、復讐の爪牙を振るえ』2009年8月10日初版発行(同日発売)、ISBN 978-40-4-867942-8
- 『烙印の紋章V そして竜は荒野に降り立つ』2010年3月10日初版発行(同日発売)、ISBN 978-40-4-868398-2
- 『烙印の紋章VI いにしえの宮に竜はめざめる』2010年7月10日初版発行(同日発売)、ISBN 978-40-4-868653-2
- 『烙印の紋章 VII 愚者たちの挽歌よ、竜に届け』2010年12月10日初版発行(同日発売)、ISBN 978-4-04-870135-8
- 『烙印の紋章 VIII 竜は獅子を喰らいて転生す』2011年4月10日初版発行(同日発売)、ISBN 978-4-04-870424-3
- 『烙印の紋章 IX 征野に竜の慟哭吹きすさぶ』2011年9月10日初版発行(同日発売)、ISBN 978-4-04-870808-1
- 『烙印の紋章 X 竜の雌伏を風は嘆いて』2012年1月7日初版発行(同日発売)、ISBN 978-4-04-886248-6
- 『烙印の紋章 XI あかつきの空を竜は翔ける(上)』 2012年6月8日初版発行(同日発売)、ISBN 978-4-04-886248-6
- 『烙印の紋章 XI あかつきの空を竜は翔ける(下)』2012年10月10日初版発行(同日発売)、ISBN 978-4-04-886983-6
コラボレーション
カプコンのオンラインシミュレーションRPG『百年戦記 ユーロ・ヒストリア』と電撃文庫がコラボレーションキャンペーンを行い、その第3弾として2014年4月10日から4月24日にかけてイベントクエスト“鉄と鳥の王女”が開催され、ビリーナ姫が作中に登場し、イベントクエストをクリアすると固有スキルを持つ英雄“勝気なガーベラの姫 ビリーナ(晩成型)”、限定支援兵“電撃兵”が入手できた。