煉獄姫
小説
著者:藤原祐,
出版社:アスキー・メディアワークス,
レーベル:電撃文庫,
巻数:全6巻,
以下はWikipediaより引用
要約
『煉獄姫』(れんごくひめ)は、藤原祐による日本のライトノベル。イラストはkaya8が担当。2010年8月から2013年1月にかけて電撃文庫より刊行された。作者初のファンタジー小説で、同じく電撃文庫より刊行されている小説「@HOME」と同時進行で執筆された。なお作品中には暴力的な表現、グロテスクな表現、残虐な表現が含まれる。
ストーリー
現世と、現世より一つ下の階層に存在する別世界『煉獄』とを繋ぐ「扉」から漏れ出す毒素を練り上げる業「煉術」により発展してきた瑩国。瑩国非公式王女アルテミシアとその従者フォグは、煉術を自在に操る煉術師として、瑩国を揺るがさんとする敵に立ち向かうため、国王より密命を受け陰謀と策略が渦巻く都市「匍都(ハイト)」に繰り出すのであった。
登場人物
主要人物
アルテミシア=パロ=ラエ(アルト)
本作の主人公。15歳の少女。銀色長髪。本来の瑩国第一王女。通称「煉獄姫」。フォグやイオは、本来のあだ名である「ミーシャ」ではなく、公式には死んだこととされているので街中で話しても彼女の存在がバレないようにするためにイオが名付けた「アルト」という変わったあだ名で呼ぶ。アルト本人も気に入っている。
生まれた時から体の内に煉獄へと繋がる扉を持つという特異体質。その扉から漏れ出る毒気は彼女に近づく大抵の生物の生命を蝕むため、幼い頃より先代王女の慰霊塔の内部に存在する地下牢に幽閉されている。しかし公式には誕生と同時に母親である先代王妃と共に死んだ事にされており、その事実を知る者はごく一部。
自身の特異体質から、高度の煉術を自在に操ることが可能で、フォグと共に国の秘密兵器的存在として王や議会の命を受け、「お仕事」として対煉術師戦闘などの国の治安維持戦闘に駆り出される。彼女自身は作戦を成功させる事で父である国王に褒めてもらう事を望んでおり戦闘の為に外に出る事をむしろ楽しみにしている。
普段はフォグやイオ以外の人間とは接触せず、「お仕事」以外では外に出る事はない。そのせいで外の世界や世間について知識や認識が無く、世話をしてくれる二人や父以外の他人の事も認識しない為戦闘行為により人間を殺す事も躊躇しない。
フォグ
外見16,17歳の少年。アルトに仕える騎士兼世話係。彼女と共に実務上王属軍に所属しており、国王やリチャードの命があれば治安維持作戦に出動させられる。彼自身はアルトが国の議員達の権力争いの道具として便利な兵器として使われる事は避けようとしている。
アルトが常時発散する高濃度の煉獄の毒素にも耐えられる特異体質という事になっているが、その正体は天才科学者ローレンの手で「煉禁術」により生み出された一番目の人造人間(『第一円(カイナ)』)、通称「ローレンの雛」である。故に「煉術や煉気を喰らい糧にする」という超人的能力を持つ。戦闘の際には同じく煉禁術によって生み出された「アイリスの魔剣」の一つである「アイリスの16番」と呼ばれる短剣を操る。この短剣には2巻にてトリエラより「グラフの数珠」が組み込まれ、それを発動させる事で高出力の煉気を生みだし、彼はそれを喰らう事でより超人的な身体的能力を発揮する。
イオ=テリーヌ
王宮で働く侍女(メイド)。24歳。緑がかった茶髪。
表向きは先代王妃の慰霊塔の管理人、実態はその塔の地下内部に住まうアルトの世話係。生まれつき煉獄の毒気に対する耐性が強かった事もありこの役目を担っているが、それは同時に王家の重大な秘密を知る事であり、一生国の監視下に置かれる事を意味している。しかし初対面でアルトに魅了された彼女はこの仕事を天職だと思っており、むしろ好んで従事している。最初の頃の苦労のすえアルトの心をつかむにいたり、今ではアルトにとって父とフォグ以外では唯一の友人である。ただしいくら彼女でも高濃度の毒気を出し続けるアルトに触れる事はできず、そのせいでやきもちする事が多い一方、唯一それができるフォグの事をうらやましくも思っている。
トリエラ=メーヴ
国立の煉術研究機関、通称「辺獄院(リンボ)」に勤める女性研究者。21歳。蜂蜜色の髪を後ろでまとめている。美人ではあるが研究第一で外見やおしゃれに気を使うことはしない。辺獄院の中でも5本の指に入る優秀な研究者で、フォグも煉術関連の調査では彼女を頼り、お互いある程度親しい仲であった。彼の短剣に「グラフの数珠」を組み込んだのも彼女である。
イパーシとは同郷の幼馴染であり、二人が匍都に出稼ぎに出た際に離ればなれになっていたが、擬似人造人間化した彼がキリエと共に辺獄院を襲撃した一件で彼と再開する。その後イパーシがアルト達に殺されるのを目の当たりにするが、擬似人造人間という興味深い研究対象である彼(の死体)を前に我を忘れ、正気に戻った際には親しかった幼馴染の無残な死に直面したことを理解し発狂した。その後は行方不明とされていたが、実はユヴィオールの狂った研究を手伝うようになっていた。だが、煉禁術で生み出した龍(ドラゴン)をフォグたちに殺されたあとは自らも燃え盛る街に入り自殺した。
瑩国政府
トーマス=ミル=ラエ
マーガレット=パロ=ラエ
レキュリィの宴
レキュリィ
その他
レティック=ディーエ=コーンフィールド
キリエ=スージィ
ローレンの手で生み出された二番目の人造人間(『第二円(アンテノラ)』)で、フォグの妹でありレキュリィの姉。見た目は13,4歳の少女で藍色の髪を長く伸ばしており、ほとんど裸体に反物を巻き付けただけの露出度の高い恰好をしている。その反物を青色の液体に変質させる事で、その中から同じ格好をし記憶を共有したキリエを呼び起こす事で増殖し、何体も同時に存在する事が出来る。また一度会った事のある者のそばに現れることができるという能力を持つ。
自らが人造人間であるせいか常に孤独感に苛まれ、対して特異体質でありながら二人協力し合うアルトとフォグを妬ましく思っており、ユヴィオールと協力し、イパーシをそそのかし瑩国全体を恐怖に陥れる連続引き裂き魔事件を引き起こし、自身はアルト達に挑む。
イパーシ=テテス
グイード=レレイス
ユヴィオール=カタシェレティス
史上の人物
ローレン=エヌ=コーンフィールド
アイリス=キャリエル
アイリス=デーン
物語の舞台
瑩国(えいこく)
悳国(とくこく)
拂国(ふっこく)
丁国(ていこく)
用語
煉獄
煉術
煉禁術
天堂騎士
ローレンの雛
それぞれ特殊な能力を持つ。
フォグ、キリエ、レキュリィ、キアスが該当する。
アイリスの魔剣
1番から5番までは使用者に何らかの害を与えながら凄まじい力を発揮し、6番から10番は使用者を害する事も無いが1番から5番まで程の力は発揮しない。
11番から16番は武器として常人には使いこなせないが、使いこなせると絶大な力を発揮する。
17番と18番は詳細不明であり、能力どころか形状すらも不明となっている。
一番から五番まではアイリス=キャリエルの銘、六番から十番まではアイリス=デーンの銘、十一番は例外的で、魔剣を保管するために作った倉庫の鍵。十二番から十六番まではデーンとキャリエルが互いの技術を盗んだり、あるいはそれぞれが作成途中だったものを勝手に作り替えたりなどした結果、どちらが作者かわからないものばかり。十七番はデーンの、十八番はキャリエルの最終進化形にして究極の剣であり「何でも斬れる剣」を体現している。
アイリスの一番
アイリスの二番
アイリスの三番
アイリスの四番
アイリスの五番
アイリスの七番
アイリスの八番
アイリスの九番
アイリスの十番
アイリスの十一番
アイリスの十二番
アイリスの十三番
アイリスの十四番
アイリスの十五番
アイリスの十六番
使いこなせるとその密度と重量により、武器破壊を免れ重い一撃を加える事ができる。
当初は偽装鍵器が組み込まれていたが、2巻にてトリエラの手によりグラフの数珠が組み込まれ偽装ではなくなる。
アイリスの十七番
アイリスの十八番
既刊一覧
タイトル | 初版発行日 | ISBN | |
---|---|---|---|
1 | 煉獄姫 | 2010年8月10日 | ISBN 978-4-04-868772-0 |
2 | 煉獄姫 二幕 | 2011年1月10日 | ISBN 978-4-04-870236-2 |
3 | 煉獄姫 三幕 | 2011年5月10日 | ISBN 978-4-04-870488-5 |
4 | 煉獄姫 四幕 | 2011年11月10日 | ISBN 978-4-04-886087-1 |
5 | 煉獄姫 五幕 | 2012年5月10日 | ISBN 978-404-886564-7 |
6 | 煉獄姫 六幕 | 2013年1月10日 | ISBN 978-404-891300-3 |