熱血!ファミコン少年団
漫画
作者:さいとうはるお,
出版社:小学館,
掲載誌:月刊コロコロコミック,
レーベル:てんとう虫コミックス,
発表期間:1986年,1987年,
巻数:全3巻,
以下はWikipediaより引用
要約
『熱血!ファミコン少年団』(ねっけつ!ファミコンしょうねんだん)は、さいとうはるおによる日本の漫画作品。小学館発行の漫画雑誌『月刊コロコロコミック』で1986年2月号から1987年10月号まで連載され、同時期のコロコロコミック増刊号にも掲載されていた。単行本は全3巻だが、最終回を含め未収録エピソードも多い。
概要
『コロコロコミック』は当時のファミリーコンピュータ(以下、ファミコン)ブームを漫画、攻略、紹介記事、裏技特集、ゲーム大会の開催など、様々な手段で盛り上げていた。その中で企画された『ファミコン少年団』を設定の中心に取り込み「ファミコン実録漫画」を謳っていたのが本作である。
実録の名の通り、登場する人物や企業、イベントやゲームソフトにも実在する要素が多く含まれてはいたが、完全な実録ではなく誇張された部分も多い。しかし基本的には当時の少年たちを取り巻くファミコン事情を話の軸に据えた構成となっており、様々な事件や出来事を通じて少年団員たちが勇気や友情を発揮し、偉大(グレート)に成長していく姿を描いた作品となっている。
作中にはゲームを悪用する様々な悪人・組織も登場するが、企業単位の詐欺や金儲けが多く、他のホビー漫画に比べればその規模は小さい。しかし拳銃や爆弾を使い殺人未遂とも言える拉致や誘拐を行うなど、凶悪な輩も存在していた。
序盤とそれ以降とで人物のデザインや設定が異なっており、単行本では第1話のみ後者の側に合わせて修正が行われている。
増刊号に掲載された蛍巫女古墳の回のみ、作品タイトルが『熱血!ファミコン少年「探偵」団』となっていた。
2020年発売の『コロコロアニキ』2021年冬号に、続編となる読み切り『ファミコン少年団2020』が掲載された。
あらすじ
とあるファミコンイベント会場。ファミコン少年団員・南大地は、偶然覗いた関係者控え室でイベントスタッフらと共に新作ソフトについて話し合う高橋名人の姿を目撃する。
興味を持った大地はハドソン社内に忍び込み、新作ソフトの正体が『スターフォース』を超える新シューティングゲームであることを知るが、直後に見つかり企業スパイの疑いをかけられてしまう。
しかし大地がファミコン少年団員であると判明するや、名人たちは一瞬にしてその疑いの目を晴らした。彼らもまたファミコン少年団員だったのだ。
ユーザー代表として製作会議への出席を許された大地は、遊ぶ側の立場から新作ソフトに様々なアイデアを提供、その発想力で名人を震え上がらせる。
会議を終えた大地と名人が社の外へと出た直後に事件は起こった。バイクに乗った何者かが襲来し名人の右手を負傷させてしまったのだ。
偶然その場に現れた豪寺一の協力でどうにか敵の撃退には成功したものの、名人がこの状態ではゲームのテストプレイができず、ソフト開発に支障が出てしまう。
名人の推薦とテストの結果、治療の間の代理プレイヤーとして大地と一が揃って選ばれたのだが、そこに飛び込んできたのは、ファミコン少年団を名乗る者たちが出版したというゲームの秘密暴露本の一報だった。
ゲームの楽しみを奪う行為は許せない。大地たちのファミコン少年団員としての初仕事が始まった。
登場人物
『ファミコン少年団2020(以下2020)』の設定も合わせて記載する。
主人公とレギュラー
南大地(みなみ だいち)
本編の主人公。ファミコン少年団の団員で、ファミコンライセンスの会員番号は882316。
子供らしい好奇心や行動力の持ち主で、新作ゲームの情報知りたさにハドソン社内に潜入した。これが縁となりハドソンの代理テストプレーヤーに選ばれ、以降名人たちと共に様々な事件に挑んでいく。
ゲームの実力はいわゆるゲーム漫画のような超人的なものではないが、序盤では東京大会で最後まで勝ち残るレベル、第2回全国キャラバンでは全国25位に入った強豪である。
反面学校の成績はそれなりで、これが落ち込んだ時には母親にファミコンを取り上げられ塾通いを命じられたことも。
家族には両親の他に弟の小地(しょうち)がいる。
『2020』では46歳となり、ゲームの企画・開発会社に勤務。高橋名人がひき逃げをしたというインターネット上のフェイクニュースを発見し、かつての仲間とともに解決へと乗り出す。
高橋利幸(たかはし としゆき)
豪寺一(ごうでら はじめ)
浅香ユカ(あさか ユカ)
ハドソン関係者
工藤(くどう)
野沢勝広(のざわ かつひろ)
ハチ
風林火山(ふうりんかざん)
山小屋近くに住む子供たちが作った少年レンジャー部隊。山奥で暮らしている彼らには新作ソフトがなかなか手に入らず、1年前のファミコン東京大会でも、使用ソフトである『スターフォース』をやったことさえないという境遇だった。そのことを都会の子供たちに馬鹿にされた恨みから、合宿中の大地たちに嫌がらせをしてきた。体を使った「人間スターソルジャー」での勝負の後に和解し、ファミコン少年団に加わった。
阿部軍団
大西兄弟
エリート少年団
後述の「イベント壊しのプロ」が組織した集団で、少年団会員証に貼り付けた黄金のEマークシールがその証明。東海地区のファミコンの上手い子供たちをスカウトし、競い合わせて実力を高めていた。規約の中にゲーム実力の劣る者との交際を禁ずる項目があり、ここから事件が発覚していく。単行本未収録。
海老名雄(えびな ゆう)
その他ゲスト
内気一夫(うちき かずお)
雄二(ゆうじ)、修(おさむ)、三郎(さぶろう)
長州力(ちょうしゅう りき)
佐賀(さが)
宇井一郎(うい いちろう)
徳川一義(とくがわ かずよし)
山崎正(やまざき ただし)
大川浅潮(おおかわ あさしお)
四郎(しろう)
山下慎二(やましたしんじ)
敵組織など
デーモン企画社
高橋名人襲撃の犯人。新作ソフトの情報強奪やゲーム秘密本の出版を行っていた。ゲーム研究にはスカウトしてきた子供たちを使っていたが、この集団の名が「ファミコン少年団」だったため、本家少年団はあらぬ疑いをかけられてしまう。大地たちの活躍によって計画は阻止された。
誘拐犯たち
組織名は無く正体も不明。全員が黒いサングラスをしている。新作ソフト『ドラえもん』の発売前からの勢いを止めるため、そのさらに前に発売される『高橋名人の冒険島』の秘密暴露本の作成や、野沢のアイデアメモ盗み出しを計画。『コロコロ』でゲーム攻略漫画を描いた漫画家たちを誘拐するが、内気の機転が鍵となって計画は潰された。
レンタルファミコン店
1日1本100円でファミコンソフトを貸し出していたゲームレンタル店。自動的に故障するようプログラムした改造ソフトを使っており、1本につき1万円の修理代を脅し取っていた。店主役の男性と脅し役として店内に待機していたチンピラ数名による複数犯。
イベント壊しのプロ
本名不詳のサングラスの男。高橋名人逮捕説の流布による信用失墜、拉致した高橋を箱詰めにして生放送番組に送りつける、エリート少年団結成など、悪辣で人命にも関わる手段を使い、3度に渡って少年団に挑戦してきた。大地や高橋の前には決して姿を現さず、会話も音声のみで行っていた。
彼を雇っている組織の正体は作中では明確にされていないが、ハドソンや少年団に対抗し、それに取って代わることを目論んでいるようにも読み取れる。
『2020』ではパソコン教室の経営者を務めているが、過去の名人潰しの失敗によってイベント破壊(「やぶり」と読む)としての信用は既に失っていた。高橋名人の失墜を狙った偽情報をインターネットを通じて流布し、参加予定だったイベントを次々と中止に追い込んでいたが、全国の元ファミコン少年団員たちのネットワークによって顔と所在を特定され、高橋らに教室まで踏み込まれたことで自身の衰えと敗北を痛感、少年団との30数年越しの和解を果たした。お互いが直接顔を合わせたのもこの時が初めてであった。
未収録回
単行本未収録エピソードの掲載号とあらすじを記載する。
1986年春休み増刊号
1987年2月号
1987年3月号
1987年10月号(最終回)
登場アイテム
当時の『コロコロコミック』は様々な少年団アイテムを付録にしており、その多くは作中にも登場した。現実ではドラえもん映画の割引サービスや会員番号によるプレゼント企画、大会参加証など様々な形で使われた。
ファミコン少年団会員証
コロコロ少年団パスポート
コロコロ少年団特別会員証
聖ドラゴン紋章
聖ドラゴンバイブル
登場ゲームソフト
登場するゲームソフトは基本的に全て実在のものであり、時折紹介されるテクニックなども実際のゲームで再現可能である。話の中での扱いは物語の中心になるものから会話で名前が挙がる程度のものまで様々。ハドソン以外のファミコンソフトも多数登場している。
- スターフォース(ハドソン)
- チャレンジャー(ハドソン)
- ボンバーマン(ハドソン)
- 忍者ハットリくん(ハドソン)
- スターソルジャー(ハドソン)
- 高橋名人の冒険島(ハドソン)
- 迷宮組曲 ミロンの大冒険(ハドソン)
- ドラえもん(ハドソン)
- 高橋名人のBUGってハニー(ハドソン)
- ザナドゥ(ハドソン)
- ヘクター87(ハドソン)
- スパルタンX(アイレム・任天堂)
- スーパーマリオブラザーズ(任天堂)
- ツインビー(コナミ)
- グラディウス(コナミ)
- グーニーズ(コナミ)
- ハイドライド・スペシャル(アイレム)
- ドルアーガの塔(ナムコ)
- スペランカー(アイレム)
- 頭脳戦艦ガル(デービーソフト)
- オバケのQ太郎 ワンワンパニック(バンダイ)
- 魔界村(カプコン)
- ソロモンの鍵(テクモ)
関連作品
忍者ハットリくん ファミコン危機一髪
ボンバーマン爆発家族
ザ・グレートキャラバン