爆音列島
以下はWikipediaより引用
要約
『爆音列島』(ばくおんれっとう)は、髙橋ツトムによる日本の漫画作品。『月刊アフタヌーン』(講談社)にて、2002年12月号から2013年1月号まで連載。『ヤングキング』(少年画報社)にて2016年15号から2020年7号までリバイバル連載された。2018年8月に創刊の『ヤングキングBULL』(同)創刊号の表紙を本作が飾り、新作エピソードが掲載。同誌同年10月号にも新たなエピソードが掲載された。
1980年代の東京品川区を舞台に、中野区から転校してきた主人公タカシが暴走族ZEROS(ゼロス)に入り、世間や時代に逆らいながら自分の存在意義を見出していく様を、当時の時代風俗とともに描いている。
暴走族を理想化せず、社会との軋轢や抗争の中の倦怠感、暴力団との関係などを描写しているのが特徴。作者の髙橋ツトムも青年時代に暴走族に所属していたことがあり、インタビュー記事では「自伝的作品」として扱われている。同インタビューによれば1980年代初頭の時代背景のほか、主人公の高校中退や二人の友人の事故死なども、すべて作者自身の体験に基づいて描かれているとのこと。
あらすじ
前半
タカシ中学生編(1巻 - 2巻)
タカシ高校生編(2巻 - 7巻)
中盤
タカシ高校生中退後編(8巻 - 13巻)
後半
タカシリーダー代行編(14巻 - 15巻)
タカシ鑑別所入所編(16巻 - 17巻)
タカシの暴走族末期編(17巻 - 18巻)
登場人物
主要人物
加勢高志 / タカシ
この物語の主人公。ZEROS幹部で総長代行(綾瀬不在時)。はじめは黒髪だったが中学校3年の後半ごろに髪を染めてリーゼントかオールバックになる。愛車はCB400Four(ヨンフォア)。
元々ちょっとした不良であり中学2年の時、校内で喫煙していた所を教員にばれて停学処分となった。この出来事がきっかけで、中学3年となった1980年の春に中野からマニヨン・ミッツらのいる品川の笠原二中へ転入してきたところから物語は始まる。
ZEROSに入る時こそ積極的ではなかったが、参加しているうちに暴走行為に魅せられ次第にのめりこむようになる。特に親友のマニヨンを失った時期から、危険を避けることを極端に嫌う傾向を見せ始める。高校にも自分の居所を見出すことなく中退して、より一層ZEROSと暴走に執着するようになった。
免許試験代を後輩にたかるなど金欠であるが働かず、シンジの母親いわく「甘えん坊の目をしている」とのこと。
前半における主要人物
後藤昭司 / マニヨン
石川翔子 / ショウコ
ユーコ
冴子の後輩で進学せず彼女の店で働いている。タカシとは初対面の時から互いに好印象を抱き、徐々に惹かれ合っていく。暴走行為に理解を示しきれないショーコとのギクシャクした関係だったタカシを誘惑し、ショーコとの関係にピリオドを打つことを条件に正式に交際をスタートさせた。父親がいない家庭環境のため経済的に恵まれておらず、そのためヌードモデルなど怪しげなバイトをしていたり、男性関係も盛んというような、よからぬ噂が絶えなかったが、根は一途。和也からヨンフォアを買い取るのに金策に追われるタカシのために冴子から給料を前借りして渡すなど、献身的な一面も。
前に付き合っていた「カタギではない」彼氏が出所し、再会。復縁を迫られる。このことがきっかけでタカシとはすれ違うようになってしまう。最後はマニヨンと新美の死に大きなショックを受けていたタカシとは対照的にシンナーにふけっていた現場を見られてしまい、喧嘩別れすることとなる。
中盤以降の主要人物
大木健悟 / ボンド
物語中盤以降の準主人公。あだ名はその名字から大木凡人に由来する。実家は葬儀屋の「大木葬儀店」。
1981年の夏、当時中学3年生でZEROSの肩書の欲しさに押し掛けで参加。柔道(小学校の時に茶帯を所得)とボクシング(以前に乱闘事件を起こしジムから破門)を習っていた経歴から、年下ながら喧嘩は相当強く、ヤクザのチンピラ2人ぐらいなら倒すことが出来る。当初は過剰な攻撃性の目立つ危うい性格であり、抗争状態に入る前の暴走族ICBLに無差別攻撃を仕掛けたため、綾瀬の逆鱗に触れたりもしたが、タカシの取り成しでZEROSに加入する。その後の仲間たちとの交流を通じて人付き合いや仲間意識といったものを学び、次第に人間的な成長も見せ始める。死亡したマニヨンと前後してタカシの相棒的なポジションに立つ。同学年の中ではリーダー的な存在で、タカシ達が引退後に総長に就任。勘違いからとはいえクミコに好意を抱き、後に交際。普段の狂犬ぶりはクミコの前ではあまり発揮されることがない。クミコが妊娠したとなると怖気付いてしまい堕ろすことを希望、クミコからは三下り半突きつけられ関係は終わった。
ZEROS
同期のメンバー
綾瀬
タカシらの代のZEROS総長。パンチパーマで眉なしのコワモテ。
中学2年の時からZEROSに参加するなど、タカシらの中でリーダー的な存在であった。後に1000人を仕切る総長を受け継ぎ、以後、極楽・紅皇帝との抗争、連盟合同の大集会など様々な修羅場にあって一貫して指導的立場を演じ続け、ZEROSの頭に相応しい人物に成長していく。タカシのことは当初見下していたが、交通機動隊への出頭後に見直し、成長著しい彼を次第に信頼できる幹部として認めるようになる。貫禄が出た後も武闘的性格は変わったわけではなく、ZEROSのカンバンを守るためならば抗争も辞さない。また、基本的に自分でバイクは運転せず、集会のときは木刀を持って誰かの後ろに乗っている。高校を三日で中退し、ZEROSの総長をやりながら父親の経営する運送屋「綾瀬商会」で働くが、1982年ごろに暴力団に加入したために集会にあまり顔を出さなくなった。ヤクザになった後は全身に刺青を入れる。
小宮光彦 / ミッツ
明川和也 / カズヤ
新美康一
宮本真司 / シンジ
桜井忠
年上のメンバー
小宮進也 / シンヤ
ゲラコ
暴走族関連
石黒
暴走族「紅皇帝(レッドエンペラー)」のメンバー。タカシより年上の世代とみられ、太目の体格にスキンヘッドという強面な風貌をしていた。
タカシが中学生時代に初めてZEROSの集会に参加した際、警察に追われてゲラコと二人で公園に逃げこんだところに石黒と紅皇帝の仲間らが偶然たむろしていた。仲間らはタカシを集団暴行し、石黒はタカシの顔面にマジックペンで落書きを行って恐怖と屈辱とを与えた。
後にタカシが高校生となってZEROSと紅皇帝との抗争に参加した際、石黒が身なりを改めて焼き鳥屋で愛想よく勤務している姿をタカシとZEROSの仲間らに発見される。「自分はもう暴走族を引退して働いている。許してくれ」と懇願するが、奇しくも同じ公園へ連行されてタカシらに集団暴行を受ける。引退して社会人となった石黒は決して反撃することなく、平身低頭して「すみません」と許しを請うのみであった。
安藤
その他
タカシの両親
柳
ラーメンブラザーズ
矢口久美子(やぐち くみこ)
シンジのバンドのライブで対バンとして出演した女性ボーカルの友達。初登場時は暴走族を見下す様な素振りをしていたが、タカシの啖呵から興味を持ち出す。それからはZEROSの集まりに顔を出すようになり、ボンドから集金(主に店での飲食代)係を任される。誰に対しても物怖じない性格のため、キッチリどころか多めに集金できるため仲間内から評価されている。ボンドによく懐いていたため、ボンドはその気になり、告白されるも本人はタカシのことが好きだった。しかし、ボンドの想いを受け止め交際する。パンクロックをこよなく愛し、パンクの精神を大事にしている。当初は掴みどころのないフワフワした性格だったが、ボンドと付き合ってからはしっかりした性格になり彼を尻に敷いていた。後にボンドの子を妊娠し、ボンドからは堕胎を勧められるも拒否、彼に見切りをつけ去っていった。
登場する団体
ZEROS(ゼロス)
連盟の参加団体に「潮一派」・「流夜叉」・「塊」・「ルーザー」・「セバスチャン」などがある。最盛期の1977年時点では参加者1300人を数えたが、タカシらの代の1982年には1000人を切っていた。
紅皇帝(レッドエンペラー)
極楽
ヘヴンス・ジョーカー
ICBL
苦楽牙悶(くらげもん)
飛燕
ROSE20
書誌情報
- 髙橋ツトム『爆音列島』講談社〈アフタヌーンKC〉、全18巻
- 2003年4月21日発売、ISBN 4-06-314319-8
- 2003年10月23日発売、ISBN 4-06-314333-3
- 2004年2月23日発売、ISBN 4-06-314340-6
- 2004年8月23日発売、ISBN 4-06-314351-1
- 2004年12月21日発売、ISBN 4-06-314364-3
- 2005年6月23日発売、ISBN 4-06-314377-5
- 2005年12月22日発売、ISBN 4-06-314394-5
- 2006年5月23日発売、ISBN 4-06-314414-3
- 2006年10月23日発売、ISBN 4-06-314432-1
- 2007年2月23日発売、ISBN 978-4-06-314441-3
- 2007年10月23日発売、ISBN 978-4-06-314471-0
- 2008年2月22日発売、ISBN 978-4-06-314493-2
- 2008年8月22日発売、ISBN 978-4-06-314519-9
- 2010年1月22日発売、ISBN 978-4-06-310612-1
- 2010年12月22日発売、ISBN 978-4-06-310715-9
- 2011年7月22日発売、ISBN 978-4-06-310750-0
- 2012年3月23日発売、ISBN 978-4-06-310799-9
- 2012年12月21日発売、ISBN 978-4-06-387855-4
- 髙橋ツトム『爆音列島』少年画報社〈ヤングキングコミックス〉、全9巻
- 2017年3月27日発売、ISBN 978-4-7859-5979-1
- 2017年8月28日発売、ISBN 978-4-7859-6060-5
- 2017年12月25日発売、ISBN 978-4-7859-6139-8
- 2018年9月6日発売、ISBN 978-4-7859-6299-9
- 2018年12月20日発売、ISBN 978-4-7859-6315-6
- 2019年7月22日発売、ISBN 978-4-7859-6478-8
- 2020年6月22日発売、ISBN 978-4-7859-6696-6
- 2021年10月25日発売、ISBN 978-4-7859-7017-8
- 2021年11月22日発売、ISBN 978-4-7859-7038-3