特捜戦隊デカレンジャー THE MOVIE フルブラスト・アクション
以下はWikipediaより引用
要約
『特捜戦隊デカレンジャー THE MOVIE フルブラスト・アクション』(とくそうせんたいデカレンジャー ザ ムービー フルブラスト アクション)は、2004年9月11日より東映系で公開された日本の映画作品。特撮ヒーロー番組「スーパー戦隊シリーズ」『特捜戦隊デカレンジャー』の映画化作品である。同時上映は『劇場版 仮面ライダー剣 MISSING ACE』。
概要
『劇場版 百獣戦隊ガオレンジャー 火の山、吼える』以来3年ぶりに9月公開となった。従来の作品よりも10分ほど伸びた39分となり、大掛かりなアクションシーンが多く盛り込まれた。
『轟轟戦隊ボウケンジャーVSスーパー戦隊』では、「スーパー戦隊住所録」のテツの項にミリバルの事件とジェニオの事件との間に記載がある。
あらすじ
デカレンジャーは、人間を機械奴隷にしてしまうウイルス金色の雪を持っている謎の組織を追跡していた。その組織は、4人組のアリエナイザーガスドリンカーズだった。
夜中にガスドリンカーズの捜査を行っていたバンは、マリーという女性に出会う。実は彼女は第17銀河系レスリー星のスペシャルポリスで、地球で潜入捜査していた。
マリーによると、ガスドリンカーズはレスリー星を金色の雪によって住民全てを機械奴隷にし、壊滅させた。しかし、彼らが持つワクチンを使えば住民を元に戻せることができると言い、ガスドリンカーズの捜査に協力するようになる。
しかし、突如マリーが金色の雪を持ち出してデカベースを脱走してしまう。
登場人物
S.P.D.
マリー・ゴールド / デカゴールド
レスリー星担当捜査官のレスリー星人の女性。物静かで心優しく、その美しい歌声を捜査に活かす。白いSPライセンスを使用し、デカゴールドに変身可能だが、変身した姿は劇中で一瞬登場しただけで、変身直後に攻撃を受け変身が解かれる。ガスドリンカーズに故郷のレスリー星を滅ぼされ、彼らを追って地球に来る。とあるクラブで歌手として潜入捜査をしていた際にバンと出会い、共に捜査を行うが、実はガスドリンカーズに屈服してやむなく裏取引をしており、彼らのスパイとして押収された金色の雪をデカベースから盗み出すも、そのウイルスを体に注入させられる。武器はディースマッシャー01と02を持ち、自身の力として少しだけ時間を止める能力タイムストップを持っている。
シンボルナンバーはローマ数字のX(10)。
地球署とは対照的にフォーマルな装いで白をベースとしている。
監督の渡辺勝也は、新山千春がキャスティングされたことで方向性が見えたといい、新山自身が考えていた役のイメージも世界観にはまっていたと述べている。
脚本ではデカゴールドの描写はなく、渡辺は本格的に描くことができなかったと述べている。
ガスドリンカーズ
機械の体を持つアルゴル星人4人組の凶悪犯罪チーム。第17銀河系レスリー星の軍事機密である人間を機械奴隷にする惑星破壊兵器金色の雪を使用してレスリー星を壊滅させた張本人であり、次のターゲットを地球に定めてやってきた。
- 人間体の姿、および怪人体の声は、かつての戦隊シリーズで敵幹部を演じたことのある俳優が務めている。渡辺は、ファンサービス目的でのキャスティングであったと述べている。
- ガスドリンカーズの名前の由来は粕取り焼酎の「カストリ」と「リカー(焼酎)」「ドリンカー(酒飲み)」から。アルゴル星人の名前の由来は「アルコール」とペルセウス座のβ星で"悪魔の星"と称される変光星「アルゴル」から。
- デザインは映画『ターミネーター』のエンドスケルトンをイメージしており、生物か機械か曖昧な存在として描かれている。
アルゴル星人ヴォルガー | |
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身長 | 213 cm |
体重 | 141 kg |
アルゴル星人ヴォルガー
ガスドリンカーズのリーダー。失敗した者は、仲間であっても容赦なく叩きのめす残忍な性格。武器は専用の拳銃ダブルサタンマグナムでこれを使ってジュウクンドーの技を凶悪にアレンジしたジャアクンドーなる武術を用いり、肉体からエネルギーを放出するヴォルボンバーでとどめを刺す。また、腹部にイーガロイドを格納している。胸のタトゥーレリーフはスカル。
ジュウクンドーを扱うデカレッドと激しい銃撃戦を繰り広げ、一時は追い詰めるも、デカマスターの助太刀で形成が逆転し、ワクチンを奪われる。それでもなお立ち上がって惑星間転送装置でレスリー星に逃亡し、キラータンクでデカレンジャーロボを追い詰めるも、ブラストバギーの参戦でまたも形成が逆転、最後はキラータンクごとデリートされる。
名前の由来は「ウォッカ」から。サスペンションなど分かりやすいパーツを使用しないことで未知の機械生命体を目指している。
メイクは遠藤本人が指定し、遠藤がかつて演じた『忍者戦隊カクレンジャー』の貴公子ジュニアのニュアンスを少し残している。セリフの言い方はドスを利かせたワルっぽいものではなく、怖さを出すため淡々と喋っている。失敗した仲間を痛めつけるシーンでは、生々しく台本に書かれていたが、それでは遠藤が普段演じているヤクザの役のようになってしまうため、オーバーなアクションにしている。
アルゴル星人ブランデル | |
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身長 | 228 cm |
体重 | 164 kg |
アルゴル星人ジーン | |
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身長 | 228 cm |
体重 | 128 kg |
アルゴル星人ウインスキー | |
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身長 | 208 cm |
体重 | 131 kg |
その他
ロケットシップ・ベイビーズ
毎回エンディングで「ミッドナイト デカレンジャー」を演奏しているエイリアンのバンド。
デザインは企画者104の松井大が担当した。エルヴィス・プレスリーの楽曲「監獄ロック」をモチーフとしており、マイクル・マイクソン以外のメンバーのモチーフは「監獄ロック」の歌詞から取られている。衣装はスペースシャトルと囚人服をモチーフとし、袖口は手錠になっている。
テレビシリーズでもメインゲストとして登場することが検討されていた。
マイクル・マイクソン | |
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身長 | 187 cm |
体重 | 85 kg |
マイクル・マイクソン
マイクル・マイクソン
劇場版オリジナルメカ
ブラストバギー
武器は車体上部に装備しているビーム砲ブラストランチャー。内蔵された特殊なサスペンションによって着地時の衝撃を吸収するため、高所からのジャンプ攻撃を得意とする。
漫画版では、高火力を持つマシン同士での合体は負荷が大きく、なおかつ例え合体ができたとしても火力の影響で自爆してしまうという理由でデカウイングロボとは合体できないという設定が付加されている。
デカレンジャーロボ フルブラストカスタム
必殺技は地上に設置したブラストシールドの先端部を突き刺して支柱にして回転しながら全方位射撃を加えるスピニングブラスト。地上に設置したブラストシールドの上にブラストランチャーを固定した必殺武器フルブラストランチャーを装備したファイナルモードとなり、パトエネルギーを砲身に充填して発射する。どちらも複数の怪重機をまとめて破壊するほどの威力を誇る。
怪重機キラータンク | |
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全長 | 47 m |
全幅 | 28 m |
重量 | 5,500 t |
怪重機キラータンク
キャスト
ゲストヒロインであるマリー・ゴールド役は新山千春が演じている。ガスドリンカーズのメンバーはかつて戦隊シリーズに敵幹部として顔出し出演した遠藤憲一、田村円、天祭揚子、岡本美登が起用されている。この他、テレビシリーズのエンディングテーマを歌うささきいさおや、前々作『忍風戦隊ハリケンジャー』の顔出し女性敵幹部2人も出演する。
- 赤座伴番 / デカレッド - 載寧龍二
- 戸増宝児 / デカブルー - 林剛史
- 江成仙一 / デカグリーン - 伊藤陽佑
- 礼紋茉莉花 / デカイエロー - 木下あゆ美
- 胡堂小梅 / デカピンク - 菊地美香
- 姶良鉄幹 / デカブレイク - 吉田友一
- ヴォルガー - 遠藤憲一
- ブランデル - 田村円
- ジーン - 天祭揚子
- ウインスキー - 岡本美登
- レスリー星の少女 - 志田未来、奥村夏未、箕輪萌香、斉藤真生
- フラビージョ - 山本梓(友情出演)
- ウェンディーヌ - 福澄美緒(友情出演)
- マリー・ゴールド - 新山千春
- 白鳥スワン - 石野真子
声の出演
- ナレーション - 古川登志夫
- ドギー・クルーガー / デカマスター - 稲田徹
- エージェント・アブレラ - 中尾隆聖
- イーガロイド - 中井和哉
- バーツロイド - 塩野勝美
- マイケル・マイクソン - ささきいさお(特別出演)
スーツアクター
宇宙女子大生が登場した直後の屋台のシーンには、デカレンジャー6人とデカマスターの計7人のスーツアクターが顔出しで出演し、それぞれが対応するメンバーの色を服装の一部に付けている。
- デカレッド、デカベースロボ - 福沢博文
- デカブルー - 今井靖彦
- デカグリーン - 三村幸司
- デカイエロー - 橋本恵子
- デカピンク - 小島美穂
- ドギー・クルーガー、デカマスター、デカレンジャーロボ - 日下秀昭
- デカブレイク - 大岩永徳
- 蜂須賀祐一
- 大林勝
- 竹内康博
- 神尾直子
- 山崎広嗣
- 高田瞳
- 中村博亮
- 矢部敬三
以下ノンクレジット
- 大藤直樹
- 佐藤賢一
- 坂手透浩
- 藤榮史哉
- 中島俊介
- 宮川康裕
- 小野友紀
- 橋口未和
- 金森規郎
- 山口喜生
- 宇田卓也
- 杉口秀樹
- 金子佳代
- 中川素州
- 金田進一
- 花川仁教
- 森田龍
スタッフ
- 製作 - 福湯通夫(東映)、泊懋(東映アニメーション)、早河洋(テレビ朝日)
- 企画 - 鈴木武幸(東映)、木村純一(テレビ朝日)、日達長夫(東映ビデオ)、竹内淳(バンダイ)、永井秀之(アサツー ディ・ケイ)、福中脩(東映エージエンシー)
- 原作 - 八手三郎
- プロデュース - 塚田英明、土田真通、シュレック・ヘドウィック、矢田晃一
- 脚本 - 荒川稔久
- 音楽 - 亀山耕一郎
- 撮影 - 松村文雄
- 美術 - 大谷和正
- 照明 - 竹田勝三
- 整音 - 室菌剛
- 編集 - 州崎千恵子
- 助監督 - 竹本昇
- 進行主任 - 喜多智彦
- 特撮・CG - (株)特撮研究所
- 視覚効果 - 沖満
- キャラクターデザイン - 森木靖泰、松井大、原田吉朗
- 企画協力 - 企画者104
- デザイン協力 - プレックス
- 造型 - レインボー造型企画
- 記録 - 関根秀子
- プロデューサー補 - 泉谷裕
- 製作担当 - 谷口正洋
- アクション監督 - 石垣広文(ジャパンアクションエンタープライズ)
- 特撮監督 - 佛田洋
- 監督 - 渡辺勝也
- 劇場版「ブレイド・デカレンジャー」製作委員会(東映、東映アニメーション、テレビ朝日、東映ビデオ、アサツー ディ・ケイ、東映エージエンシー、バンダイ)
音楽
主題歌「THE MOVIE VERSION! DEKARANGER」
ジャスミン&ウメコが歌う「girls in trouble!DEKARANGER」の映画版で、今回は6人全員がメインボーカル。デカレンジャーのオリジナルサウンドトラック『特捜戦隊デカレンジャー 特捜サウンドファイル3』に収録されている。イントロのミニコーナー部分は、本作品を鑑賞したドギーとスワンが登場。なお、エンディング終了後の著作権表示では『特捜戦隊デカレンジャー』のタイトルロゴが登場し、ロゴ下側の文字が「S.P.D.」から「E.N.D.」になっているという凝ったものである。
挿入歌
「ミッドナイト デカレンジャー」
「レスリーの青い月」
「特捜戦隊デカレンジャー」
映像ソフト化
- 特捜戦隊デカレンジャー THE MOVIE フルブラスト・アクション 潜入捜査ファイル(DVD1枚組、2004年9月21日発売)
- 本作品のメイキングDVD。
- 特捜戦隊デカレンジャー THE MOVIE フルブラスト・アクション(DVD1枚組、2005年2月21日発売)
- 映像特典
- 製作発表会
- 完成披露試写会舞台挨拶
- 劇場舞台挨拶
- 公開直前SP番組インタビュー集
- 総合プロモーション
- 特報
- TVスポット集
- 劇場版S.P.Dギャラリー
- ジャッジメントファイル
- ポスタービジュアル
- 初回限定特典
- スペシャルカード
- 本作品のメイキングDVD。
- 映像特典
- 製作発表会
- 完成披露試写会舞台挨拶
- 劇場舞台挨拶
- 公開直前SP番組インタビュー集
- 総合プロモーション
- 特報
- TVスポット集
- 劇場版S.P.Dギャラリー
- ジャッジメントファイル
- ポスタービジュアル
- 初回限定特典
- スペシャルカード
- 製作発表会
- 完成披露試写会舞台挨拶
- 劇場舞台挨拶
- 公開直前SP番組インタビュー集
- 総合プロモーション
- 特報
- TVスポット集
- 劇場版S.P.Dギャラリー
- ジャッジメントファイル
- ポスタービジュアル
- スペシャルカード
漫画
雑誌『特撮エース』No.007 - 009に掲載。竹山祐右作画。2005年6月1日に単行本発売。
ガスドリンカーズやマリーらを含め登場キャラは同じだが、ストーリー展開は映画と大きく異なっており、時系列的にはスワンが変身できることが既に知られているため36話以降となる。
映画には出てこなかったスワットモード、デカスワン、デカウイングロボが登場した。
またデカレッドは、この作品でのみの二段変身ブラストモードを、ヴォルガーはジャアクンドー ヘル・モードを、デカマスターはインパルスベガスラッシュをそれぞれ披露している。
漫画版オリジナル要素
ブラストモード
作中の形態はデカレッドのジュウクンドーを有効に使用するための超接近戦形態。別名ガン=カタ・モード。
再変身に併せ、ディーマグナムもハイブリッドマグナムカスタムに、2丁の合体時はハイブラストマグナムに変化している。
通常、リミッターがかけられているのは突出した性能のメンバーがいるとチームプレーに支障をきたしてしまうため。ゆえに基本的にデカスーツの性能は均一になるよう調整されている。
ジャアクンドー ヘル・モード
形態変化に際し、銃の外装もパージされ近接戦向きの大型サブマシンガンに変化している。
インパルスベガスラッシュ
『特捜戦隊デカレンジャー 10 YEARS AFTER』では逆輸入という形でドギーより渡されたディーソード・ベガを用いてバンが使用している。
参考文献
- 劇場パンフレット
- 『劇場版 仮面ライダー剣 MISSING ACE/特捜戦隊デカレンジャー THE MOVIE フルブラスト・アクション』パンフレット 2004年9月11日発行 構成・取材・文:島本真也(Brain Navi) 発行所:東映事業推進部
- てれびくんデラックス愛蔵版(小学館)
- 『特捜戦隊デカレンジャー超全集』 上巻、小学館〈てれびくんデラックス 愛蔵版〉、2004年10月10日。ISBN 4-09-101496-8。
- 『特捜戦隊デカレンジャー超全集』 下巻、小学館〈てれびくんデラックス 愛蔵版〉、2005年3月10日。ISBN 4-09-105102-2。
- 『特捜戦隊デカレンジャー コンプリート・ブック』用田邦憲 編、双葉社〈双葉社のアニメ・特撮シリーズ〉、2005年5月20日。ISBN 4-575-29801-8。
- 『東映スーパー戦隊シリーズ35作品記念公式図録 百化繚乱 戦隊怪人デザイン大鑑 1995-2012』グライドメディア、2012年10月16日。ISBN 978-4-8130-2180-3。
- 講談社 編『スーパー戦隊 Official Mook 21世紀』 vol.4《特捜戦隊デカレンジャー》、講談社〈講談社シリーズMOOK〉、2017年4月25日。ISBN 978-4-06-509515-7。
- 『決定版 全スーパー戦隊 コンプリート超百科』講談社、2018年2月26日。ISBN 978-4-06-304848-3。
- 『スーパー戦隊』学研プラス〈学研の図鑑〉、2021年4月20日。ISBN 978-4-0540-6788-2。
- 『スーパー戦隊 TOY HISTORY 45 1975-2021』ホビージャパン〈ホビージャパンMOOK〉、2022年4月1日。ISBN 978-4-7986-2745-8。
- 『劇場版 仮面ライダー剣 MISSING ACE/特捜戦隊デカレンジャー THE MOVIE フルブラスト・アクション』パンフレット 2004年9月11日発行 構成・取材・文:島本真也(Brain Navi) 発行所:東映事業推進部
- 『特捜戦隊デカレンジャー超全集』 上巻、小学館〈てれびくんデラックス 愛蔵版〉、2004年10月10日。ISBN 4-09-101496-8。
- 『特捜戦隊デカレンジャー超全集』 下巻、小学館〈てれびくんデラックス 愛蔵版〉、2005年3月10日。ISBN 4-09-105102-2。