王家の紋章
漫画
作者:細川智栄子,
出版社:秋田書店,
掲載誌:月刊プリンセス,
レーベル:プリンセスコミックス,秋田文庫,
巻数:単行本:既刊69巻文庫本:既刊25巻,
以下はWikipediaより引用
要約
『王家の紋章』(おうけのもんしょう)は、細川智栄子あんど芙〜みんによる日本の漫画。『月刊プリンセス』(秋田書店)にて、1976年10月号より連載されている。
1990年、第36回小学館漫画賞少女向け部門受賞。2006年11月時点で累計発行部数は4000万部を記録している。
本作品を長年にわたり掲載してきた『月刊プリンセス』は2005年新年特大号にて創刊30周年を迎え、また2006年9月6日発売の10月号で本作品は連載30周年を迎えた。それらを記念して、『プリンセス』誌では付録を付けるなどの様々な催しが行われた。
2016年8月、ミュージカル化され、帝国劇場にて上演された。2017年4月に再演され、2021年8月-9月に再々演。
2021年8月5日から10月14日まで、本作の45周年を記念して、複製原画展「王家の紋章ミュージアム」が帝国ホテルプラザ東京にて開催された。
概要
古代エジプトを主要な舞台に据えながら、主人公キャロルの現代からのタイムスリップ劇、さまざまな人物ストーリー、さらには周辺国の思惑なども織り交ぜて創り上げられた、何十年もの長い間描かれて大河の如き物語に成長した長編ロマン漫画である。緻密で装飾性豊かな画風とともに、ところどころに詩的、文学的な表現を散りばめられていることが格調高さを演出している。
また著名なエジプト考古学者、吉村作治はこの作品について「いろいろヒットしている理由はあるだろうが、私が思うには作者がエジプトに情熱を持っているからではないかと思う。読者が本当に心をひきつけられるポイントは作者がどれだけこの著作に心底入れ込んでいるかだろうと思う。そういった面でこの『王家の紋章』は華麗な絵と読み心地のよいセリフの間に埋もれている作者の心意気が伝わってくる。」と述べている。
時代設定
古代エジプトは紀元前3000年からおよそ3000年間の歴史を持っているが、『王家の紋章』では王家の谷のことに言及されていること、ヒッタイトとの戦いにも触れていることなどから紀元前1500年以降の新王国時代をモチーフとしていると見られる。この時代のエジプトはメソポタミア文明とともにオリエントで無二の先進国だった時代が去り、周辺に新興国が台頭してきて対応を迫られた時代でもあった。だが同時に最盛期でもあり、海外に遠征してトトメス1世の時エジプト新王国の版図は最大に達した。ツタンカーメン王墓の豪奢な副葬品からもうかがえるように文化的にも最盛期であった。メンフィス王が領土を拡げ国力を盛んにしエジプトを最大の強国にすることを願っているのも、そういうせめぎ合いが背景にある。
あらすじ
エジプトに留学中の主人公―キャロル・リードは、日々熱心に考古学を学ぶ16歳のアメリカ人。ある日、リード家が貢献する事業の一環として若くして暗殺された古代エジプト王(ファラオ)―メンフィスの墓を暴いたため、彼女は神殿の祭祀であったメンフィスの姉―アイシスの呪術により、古代エジプトにタイムスリップしてしまう。
古代エジプトで途方に暮れるキャロルだったが、金髪碧眼に白い肌がエジプト宮廷の人々の目に留まり、21世紀 の人間としての倫理観や考古学の知識が「尊い予言」と判断され、古代エジプトを助ける慈悲深い“ナイルの娘”“黄金の姫”として崇められるようになる。やがて度重なる暗殺から救ったメンフィスと愛し合い、晴れて王妃となってその子を身籠る。が、現代人としての英知やエジプトを狙って、または可憐な容色も兼ね備えたキャロルを見初めて奪取を画策する者、アイシス一派を始めとしたキャロル抹殺を企む者など、諸国の王族までが入り乱れ、2人の間には数々の危機が立ち塞がる。
登場人物
※「声」はイラスト・ビデオ・ストーリー版/単行本第60巻ドラマCD版の順。
主人公
キャロル・リード
声 - 潘恵子、山本百合子 / 沢城みゆき
リード・コンツェルンの社長令嬢(ライアンの世襲後には令妹)で、16歳の主人公。メンフィスの王妃となる。
アメリカ人ながら大好きな考古学のためにエジプトに留学し、カイロ学園に在学中の一家の末っ子。メンフィスの墳墓の発掘隊に同行していたことで、墓を暴いた報いとして、アイシスの呪いで古代エジプトにタイムスリップしてしまう。迷い込んだ古代エジプトで、考古学への深い造詣を始めとした幅広い現代知識と金髪碧眼に白い肌の美しい容姿から“ナイルの娘”“黄金の姫”と崇められるようになる。当初は恐れていたメンフィスを次第に深く愛するようになり、古代に留まって添い遂げることを決意する。朗らかで、現代人らしく何人の命も尊ぶ心を持ち、残虐を持って力としていた古代人に臆することなく苦言を呈する場面も多く、国民や臣下から篤く慕われるようになる。可憐な容姿ながら、誰もが服従し崇める、半ば神のようなファラオ(メンフィス)にさえも平手打ちをするほどの芯の強さも併せ持つ。しかしその好奇心旺盛さや人の良さから来る迂闊さ、様々な利用価値の高さ、王達の恋心を掻き立てていることで、多くの野望の的としてその身を狙われている。リビアのカーフラ王女とカプターの策略でメンフィスが第二の妃を迎えるとの話を聞いて絶望し、自ら現代に戻るが、メンフィスの子を宿していることを知り、船の事故を機に再び古代へ戻った。流れついた先でマシャリキという青年に献身的な介助を受け、キャロルが現れたという情報を得たイズミル王子に攫われたが、キャロルが身ごもっていることを悟った王子は、キャロルの身を案じあえて夜中に逃げ出すキャロルを見逃した。逃亡中にウナス、ルカと無事再会をした時に、第二の妃を迎えるというのが嘘(大神官の陰謀)だったと聞き、再びメンフィスとの愛を確認したキャロルは、急ぎエジプトを目指すが、たどり着いた下エジプトの神殿には、戦争の混乱に乗じ神殿を乗っ取っていたアイシスが待ち構えていた。自分を憎むアイシスに我が子を殺されないよう隠し通そうとしたが、懐妊に気付いたナフテラとの会話をアリに聞かれてしまい、激昂したアイシスに死海に落とされ流産してしまう。子を失った罪悪感とショックで体力が激しく消耗し意識不明の重体になるが、ちょうどミノアからキャロルに助けを求めに来ていたユクタス将軍とミノアの兵の助力によってついに下エジプトの神殿から脱出する。意識不明の状態で再会したメンフィスによって、意識の回復を祈る祈祷の儀式の中、アリ達によって火の海の中に取り残されるが、マシャリキを追ってエジプトに潜んでいたエレニーの薬によって意識が覚醒し、ついに愛するメンフィスと再会を果たした。
古代エジプト王家
メンフィス
声 - 神谷明 / 梶裕貴
古代エジプト王国の王(ファラオ)で、17歳の少年王。名前の由来は下エジプトの首都だったメンフィス。
第1話でキャロルたちに発掘されるが、何者かに盗まれた。その後、古美術商の仲間に外国へ棺桶ごと売られてしまったことが判明。
長い黒髪に女と見紛うばかりの美貌ながら、火のように激しい気性と勇猛果敢さで、残忍で冷酷な切れ者として名を知られる。エジプト王家の中では珍しく、王と王妃との間に生まれた嫡出子で、生まれながらにして完全なる王位継承権を持っていた。21世紀人ならではの英知、白い肌に金髪を有する容姿、明るく優しいが、人命を貴び、王者たる自分にも屈しない姿勢を見せ、自らとエジプトの危機を救い続けたキャロルに惹かれ、いつしか熱愛するようになり、幾多の障害を乗り越えて妃にする。
異母姉である女王アイシス、父ネフェルマアト王の後妻となったヌビアのタヒリ王女、ヒッタイトのミタムン王女、アルゴン王の寵姫ジャマリ、リビアのカーフラ王女、奴隷女メクメクなど、数多くの女性を虜にするほどの美貌の持ち主だが、キャロルと知り合う以前は女に興味を見せず、キャロルを見初めてからは、他は一顧だにしない一途さを持つ。キャロルに対する態度は情熱的な愛そのものである。キャロルに人の命の尊さを諭されるようになってからは若干丸くなったものの、本質はあまり変わらぬまま。姉のアイシス同様、非常に嫉妬深いため、キャロルの口から他の男(特に兄ライアン)の名前が出ただけで烈火の如く怒り出す。しかし、時や場所を遠く隔てていても、互いを呼ぶ声や生命の危機を察知するなど、不思議な力で強く結ばれ合っている。
幼い頃から姉アイシスに激しい恋愛感情を向けられてきたが、メンフィス自身は、自分を産んで間もなく亡くなった、顔も知らない母に代わって、守り育ててくれた姉に対し、母の面影を重ね合わせており、恋愛対象としてでなく、肉親としての情を抱くにとどまっている。
アイシス
声 - 杉山佳寿子 / 朴璐美
古代エジプト王国の第一王女で、下エジプトの女王と呼ばれている、メンフィスの異母姉。名前の由来はエジプト神話の女神イシス(Isis)をアルファベット読みしたもの。メンフィスとは異なり、母の身分は高くなかったが、幼い頃から神秘の力を持つ神殿の祭司として、周囲の尊敬を集めていた。
メンフィスのミイラが盗難に遭った夜、石室のもう一つの部屋で棺からよみがえり、異常に気付いたピラミッドの警備員2人を殺害。翌朝キャロルの前に現れ、リード家へ入り込む。キャロルたちがメンフィスの墓を暴いたことを知り、リード家に復讐を始める。キャロルと共に街へ出かけた際、古美術店へ行き店に出ていない(裏)商品(盗掘した物)を店主から見せられるが、メンフィスの首飾りがあるのを発見。弟の墓を盗んだ上、外国へ売り飛ばしたことを知り、店主を殺害、また娘の看病をしていたリード氏をコブラで殺害する。
その後、キャロルが復元しようと自宅へ持ち帰った石板を見て半狂乱に。実はこの石板、王位を狙う神官が邪魔な自身を呪殺しようと製作した物で、(あれが復元されれば…私は弟を見つけられず 古代へ戻らなければならない!!)と青くなる。この呪術板がある限り、アイシスは現代と古代を行き来することが出来ない。第1巻終盤に開催された古代展で、ライアンを殺害しようとするも失敗。さらに追い打ちをかけるように、石板の復元が進んで体が呪縛されていき、追い詰められた彼女はキャロルを古代エジプトへ誘拐する。
神殿の祭司としての魔力と、つややかな黒髪で神秘的で妖艶な魅力とを併せ持つ絶世の美女。弟メンフィスを熱愛しているが、古代エジプトでは純粋な血統を重んずるため、兄オシリスと妹イシスの結婚のように近親結婚は珍しいものではない。キャロルに限らず、最愛の弟メンフィスに近づく女にはまるで容赦なく、冷酷そのもの。ミタムン王女(古代ヒッタイトの項目参照)を焼き殺し、メンフィスに付き纏うカーフラ王女(その他の古代人の項目参照)を負傷させた。幼い頃から異母弟であるメンフィスを熱愛してその妃となることを望み、一旦はそれが叶うも、皮肉にもメンフィスはアイシスが復讐のため、古代へと引き摺りこんだキャロルに魅せられてしまう。王家の墓を暴いたことに加え、メンフィスの心を奪われたことにより、キャロルをさらに激しく憎悪し、ミタムン殺害の濡れ衣を着せようとする等、あらゆる手を使って抹殺を目論む。物語が進むにつれ、アイシスも知らない力が働くようになり、企みはことごとく失敗に終わる。ヒッタイト、アッシリアとの戦いを経て、幾度も奇跡を起こし、エジプトを大勝利へと導いたキャロルへと次第に人心が傾き、女王としての立場を脅かされるように。またメンフィスの面前でキャロルに辛くあたったことで、益々距離を置かれるようになる。その隙を窺うように接近してきたバビロニア王国の王ラガシュ(その他の古代人の項目参照)に取引を持ちかけられ、キャロルを殺す約束と引き換えに彼へと嫁ぎ、バビロニア王妃となる。王妃となった後も、表面上はともかく、ラガシュ王に心を開くことはなく、弟メンフィスのことを一途に思い続ける。一度はメンフィスと決別を迎えながらも思い切れず、いつかはエジプトに帰りたいと強く願っている。エジプトとバビロニアの戦争の中、古代に戻ったキャロルを待ち構え、キャロルの懐妊に逆上し死海に落として流産させた。のちにラガシュ王の子を身ごもっていることが発覚した。その後王子を産むが、メンフィスの子ではないと嘆く。
古代エジプト
ミヌーエ
ウナス
ルカ
メンフィスの元でキャロルの召使い及び護衛(兼見張り)を務める古代エジプト王国の武官。しかし、その正体は密命を受けてエジプトに潜入したヒッタイトの間者である。
ソバージュの長髪を後ろで一纏めにしている。イズミル(古代ヒッタイトの項目参照)の腹心の部下であり、白い鳩を使ってやりとりしている。キャロル及びエジプトを狙うイズミルより、宮廷内を探るという命を受けて潜入し、キャロル始めエジプト内の人々にはその正体を一向に悟られず、ウナスと共にキャロルを幾多の危険から守ってきた。ウナスとは異なり、短剣を使うことが多く、その腕はかなりのもの。イズミルへの忠誠心は人一倍強い反面、キャロルを敬いながらもそのお茶目な一面を微笑ましく思う等、強く慕っている。そのため間者である正体を知られ、彼女の信頼を失うことをひどく恐れるなど、内心葛藤している。因みに、ルカの衣装は初登場時から一度も変わっていない。
テティ
古代エジプト王国の、キャロル付きの侍女。他の侍女たちからはテティ様と敬称を付けられるなど、ナフテラに次ぐ地位もしくは身分の模様。
ふくよかな体に明るい性格で食欲旺盛、コメディリリーフ的な役回りが多い。主であるキャロルとは、主従を超えた絆で結ばれており、魔女キルケーの妖術によって正気を失ったキャロルが、唯一名前を覚えていたほど。テティ自身がキャロルに向ける忠誠心も高く、力及ばぬまでもアトラスやイズミルに立ち向かい、拉致されたキャロルを密かに追跡するなど、行動力に長ける。また運が非常に良く、キャロルほどではないものの、幾度も生命の危機を迎えながらも、キャロルを狙う者たちの手によって無残に殺害されたり負傷することの多い他の侍女たちとは異なり、一度も大事に至ったことはない。ミノア編以降も常にキャロルの側に控え、一緒にお忍びで下町へ繰り出したり、料理を作ったりしている。本人はウナスに気があるようだが、商人カレブに一目惚れされてしまった。
ナフテラ
イムホテップ
ハサン
カレブ
アリ
カプター大神官
神事を司る、禿頭の神官長。
高潔であるべき地位にありながらその心は非常に俗で、数々の黄金の美術品を秘密の部屋に収集しては愛でている程に、黄金に目が無い。キャロルを最も尊ぶべき生きた黄金とみなしており、いつか我が手にと狙っている。キャロル自身は大神官の魂胆は知らぬものの、彼を薄気味悪く思っており、後のカプターとカーフラの計画をきっかけに酷く嫌うようになる。初登場時より徐々に丸まった体型になり、小太りな男になっている。無能な男と思われがちだが、占星術を元にした予言などはほぼ的中しており、自らに取り入ろうとするメクメクの素性についても、嘘だと感づきながらも、わざと騙されたふりをするなど、得体のしれないところが数多くある。
セチ
セフォラ
古代ヒッタイト
イズミル
声 - 塩沢兼人 / 櫻井孝宏
古代ヒッタイト王国の第一王子。名前の由来は今のトルコ(ヒッタイト)西部の都市イズミルから。近隣国にもその令名を謳われる、聡明な長髪の美丈夫。武術の達人としても名高い。宿年のライバルであるメンフィスの戴冠式に、名代としてエジプトへ赴いた妹ミタムンが殺害され(彼がエジプトに滞在している間、市に出かけた従者の一人が古物商から買ったミタムンの額飾りが黒焦げていて血が滲んでいた事から、殺害された事を悟る)、復讐のために誘拐したキャロルだったが、その聡明さや何物にも屈しない気性を知るうちに熱愛してしまう。キャロルを妃に迎えたいと密かにルカを送り込み、動向を探っては何度も奪取・拉致を試みる。魔女キルケーの魔力のこもったペンダントにより催眠状態にしたキャロルと無理矢理結婚式を挙げるなど、強引な手段を取る一方で、自己犠牲さえ厭わずキャロルの身を守ろうとする真摯さを抱いている。
ミタムン
ヒッタイト王
ヒッタイト王妃
ミラ
ムーラ
ハザズ将軍
ウリア
古代アッシリア
アルゴン
声 - 加藤精三
古代アッシリアの王。非常に好色で残酷な君主として悪名高く、先王の皇太子を殺して王位を奪った。エジプトを狙い、キャロルをおびき寄せて強引に妃にしようと画策するが失敗。激怒したメンフィスによって城を落とされ、左腕を切断された。いつも舌がペコちゃんのように出ている。
ジャマリ
古代バビロニア
ラガシュ
リムシン大神官
古代ミノア
ミノス
アトラス
王太后
フオティア
その他の古代人
モリオネー
古代アテネの貴族の娘。ミノアに貢納された奴隷の中に紛れ込んでしまったため、火の島の危険区域で働かされていた。アトラスの襲撃を受け、難破したイズミル王子一行を助ける。イズミルに魅せられ、自分をヒッタイトへ連れて行くことを条件に、道案内及び島からの脱出に力を貸すことを提案する。しかしトロイまでの船旅の中で、イズミルの目がキャロルにしか向いていないことや、途中で乗船してきたムーラによってイズミルの側から遠ざけられたことに、次第に不満を溜め込む。トロイの都へやってきたヒッタイト王が彼女をイズミルの花嫁と勘違いし、国から持参した花嫁衣装を与えたことに初めは狂喜し、着飾るも、直後に嘘をついていたと王の怒りを買って鞭打ち刑に処せられてしまう。そのため血まみれの復讐鬼のようになり、キャロルの寝所を守る侍女たちを次々に殺害、キャロルも手にかけようとするがアマゾネスの女王に阻まれる。戦の最中、キャロルがつけていた首飾りを手に周囲をうろつき、首飾りの放つ特殊な芳香からキャロルと勘違いして油断したイズミルに重傷を負わせ、アマゾネスによる拉致の原因を作った。その後の消息は不明。
マシャリキ
エレニー
カーフラ
リビア王国第一王女。メンフィスの美貌を見て一目で恋し、キャロルを妃の地位から追い落とそうと画策する。
その足がかりとしてメンフィスの第二の妃になろうと、祭祀であるカプター大神官に賄賂で取り入り、密約を結ばせるなど奸智に長ける。その後も、ヒッタイト・アッシリア・バビロニアという強国と敵対しており、リビアと同盟を結ばざるを得ないエジプトの苦しい立場を利用し、大臣、果ては父王まで引っ張り出して婚儀を迫るが、リビア本国で皇太子暗殺未遂という変事が起きたため、急きょ帰国した。その後も諦めていない様子を見せる。自分を美女だと信じて疑わないが、ばあやから以外の称賛の描写はなく、女好きのアルゴン王からも全く見向きもされなかった。
現代人
ライアン・リード
ジミー
声 - 財満健太
キャロルの考古学の師ブラウン教授の孫であり、現代での恋人&婚約者。キャロルに夢中だが、度々行方不明になっては長く発見されないキャロルを、王の墓を暴いたことで“王家の呪い”に侵されているのではないかと身を案じている。ライアンのことが苦手らしい。連載当初、キャロルと両思いで将来を約束していただけに、報われないキャラクターでもある。
アフマド
リード夫人
キャロルの母、キャロルが行方不明になってから体調を崩し寝込むようになる。キャロルを心配する思いが通じるのか度々古代にいるキャロルの夢を見る。
登場する国など
- 古代エジプト(エジプト、首都:テーベ)
- ヒッタイト(現在のトルコ、首都:ハットゥシャ)
- バビロニア(現在のイラク、メソポタミアの南部)
- アッシリア(現在のイラク、メソポタミアの北部)
- ミノア(現在のクレタ島)
- アマゾン(アマゾーン)
- アビシニア(エチオピア)
- リビア(北アフリカに位置)
- インダス
- メディア王国(首都:エクバタナ)
書誌情報
単行本
- 細川智栄子あんど芙〜みん 『王家の紋章』 秋田書店〈プリンセスコミックス〉、既刊69巻(2023年6月15日現在)
- 1977年1月24日発売、ISBN 4-253-07060-4
- 1977年9月27日発売、ISBN 4-253-07061-2
- 1978年3月9日発売、ISBN 4-253-07062-0
- 1978年5月25日発売、ISBN 4-253-07063-9
- 1979年10月5日発売、ISBN 4-253-07064-7
- 1980年6月13日発売、ISBN 4-253-07065-5
- 1981年2月21日発売、ISBN 4-253-07066-3
- 1981年7月16日発売、ISBN 4-253-07067-1
- 1981年11月4日発売、ISBN 4-253-07068-X
- 1982年9月4日発売、ISBN 4-253-07069-8
- 1982年12月10日発売、ISBN 4-253-07070-1
- 1983年7月26日発売、ISBN 4-253-07071-X
- 1984年7月26日発売、ISBN 4-253-07072-8
- 1985年6月3日発売、ISBN 4-253-07073-6
- 1985年9月2日発売、ISBN 4-253-07074-4
- 1985年12月2日発売、ISBN 4-253-07075-2
- 1986年5月2日発売、ISBN 4-253-07076-0
- 1986年11月13日発売、ISBN 4-253-07077-9
- 1987年7月2日発売、ISBN 4-253-07078-7
- 1987年10月30日発売、ISBN 4-253-07079-5
- 1988年3月3日発売、ISBN 4-253-07080-9
- 1988年8月22日発売、ISBN 4-253-07081-7
- 1989年3月20日発売、ISBN 4-253-07082-5
- 1989年9月7日発売、ISBN 4-253-07083-3
- 1990年4月28日発売、ISBN 4-253-07084-1
- 1990年10月26日発売、ISBN 4-253-07085-X
- 1991年3月28日発売、ISBN 4-253-07590-8
- 1991年10月25日発売、ISBN 4-253-07591-6
- 1992年4月2日発売、ISBN 4-253-07592-4
- 1992年10月23日発売、ISBN 4-253-07593-2
- 1993年4月23日発売、ISBN 4-253-07594-0
- 1993年11月18日発売、ISBN 4-253-07595-9
- 1994年4月28日発売、ISBN 4-253-07596-7
- 1995年3月31日発売、ISBN 4-253-07597-5
- 1995年11月24日発売、ISBN 4-253-07598-3
- 1996年5月31日発売、ISBN 4-253-07599-1
- 1997年4月24日発売、ISBN 4-253-07600-9
- 1997年12月19日発売、ISBN 4-253-07613-0
- 1998年6月26日発売、ISBN 4-253-07614-9
- 1998年12月21日発売、ISBN 4-253-07615-7
- 1999年6月25日発売、ISBN 4-253-07797-8
- 1999年12月16日発売、ISBN 4-253-07798-6
- 2000年6月22日発売、ISBN 4-253-07799-4
- 2001年2月22日発売、ISBN 4-253-07800-1
- 2001年6月28日発売、ISBN 4-253-19111-8
- 2001年12月24日発売、ISBN 4-253-19112-6
- 2002年7月18日発売、ISBN 4-253-19113-4
- 2003年8月21日発売、ISBN 4-253-19114-2
- 2004年9月9日発売、ISBN 4-253-19115-0
- 2005年8月16日発売、ISBN 4-253-19116-9
- 2006年6月16日発売、ISBN 4-253-19117-7
- 2007年7月13日発売、ISBN 978-4-253-19118-0
- 2008年6月16日発売、ISBN 978-4-253-19119-7
- 2009年6月16日発売、ISBN 978-4-253-19120-3
- 2010年6月16日発売、ISBN 978-4-253-19121-0
- 2011年8月16日発売、ISBN 978-4-253-19122-7
- 2012年6月15日発売、ISBN 978-4-253-19132-6
- 2013年6月14日発売、ISBN 978-4-253-19133-3
- 2014年7月16日発売、ISBN 978-4-253-19158-6
- 2015年7月16日発売、ISBN 978-4-253-19159-3
- ドラマCD付き限定特装版 同日発売、ISBN 978-4-253-18187-7
- 2016年6月16日発売、ISBN 978-4-253-19160-9
- 2016年12月16日発売、ISBN 978-4-253-27352-7
- ドラマCDつき限定特装版 同日発売、ISBN 978-4-253-18191-4
- 2018年4月16日発売、ISBN 978-4-253-27353-4
- 2018年6月15日発売、ISBN 978-4-253-27354-1
- 2019年6月14日発売、ISBN 978-4-253-27355-8
- 2020年6月16日発売、ISBN 978-4-253-27356-5
- 2021年6月16日発売、ISBN 978-4-253-27357-2
- 2022年6月16日発売、ISBN 978-4-253-27358-9
- 2023年6月15日発売、ISBN 978-4-253-27359-6
- ドラマCD付き限定特装版 同日発売、ISBN 978-4-253-18187-7
- ドラマCDつき限定特装版 同日発売、ISBN 978-4-253-18191-4
文庫本
- 細川智栄子あんど芙〜みん 『王家の紋章』 秋田書店〈秋田文庫〉、既刊25巻(2018年5月24日現在)
- 1996年11月8日発売、ISBN 4-253-17296-2
- 1996年11月8日発売、ISBN 4-253-17297-0
- 1997年5月10日発売、ISBN 4-253-17298-9
- 1997年11月10日発売、ISBN 4-253-17299-7
- 1998年11月10日発売、ISBN 4-253-17300-4
- 2000年9月7日発売、ISBN 4-253-17301-2
- 2002年11月8日発売、ISBN 4-253-17302-0
- 2005年1月12日発売、ISBN 4-253-17303-9
- 2005年10月7日発売、ISBN 4-253-17304-7
- 2006年4月7日発売、ISBN 4-253-17305-5
- 2006年10月6日発売、ISBN 4-253-17306-3
- 2007年4月10日発売、ISBN 978-4-253-17307-0
- 2007年10月10日発売、ISBN 978-4-253-17308-7
- 2008年4月10日発売、ISBN 978-4-253-17309-4
- 2008年10月10日発売、ISBN 978-4-253-17310-0
- 2009年4月10日発売、ISBN 978-4-253-17311-7
- 2009年10月9日発売、ISBN 978-4-253-17312-4
- 2010年4月9日発売、ISBN 978-4-253-17313-1
- 2011年7月8日発売、ISBN 978-4-253-17314-8
- 2012年4月10日発売、ISBN 978-4-253-17315-5
- 2013年7月10日発売、ISBN 978-4-253-17316-2
- 2015年4月17日発売、ISBN 978-4-253-17317-9
- 2016年1月22日発売、ISBN 978-4-253-17318-6
- 2016年7月22日発売、ISBN 978-4-253-17319-3
- 2018年5月24日発売、ISBN 978-4-253-17320-9
派生作品
VHS版
王家の紋章 イラスト・ストーリー・ビデオ カラー40分
製作 - 「王家の紋章」製作委員会
製作協力 - 秋田書店・銀座ビデオテック
制作 - 秋田貞美 渡邉亮徳
企画 - 神永悦也 石黒吉貞
音楽 - 久石譲
原作・脚本 - 細川知栄子あんど芙~みん
キャスト
キャロル - 山本百合子
メンフィス - 神谷明
アイシス - 杉山佳寿子
イズミル - 塩沢兼人
ナレーション - 来宮良子
音楽プロデューサー - 矢作樹久麿
ディレクター - 三宅明夫
プロデューサー - 山口敦規
演出 - 矢作大輔
レコード・CD版
「王家の紋章 イラスト・ストーリー・ビデオ・オリジナル・サウンド・トラック」
復刻版:モモアンドグレープスカンパニー(2004年9月25日/ABCA-5067)
製作 - 「王家の紋章」製作委員会
音楽 - 久石譲
「王家の紋章 イメージアルバム Part1」
復刻版:ポニーキャニオン(1990年12月15日/PCCG-00104)
キャスト
キャロル - 潘恵子
メンフィス - 神谷明
アイシス - 杉山佳寿子
イズミル - 塩沢兼人
アルゴン - 加藤精三
リード - 渡部猛
ナレーション - 田島令子
音楽 - 馬飼野康二
構成・脚本 - 藤井青銅
演出 - ドン上野
イメージソング - 全作詞:藤公之介
キングオブキングス〜メンフィスのテーマ〜(高梨雅樹)
剣よりも愛〜キャロルのテーマ〜(潘恵子)
時の流れに(高梨雅樹&潘恵子)
「王家の紋章 イメージアルバム Part2」
復刻版:ポニーキャニオン(1990年12月15日/PCCG-00105)
音楽 - 馬飼野康二
ミュージカル版
2016年にミュージカル「王家の紋章」の初演が公演された。単行本4巻までを舞台化している。いずれも、音楽をシルヴェスター・リーヴァイ、演出を荻田浩一が担当した。
公演日程
キャスト