球道くん
漫画
作者:水島新司,
出版社:小学館,
掲載誌:マンガくん・少年ビッグコミック,
発表期間:1977年,1981年,
巻数:単行本:全19巻文庫本:全11巻,
以下はWikipediaより引用
要約
『球道くん』(きゅうどうくん)は、水島新司の野球漫画。『マンガくん』および『少年ビッグコミック』にて1977年から1981年まで連載された。
概要
『男どアホウ甲子園』『一球さん』に続く、『週刊少年サンデー』系列での水島新司作品で、『マンガくん』創刊号から看板作品として連載された。
実父・育ての親ともにプロ野球選手という野球少年・中西球道の成長とその活躍を、北海道、小倉、浦安を舞台に、プロ野球世界を生き抜く厳しさ、つらさなども織り交ぜつつ描く。
主人公である中西球道が率いる青田高校は後に水島新司作品の主役達が勢揃いした『大甲子園』において、準決勝でドカベン率いる明訓高校と名勝負を繰り広げ、再試合を含む2試合を戦い、漫画史に残る戦いを繰り広げた。
登場人物
球道とその親族
                                
                                主人公。投手。名前の由来は「球けがれなく道けわし」。
                                山本一利(やまもと かずとし)
 
                                
                                山本加奈(やまもと かな)
 
                                
                                
ノンプロ・東日パルプ時代に球道と出会い、愛子と結婚。この直後、全国社会人野球に出場。王貞治似の謎の男から球道が教わった「一本足打法」を真似て一気に才能が開花。このとき冨島松五郎監督が惚れこみ、この年のドラフトでプロ野球・小倉イーグルスに入団(背番号10)。2年目は4番レフトに定着、本塁打28本、3年目も25本と活躍。
その後、冨島監督解雇に伴い、鬼頭投手(フルネームは不詳)とのトレードで大沢啓二監督率いる日本ハムファイターズに移籍(背番号0)。主にDHで起用され、3割打者となっている。
『大甲子園』では、息子VS母校と言う関係からチームメイトの土井垣将と論争を広げる一幕もある。
                                中西愛子(なかにし あいこ)
 
                                
                                
青田高校
監督
                                大下茂蔵(おおした しげぞう)
 
                                
                                
球道の同級生
                                大池英治(おおいけ えいじ)
 
                                                     
                     
                    
                    
                    
                                
                                北海道時代からの球道の幼馴染み。愛称は「えーじ」。でかハナがトレードマーク。語尾に「じゃん」を付けるのが癖。右投右打。捕手。
球道が父親のプロ入団で引越したため、離れ離れとなる。このことがきっかけで荒れて町一番のワルになり、町を追い出された経歴がある。
その後鑑別所に送られたが、村山先生(高校時代、大下監督とバッテリーを組んでいた)の保護観察の顔見せの途中、たまたま成長した球道を見つけ野球の世界にもどってくる。
球道と再会の直前、お金を落とした少女を助けるため、刑事の財布を盗み、その刑事に追われる。素顔をさらすわけにはいかなくなった大池は、顔を包帯でグルグル巻きにして球道の前にあらわれ、しばらくは「透明」という登録名で青田高校の試合に出場。その後に試合で、グロッキー状態となった球道を元気付けるため、意を決して試合中に包帯を取って正体を明かす。その覚悟に打たれた刑事は逮捕を諦める。このブランクで野球から遠ざかった時期もあり、学年は球道と同じだが年上である。
球道の剛球を巧みにとるキャッチングのほか、巧打者でもあり、チャンスを作るのがうまい面もある。また短気な球道のコントロールも上手い。『大甲子園』においても、岩田鉄五郎から「剛球投手の球を受ける捕手はボケが多いが、こいつ(英治)はキレ者だ」と言わしめた。
『ドカベン ドリームトーナメント編』で登録名「えーじ」で京都ウォーリアーズに入団。
                                才蔵旭(さいぞう あきら)
 
                                                     
                     
                    
                    
                    
                                
                                仁侠映画のキャラクターのような風貌。右投右打。右翼手、一塁手、三塁手。
鑑別所から村山先生の紹介でシゲ監督の家に居候をすることになる。村山は本当は大池を紹介したのだが、何故か人違いで才蔵が居候してしまった。
当初は野球センスはほぼゼロだったが、持ち前の根性と陰の努力で才能を開花させる。
透明人間(えーじ)が出てくるまで、球道のキャッチャーを務めあげた。
球道のことを兄貴分として敬っていたが、『大甲子園』では同格扱いになった。それどころか、地区予選決勝のクリーンハイスクール戦で乱闘を起こしかけた球道に実父の形見である「球けがれなく道けわし」のボールを渡し「投げてみろ(相手にぶつけるのなら)、この親不孝者!」と一喝し、英治と共に球道のストッパーになるまでに成長している。
『ドカベン ドリームトーナメント編』で京都ウォーリアーズに入団。
                                空草一平(からくさ いっぺい)
 
                                
                                飛魚長介(とびうお ちょうすけ)
 
                                
                                勝又(かつまた)
 
                                
                                葵兵吉(あおい へいきち)
 
                                
                                
球道の先輩・後輩
                                
                                
                                
                                
                                
                                
                                青空晴太(あおぞら はれた)
 
                                                     
                     
                    
                    
                    
                                
                                球道の1年先輩。学生帽のような帽子を被っている。1番・三塁手。右投右打。
3年生が引退し、部員が足りなくなった野球部に途中から入部してくる。
恐ろしい野球センスの持ち主で、入部直後に大下監督の1000本ノックに耐えて部員を驚かせる。入部直後から、地元の新聞に「青田にニューヒーロー登場!」と大々的に報道される。
野球部につきまとう雨宮をかばう行動が多く、入部直後は野球部員から疑惑の目を向けられることが多かったが、その後誤解が解ける。
自身最後の夏の大会では、県大会1回戦で伏兵の船橋ヘルス高校に敗れ、公式戦における青空の活躍は殆どみることができなかった。
同姓同名のキャラクターが『新・野球狂の詩』で遊撃手として登場している。
                                
その他
ライバル達
千葉県内の高校
                                渡(わたり):(千葉桜ヶ丘高校)
 
                                                     
                     
                    
                    
                    
                                
                                千葉桜ヶ丘の捕手で4番打者。通称「桜獅子」。その後桜ヶ丘の監督に就任。
入学前の野球部入部予定者が参加する練習で、球道と対戦し、三球三振をとられた。
球道をして、「あいつは将来プロで4番を打つ!」と言わしめている。
プライドが高い性格だったが、球道を倒すために心を入れ替え、それまで嫌っていたミッキーマウス(両耳をガードする作りになっているヘルメット)を着用し、プライドを捨ててバットを短く持って球道からライトにホームランを打つなど、野球への情熱が伝わってくる選手である。
青田と船橋ヘルス戦を観戦に訪れた際、「野球部は我が校の恥だ」と捨て台詞を吐いて帰ろうとする船橋ヘルスの生徒に対して、「グラウンドで頑張ってる同級生を馬鹿にするなんて、男のすることじゃない」と戒めている。
球道らが2年生の秋の大会では春山の言動によると監督になっている。
                                春山清司(はるやま せいじ):(千葉桜ヶ丘高校)
 
                                
                                船橋ヘルス高校の選手たち
 
                                                     
                     
                    
                    
                    
                                
                                球道の2年夏の県大会で、1回戦で対戦する。チーム名は船橋ヘルスセンターのパロディ。
県下有数の強豪であるサッカー部に比べ、野球部は県大会出場さえ初めてという弱小。そのため、グラウンドも大半がサッカー部に占領され、限られたスペースでの練習を強いられる。狭い限られたスペースでバントだけを練習していたことにより、バントだけは上達。
雨の中行われた青田との試合では、信じられないラッキーに見舞われ、終盤まで2-0とリード。雨が強くなって試合が中断し、このままいけば自分たちがコールド勝ちになるにも関わらず、率先してグラウンドに飛び出して試合を再開させる。しかし、足元の悪い中での守備のため負傷する選手が出たのを見かねた青田サイドが試合続行を断念。大金星となる。その後の勝ち上がりなどについては全くの不明。
ちなみに、選手達の名前と容貌は、そのほとんどが「男どアホウ甲子園」の南波高校の選手のパロディである。(左翼手の藤川は藤村甲子園、捕手の岩城は岩風五郎、二塁手の山城は結城翼、三塁手の小熊は大熊牛吉、遊撃手の東竜は神島竜矢、右翼手の松下は松葉月夫、中堅手の広間は知覧太郎、一塁手の団は千曲ちあき、投手の大石は大山風太郎に容貌が似ている)
                                
博多どんたく高校
福岡県の高校。
                                
                                福岡の小学校時代の球道の恋女房。実家は肉屋を経営している。大家族の長男でかつ父親が体を壊して入院しているという過酷な状況のため、大好きな野球をせずにもっぱら家の手伝いに従事していた。
時々空き地で壁当てをする一男を喧嘩のため野球部から追い出された球道が目撃し、そのキャッチングセンスに惚れこみ、毎日1球ずつのキャッチボールをするようになった。その後、球道と愛子が一男の家の手伝いをする代わりに野球をするようになった。
その後、どんたく高校に進んで球道の青田と高校1年の夏に甲子園で対戦。青田を破った勢いでその大会で優勝する。
                                
                                通称「悪道」。球道の小学生時代の同級生。常に目がかくれるくらいに学生帽をかぶっている。
登場当初は、典型的な悪役キャラとして球道と対立するが、すぐにお互いを認め合う仲になり、野球部に入部した。
球道、球司郎と小倉イーグルスの応援に行くと、ほぼ毎回バケツを叩いて騒がしく応援している。
野球センスはないが、パワーだけはあり、酒森からホームランを打ったりもする。
その後はどんたく高校に進み、右翼手として大和田らと共に球道と対戦する。
山本姓だが、球道の実父・山本一利などと縁戚関係ではない。名前は山本又一朗に由来。
                                
                                博多どんたく小〜高校のエースピッチャー。左腕から繰り出す速球はコントロール、球威共になかなかのものがある。
球道とは高校時代に2度対戦し、1勝1敗(1年夏の1回戦と高校3年春の決勝戦)。
なお、初登場時は球道より学年がひとつ上だったが、いつのまにか同学年になっていた。
                                
                                愛称は「サッシー」。左投左打。剣と同じく、小学校編から登場するサウスポー。
キャッチャー土居垣との抜群の相性で球道を苦しめるが、最後はスローボールを球道にサヨナラヒットにされた。
激しやすい性格で、剣のいるどんたく小との試合では、アウトの判定に怒って審判を突き飛ばしたりもした。それが原因で非行に走りかけるが、球道や悪道の頑張りにより、再び野球に戻る。福岡選抜では一塁手となった。
その後は、どんたく高校の中堅手として再登場する。
愛称の「サッシー」も含め、名前は酒井圭一に由来。
                                
                                酒森のキャッチャーとして小学校編から登場。熱くなりやすい酒森を支える冷静なリードを見せる。
その後は、どんたく高校の三塁手として再登場する。名前は土井垣武に由来。
その他
                                冨島松五郎(とみしま まつごろう)
 
                                
                                
博多どんたく高校のマネージャーとして球道と再会。『大甲子園』では原因不明の眼病にかかっており、その後治癒したかどうかは不明。
エピソード
- 満田拓也の野球漫画『MAJOR』は、「主人公が剛球投手、エースで四番」「幼い頃の実父の死」「血のつながりのない養父母」「実父・養父ともにプロ野球選手」「福岡での幼少期」「主人公の永遠のライバルが捕手」「養父母の実子が野球をするも、有名野球選手である父や兄と比較されることで、苦悩する場面がある」など、本作と類似している点が非常に多い。これに関しては満田本人も認めている(週刊少年チャンピオン2007年34号、満田のコメントより)。本人によると、小さい頃から水島新司の漫画が大好きで、当時よく読んでいた『球道くん』の影響を受けたらしい。
 
- 高知商業高校の主戦投手として1980年の春の甲子園で優勝した中西清起には、「中西姓の甲子園優勝投手」という縁から「球道くん」の愛称が付けられた。
 
