白と黒 (横溝正史)
以下はWikipediaより引用
要約
『白と黒』(しろとくろ)は、横溝正史の長編推理小説。「金田一耕助シリーズ」の一つ。角川文庫『白と黒』 (ISBN 4-04-130413-X) に収録されている。
地方の村や大家族、風俗的な舞台などが多かった横溝が現代の団地を舞台にし、これまでにない大長編として挑んだ意欲作である。
解説
本作の成立までには複雑な改稿経緯があったとされている。源流は1948年の人形佐七捕物帳『浄玻璃の鏡』とされているが、直接の原型作品は1957年11月に東京新聞社の『週刊東京』に連載された『渦の中の女』であり(金田一耕助の冒険#概要も参照)、本作の須藤順子、須藤達雄、日疋恭助、片桐恒子、河村松江、岡部泰蔵、戸田京美に相当する人物が登場する。これを長編化した『黒い蝶』が1959年に『サンデー小説』で連載されて中断したことが知られており、その後1960年11月から1961年12月まで『日刊スポーツ』など共同通信社から配信を受けている各新聞で長編『白と黒』として連載された。これを、1965年に東都書房の『横溝正史傑作選集5』に収録する際に整理改稿したのが本作の最終形である。
なお、『週刊東京』の連載で『渦の中の女』の次に横溝が担当した『扉の中の女』には、本作の須藤順子に相当する人物の紹介で金田一を訪問した人物が登場するが、それを改稿長編化した『扉の影の女』では紹介者は全くの別人に変更されている。また、『浄玻璃の鏡』を源流とする作品としては、他に『毒の矢』や『黒い翼』があり、本作においても金田一が「同種の事件」としてコメントしている。
あらすじ
1960年(昭和35年)10月11日、金田一耕助は、古いなじみの元ホステス・須藤順子の案内で、彼女の住む日の出団地を訪れた。近頃団地内に怪文書が出回っており、それが順子を悩ませているという。
Ladies and Gentlemenという書き出しで始まるその文書は活字を切り貼りして作られており、順子の夫・達夫に宛てて順子の不倫を暴露したものだった。
一方その頃、団地内のダストシュートで女の変死体が発見され、身につけた物から女は団地に隣接する洋裁店・タンポポの主人と見られたが、塗装用タールの下敷きとなっていたため、その容貌がわからなくなっていた。
登場人物
警察関係者
以前からの金田一の知人
帝都映画関係者と家族
「タンポポ」関係者と家族
教師たちと家族、関係者
政界関係者
テレビドラマ
1962年版
NET(現・テレビ朝日)系列の『ミステリーベスト21』枠(金曜日21時15分 - 22時15分、JST)で1962年11月23日に放送された。主演は船山裕二。
脚本は直居欽哉、演出は松島稔。
キャスト
- 金田一耕助 - 船山裕二
- 等々力大志 - 須藤健
- 須藤順子 - 高倉みゆき
- 須藤達雄 - 鮎川浩
- 片桐恒子 / 辻村あき子 - 山田美智子
- 根津伍市 - 山田周平
- 根津由起子 - 新井茂子
- 戸田京美 - 堀江璋子
- 水島浩三 - 藤村有弘
- 宮本タマキ - 青山ミチ
- 伊丹大作 - 千葉信男
- 山川警部補 - 岩城力也
- 志村刑事 - 仲原新二