小説

百年の孤独




以下はWikipediaより引用

要約

『百年の孤独』(ひゃくねんのこどく、西: Cien Años de Soledad、シエン アニョス デ ソレダッ)は、ガブリエル・ガルシア=マルケスの長編小説。初版は1967年に出版された。日本語版は1972年に新潮社から刊行された。

ガルシア=マルケスの代表作品で、世界各国でベストセラーになり、ラテンアメリカ文学ブームを巻き起こした。本作を主に、ガルシア=マルケスは1982年にノーベル文学賞を受賞した。2002年、ノルウェイ・ブッククラブによって「世界傑作文学100」に選ばれている。

1981年、日本の寺山修司により上演、1982年、同じ寺山が映画化を進めたが、原作者と係争となって公開できず、改題(『さらば箱舟』)および原作クレジットの削除などの条件を受諾して、寺山の死(1983年)の後、1984年になって公開された。したがって現在は無関係な作品として扱われるが、ストーリーは共通している。

あらすじ

ホセ・アルカディオ・ブエンディアとウルスラ・イグアランを始祖とするブエンディア一族が蜃気楼の村マコンドを創設し、隆盛を迎えながらも、やがて滅亡するまでの100年間を舞台としている。

コロンビアのリオアチャにあるコミュニティでは、近い血縁での婚姻が続いたせいで豚の尻尾が生えた奇形児が生まれてしまった。それを見たウルスラは性行為を拒否するが、そのことを馬鹿にされたため、ウルスラの又従兄弟で夫のホセ・アルカディオは彼女を馬鹿にした男を殺してしまう。しかし殺された男がホセとウルスラの前に現れ続けたために、夫妻は故郷を離れてジャングルを放浪した末に、新しい住処「マコンド」を開拓する。そしてウルスラは「豚のしっぽ」が生まれないように、婚姻の相手は血の繋がりのない相手に限定するという家訓を残した。さまざまな人間模様や紆余曲折がありながら「マコンド」は繁栄していったが、ウルスラが残した家訓は玄孫の代に叔母と甥の恋愛結婚という形で破られ、「マコンド」は衰退と滅亡へと向かっていく。

登場人物
第1世代

ホセ・アルカディオ・ブエンディア(José Arcadio Buendía)

ブエンディア一族の祖。作品の舞台となるマコンドの創成者。ウルスラ・イグアランの夫。
ウルスラ・イグアラン(Úrsula Iguarán)

ホセ・アルカディオ・ブエンディアの妻にして又従兄弟。豚の尻尾が生えた子供(奇形児)が生まれないように近親相姦を禁じる家訓を残す。

第2世代

ホセ・アルカディオ(José Arcadio)

ホセ・アルカディオ・ブエンディアとウルスラ・イグアランの間の長男。
アウレリャノ・ブエンディア大佐(Coronel Aureliano Buendía)

ホセ・アルカディオ・ブエンディアとウルスラ・イグアランの間の次男。
レメディオス・モスコテ(Remedios Moscote)

ドン・アポリナル・モスコテの娘。9歳の時、アウレリャノに見初められ恋をし、その後結婚する。
アマランタ(Amaranta)

ホセ・アルカディオ・ブエンディアとウルスラ・イグアランの間の長女。
レベーカ(Rebeca)

皮革商人に連れられてホセ・アルカディオ・ブエンディアとウルスラ・イグアランの元に届けられ、ブエンディア家の一員として育てられる。

第3世代

アルカディオ(Arcadio)

ホセ・アルカディオとピラル・テルネラの間の子。
アウレリャノ・ホセ(Aureliano José)

アウレリャノ・ブエンディア大佐とピラル・テルネラの間の子。
サンタ・ソフィア・デ・ラ・ピエダ(Santa Sofía de la Piedad)

アルカディオの妻。
17人のアウレリャノ(17 Aurelianos)

戦地で、アウレリャノ・ブエンディア大佐が違う女に生ませた17人の子供。

第4世代

小町娘のレメディオス(Remedios the Beauty)

アルカディオとサンタ・ソフィア・デ・ラ・ピエダの長女。
ホセ・アルカディオ・セグンド(José Arcadio Segundo)

アウレリャノ・セグンド(Aureliano Segundo)

アルカディオとサンタ・ソフィアの子で双子。
フェルナンダ・デル=カルピオ(Fernanda del Carpio)

アウレリャノ・セグンドの正妻。

第5世代

ホセ・アルカディオII(José Arcadio II)

アウレリャノ・セグンドとフェルナンダの第一子。
レナータ・レメディオス(メメ)(Renata Remedios (Meme))

アウレリャノ・セグンドとフェルナンダの長女。
アマランタ・ウルスラ(Amaranta Úrsula)

アウレリャノ・セグンドとフェルナンダの末娘。

第6世代

アウレリャノ・バビロニア(Aureliano Babilonia (Aureliano II))

レナータ・レメディオスとマウリシオ・バビロニアとの子。

第7世代

アウレリャノ・バビロニア(Aureliano (III))

アマランタ・ウルスラとアウレリャノ・バビロニアの子。

その他の人物

メルキアデス(Melquíades)

マコンド創設の頃、毎年3月に当地を訪れたジプシー。マコンドとホセ・アルカディオ・ブエンディアに文明の利器・技術を持ち込む。
ピラル・テルネラ(Pilar Ternera)

マコンド建設当時からの住人。
ピエトロ・クレスピ(Pietro Crespi)

イタリア人技師。
ペトラ・コテス(Petra Cotes)

アウレリャノ・セグンドの愛人。
ミスター・ハーバートとミスター・ブラウン(Mr. Herbert and Mr. Brown)

ミスター・ハーバートがマコンドに立ち寄りバナナを一房食べ、ジャック・ブラウン等の調査団が送られ、バナナ工場ができる。
マウリシオ・バビロニア(Mauricio Babilonia)

マコンドで生まれ育ったバナナ会社の見習工。
ガストン(Gastón)

アマランタ・ウルスラの夫。
ガブリエル(Gabriel)

アウレリャノ・バビロニアの4人の友人の一人。ヘリネルド・マルケス大佐の曾孫。フランスの雑誌の懸賞に当選し、パリへ旅立つ。作者自身がモデルであるといわれている。
マコンドの神父

(初代)ニカノール・レイナ神父
(2代)コロネル神父
(3代)アントニオ・イサベル神父
(4代)アウグスト・アンヘル神父
(5代)老齢の司祭

日本語訳
  • 『百年の孤独』、鼓直 訳、新潮社「新潮 現代世界の文学」、初版1972年5月
  • 新装版 1987年、ISBN 978-4-10-509001-2
  • 改訳版『百年の孤独』、鼓直 訳、新潮社、1999年8月、ISBN 978-4-10-509008-1
  • 新装版 2006年12月、ISBN 978-4-10-509011-1
  • 新装版 1987年、ISBN 978-4-10-509001-2
  • 新装版 2006年12月、ISBN 978-4-10-509011-1
作家論
  • 『ユリイカ 詩と批評 ガルシア=マルケス 『百年の孤独』は語りつづける』2014年7月号、青土社
  • 田村さと子 『百年の孤独を歩く ガルシア=マルケスとわたしの四半世紀』河出書房新社、2011年
  • 木村榮一『謎ときガルシア=マルケス』新潮選書、2014年
参考文献
  • 守安敏久「寺山修司の映画『さらば箱舟』 : 時の移ろい/時の無化」『宇都宮大学教育学部紀要. 第1部』56号、宇都宮大学教育学部、2006年3月10日、41-53頁、hdl:10241/00004651。 
  • 守安敏久『寺山修司論 バロックの大世界劇場』国書刊行会、2017年3月23日。ISBN 978-4-336-06135-5。