眉山 (太宰治)
舞台:新宿,
以下はWikipediaより引用
要約
「眉山」(びざん)は、太宰治の短編小説。
概要
あらすじ
三鷹の「僕」の家のすぐ近くに「若松屋」というさかなやがあった。その店のおやじと「僕」は飲み友達であったのだが、おやじがあるとき言った。「私の姉が新宿に新しく店を出しました。以前は築地でやっていたのですがね。あなたの事は、まえから姉に言っていたのです。泊って来たってかまやしません」
「僕」はすぐに出かけ、帝都座裏の同じ屋号の「若松屋」で酔っぱらって、そうして泊った。姉というのは初老のあっさりしたおかみさんだった。「僕」は客をもてなすのに、たいていそこへ案内した。店の女中さんのトシちゃんは幼少の頃より小説というものがメシよりも好きだという。「僕」がその家の二階に客を案内すると、好奇の眼をかがやかして「こちら、どなた?」と尋ねる。「林芙美子さんだ」と「僕」は五つも年上の頭の禿げた洋画家を指して言った。
いちどピアニストの川上六郎氏を若松屋に案内したことがあった。
「あのかた、どなた?」「うるさいなあ。誰だっていいじゃないか」「ね、どなた?」 つい本当のことを言った。「川上っていうんだよ」
トシちゃんは「ああ、わかった。川上眉山」
それ以来、僕たちは彼女をかげでは眉山と呼ぶようになった。