真理先生
以下はWikipediaより引用
要約
『真理先生』(しんりせんせい)は、武者小路実篤の長編小説。1949年(昭和24年)1月から1950年(昭和25年)12月にかけて雑誌「心」で掲載された。「山谷もの」と呼ばれる小説群の中の6番目の作品である。1951年(昭和26年)4月に調和社より初版が刊行される。
あらすじ
山谷五兵衛は、存在は知っていたが逢う気がしなかった真理先生という男に逢った。真理先生が諭す真理に耳を傾けるうちに、画家の馬鹿一や白雲子、書家の泰山の自分の理想や信念に忠実である姿勢に心を打たれる。殊に馬鹿一には、杉子に接吻しそうになり、家に来てくれなくなってからの謝罪の手紙を読んで以来、徐々に馬鹿一に感化されていく。そしてある日曜日に真理先生の「真理の力」という演説を聞く。
登場人物
山谷五兵衛
馬鹿一
杉子
モデル人物
『真理先生』には刊行前に「序」が追加されている。「出てくる人物は殆ど僕の分身であるが、僕の一面が誇張されてゐる所もあり、いくらか理想化されていゐる所もある」と書かれており、登場する人物のモデルは武者小路実篤自身である。
また『真理先生』の口絵には武者小路の自画像が載っており、その自画像には「(真理先生+馬鹿一+白雲+泰山)÷5=この男」と一文が添えられている。4ではなく5で割る理由は、登場人たちには武者小路の理想性が託されているため一人分減らす必要があったとのこと。
評価
『真理先生』発表後の講評では批判的な評価は少なく、「作者晩年の名作である。」「今年度文壇最大の収穫である。」等の好意的な意見が多い。また写実的な部分ではなく理想にこだわり描いたことも評価に繋がっている。