瞬きのソーニャ
以下はWikipediaより引用
要約
『瞬きのソーニャ』(またたきのソーニャ)は、弓月光による日本の漫画作品。『甘い生活 2nd season』を連載中の『グランドジャンプ』誌上において、不定期に短期連載がなされる。
ストーリー
日本では年号が昭和から平成に変わったばかりの1989年、その11月10日未明にベルリンの壁崩壊が起こっていたころ、バイカル湖付近にあるソビエト連邦の極秘研究施設から、警備主任のソ連兵・ザイツェフが、一人の少女・ソーニャを連れて逃亡劇を始める。少女は、その施設で遺伝子操作により生み出された人間兵器である。
登場人物
主要人物
ソーニャ・ザイツェフ
主人公でヒロイン。ソビエト連邦の極秘研究施設において、遺伝子操作で生み出された人間兵器《国家機密》。バイカル湖付近の施設から、ヴィクトル・ザイツェフにより連れられて逃亡を図った時点では、5 - 6歳。薄青い髪。小さな見かけだが、筋肉や骨格が特殊なため体重は50キロ。極寒の中での支障はなく、常人より遥かに高い新陳代謝率のお陰か、凍傷の兆しもない。ヒトの数十倍の反応速度を持つ能力から、「虎以上の生き物」「スピードと瞬発力で、この娘に勝てる人類はいない」とザイツェフは述べている。左腕に【СОН・1666I】と刻印が有る。
名前が無かったので、逃亡直後、ヴィクトル・ザイツェフにより「СОН(英字(ラテン文字)では「SON」に当たる言葉)」に由来して「ソーニャ(露: Соня、英: Sónya)」と名付けられ、彼を父と慕うようになる。ザイツェフの死後、自身が「ヴィクトル・ザイツェフの娘」である事実を忘れないようにするため、自らザイツェフ姓をファミリーネームにした。
- 驚異的な身体能力
- 鹿を狩ろうとするシベリアトラよりも早い動きで、鹿に跳び付き、手に持った木の棒で、鹿の首をへし折る程の腕力も持つ。また、シベリアトラを睨んだだけで、戦意喪失にしてしまう程である。さらに、狩った鹿を両肩に背負ったままで、膝下まで埋まる雪原を、猛スピードで駆けて行く脚力がある。
- ソーニャとザイツェフを追って来た、ブーニンを含む11名の部隊の兵士逹を撃退し、3名死亡・隊長含む、残りを重傷にする。
- ザイツェフから使用方法を教わったスリングショットで、後方の木々を薙ぎ倒し、追跡してきたMi-24をスティンガーミサイルと誤認させる程の破壊力で墜落させた。
- 張老師の友人である黄瞬から木のお椀を渡され、旨い水を注いで貰う際、栓を抜いた拍子に壺から溢れ出て来た水を、一滴も零さず、お椀の中に受け入れて驚かす。
- 九龍地区の空き地で長縄跳び遊びをしていたソーニャと同じ年頃位の子供達が、夕方帰宅する際忘れて行った長縄を拾い、前回し飛びを始めた処、目にも止まらない猛スピードで廻したため、空気との摩擦熱で、手首付近に握っていた縄以外は燃えて無くなり、やむなく残った部分を結び直して帰宅した。
- 驚異的な聴力
- 狙撃手に狙われた際、その胸に着弾する寸前に、その飛んで来る音を聴き取り、右手に持っていた木の棒で、その初弾を防ぐ。
- 驚異的な学習能力
- ザイツェフから渡された聖書を暗記し、記憶している内容と現地語の聖書とを対照することにより言語を習得する。
- 九龍(クーロン)のゴミ捨て場から拾って来た“宝物”(ブラウン管・キーボード・電子基板)等から、デスクトップ型コンピューターを郭宝崑に教えられた知識に基づいて組み立てる。
- 驚異的な指の力
- 弾丸を右手に載せ、親指で弾いて、人間の頭を打ち抜く。
- 驚異的な跳躍力
- 香港の道路を走行中の2階建てバスに、その直角方向から目にも止まらない速さで駆けて来て、1回のジャンプで、バスの天上に軽々と乗る。
- 驚異的な移動スピード
- 蓉花が拉致された、劉偉のマフィアの本部のビルに設置されている監視カメラで、スロー再生しても、移動するソーニャの姿は、ボケてしまう程。
- 唯一の弱点と克服
- 小さな見かけだが、5 - 6歳の時点で体重50キロと異様に重いため、水に入ると自力では上がってこられない。後に黄瞬より体重を消す方法を会得したようで、池に浮かべた竹竿の上に乗り、落ちずに動けるようになった。
- 鹿を狩ろうとするシベリアトラよりも早い動きで、鹿に跳び付き、手に持った木の棒で、鹿の首をへし折る程の腕力も持つ。また、シベリアトラを睨んだだけで、戦意喪失にしてしまう程である。さらに、狩った鹿を両肩に背負ったままで、膝下まで埋まる雪原を、猛スピードで駆けて行く脚力がある。
- ソーニャとザイツェフを追って来た、ブーニンを含む11名の部隊の兵士逹を撃退し、3名死亡・隊長含む、残りを重傷にする。
- ザイツェフから使用方法を教わったスリングショットで、後方の木々を薙ぎ倒し、追跡してきたMi-24をスティンガーミサイルと誤認させる程の破壊力で墜落させた。
- 張老師の友人である黄瞬から木のお椀を渡され、旨い水を注いで貰う際、栓を抜いた拍子に壺から溢れ出て来た水を、一滴も零さず、お椀の中に受け入れて驚かす。
- 九龍地区の空き地で長縄跳び遊びをしていたソーニャと同じ年頃位の子供達が、夕方帰宅する際忘れて行った長縄を拾い、前回し飛びを始めた処、目にも止まらない猛スピードで廻したため、空気との摩擦熱で、手首付近に握っていた縄以外は燃えて無くなり、やむなく残った部分を結び直して帰宅した。
- 狙撃手に狙われた際、その胸に着弾する寸前に、その飛んで来る音を聴き取り、右手に持っていた木の棒で、その初弾を防ぐ。
- ザイツェフから渡された聖書を暗記し、記憶している内容と現地語の聖書とを対照することにより言語を習得する。
- 九龍(クーロン)のゴミ捨て場から拾って来た“宝物”(ブラウン管・キーボード・電子基板)等から、デスクトップ型コンピューターを郭宝崑に教えられた知識に基づいて組み立てる。
- 弾丸を右手に載せ、親指で弾いて、人間の頭を打ち抜く。
- 香港の道路を走行中の2階建てバスに、その直角方向から目にも止まらない速さで駆けて来て、1回のジャンプで、バスの天上に軽々と乗る。
- 蓉花が拉致された、劉偉のマフィアの本部のビルに設置されている監視カメラで、スロー再生しても、移動するソーニャの姿は、ボケてしまう程。
- 小さな見かけだが、5 - 6歳の時点で体重50キロと異様に重いため、水に入ると自力では上がってこられない。後に黄瞬より体重を消す方法を会得したようで、池に浮かべた竹竿の上に乗り、落ちずに動けるようになった。
ヴィクトル・ザイツェフ
ソビエト連邦の極秘研究施設の警備主任であるソ連兵。中佐。白髪・白髭・長い白顎鬚が特徴的な顔立ち。1989年、ベルリンの壁崩壊に端を発した混乱の中、ソーニャを連れて中国かモンゴルへ逃亡を図る。ソーニャの格闘術の教官兼父親代わり。香港の墓地の墓石の記載から、1928年生まれで1995年死去(67歳没)。父も母も知らないソーニャにとって、「お父さん」と呼べた人物。
中国へ向かうため、ソーニャに中国語を教える。ソーニャと自分で2人分のパスポートとIDが必要なため、黄枝亭の在る山から町へ下山。人民軍謹製のほぼ本物のパスポートを入手後、帰山するため竹林を通りかかった際、中国国家安全部第8局(反間諜偵察局)の女性とその仲間の計略により捕まる。翌日、誘き寄せられたソーニャの「最大の足枷」になっていることに気付き、左脇腹に刺さった矢を利用して自らの背中側に立つその女性を道連れにし、川に落ちて行方不明になる。
蓉花を拉致した劉偉のマフィアの本部に単身で乗り込んで、スタン・グレネードによって気絶させられたソーニャを救出し、約2年振りの再会を喜び合った 後、香港の港か河に浮かぶ船での生活を始める。
川に落ちた時に受けた銃弾の破片が体内に残っており、体調が悪化する。ソーニャは単身ホワイトハウスに潜入し、大統領に自分たちを狙わないよう「脅迫」した。また、ソーニャはボリビア大使の娘の誘拐事件の解決に貢献することで、ザイツェフが最高レベルの病院に入院できるよう手配した。しかし、病院を特定されることで搬入時にソーニャが狙われることを察知し、ソーニャをかばって狙撃を受け、「人を嫌わないように」と遺言して死亡した。
ソビエト連邦の人物
中国の人物
張老師(チャンろうし)
小泰(シャオタイ) / 本名:林泰雲(リン・タイウン)
朱柳花(シュ・リュウファ)
ツテ / 黄瞬(ファン・シュン)
香港の人物
王勇(ワン・ロン)
蓉花(レンファン)
王勇の娘で美貌の女性。独身。ソーニャよりは年上。黒い長髪で、後髪に大きなリボンを付けている。いつも独りぼっちでいるソーニャを気に掛け、話し掛けたり、おやつにジャンボ春巻を食べさせてくれる。ソーニャが持って来た金の延べ棒で食費(お釣りが出るほど)を貰い、食事を作るものの、その旺盛な食欲を不思議に思っている。
日中は、九龍の学校に保母として勤め、ソーニャと同じ年頃位の子供逹の相手をしている。また、父が忙しい時は、歯科医院の手伝いもする。
中秋節に、いつもTシャツ短パン姿のソーニャに、女の子らしい服を着せようと、自分の“お古”を着せる。ソーニャに着せた自分の“お古”が少し大きいと思いソーニャの服を購入した際、偽の女性店員に店の奥のドアへ誘導され、ソーニャに関する情報を聞き出すために劉偉のマフィアの本部に拉致される。
劉若望(リュウ・ソウワン)
劉偉(リュウ・ウエイ)
郭宝崑(カク・パオクン)
アメリカの人物
CIA局長(本名不詳)
ダン
マリィルウ
アリス・マクレディ
ワシントンD.C.ホワイトハウスにシークレットサービスとして勤務する女性。CIAが派遣した者たちの撤収を大統領本人に直訴しに来たソーニャを不問とすることを提案し、大統領命令で香港までエア・フォース1で送り届けた。
5年後。駐ボリビア大使を務める義兄の娘が誘拐された際にソーニャに手助けを求めた。その謝礼としてザイツェフの治療を申し出たが、逆に足が付いて狙撃されザイツェフは死亡する。この時の自身のミスを悔いており、ソーニャに出来る限りの手助けをすることを誓う。
ソーニャに依頼を出す際には各種バックアップを行うが、ソーニャ用の装備に趣味を盛り込んだデザイン(ヒーロー物の意匠)を盛り込んでくるので迷惑がられている。
各話における逃亡の足跡と年齢
- 第1話 1989年11月10日未明…ソビエト連邦の極秘研究施設(バイカル湖付近)から逃亡。 5 - 6歳。
- 第2話 1989年11月11日以降…中国吉林省白城郊外の張老師宅。 6 - 7歳。
- 第3話 1990年の年明け、小泰が殺害された日以降。黄枝亭。 6 - 7歳。
- 第3話 同年夏、河南省何阳(ナンヤン)市近郊の川に、ザイツェフが落ち、行方不明。黄枝亭。 6 - 7歳。
- 第4話 1990年 …中国返還前、英領香港九龍(クーロン)地区取り壊し前年。王医師の歯科医院。 8 - 9歳。
- 第5話 1991年 …ザイツェフとの再会(劉偉のマフィアの本部のビルにて)。 8 - 9歳。
- 第6話-8話 1991年 …ザイツェフと香港の港か河に浮かぶ船での生活を始める。CIAによる追跡やスーパ―ソルジャーによる干渉を止めさせるために渡米し大統領に直談判した。 8 - 9歳。
- 第9話-10話 1991年 …ソ連国内でソーニャの情報(ホワイトハウスの一件)をつかんだ連中が個人的利益のために狙い始める。 8 - 9歳。
- 第11話-14話 1995年 …アリスからの依頼で拉致された駐ボリビア大使の娘(アリスの姪)を救出する。ディアブロと出会う。ザイツェフ死亡(香港の墓地に墓を造る)。 11 - 12歳。
≪この間、危険を承知で毎年墓参りをする。≫
- 第15話 1997年? …シカゴの学校でソーニャ本人が8年生と答えている。 13 - 14歳。
- 第2話 1998年 …香港の墓地(ザイツェフの墓がある)。 14 - 15歳。
用語
СОН
黄枝亭
「好来不如好去」(ハオライビュールーハオクー)
九龍の幽鬼
王勇は、暴漢に襲われた娘の蓉花が無事だったことから、“守り神”として捉えている。
九龍の城砦福利会
指弾
プロジェクトロータス
スーパーソルジャー
ソルジャーの1人・ダンの指先は、全て黒くなっており、これは「人間は、あまり速く動くと末端の毛細血管が壊れる」からとのこと。
米国製小型通信機
ソーニャとザイツェフが寝起きする香港は、共産主義と資本主義の最前線で、世界中の諜報機関が集まっているため、いつも二人では目立ち過ぎるので、昼間は、なるべく別行動を取り、必要な時は連絡出来る様にと。
単行本
※『…』内は単行本の副題。
- 弓月光 「瞬きのソーニャ」 集英社〈ヤングジャンプコミックスGJ〉、既刊3巻
- 『逃亡〈побег〉』 2012年1月19日発売 ISBN 978-4-08-879250-7
- 『報復〈ответ〉』 2014年2月19日発売 ISBN 978-4-08-879761-8
- 『新天地〈Новая земля〉』 2020年12月18日発売 ISBN 978-4-08-891751-1