石器時代へ行った男
以下はWikipediaより引用
要約
『石器時代へ行った男』(せっきじだいへいったおとこ、英: The Cave Girl)は、エドガー・ライス・バローズによるアメリカの冒険小説。
概要
本作は全2部で構成されている。第1部は「洞窟の娘」(The Cave Girl)のタイトルで、オール・ストーリーに1913年に掲載され、第2部は「洞窟の男」(The Cave Man)のタイトルで、オール・ストーリー・ウィークリーに1917年に掲載された。1925年の単行本化の際のタイトルは『洞窟の娘』(The Cave Girl)。邦訳は『石器時代へ行った男』のタイトルで、厚木淳訳、東京創元社(創元推理文庫SF)、1977年12月16日。挿絵、カバーイラスト、口絵は武部本一郎。
内容は、
「富豪の息子として育ち、教養は高いが実務に無縁で、肉体的には貧弱な青年が孤島で原始生活を送ったら?」
というもので、原始生活を賛美する方向で書かれている。厚木淳は、「訳者あとがき」で「『石器時代から来た男』(The Eternal Lover)と併せて2部作と見ていい」と述べている 。なお、邦題からはタイムトラベル(タイムスリップ)もの、という印象を受けるが、その要素はない(『~から来た男』はタイムスリップもの)。また、SF的な要素としては「孤島に原始人や猿人がいる」という程度で、猛獣も黒豹が最大級の難敵である。
あらすじ
第1部
彼女を部族の元へ届けたものの、ウソをついたこと(「黒豹を殴り殺したが記録をとってない」とか、「ナダラの部族の怪力自慢(コースとフラットフート)を殺せる」、など)に引け目を感じ、6ヶ月がかりで肉体を鍛え、勇者に相応しい体格を得る。一方で、剣、槍、盾、棍棒、石つぶてなどを考案あるいは会得していた。その間、衣服はズタボロの状態になっていたが、彼は文明人であるため、それを身に着け続けていた。
その頃、偶然出会った穴居人と対決することになり、槍の威力や自分の腕力を実戦で確認することになる。1人には勝利したものの、20人が相手では衆寡敵せず、彼は撤退を選ぶ。逃げ切れそうもなかったが、折りよくイギリス船籍の船が立ち寄っており、彼らの銃で穴居人は撃退された。ウォルドーは文明国への帰還を持ちかけられるが、「ナダラに借りを返すまでは」と、島への残留を希望する(ただし、母親に当てた手紙をしたため、それを船員に手渡している。二等航海士はボストンの生まれだった)。島は、1773年にキャプテン・クックが発見して以降、20隻ほどが立ち寄った記録を残しているだけで、次に船が立ち寄る可能性は極めて低いものだったにもかかわらず。
ナダラの部族へ向かう途中、黒豹と出会いがしらに戦闘となったが、運良く槍がその命を奪った。この戦いで衣服が完全にダメになり、ウォルドーは黒豹の毛皮から、貫頭衣に近い物を作成する(片方の肩が完全に露出している点が違う)。
その後、コースと出会い、ナダラの部族への道を尋ねたところ、騙されるが、それを察知し、コースの跡を追う。その結果、コースがナダラを襲う場面に出くわし、コースと戦う。ナダラは助太刀を思い立ったが、誤ってウォルドーを負傷させ、気絶させてしまったため、逃走する(ナダラは、「ウォルドーを殺した」と思っていた)。
コースの死で部族の力のバランスが崩れ、フラットフートはナダラを我が物にしようとする。ナダラの父である老人は、「母親の形見」をウォルドーに手渡し、2人の跡を追わせる。数日がかりの追跡を経て、ウォルドーは海岸で2人に追いつき、ついにフラットフートを倒す。ウォルドーはナダラに借りを返した。しかし、彼は彼女を愛していることに気がつく。折りしも海岸には、ウォルドー捜索隊のヨット「プリシラ号」が接岸していた。ウォルドーは文明への帰還を拒み、ナダラと島の奥へ戻ることを選んだが、彼らは「母親の形見」を落としてしまう。船の乗組員が、その包みを拾うと、中からは、宝石類と、女性の微細画が出てきた。それは20年ほど前に行方不明になった、ナダラの実の母親、クリイシー伯爵夫人の肖像画だった。
第2部
登場人物
ウォルドー・エマースン(サンダー)
肉体は軟弱だったが、精神は高潔で、女性に対しては(原始人であろうと)礼儀を重んずる。
孤島でナダラと出会い、精神的に成長。彼女の期待に応えるべく、6ヶ月かけて肉体を鍛錬し、強化した。ナダラからは「サンダー(勇者)」と呼ばれる。
武器や防具も考案し、槍、木を尖らせた剣(刃はなく、火で尖らせた先端を刺すように使用する)や、盾(石つぶて対策。縦1メートル、幅60センチほどの楕円形で、草と木を編んで作り、小動物の皮で覆ってある。左腕に通して装備する)なども作成した。その一方で、穴居人の使う棍棒や石つぶても会得している。また、小動物の皮を繋ぎ合わせ、短いロープも作成した(槍を肩から下げるのに使用)。槍は黒豹との戦闘で、剣と盾はフラットフートとの戦闘で活躍した。
イギリスの船に会い、手紙を渡して残留した際は、剃刀だけを希望した(「原住民とは、自分で作った武器だけで戦う」という騎士道精神のため)。剃刀は髭剃りの他、散髪にも使用。
第2部ではビッグフィストを倒し、部族の王位につく。
コース