祈りの幕が下りる時
以下はWikipediaより引用
要約
『祈りの幕が下りる時』(いのりのまくがおりるとき)は、東野圭吾の長編推理小説である。2013年9月13日に講談社より単行本が刊行された。2016年9月15日に講談社文庫版が発刊された。
2018年に阿部寛主演で映画化された。
概要
2013年8月9日に発売された文庫版『新参者』の帯で、かねてより刊行が噂されていた「書き下ろし最新作」としてタイトルや発売日が発表され、初版部数20万部で刊行された。発売まで、あらすじなどの情報を公開しないという販売手法がとられていた。刊行後に『眠りの森』が阿部寛主演でスペシャルドラマ化が発表された時点で、発行部数は27万部を記録した。
加賀恭一郎シリーズの第10作である本作ではシリーズの主人公である加賀の母親が初登場し、『卒業』『赤い指』で触れられていた彼女の失踪理由が明かされるほか、『新参者』『麒麟の翼』において加賀が配属先の管轄である日本橋に積極的に溶け込もうとしていることや、優秀ながら依然として所轄の刑事のままでいる理由が語られており、本作はシリーズひいては加賀の公私における転換期が描かれる。また、東日本大震災発生後の世相が反映され、原発作業員の労働環境に対する問題にも触れている。
このミステリーがすごい! 2014年版では10位、2013年の週刊文春ミステリーベスト10では2位を記録。2014年3月には、第48回吉川英治文学賞を受賞した。評論家の川本三郎は本作を「犯罪の背後に犯人の経済的苦境が浮かび上がる松本清張の世界を思わせる古典的ミステリー」と評し、清張作品の『砂の器』との類似を指摘している。また、書評家の岡崎武志も「東野版『砂の器』ともいえる」と評している。
あらすじ
小菅のアパートで滋賀県在住の40代女性・押谷道子の腐乱遺体が発見された。アパートの住人は越川睦夫と名乗る男性で、現在越川は消息を絶っていた。
捜査一課の松宮は、殺害時期や現場が近い新小岩での河川敷で発生した「ホームレス焼死事件」との関連性を感じながらも、道子の住む滋賀県での捜査で道子が中学の同級生で演出家の浅居博美を訪ねに上京したことを突き止める。しかも、博美は松宮の従兄で日本橋署の刑事・加賀の知り合いだった。
松宮から博美についての意見を求められ、初めは管轄違いということもあり捜査の助言を送る程度だった加賀だったが、アパートで見つかった日本橋にある橋の名前を月毎に書き込んだカレンダーの存在が、この事件を思わぬ形で加賀の中で燻っていた失踪した母に関する謎と直結させることとなる。
カレンダーには、(1月:浅草橋、2月:左衛門橋、3月:西河岸橋、4月:一石橋、5月:柳橋、6月:常盤橋、7月:日本橋、8月:江戸橋、9月:鎧橋、10月:茅場橋、11月:湊橋、12月:豊海橋)と書かれていた。
登場人物
                                
                                
                                
                                
                                
                                
                                浅居博美
 
                                                     
                     
                    
                    
                    
                                
                                舞台演出家、脚本家、女優。芸名は「角倉博美」。
両親の離婚後、父が自殺したため養護施設に引き取られて育ち、高校卒業後は演劇の道を志し劇団「バラライカ」に入団し、20代の頃に女優として活躍したが、30代頃から演出、脚本を手がけるようになり注目を集める。「バラライカ」代表の諏訪建夫とは3年間結婚生活を送っていたが、あるトラウマから子供を望んでおらず、夫に黙って堕胎していた。
加賀が日本橋署主催の少年剣道教室で講師をしていた時に、自身が手掛ける芝居のため子役達に剣道の指導をさせてもらってから加賀と知り合う。自身の堕胎歴も加賀には打ち明けている。
現在、曽根崎心中をミステリ風の視点で仕上げた「異聞・曽根崎心中」を明治座で公演中で、女優として初めて立った同じ舞台で演出を手掛けるという夢を叶えている。
                                田島百合子
 
                                
                                綿部俊一
 
                                
                                宮本康代
 
                                
                                押谷道子
 
                                
                                浅居忠雄
 
                                
                                浅居厚子
 
                                
                                苗村誠三
 
                                
                                
映画
2018年1月27日公開。
キャスト
- 加賀恭一郎 - 阿部寛
 - 浅居博美 - 松嶋菜々子
 - 松宮脩平 - 溝端淳平
 - 金森登紀子 - 田中麗奈
 - 浅居厚子 - キムラ緑子
 - 宮本康代 - 烏丸せつこ
 - 大林(警視庁捜査一課主任) - 春風亭昇太
 - 石垣(警視庁捜査一課刑事部長) - 上杉祥三
 - 坂上(警視庁捜査一課刑事) - 須田邦裕
 - 横山一俊 - 音尾琢真
 - 浅居博美(20歳) - 飯豊まりえ
 - 浅居博美(14歳) - 桜田ひより
 - 押谷道子 - 中島ひろ子
 - 藤沢おさむ ‐ 井上肇
 - 米岡彰文 - 恵俊彰(カメオ出演)
 - 上川菜穂 - 杏(カメオ出演)
 - 田倉慎一 - 香川照之(カメオ出演)
 - 今井加代子 ‐ 梅沢昌代
 - 苗村誠三 - 及川光博
 - 田島百合子 - 伊藤蘭
 - 浅居忠雄 - 小日向文世
 - 加賀隆正 - 山﨑努
 
スタッフ
- 原作 - 東野圭吾『祈りの幕が下りる時』(講談社文庫)
 - 監督 - 福澤克雄
 - 脚本 - 李正美
 - 音楽 - 菅野祐悟
 - 主題歌 - JUJU「東京」(ソニー・ミュージックアソシエイテッドレコーズ)
 - エグゼクティブプロデューサー - 那須田淳、平野隆
 - プロデューサー - 伊與田英徳、藤井和史、川嶋龍太郎、露崎裕之
 - 共同プロデューサー - 岡田有正
 - 音楽プロデューサー - 志田博英
 - 宣伝プロデューサー - 小山田晶
 - 撮影 - 須田昌弘
 - 照明 - 鋤野雅彦
 - 美術 - 大西孝紀
 - 録音 - 松尾亮介
 - VE - 塚田郁夫
 - 編集 - 朝原正志
 - 記録 - 古谷まどか
 - VFX - 小嶋一徹
 - 音響効果 - 谷口広紀
 - 助監督 - 北川学
 - 制作隊長 - 山野寛道
 - 特別協力 - 明治座
 - 協力 - 名橋「日本橋」保存会、三井不動産、人形町商店街協同組合、甘酒横丁商店会
 - 配給 - 東宝
 - 制作プロダクション - マックロータス
 - 製作 - 映画「祈りの幕が下りる時」製作委員会(TBSテレビ、東宝、電通、毎日放送、CBCテレビ、講談社、毎日新聞社、ポニーキャニオン、RKB毎日放送、北海道放送、茂田オフィス、PPM、東北放送、TBSラジオ)
 
