神様のバレー
以下はWikipediaより引用
要約
『神様のバレー』(かみさまのバレー)は、原作:渡辺ツルヤ、作画:西崎泰正による日本の漫画。バレーボールを題材にした漫画で、『週刊漫画TIMES』(芳文社)にて、2012年12月21日号から不定期連載中(3号連続で掲載のあと1回だけ休載を挟む)。2022年9月時点で電子書籍を含んだ累計部数は600万部を突破している。
あらすじ
実業団Vリーグチームの凄腕アナリスト阿月総一は、的確に相手の弱点を見抜いて、相手チームの嫌がるプレイをしかける「嫌がらせの天才」で、裏方でありながらチームを2度優勝に導いていた。だが、その後は日々携帯ゲームにかまけるなど退屈な素振りを見せ、Vリーグ1チームのアナリスト程度に満足していない様子だった。そんな彼のもとに、日村化成の会長が「万年1回戦負けのチームを全国優勝させれば、全日本男子の監督のイスを用意する」という賭けをもちかける。かくして阿月は、成り行きで万年一回戦敗退の弱小チーム、幸大学園中学校バレー部のコーチとなる。
そこには、かつて全日本女子候補だった女監督の鷲野孝子が赴任していた。ところが、彼女が率いる幸大学園バレー部は、「気合と根性」だけの練習を重ねていたが、レギュラーだけが練習をする非効率さで、チーム全体に負け犬根性が連鎖していた状態だった。そこで、阿月は補欠メンバーたちを鍛え上げ、地区大会での初勝利を達成する。その後、2回戦で負けた幸大学園バレー部であったが、阿月の思惑通り、チームメイトの闘志に火がつき、負け犬から自ら勝利へ導き出していこうとする「野犬」へと生まれ変わり、勝利への執念、勝負への意識が芽生えていく。そして、ガンマンズのアナリスト 木下勇紀、そして同じくアナリストをしていた盛長緑子の協力を得ながら、全国優勝を目指すべく、画策を始めるのだった。
なお、舞台については関東地方に存在する架空の都市名となっており、主に東市、南市、西市、北市の4都市がある。8巻で茨城県のチームと練習試合をくんでいること、関東大会で栃木県、埼玉県、東京都の1位チームが出揃っていること、同都県が同じブロックに入らないなかで幸大学園と同じブロックに山梨県のチームが入っており、同県の薬丸中と同じブロックに神奈川県のチームが入っていることから千葉県を舞台にしていると考えられるが、本編で県名の明言はない。
登場人物
主要人物
阿月 総一(あづき そういち)
「バレーの神」を自称する天才アナリストの青年。相手チームが嫌がることを徹底する戦略で、チームに勝利をもたらすことがモットー。実業団Vリーグチーム「日村化成ガンマンズ」のアナリストで大会2連覇の立役者だったが、日村化成会長の「万年1回戦負けのチームを全国優勝させれば、全日本男子の監督のイスを用意する」という約束を信じて、幸大学園中学校のコーチとなる。生徒たちに自分のことを神と崇めさせ、鷲野監督のことをハゲワシ呼ばわりするなど傍若無人で傲岸不遜な性格。しかし、アナリストとしては一流であり、試合の戦術だけではなく、大局的な目標達成に向けた戦略を試合外で駆使している。本人に言わせればバレーボールは「クソみたいな競技」で友人の誘いもあってバスケットボールを始めるつもりだったらしい。しかし、中学時代のバレーボール部所属中に当時の児玉誠監督が仕掛けた呪い(8-20という敗勢から、たった一つの挙動でチームが奇跡的な逆転に成功したこと)に取り憑かれてからは、バレーボールから離れたことはなく、その呪いを解く方法を日々得ようとしている。中学時代は山陽地方の下道(げどう)中学に登校していた。中学時代の地区大会の決勝では、平野の丸内中に(25-6,25-0)で勝ち越しており、平野や他の中学生からはゲドーの阿月と恐れられていた。なお、バレーボール選手としては現在も超一流であり、練習試合でもウィングスパイカーとしてその実力を発揮している。
鷲野 孝子(わしの たかこ)
幸大学園中学校の女監督。コートネームはイーグルアイと呼ばれ、その直向きなプレイにファンも多く付いていたVリーグ岡城製薬所属の名選手だった。かつては全日本女子入りを期待されていたが、膝の故障から実業団を引退し、後に幸大学園の監督となる。「気合と根性があれば勝てる」がモットーだが、阿月には否定され、以後は勝ちたいというバレー部員らの気持ちを酌み取り、阿月の方針にはきちんと従っている。監督としては戦術面などは未熟なものの、練習や技術の指導については優れており、阿月からも高く評価されている。なぜか阿月からはハゲワシと呼ばれている。元バレーボーラーだけあってスタイルは良く背も高く、ブロッカーとしても実力を見せているシーンもある。現役時代はアイドル選手としても名が売れていたようで、引退後もバレー関係者にとっては憧れの的として描かれている。
木下 勇紀(きのした ゆうき)
実業団ガンマンズのアナリストを務める小太りの青年。阿月の1年年下で阿月とは隣の校区だが、中学時代に大会で阿月に出会い感銘を受け、高校、大学、社会人と阿月に取り憑かれるように彼の足跡を追って日村化成ガンマンズに辿り付いた。データを重んじるタイプで、分析力もなかなかのものがあり、阿月の一番の理解者でもある。鷲野孝子のファンでもあり、彼女とは少しいい関係にもなっている。また、ともにバレーボールを心から愛する身から、呪いが解けたらバレーボールから退こうとしている阿月を引き留めようというお互いの思いも共有している。マッシュルームカットの頭で、あだ名はキノコだが、緑子からはブタシメジと呼ばれている。ポジションはセッターで、阿月の前で呼吸抜群のクイックプレイを披露している。
盛長 緑子(もりなが みどりこ)
実業団ガンマンズのアナリストで、内跳ねの髪型と尖った眉が特徴。家電、住建、保険、マスコミなど様々な業種に進出している盛長グループの令嬢で、阿月に似た傲岸不遜さを持つじゃじゃ馬娘。自邸は巨大なお屋敷であり、家訓は「この世の硬貨は国のもの、この世の紙幣は我のもの」。執事や使用人、社内の部下を頤で使う傍ら、自分自身もあれこれと動き回っている。元々は盛長ホームダックスのリベロであり、故障中の鷲野を試合で挑発して引退させた元凶でもある。阿月総一にぞっこん惚れ込んでおり、自らをフィアンセと名乗ったり、本人の前で愛が欲しいなどと伝えたりしているが、ほとんど相手にされっていない。阿月の指令で左遷に近いイタリア派遣を解かれ、幸大学園バレー部のコーチとして阿月の片腕として活躍。阿月に負けず劣らず、優れた観察眼と洞察力を発揮しており、阿月も彼女の能力は非常に高く買っている。阿月からはグリーンと呼ばれたコートネームをもじって"グリ子"と呼ばれている。感情的になるとイタリア語で叫ぶ癖がある。バレーボールの腕前はリベロとしてだけでなく、変化の強いフローターサーブを放つなどサーバーとしても実力を発揮している。
幸大学園中学校
東市に位置する私立の進学校。バレー部は20年連続一回戦敗退の弱小だったが、2年前から鷲野が監督に就任、その丁寧で的確な指導により、最低限のバレー技術は持っていた。後に、阿月の指導と持ち前の知性を生かした嫌がらせ(I)と騙し(D)に満ちたIDバレーを行い、他校からも一目置かれる存在になる。
滝川 三秀(たきがわ みつひで)
背番号1。キャプテン。夏の試合に、二年生レギュラーとして出場したが、敗戦。悔しさを感じ、同じ思いをしないために、部員達の前で全国優勝を誓う。後にキレのあるスパイクを武器とするエースアタッカーとして頭角を現し、新人戦を戦い抜く。インコースへのスパイクが得意。秋の歩木浜戦敗北後、セッターに転向を命じられ、福井からその技術を吸収し成長したことで、福井と共にツーセッター兼スパイカーを担うようになる。あだ名は「ミィ」で、元々は家庭で呼ばれていたものである。福井、西浦が家に訪問してきた時に愛称がバレてしまい、あっという間にあだ名として浸透してしまう。文系科目に強い。福井のような描写があるわけではないが、チームメイト曰くモテるらしい。
福井 直樹(ふくい なおき)
倉木 大河(くらき たいが)
上島 亮(うえしま りょう)
坊山 悟(ぼうやま さとる)
西浦 雅人(にしうら まさと)
背番号12。ポジションはスーパーエース。2年生。通称「筋肉ダルマ」。1年時に阿月の指示で行われた鬼ごっこで鬼になり続けたことから小柄ながら優れた跳躍力、筋力、スタミナを獲得した。他の部員同様作中で成長していき、その身体能力を生かしたブロックを強行突破する強烈なスパイク、同じく強烈なジャンプサーブなどを武器にする。一方でトス、レシーブはからっきしだったため、グリ子から特殊なレシーブを教わるなどを経て、全国大会に入る頃には多少改善された。半田学園の河野を師匠と呼び、関東大会の決勝にいて河野からライバルとして意識されるにまで至ったものの、ハイペースなオーバーワークで足が吊ってしまい、チームの敗北をベンチで泣きながら見届けることとなった。見た目は飄々としているが機転が早い。
二子石(にこいし)中学校
幸大学園が位置する東市の地区優勝常連校。愛称はニコ中。
井川 一樹(いがわ)
歩木浜(あるきはま)中学校
設楽監督率いる南市のダークホース。愛称はアル中。
片山 健(かたやま けん)
薬丸(やくまる)中学校
全中出場経験もある強豪。西市の代表で、ボールを拾って繋ぐ地上型バレーを得意とするチーム。愛称はヤク中。横断幕は「粘れ、落とすな薬中!」。
坪井 孝史(つぼい)
松平 光国(まつだいら みつくに)
寝川(ねがわ)中学校
南市の強豪で、ワンマンエースのオープンバレーを得意とするチーム。愛称はネッ中。
武藤 恒明(むとう つねあき)
半田学園中学校
夏の予選は東京1位。関東大会の優勝候補で打倒薬丸中学を目標にしていた。愛称はハンガク。
河野 雄真(こうの ゆうま)
佐藤 公春(さとう きみはる)
岩藤 公明(いわどう きみあき)
藤代台中学校
夏の予選は埼玉1位。
協創学園中学校
下道中学校
中国地区からの全国出場校。場所は旧山陽道が通る位置にあり、下道(げどう)とは参勤交代帰りの下り道に因むと木下が本編で語っている。治安はすこぶる良くなく、駅舎が何者かに放火された過去がある。阿月の母校。愛称はゲッチュウ。横断幕は「不屈の闘志」。学校のモデルは岡山市立上道中学校。
市立渕井中学校
北信越地区からの全国出場校。場所は長野県。「平日の5人」が監督を率いるが、応援のガラは悪く、「渕井ブースト」と呼ばれている。横断幕は「鋼の魂」。
浦上 昭和(うらかみ あきかず)
木笠 智之(きがさ ともゆき)
県立帝王児中学校
近畿地区からの全国出場校。場所は滋賀県。ノーマークながら駿河栄蘭学園の全国優勝5連覇を阻止し優勝。「平日の5人」の紅一点、火野暁音が指揮を執る。元々ママさんバレーなどバレーボールが盛んで、小学生バレーでも全国常連の強豪が集まる土地柄だったが、男子バレーの人気減退によって男子バレー部は一度廃止の憂き目にあっていたにもかかわらず、再興、そして優勝までしている。 保護者の容姿侮辱事件」をきっかけに、保護者のダイエット道場(火野暁音道場)と称した放課後クラブを開設し、部活動の時間を確保。以来、この道場は後輩保護者へと代々引き継がれている。 中学校の横断幕は「挑戦」。火野暁音道場の横断幕は「勝利願わば穴二つ」。
折呉中学校
九州地区からの全国出場校。県名の明示はなく、離島(折呉島-おりごとう-。フィクション上の架空の島)に位置する。 横断幕は「大漁得点」。
山室 肇(やまむろ はじめ)
辻実東中学校
東北地区からの全国出場校。場所は山形県。辻斬りの辻実と呼ばれ、相手の急所を容赦なく攻めるバレーをする。過去の全国大会のブロック予選1回戦で、その年優勝候補とされる各地方の1位を何度も撃破してきた。 そのため、全国の敏腕監督らは東北ブロック1位か2位と当たらないように工作していた。「平日の5人」の一人である水上が率いる。 横断幕は「みせろ!オープンバレー」
水上 英典(みずかみ ひでのり)
駿河栄蘭学園中学校
東海地区からの全国出場校。大会4連覇、前年度優勝校。「平日の5人」が率いる。前年は辻実東以外には全勝している。
重松 紅葉(しげまつ こうよう)
赤陽学園中学校
書誌情報
- 渡辺ツルヤ(原作)・ 西崎泰正(作画)『神様のバレー』芳文社〈芳文社コミックス〉、既刊33巻(2023年12月13日現在)
- 2013年6月15日発売、ISBN 978-4-8322-3359-1
- 2013年9月17日発売、ISBN 978-4-8322-3373-7
- 2014年1月16日発売、ISBN 978-4-8322-3389-8
- 2014年5月16日発売、ISBN 978-4-8322-3403-1
- 2014年9月16日発売、ISBN 978-4-8322-3418-5
- 2015年1月15日発売、ISBN 978-4-8322-3434-5
- 2015年5月16日発売、ISBN 978-4-8322-3452-9
- 2015年9月16日発売、ISBN 978-4-8322-3468-0
- 2016年1月16日発売、ISBN 978-4-8322-3486-4
- 2016年5月16日発売、ISBN 978-4-8322-3499-4
- 2016年9月16日発売、ISBN 978-4-8322-3517-5
- 2017年1月16日発売、ISBN 978-4-8322-3532-8
- 2017年5月16日発売、ISBN 978-4-8322-3547-2
- 2017年9月15日発売、ISBN 978-4-8322-3565-6
- 2018年1月16日発売、ISBN 978-4-8322-3589-2
- 2018年5月16日発売、ISBN 978-4-8322-3610-3
- 2018年9月14日発売、ISBN 978-4-8322-3630-1
- 2019年1月16日発売、ISBN 978-4-8322-3654-7
- 2019年5月16日発売、ISBN 978-4-8322-3673-8
- 2019年9月13日発売、ISBN 978-4-8322-3692-9
- 2020年1月16日発売、ISBN 978-4-8322-3710-0
- 2020年5月14日発売、ISBN 978-4-8322-3738-4
- 2020年9月16日発売、ISBN 978-4-8322-3768-1
- 2020年12月16日発売、ISBN 978-4-8322-3787-2
- 2021年4月15日発売、ISBN 978-4-8322-3818-3
- 2021年8月16日発売、ISBN 978-4-8322-3848-0
- 2021年12月16日発売、ISBN 978-4-8322-3877-0
- 2022年4月14日発売、ISBN 978-4-8322-3908-1
- 2022年8月16日発売、ISBN 978-4-8322-3936-4
- 2022年12月15日発売、ISBN 978-4-8322-3959-3
- 2023年4月14日発売、ISBN 978-4-8322-3985-2
- 2023年8月16日発売、ISBN 978-4-8322-0319-8
- 2023年12月14日発売、ISBN 978-4-8322-0350-1