小説

神舟 (小説)




以下はWikipediaより引用

要約

『神舟(しんしゅう)』は、大河渡/著、長澤真/イラストのライトノベル。第5回スーパーダッシュ小説新人賞の3次選考まで通過し、その後集英社スーパーダッシュ文庫より刊行された。

あらすじ

明治5年の日本。明治政府は西欧列強の侵略に対抗するために、京都の地下に眠るという神舟を求めて、京都の嵐山にある秦の里に訪れる。そこには『斎凰(さいおう)』と呼ばれる秦の当主・氷紗がいた。氷紗は戦争のために神舟が使われることに反対し、強硬に神舟を手に入れようとする明治政府よりも先に、神舟を目覚めさせて恒久の平和を実現しようと京都に向かう。

登場人物

氷紗(ひさ)

元々は旅芸人の孤児であったが、その後秦の里の当主である『斎凰』となった少女。当主とはいえ、実質的な権力は何も与えられていない傀儡の当主である。母親代わりだった葉月を禁門の変でなくしたことから戦争を憎むようになり、神舟を手に入れて戦争を根絶しようとする。『玩具(がんぐ)』と呼ばれる貴金属に命を宿すことができる能力を持つ。
修羅(しゅら)

吉野山に住むという『京童(みやこわらわ)』の少年。明治政府が自分の一族を皆殺しにしたことから、明治政府にたったひとりで戦いを挑んで仇を取ろうとする。そのために自分の体に『桜鬼』と呼ばれる機巧(かりくり)を植えつけている。しかし、氷紗との出会いによって本当の自分の願いに気づいていく。鬼道(きとう)と呼ばれる不思議な能力も持っている。
巴(ともえ)

秦の里の少女。斎凰である氷紗の側仕えとして氷紗と姉妹のように育てられた。氷紗に対して恋愛感情と見間違えるほどの強い感情を抱いている。
世良 隼人(せら はやと)

明治政府兵部省少将。元長州藩の維新志士。岩倉具視から神舟探索方の筆頭として神舟を手に入れるように命じられる。そのために同士である巽帯刀を呼び寄せる。貧民のいない豊かな国を手に入れるために神舟を手に入れようとしている。島原に夜萩という恋人がいる。
巽 帯刀(たつみ たてわき)

元長州藩の維新志士。幕末の頃は高杉晋作の奇兵隊に所属していた。どんなに危険な戦場でも常勝していたが、そのあまりにも無謀で危険な戦術から明治政府からは厄介者扱いされていた。明治維新後は屯田兵として北海道に左遷されていたが、行方をくらませてしまう。その後、明治政府に反乱を起こそうとする士族の集会にいたところを、世良に協力を求められて京都に向かう。愛刀は源正雄。
朧(おぼろ)

神出鬼没で狂言回しの役割を演じる青年。女と見間違うばかりに美しい顔立ちをし、派手な女物の着物を着ている。氷紗と彼女に敵対する明治政府のどちらにも協力するなどその目的は不明。相当な陰陽術の使い手であり、そこから京都のある一族に関係していると噂されている。
賀茂 夕霧(かも ゆうぎり)

京都に住む陰陽術の使い手である賀茂一族の子孫。占いが得意であるが、ほとんど賀茂家から外に出ることはない。氷紗に神舟の真実の姿を教える。
葉月(はづき)

氷紗の旅芸人仲間の少女。氷紗にとって母親のような存在。ハーフであり、自分の容姿にコンプレックスを持っていた。禁門の変の際に氷紗をかばって命を落としてしまう。
御老(ごろう)

秦の里の実質的な当主。白、黄、赤、黒、青の5人がいる。普段は陰陽五行の間から出て来ようとしない。秦の里でも彼らが当主であることを知っているものはごくわずかである。

用語

神舟(しんしゅう)
京都の地下に眠ると呼ばれる船。『神々の御船』と呼ばれて、天上から神々を連れてくるという伝承がある。神舟を目覚めさせれば、あらゆる願いを叶えてくれると宮中、秦の里、京童の間では伝わる。その神舟を目覚めさせるためには5つの関と、2つの湊の封印を解かなければならないとされ、さらには斎凰が金璽と一つにならなければならないと伝えられている。
神威(かむい)
あらゆる生命に宿るとされている力。蛍のように翠色のような淡い光を放つ。その力を集めればあらゆる奇跡を起こすことができるとされているが、神威は穢れやすいために制御することができない。神舟を動かすためには無垢な神威が膨大に必要とするが、その神威は京都の地下に蓄えられている。
金璽(きんじ)
莫大な神威の結晶化させたもの。斎凰の半身でもある。神舟の封印を解くためには、金璽と斎凰が一つになることが必要だとされている。元々は京童の一族が代々受け継いでいた。そのために京童は明治政府から狙われることになる。
関(せき)
神舟を目覚めさせるための封印がある場所。上賀茂神社、下鴨神社、貴船神社、八坂神社の4つは判明しているが、最後の一カ所が史料が紛失してわからなくなっているらしい。関の地下には巨大なドーム上の空間と黒曜石が置かれている。
湊(みなと)
神舟を動かす神威が汲み上げられて蓄えられている場所。神泉苑、京都御所の地下に存在している。御所の湊は禁門の変の際に開かれてしまっている。
神御柱(かんのみはしら)
神舟の封印を全て解くことによって現れる場所。さらには、斎凰が金璽と一つになった状態のことも指す。
京童(みやこわらわ)
吉野山に住むという一族であり、八瀬童子の血脈ともされている。鬼道と呼ばれる不思議な能力を代々受け継いでいる。

既刊
  • 神舟 ISBN 978-4-08-630340-8