築地魚河岸三代目
以下はWikipediaより引用
要約
『築地魚河岸三代目』(つきじうおがしさんだいめ)は、『ビッグコミック』(小学館)で2000年10号(5月25日号)から2013年22号(11月25日号)まで連載された漫画。作画ははしもとみつお。原作は大石けんいち(第1巻)、鍋島雅治(第2巻 - 第21巻、以後は原案の表示)、九和かずと(第21巻 - 第42巻)。2007年12月時点で累計部数は280万部を突破している。
築地の魚市場(築地市場)を舞台とし、魚介の食材を題材としたグルメ漫画である。
2008年に松竹系公開で映画化された。
概要
ストーリーは各回2・3話程度の長さで、毎回魚介の食材を1つテーマとして採り上げて、そこに魚河岸らしい人情味のある人間模様をからめていく構成になっている。
単行本では、アドバイザーで元築地仲卸三代目の小川貢一とその妻の平野文(声優・エッセイスト)によるクッキング漫画が巻末についている。このクッキング漫画を元にした料理本「築地魚河岸三代目 小川貢一の魚河岸クッキング」(春・夏・秋・冬編)が電子書籍として、また「小川貢一の魚河岸クッキングレシピ」がムック(小学館)及び電子書籍としてそれぞれ発売されている。
あらすじ
銀行の人事部員だった赤木旬太郎は、上司に命じられて行ったリストラ執行の責任を、自分なりに取って退職、妻の父の跡を継いで築地魚河岸の仲卸「魚辰」の三代目を務めることにした。右も左も分からない築地で持ち前の明るさ、食いしん坊、好奇心で築地・魚を通じて起こる様々な問題を解決していく。
登場人物
特徴として、本名ないし苗字や下の名前のどちらかが不明な人物が多いことが挙げられる。
「魚辰」の関連人物
赤木旬太郎(あかぎ しゅんたろう)
戸川英二(とがわ えいじ)
平井雅(ひらい まさ)
木村拓也(きむら たくや)
青木ヶ原卓哉(あおきがはら たくや)
三船春彦(みふね)
築地市場の仲卸たち
「ふくマル商店」のおやじ
順一(じゅんいち)
新宮秀一郎(しんぐう しゅういちろう)
竜宮寺乙女(りゅうぐうじ おとめ)
築地場外の人たち
取引先
取手(とりで)
新橋に「とりで寿司」を構える、生粋の江戸前寿司職人。その腕は新宮三代目も高く評価するが、江戸前寿司の古い伝統に強くこだわる保守的な姿勢が一般客に受け入れられず、一度は経営難から店を閉めようとしていた。しかし、魚辰三代目の発案で、余った魚を無駄にせず再利用できる「ネギトロバラチラシ」のランチを始め、経営を立て直すことができた。それ以来、魚辰の得意先の一人として三代目と親しい間柄になる。普段は謙虚で穏やかな性格だが、こと寿司に関しては妥協を許さない厳しい姿勢を持っている。元は大学院で民俗学を学んでいたが、後に妻となる小百合との出逢いがきっかけで25歳の時に寿司職人に転職したという異色の経歴の持ち主でもある。当初の設定では15歳から寿司職人の世界に入ったことになっており、初登場時のセリフにもそう記載されていたが、後の漫画アプリなどでは修正されている。
取手小百合(とりで さゆり)
横山(よこやま)
志村(しむら)
三代目の関係者
部長
その他
大将(たいしょう)
小太郎(こたろう)
ミッキー江戸川(ミッキー えどがわ)
著名な辛口グルメ評論家。ガイドブックなどの執筆を手掛けたり、グルメ番組などにも出演する。シャーロック・ホームズのような格好をしている。三代目が越前ガニを食べたさに福井へ同行してから、三代目を助手扱いするようになった。
桜井みさき(さくらい みさき)
「天海」の主人
書誌情報
- 大石けんいち(原作、第1巻) / 鍋島雅治(原作、第2巻から第21巻まで、以後は原案の表示)、九和かずと(原作、第21巻から第42巻まで) / はしもとみつお(作画) 『築地魚河岸三代目』 小学館〈ビッグコミックス〉、全42巻
- 「築地へようこそ!」2000年11月30日発売、ISBN 4-09-184356-5
- 「ふくれっ面のフグ」2001年1月30日発売、ISBN 4-09-184357-3
- 「江戸前の心」2001年9月29日発売、ISBN 4-09-184358-1
- 「幸せな中食」2002年1月30日発売、ISBN 4-09-184359-X
- 「シシャモと呼ばれた魚」2002年5月30日発売、ISBN 4-09-184360-3
- 「カキ喰えば…」2002年11月30日発売、ISBN 4-09-186611-5
- 「尺アユの涙」2003年2月28日発売、ISBN 4-09-186612-3
- 「アマダイの腕」2003年5月30日発売、ISBN 4-09-186613-1
- 「旬の一品」2003年8月30日発売、ISBN 4-09-186614-X
- 「希望のウナギ」2003年12月25日発売、ISBN 4-09-186615-8
- 「手塩にかけた干物」2004年5月28日発売、ISBN 4-09-186616-6
- 「サワラぬ神に…」2004年10月29日発売、ISBN 4-09-186617-4
- 「築地のおでん」2005年1月28日発売、ISBN 4-09-186618-2
- 「ごちそうのケガニ」2005年4月26日発売、ISBN 4-09-186619-0
- 「幻の養殖カレイ」2005年8月30日発売、ISBN 4-09-186620-4
- 「溶けないウニ」2005年12月26日発売、ISBN 4-09-180029-7
- 「ブランドのイカ」2006年1月30日発売、ISBN 4-09-180155-2
- 「アラと…アラ?」2006年5月30日発売、ISBN 4-09-180387-3
- 「負け犬のマス?」2006年9月29日発売、ISBN 4-09-180729-1
- 「山のトラフグ」2007年1月30日発売、ISBN 978-4-09-181065-6
- 「ノルウェーのアプローチ」2008年3月28日発売、ISBN 978-4-09-181220-9
- 「海を守るロゴマーク」2008年4月26日発売、ISBN 978-4-09-181829-4
- 「能登はやさしや」2008年5月30日発売、ISBN 978-4-09-181830-0
- 「勇気のイトヨリ」2008年6月30日発売、ISBN 978-4-09-181845-4
- 「ブリの誓い」2008年9月30日発売、ISBN 978-4-09-182156-0
- 「巣立ちのガザミ」2009年2月27日発売、ISBN 978-4-09-182376-2
- 「コチの空似」2009年6月30日発売、ISBN 978-4-09-182540-7
- 「素晴らしき父子鯛」2009年10月30日発売、ISBN 978-4-09-182759-3
- 「そこにしか咲かないカニ」2010年2月27日発売、ISBN 978-4-09-183060-9
- 「クロムツの教え」2010年5月28日発売、ISBN 978-4-09-183169-9
- 「サケに聞け」2010年9月30日発売、ISBN 978-4-09-183415-7
- 「ギャルとワカサギ」2011年2月26日発売、ISBN 978-4-09-183670-0
- 「若とソウダガツオ」2011年6月30日発売、ISBN 978-4-09-183857-5
- 「貝の味の魚」2011年12月27日発売、ISBN 978-4-09-184198-8
- 「春の色は白?」2012年5月30日発売、ISBN 978-4-09-184480-4
- 「復興の定置網」2012年9月28日発売、ISBN 978-4-09-184677-8
- 「白かクロか」2013年1月30日発売、ISBN 978-4-09-184866-6
- 「不屈の三陸」2013年4月30日発売、ISBN 978-4-09-185209-0
- 「ご褒美のカニ」2013年7月30日発売、ISBN 978-4-09-185380-6
- 「戻りガツオか迷いガツオか」2013年10月30日発売、ISBN 978-4-09-185610-4
- 「知ってかシラスか…」2014年1月30日発売、ISBN 978-4-09-185860-3
- 「さようなら三代目」2014年4月30日発売、ISBN 978-4-09-186173-3
番外編
鍋島雅治の原作、はしもとみつおの作画による『魚河岸十兵衛』(うおがしじゅうべえ)が、「ビッグコミック50周年特別企画」として『ビッグコミック』2018年17号から19号まで前・中・後編の全3話で掲載された。江戸時代初期、徳川家光時代の日本橋魚河岸を舞台とした番外編である。
映画
大沢たかお主演、松原信吾監督により映画化され、松竹系で2008年6月7日に公開された。
公式サイトにはウィキペディアならぬ「ウオペディア」が掲載されていた。人間関係や設定は原作と異なる。
公開前にシリーズ化が決定し、2009年に2作目が公開されることが告知された。しかし、不況の煽りもあって2010年に公開が延期されることが発表され、2010年に入るとさらに2011年に延期が決定した。その後も2作目の製作は実現していない。
あらすじ(映画)
赤木旬太郎は丸の内のサラリーマンだが、誰にも負けない味覚を持っていた。恋人の明日香が、築地の魚河岸で働いていることを知る旬太郎。明日香は「魚辰」という仲卸(なかおろし)の跡取り娘で、入院した父の代わりに店を手伝っていたのだ。明日香には本職のデザイナーの仕事もあった。彼女の身体を心配し、強引に自分も「魚辰」を手伝い始める旬太郎。しかし、素人の旬太郎は足手まといになるだけだった。
勤め先の商社で、リストラを担当させられる旬太郎。かつての自分の上司を退職に追い込んだ旬太郎は、自分も会社を辞めた。退院した明日香の父の徳三郎に、「魚辰」への就職を頼み込む旬太郎。しかし、明日香は相談もなしに会社を辞めた旬太郎を責めるのだった。
徳三郎は、自分を継ぐ三代目を、古くから店にいる英二と決めていた。実は、英二は徳三郎の隠し子だったのだ。しかし、築地では明日香と英二の結婚の噂が立った。英二は小料理屋の千秋に惚れていたが、噂を聞いた千秋は、青物問屋の跡継ぎである十四郎からのプロポーズを受けてしまった。
漁船の乗り組み員として、一から魚の修行を始める旬太郎。旬太郎と会って、英二が兄であることを知っていたと打ち明ける明日香。英二は、ずっと渡せずにいた結婚指輪を千秋に差し出した。英二と共に十四郎の手から千秋を奪還する旬太郎。徳三郎は、英二と千秋の結婚式の場で、旬太郎を「魚辰」に迎えることを発表した。しかし、旬太郎が三代目になれるかは、まだこれからの話だった。
キャスト
赤木旬太郎
主人公。元・商社マン。商社に勤めていた際、課長に昇進するも、リストラ担当の仕事をさせられる。商社を退職し、魚辰で働くことを決める。
英二
明日香の腹違いの兄。お互いに相手に気遣って、隠すことですれ違いを生じていたが、旬太郎のおかげで和解する。
雅
魚辰の従業員。気が強くケンカ早い江戸っ子。
拓也
旬太郎に何かと手伝い、バックアップする素直な青年。
エリ
魚辰の従業員。帳場を守る魚辰の華。原作のように電卓でツッコむシーンはない。
明日香
旬太郎の恋人。プランナーとして、銀座の一等地にあるデパートのショーケースをコーディネートするバイヤー。
鏑木徳三郎(大旦那)
「魚辰」主人。江戸っ子。愛人だった向島の芸者にも子供(英二)を産ませた。
駒さん
英二と明日香が結婚することを望み、勘違いから2人が婚約したと思い込み、式場としてハルオの神社を強引に押さえるなど、無茶な行動をする。
片岡十四郎
千秋と婚約までするがフラれる。
千秋
場外で小料理屋を営む。奥ゆかしさのある女性。
漆原
旬太郎の勤めている商社の常務で上司。旬太郎を公私かまわずこき使う。
金谷聡
妻の介護のために有給休暇を多く取得していたことなどで会社側に付け込まれ、リストラ要員に。入社してきた頃から旬太郎を可愛がってきた元・上司。
順子
金谷の妻。末期ガンに冒されている。エンドロールでも、療養に移った田舎でリンゴを食べていた。
真田正次郎
徳三郎の幼なじみ。寿司屋の主人。何でも言い合える仲なので、徳三郎とよくケンカする。
牛尾
魚河岸に魚を納める水産会社の社長。旬太郎のよき理解者。旬太郎に魚について多くのことを教える。
ハルオ
築地にある神社の宮司。
アルプスのマスター夫妻
築地場外でみんなが集う喫茶店のマスター夫婦。
スタッフ
- 監督 - 松原信吾
- 脚本 - 安倍照雄、成島出
- 音楽 - 本多俊之
- 主題歌 - 秦基博「虹が消えた日」(BMG JAPAN・AUGUSTA RECORDS)
- 製作 - 「築地魚河岸三代目」製作委員会(松竹、三井物産、小学館、衛星劇場、木下工務店、小学館プロダクション、大広、コアプロジェクト、Yahoo! JAPAN)
- 製作プロダクション・配給 - 松竹
- 上映時間 - 116分