小説

簡単なシリーズ


小説

著者:鎌池和馬,

出版社:アスキー・メディアワークス,

レーベル:電撃文庫,

巻数:既刊2巻,



以下はWikipediaより引用

要約

『簡単な--シリーズ』は、電撃文庫(アスキー・メディアワークス)より刊行されている鎌池和馬のライトノベルのシリーズ名。各巻タイトルは『簡単な--です』と表記され、タイトルの「--」が各巻の該当キーワードになっている。

概要

オムニバスの短篇集的な形式。読者参加型としての要素が含まれている。作者の刊行シリーズの中に組み込む事ができなかったネタを盛り込んだ作品。一貫して『不条理』というキーワードについて取り上げられている。

簡単なアンケートです
当シリーズの1作目。ラブコメを題材に、読者参加型のアンケートをテーマにした作品。イラスト担当ははいむらきよたか。担当編集者は三木。2012年7月10日発売。 24篇の掌編とアンケートにより分岐する4つの短編で構成される。

簡単なモニターです
当シリーズの2作目。ギャンブルを題材に、読者参加型アトラクションのモニターをテーマにした作品。イラスト担当は葛西心。担当編集者は三木。2013年3月10日発売。 10本の短編と、前作『簡単なアンケートです』を踏襲した形の本編で構成される。

登場人物

安西 恭介(あんざい きょうすけ)

「簡単なアンケートです」における主人公。国立大に通う一年生。専攻は社会学関係。二浪している。いつも同じチョーカーを付けている。携帯電話は持っているがスマートフォンではない。
「アンケート」がきっかけで女子大生の仲良し4人組と接点を持つようになる。春海の紹介でアトラクションランドのアルバイトに参加した。
春海=クォーターバレー(はるみ=クォーターバレー)

金髪に青い瞳の女子大生。国立大に通う。片言な話し方をする。人との距離感を掴めない性格。中学高校で4人ものストーカーに追われた過去がある。
刺激を求めて様々なアルバイトをやりたがり、安西や仲の良い3人組に『何でも屋』やアトラクションランドのアルバイトを紹介した。
長谷川 蛍(はせがわ ほたる)

長身に艶のあるロングヘアの女子大生。国立大に通う。安西よりも学年は上。ロマンチストでフランス文学などを専攻している。
映研に保管されている「アンケート」用のショートフィルムの映像を収めたUSBメモリを入手した。春海の紹介でアトラクションランドのアルバイトに参加した。
薬師寺 愛洲(やくしじ あいす)

キャバクラ嬢のような外見の女子大生。国立大に通う。外見に反して丁寧な口調。色黒。天才肌の理系で、有能だが興味を持たない事には力を発揮できないタイプ。西フランク王国式決闘術復興サークルに所属している。
田中の残した「アンケート」に関するメモを破り捨ててしまう。春海の紹介でアトラクションランドのアルバイトに参加した。
久坂 こずえ(くさか こずえ)

女子大生。国立大に通う。中高はずっと女子高だった。胸は大きくない。妄想しがちな癖がある。ファッションとして、大きなヘッドフォンを付けたり、手首に包帯を巻いたり、右足だけ破れたストッキングを履いたりしている。
妖精やロボットなどの非現実的で『不条理』な存在と遭遇する。春海の紹介でアトラクションランドのアルバイトに参加した。
鈴川(すずかわ)

『何でも屋』のブラックな課長。中年男性。
此方(こなた)

白髪で12歳ぐらいの少女。オブジェクティブ=アリスの一種であり、パラメータは対安西恭介用人体構造となっている。一人称は「此方」。「アンケート」が行われる2週間前まで安西の隣の部屋で一人暮らしをしていた。引っ越し後も安西とやり取りをしているものの、安西側からコンタクトを取ろうとすると必ず失敗する。
「アトラクション」に参加した安西を助けるために『組織』を壊滅させ、呼び出された別のアリスを破壊した。
田中(たなか)

「アンケート」を執り行った男。『不条理』に関わった結果、自身も『不条理』に呑まれた。『Ab.バスター』を確保しようとしていた。
品川(しながわ)

とある国立大に勤める頑固な女性教授。「一定以上化粧の濃い女には単位を与えない」という真偽不明の伝説を持つ。
東川 守(ひがしかわ まもる)

「簡単なモニターです」における主人公。あまり表情に変化がない男子大学生。
大学構内のアルバイト募集を見つけてアトラクションランドのモニターに参加した。「リーパーゲーム」にて、レイチェルの死体損壊を教唆した事でイレギュラーな罪状判定を受ける。これがきっかけとなり、参加者の中でも格別な活躍の機会を持った人間として、『常勝の挑戦者』というキャラクターで『不条理』を獲得した。
風上 信造(かざかみ しんぞう)

作業服を着た無精ひげの男。地主の家の力を借りずに生きてきた。
『まっすぐ運輸』の手伝いをする中で、配達物が怪しげな生臭い物である事に気付き、疑問を抱いて調べる内にアトラクションランドに辿り着いて試作アトラクションのモニターをする事になった。
氷山 都茂子(ひやま ともこ)

冷たいキャリアウーマン風の女性。暴力的な行動を取る人間を一歩離れた所から観察したがる癖がある。
とある学者の提唱した「犯罪者は環境が育てるため、出生や住環境などが過去の凶悪犯と類似する経歴を持つ者を警戒せよ」という珍説により誹謗や中傷を受けてきた。その復讐として病的な完璧主義者になり、学歴、職業、資格などから対人関係や自身のプロポーションに至るまで完璧な人間となる。将来は憎い学者へ近づいて誤ったヒントを教え、学会から叩き出す事を目論んでいた。
松実 白魚(まつみ しらうお)

女子高生。記憶喪失であり、過去15年間の記憶がない。記憶を取り戻した直後に名前と住所(東京都中野区白鷺)および自身が高校2年生である事を知る。また、自身が株式会社アトラクションランド営業部の非正規雇用枠の人間だと知り、自分の正体を探るためにアトラクションランドの試作アトラクションランドのモニターへ加わった。
レイチェル=スカイダンス

金髪碧眼の外国人。都内の短大に通う少女。気弱な性格。日本での留学生活に馴染めず、少しでも母国の匂いのする世界的に有名なアトラクションランドで働く事で現実逃避しようとした。
可憐(かれん)

真っ赤なバニースーツを着た女性。『組織』の一員であり、アトラクションランドの社員。
「アトラクション」のディーラー役を務め、『不敗の帝王』というキャラクターで『不条理』を獲得した。

用語

不条理(Absurd)
「法則性のない」という法則を持つ矛盾した現象。言語上の表現では理解不能な現象。時系列や整合性すら矛盾する。『不条理』を解析しようとした人間は自身も『不条理』に染め上げられる。
オブジェクティブ=アリス
『不条理』と相互干渉する統合体であり『案内人』とも呼ばれる。厳密な定義は「確定した法則の全てを捻じ曲げる者」。バンシー、プロメテウスとも関連付けられ、賢者の石とも混同視される。白い少女の形をしており、人間のような倫理観を有する。
彼女を中心に展開される無数の『不条理』なストーリーにいかに巻き込まれないようにするかが安全策を構築する留意点とされる。しかし、構築されてしまった時点で「確定した法則を歪めてしまう」特性上、彼女の存在が歪められて弱点が更新されるため実質的に安全策を講じる術は存在しない。

『組織』
オブジェクティブ=アリスを呼び出して捕え『不条理』を獲得する事で、通常の努力の積み重ねでは解決不能な問題を解決する事を目的に活動していた思想結社。その一環として『不条理』のエミュレーション計画を企て、「アトラクション」を実施した。
様々な方法で新しい人材を確保しており、構成員だという自覚がない者や自分が構成員だと錯覚してしまう者などまで存在する。また、構成員には国家、民族、宗教、文化、金銭上の繋がりなど共通項はない。
Ab.バスター
『不条理』に対抗できる人材。『何でも屋』基準では、時給1200円クラスの仕事は「Ab.バスター級」とされている。
アンケート
とある国立大の講義で放映されたグレイフィクションのショートフィルム。フィルムの各所に白髪の少女が映り込んでいる。映像は映研が保管している。『何でも屋』によってサクラの生徒が多数派遣されていた。「アンケート」のナンバリングで心の仕組みを暴く事ができる可能性が田中によって示唆されていたが真偽は不明。
アトラクションランド
外資系エンタメ事業が運営する、世界的に有名な遊園地。
スパイダーファイナンス
裏の業界では有名な闇金業者。『組織』が実施していた「アトラクション」の勝敗に応じた賞金の提供元。
今田建設
『組織』が実施していた「アトラクション」の舞台構築に助力している大手ゼネコン。