美濃牛
舞台:岐阜県,
以下はWikipediaより引用
要約
『美濃牛』(みのぎゅう、MINOTAUR)は、殊能将之の推理小説。石動戯作シリーズの第1作で、第1回本格ミステリ大賞候補作。各章の冒頭に、古今東西の文学から牛や迷宮に関連した箇所が引用されており、章の内容もそれに合ったものになっている。タイトルの「美濃牛」とは、本作における本来の意味のほかに、作中で飛騨牛を育てている畜産業者の牛が品評会で飛騨牛と認められず、飛騨牛になり損ねた単なる美濃地方の和牛という皮肉が込められている。
あらすじ
岐阜県の暮枝(くれえだ)という集落にある鍾乳洞・亀恩洞に、病を癒やす「奇跡の泉」があるらしい。泉の取材を押しつけられたフリーライターの天瀬が現地を訪れるが、泉は厳重に鉄線が張り巡らされ、入ることもできなかった。
村のリゾート開発計画を立案し、建設会社に一任されているという石動戯作が泉に入れるよう説得を続けているが、地主はなかなか承諾せず、何とか村人から話を聞くことで取材を進め、明日には帰れる段となり、天瀬は眠りに就いた。だが翌朝、泉の入口近くの大樹に、首を切断された死体がぶら下がっているのが発見される。
やがて第2の殺人が起こり、村人の間から「この地方に伝わるわらべ唄に見立てられている」との声が出始める。
登場人物
石動 戯作(いするぎ ぎさく)
古賀 良周(こが よしちか)
暮枝の人々
羅堂 陣一郎(らどう じんいちろう)
羅堂 真一(らどう しんいち)
羅堂 哲史(らどう さとし)
引用
本文に準拠、文学作品だけでなく、図鑑から生物の生態、広辞苑から用語の説明が引用されているものもある。「全てを読んだわけではない」と作者は語っている。
- 北村透谷 「我牢獄」
- ハーバート・A・サイモン 「学者人生のモデル」
- マーク・トウェイン 「トム・ソーヤーの冒険」
- 小島信夫 「美濃」
- 「枕草子」
- 「迷樓記」
- 横溝正史 「八つ墓村」
- 三遊亭小圓朝演 「牛ほめ」
- ラテン語のことわざ 「牛が語る」
- フーリック 「中国迷路殺人事件」
- トマス・ド・クインシー 「深き淵よりの嘆息」
- 吉幾三 〈俺ら東京さ行ぐだ〉
- 栄花物語
- タティオス 「レウキッペーとクレイトポーンの物語」
- ユイスマンス 「ルルドの群集」
- ダンテ 「神曲」地獄篇第五歌
- ヘロドトス「歴史」
- 島尾敏雄 「勾配のあるラビリンス」
- 中島敦 「牛人」
- アルテミドロス 「夢判断の書」
- ジョン・チャドウィック 「線文字Bの解読」
- 西鶴 「武道伝来記」
- 江戸川乱歩 「孤島の鬼」
- 平野萬里
- アイスキュロス 「アガメムノーン」
- 「毛抜」
- ダンテ 「神曲」地獄篇第十二歌
- 「テトスへの手紙」
- 国木田独歩 「牛肉と馬鈴薯」
- ペトロニウス 「サテュリコン」
- アンドレ・ジッド 「テセウス」
- 十返舎一九 「東海道中膝栗毛」
- 阿部正之、森文俊 「カラー図鑑・熱帯魚」
- フリードリヒ・デュレンマット 「迷宮としての世界」
- ハインリヒ・ハイネ 「ミュンヘンからジェノバへの旅」
- ルイス・フロイス 「日本史」
- 小林秀雄 「無常といふ事」
- モンテヴェルディ 〈アリアンナの嘆き〉
- 「古事記」
- リヒャルト・シュトラウス 〈ナクソス島のアリアドネ〉
- ニーチェ 「この人を見よ」
- ヤニス・リッツォス 「新しい踊り」
- ホメロス 「オデュッセイア」
- 村野四郎 「蒼白な紀行」
- 泉鏡花 「草迷宮」
- 小松左京 「牛の首」
- 島田荘司 「灰の迷宮」
- チャールズ・キングスレイ 「水の子」
- 筒井康隆 「姉弟」
- T・フラー 「金言集」
- アーサー・エヴァンズ卿の日記
- 「太平記」
- オウィディウス 「変身物語」
- 高橋新吉 「戯言集」
- マイクル・ムアコック 「最終プログラム」
- セネカ 「パエドラ」
- 西鶴 「好色一代男」
- ホルヘ・ルイス・ボルヘス 「アベンハカーン・エル・ボハリー、おのれの迷宮に死す」
- 作者不詳の和歌
- サミュエル・R・ディレイニー 「アインシュタイン交点」
- リヒテンベルク
- 西條八十 「親牛子牛」
- 迷宮入り 「広辞苑」
- P・K・ディック 「死の迷路」
- 北村太郎 「地の人」
- ベリオ 〈シンフォニア〉
- 高村光太郎 「牛」
- 夏目漱石 「坑夫」
- 吉井良三 「洞穴学ことはじめ」
- ジェラール・ド・ネルヴァル 「アレクサンドル・デュマに」
- スティーヴンソン 「牛」
- アルジス・バドリス 「無頼の月」
- アントニー・ギルバート 「屋根裏に埃はない」
- 「十牛図」
- ジョン・ペンドゥルベリー 「クレタの考古学」
- P・パーカー他 「ミノス王の宮廷」
- 有島武郎 「迷路」
- 鮎川信夫 「跳躍へのレッスン」