羽月莉音の帝国
以下はWikipediaより引用
要約
『羽月莉音の帝国』(はづきりおんのていこく)は、至道流星による日本のライトノベル。イラストは二ノ膳が担当。ガガガ文庫(小学館)より2010年2月から2012年2月まで刊行された。
あらすじ
全校生徒数3000人規模のマンモス高校・青海大学附属高校に入学した主人公・羽月巳継は、幼馴染の折原沙織、春日恒太とともに、従姉の2年生・羽月莉音が部長を務める「革命部」という部活に加入することとなる。
革命部は、部長の莉音が自らの国家を建国するために設立した部であり、創部当初は20名の部員が居たが、現在は莉音と3年生の泉堂柚を除いて皆、幽霊部員となっていた。部員は5人、部費は1000円しかなく、更には部室と設備の確保のため300万円近い借金を負った革命部であったが、ゴミ拾いやモデルエージェンシー、コスプレ衣装販売などの活動の末、「株式会社革命部」として部を法人化するまでに至る。
株式会社革命部の代表取締役に就任した巳継は、史上最年少の高校生社長としてマスコミの注目を浴び、一躍時の人となる。株式会社革命部は、次の目標である株式公開に向け、事業を展開していく。
登場人物
声はオーディオブック版より。
羽月 巳継(はづき みつぐ)
声 - 鵜澤正太郎
高校1年生(第8巻からは高校2年生)。莉音、沙織、恒太とは家が近所同士の幼馴染。青海大学附属高校では沙織と同じ1年A組に所属する。父親がSEであり、コンピュータに詳しいので、革命部のネットワーク設定やウェブサイトの作成、決済システムの設計を行うようになる。株式会社革命部の創設の際には同社の代表取締役に就任し、会社の代表としてインタビューや記者会見などのマスコミ対応をこなすようになる。
羽月 莉音(はづき りおん)
声 - 朝日奈丸佳
高校2年生(第8巻からは高校3年生)。巳継とは父同士が兄弟の従姉弟で幼馴染。幼い頃から、冒険家の父親に連れられて世界各国を旅してきた。母親は莉音が幼い頃に病死している、現在父親は探検に向かっており、莉音一人で日本で暮らしている。若くして、江戸時代から続く名門武術館・日新流柔術の免許皆伝を得るほどの武道家であり、巳継に武術を教えてきた。小柄な体格だが、胸はCカップ。世界の不平等を是正するために、クーデターを起こし自らの国を建国することを夢見ている。それを実現するために青海大学附属高校で革命部を設立し部長を務める。株式会社革命部では取締役に就任。2年前にアフリカを探検していたときには、熱帯熱マラリアに感染し、生死の淵を彷徨った経験を持つ。
折原 沙織(おりはら さおり)
声 - 古賀葵
高校1年生(第8巻からは高校2年生)。巳継と同じクラス。美少女で、中学時代には学校一の人気があった。胸が小さいことを気にしている(Aカップ)。「おりおり」というあだ名で呼ばれることを嫌っている。莉音には幼い頃から振り回されてきたため、苦手意識を持っている。革命部では「コスプレイヤーおりおり」として撮影モデルを務める。株式会社革命部取締役。
春日 恒太(かすが こうた)
声 - 馬場惇平
高校1年生(第8巻からは高校2年生)。1年C組に所属。フィクサーとして世界に君臨する夢を持っており、常に何かを策略している。常に学年トップの成績をおさめており、そのことが自信過剰な性格に拍車をかけている。株式会社革命部監査役。後に、日本商業銀行の頭取に就任。後に国民栄誉賞を受賞。父親は総務省の官房参事官。
泉堂 柚(せんどう ゆず)
声 - 春川友紀
高校3年生(第8巻で青海大学附属高校を卒業、青海大学へ進学)。巳継たちが入学してきたときに、革命部に莉音以外で唯一残っていた部員で副部長。駅前の老舗どら焼きや「大正堂」の娘。ドジっ子。革命部の自動販売機係の係長(後に自動販売機部部長)で、色モノのジュースばかりを仕入れる。株式会社革命部では取締役を務める。国際数学オリンピックで世界唯一の満点を獲得するほどの天才で、流通システムや業務フローの設計の仕事をこなす。中学生の頃、母親を亡くしており、10歳年上の姉が母親代わりに面倒を見てくれている。
羽月 一馬(はづき かずま)
莉音の父で、冒険家。巳継の叔父。自らの体験を綴った著書を数冊書いている。防衛大学校を出た後、防衛省に在籍していたため、自宅に防衛関連の本も所蔵している。現在(第1巻の時点)は莉音を日本に残し、南極を探検中。洪門・天地会の有力者であり、同じく天地会に属する徐とは古い仲。防衛省に所属していたのは表面上は4年ほどであったが、実は30歳まで防衛省情報本部に所属していた。その頃は冒険家という肩書きで世界中を駆けていたが、実際には日本のPKO派遣検討地への事前調査やODA予定国の反政府勢力のレポートを行うなど、日本の諜報員としての活動を行っており、冒険費用は全て情報本部の機密費用から出ていた。後に、莉音と冒険を始めるために防衛省を辞め、フリーの冒険家となった。
速水社長
海胴 総次郎(かいどう そうじろう)
資金面・政治面・暴力面で日本のトップとして権勢を振るうフィクサー。超国家主義者。1927年生まれ。上海っ子として育ち、青年期を上海で過ごした。大物右翼・海胴敬一郎の息子であり、1946年に、最年少の戦犯として逮捕され、巣鴨拘置所に収容された。拘置所内で父と死別。また、多くの政界の人物と人脈を形成した。逆コースとして釈放後、父が第二次世界大戦後に接収し隠匿した膨大な軍資金(M資金)を受け継ぎ、戦後の日本再建の秘密資金として活用した。その額は400億円(当時の国家予算が約200億円)ともいわれている。釈放後はCIA工作員となり、暴力団や右翼団体を組織して日本国内の労働運動を糾弾し共産主義化を防いだ。1955年には「自友民政党」の立党(55年体制の誕生)を後押しした。1962年には、「大東亜同盟会」を結成し、日本全国の暴力団を大同団結させた。後にCIAを裏切ることで、CIAから暗殺計画を企てられることとなった(スタインバーグ家もこの暗殺計画に加担したことがあった)。戦後の復興期には、エグゼスエレクトロニクスに莫大な資金を投入したこともあった。現在は、日本最大の指定広域暴力団「京武会」を筆頭に、東丈会も含めた全国の暴力団の顧問を務めており、東丈会総長とは義兄弟の仲である。また、洪門・哥老会の長老でもある。同じく哥老会に属する、中国の郭首相とは長年の盟友である。
登場する企業・団体
本作では実在する地名・企業名や実際に起こった経済的な出来事が度々登場するが、物語の本筋に大きく関わるのは架空の企業・団体が殆どである。本項では、作中に登場する主な企業や団体のうち架空のものを挙げる。
革命部(かくめいぶ)
株式会社革命部
おりおりオンラインクローズ
速水半導体工業株式会社
ブラックフォースワン
銘広社(めいこうしゃ)
東丈会(とうじょうかい)
株式会社アクアス
スタインバーグ家
カルヴァート家
スタインバーグドレクスラー
オリエントシーライン株式会社
エグゼスエレクトロニクス
日本商業銀行(後に国際商業銀行)
芝山監査法人
株式会社中小企業信用補完機構
興誠会
ウエスタンユニオン・ミドルイースト株式会社
ミューチュアル保険
コークスミサイルカンパニー(KMC)
ロシアロケット社
アウスブルク銀行
KKネクスト株式会社
CNM
COX
GBCボトラーズ
既刊一覧
- 至道流星(著) / 二ノ膳(イラスト) 『羽月莉音の帝国』 小学館〈ガガガ文庫〉、全10巻
- 2010年2月23日初版第1刷発行(2月18日発売)、ISBN 978-4-09-451189-5
- 2010年4月25日初版第1刷発行(4月20日発売)、ISBN 978-4-09-451200-7
- 2010年7月22日初版第1刷発行(7月17日発売)、ISBN 978-4-09-451216-8
- 2010年9月22日初版第1刷発行(9月17日発売)、ISBN 978-4-09-451230-4
- 2010年11月23日初版第1刷発行(11月18日発売)、ISBN 978-4-09-451242-7
- 2011年2月23日初版第1刷発行(2月18日発売)、ISBN 978-4-09-451256-4
- 2011年4月24日初版第1刷発行(4月19日発売)、ISBN 978-4-09-451267-0
- 2011年8月23日初版第1刷発行(8月18日発売)、ISBN 978-4-09-451290-8
- 2011年10月23日初版第1刷発行(10月18日発売)、ISBN 978-4-09-451301-1
- 2012年2月22日初版第1刷発行(2月17日発売)、ISBN 978-4-09-451325-7
オーディオブック版
2020年1月20日にガガガ文庫と81プロデュースがタッグを組んだオーディオブックの第10弾として配信開始された。