小説

老春 (松本清張)


題材:老人,



以下はWikipediaより引用

要約

『老春』(ろうしゅん)は、松本清張の短編小説。『新潮』1961年11月号に掲載され、1963年4月に『松本清張短篇総集』収録の1作として、講談社より刊行された。

1990年にテレビドラマ化されている。

あらすじ

太田重吉は裏の離れに住んでいた。重吉は若い時には幾人もの女を外に作っていたが、78歳の今は、自堕落に一日中万年床の中でごろごろしており、雑貨商を営む息子夫婦の栄造・比佐子からも孤立しがちになっていた。22歳の好子が女中として来て以来、重吉の様子に変化が起こった。重吉はひどく好子を頼りにするようになり、自分の過去を棚に上げ、好子に訓戒を垂れたりした。しかし、好子が近所のアパートに住む工員の男と仲良くなると、重吉は大きな声でその工員を罵り始めた。やがて好子が工員と同棲して暇をとると、重吉は嫉妬からアパートに押しかけ、あらゆる言葉を使って好子と工員の男を罵倒しわめくのだった。

次に、春子という新しい女中が来た。春子は不器量で、栄造夫婦も好子の時のようにはなるまいと思っていた。が、春子が好子と親しくなっていたのを発見した重吉は、血相を変えて再び大騒ぎを始めた。春子を自分の女と思い込んでいる重吉は、悪い男のもとに行かないよう春子に居丈高に命令するのだった。ある時、栄造の取引先の客が家に泊まることになった。すると重吉は、春子がその客とくっついていないか、夜中に懐中電灯を照らして覗きまわった。その客は退散した。春子は荷物をまとめて出て行った。たまりかねた栄造が重吉に、そんな年をして若い女にヤキモチをやくのはみっともない、と言うと、重吉は火の点いたように怒り出した。翌日重吉は、置き手紙を残し、栄造夫婦の前から姿を消す。

エピソード
  • 著者は本作について「老人の性欲といったものを描いた。この種のものは、あとも書く気持があった」と記している。
テレビドラマ

「松本清張の老春」。1990年9月27日、読売テレビ制作・日本テレビ系列の「木曜ゴールデンドラマ」枠(21:03~22:52)にて放映。サブタイトル「女に惚れてなぜ悪い!?老いゆく父の奇行におびえる家族」。

キャスト

  • 太田重吉:花沢徳衛
  • 太田栄造:井上順
  • 太田比佐子:浅利香津代
  • 好子:七瀬なつみ
  • 春子:岡本麗
  • 野村昭子
  • 安孫子里香
  • 西尾徳
  • 綾田俊樹
  • 依田英助
  • 川上たけし
  • 早川勝也
  • 里木佐甫良
  • 小園蓉子
  • 小金沢篤子
  • 本庄和子
  • 藤浪晴康、関根孝彦、太田行雄、中川彰、大石きよみ、川名美也子、芳野亜梨沙、高橋基樹 ほか

スタッフ

  • 脚本:大薮郁子
  • 演出:鷹森立一
  • 音楽:山本純ノ介
  • 技術協力:ビデオフォーカス
  • プロデューサー:階堂昌和(読売テレビ)、田中浩三(松竹)、林悦子(霧企画)
  • 制作協力:松竹映像
  • 制作:松竹、霧企画

読売テレビ制作・日本テレビ系列 木曜ゴールデンドラマ
前番組 番組名 次番組
娘からの宿題
(1990.9.20)
松本清張の老春
(1990.9.27)

松本清張原作のテレビドラマ一覧(放送順)

脚注・出典

松本清張作品の一覧(刊行順)

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