聖モエスの方舟
漫画
作者:榎本ナリコ,
出版社:小学館,
掲載誌:月刊サンデージェネックス,
レーベル:サンデージェネックスコミックス,
発表期間:2009年,
巻数:全5巻,
話数:全36話,
以下はWikipediaより引用
要約
『聖モエスの方舟』(せいモエスのはこぶね)は、榎本ナリコによる日本の漫画。また、『世界制服』のスピンオフ作品。『月刊サンデーGENE-X』(小学館)にて2009年10月号から連載を開始した。2012年6月号以降は新章として、『星の少女たち 聖モエスの方舟・帰還篇』とタイトルを改め、2013年1月号まで連載された。単行本は全5巻が刊行。第5集のみが『星の少女たち 聖モエスの方舟』のタイトルになっている。
概要
本作は、『世界制服』のepisode4『イッツア・スモール・ワールド』内の劇中劇フィギュアシリーズ『聖モエスの箱舟学園』からスピンオフした作品である。
その中の世界観設定しかない『聖モエスの箱舟学園』を本当に描こうという企画が持ち上がり、連載がスタートされた。
この際に、新たな設定、ストーリー、キャラクターを加えたり、一部のキャラクターの名前の表記を変更したり、さまざまな変更をされているため『聖モエスの箱舟学園』の設定とは異なる物語になっている。
あらすじ
地球暦0080。 それは、人類が地球のもとに『地球連邦』となって80年後の世界。 人類はようやく、真の平和を手にしたかに思われた。 しかし、謎の流星雨が地球全体に降り注いだことが引き金となり、男性の人口が極端に減少していった。
それから59年後の地球暦0139年。 中学生のモエナは、親友の友絵とともに、名門の『聖モエス学園』への入学が決まる。 そして入学式を迎えるが、校舎は突然地鳴りを響かせ、大空へと向かっていった。
舞台設定
作中の時代設定は、西暦21xx年から地球のあらゆる国境を廃して『地球連邦』として統一された未来を描いている。
年号は統一地球暦【AU(アフターユニオン)】に改正。本編中はAU0139。
また、国境の廃止に伴い、『○○国』といった名称でなく『○○語圏』といった名称を多く使うようになった。
AU0080、異星人のセフィロトによる彗星、流星に模した『火球弾(メテオレ)』、『星弾(エトワーレ)』によるY染色体の破壊を意図した攻撃を受ける。その壊れたY染色体を引き継いで生まれる男子は、ほぼ流産や死産をするようになる。
その結果、AU0139には男女比が女性71%、男性が28%となり、このままでは2年後に地球人類の種の存続の可能性が2%を切り、結果として人類の滅亡となるという極めて危うい状態にある。
第5集からは、モエス学園が飛び立ってから約2年が経過している。
聖モエス学園
この名称は通称で、タイトルとなっている『聖モエスの方舟』とも呼ばれる。
本作品の時代において、かつての世界遺産だったモン-サン-ミシェルを礎として最新科学の戦艦として建造された。
もとは異星人セフィロトの一人・エテルが学長のシスター・エーテルの名を借り、地球人類の種の保存のために立案した『モエスの方舟計画』のもとに造られた『方舟』だという事実が第28話で明らかにされる。
モエナたち生徒は、DNA適正検査により、全人類の中から選ばれた。彼女ら生徒や学園の関係者にはそれぞれナンバリング(序列)が付けられており、現在判明しているうちでは20まである。
制服のデザインは、基本として、女子は白い提灯型の袖のブラウスとプリーツスカート、男子は白い学ランとなっている。ただし生徒により、デザインが異なるため、これに限ったことではない。ちなみに下着も学校指定。また、制服袖口の元ネタは波○砲らしい。
『イッツア・スモール・ワールド』内の士官学校という設定は引き継いでいるが、本作品では生徒が集まらないからと公にしていなかったり、クローン少女のブランカたちを除いた生徒は実質11人(?)だったり、初期と異なる点が多く、新たな設定を追加している。
登場人物
年齢の→の右に書かれているのは第5集からの登場人物たちのおよその年齢。
戦乙女(ヴァルキューレ)
ここではモエナ達女生徒のことを指す。 ナンバリングは01~06まで。 本来なら彼女らは全員ヴァルキューレの力に覚醒をし、戦える状態にあるはずだったが、モエス学園関係者による『計画』に遅れが生じてしまったため、全員の覚醒が完了しないまま艦船は出航したという。
モエナ・ジェラシード
本作の主人公。
年齢:15歳→17歳
出身:地球連邦政府政令学園都市ニューツクバ
守護宝石(制服の胸元に付いている宝石):ルビー(コランダム赤色) 序列:01(象徴:意志の力)
身長:158cm スリーサイズ:B78、W58、H83 健康体。
明るく楽天的な性格で、誰とでも友達になれるのが特技。おバカで勉強は苦手。好物は甘いもの。逆に辛いものは駄目。
髪の毛はピンクでアホ毛をヘアピンで留めている。
若い男性と今まで接触したことがなく、男子との恋愛にあこがれている。モエス学園の入学を決めたのは、学園が共学であり、そこで男子と会えることを期待したため。
教官の苗羽に一目惚れし、想いを寄せている。
経緯は不明だがモエムに代わり、ヴァルキューレを率いることになる「01」(ゼロワン)のナンバリングに選ばれる。01の象徴である「意志の力」は、一番優れた才能を秘めているという意味。
入学初日から学園の艦がセフィロトの襲来に遭い、クラスメイトである燃世の戦死を目の当たりにしてしまう。ショックのあまり、約一週間授業に出なくなってしまうが、その後燃世は校医のトナエによって復活する。しかしそれが仲の良かったヒロコの肉体を利用したことによる復活と知り、モエナはこの悲劇を繰り返さないために戦うことを決意。しかし、クラスメイトの覚醒が相次ぎ、自分一人戦えないことを無力に思う。さらにエテルやゲボラとふれあい、その後彼女らがセフィロトと知るものの、戦いよりも和解を望む。
最終話では、友絵達を残してモエスがセフィロト本星から飛び立とうとした直後に覚醒。本星を包み、守護宝石をすべて破壊するほどの大きな力を放ち、自らの望みでセフィロトとの和解や戦死した者の復活などを叶えるが、その後消息を絶ってしまう。
第1集に収録のプロフィールでは、彼女の武器は剣と炎という設定で覚醒時は翼が生えている姿だったが本編に登場することはなかった。
友絵・アンジェラル(トモエ・アンジェラル)
モエナとは幼馴染で親友。
年齢:15歳→17歳
出身:地球連邦政府政令学園都市ニューツクバ
守護宝石:エメラルド(ベリル緑色) 序列:03(象徴:行為)
身長:158cm スリーサイズ:B82、w57、H84 健康体。
ストレートのロングヘアーで左側の髪のみを三つ編みにしている。
成績優秀。ドジではない眼鏡っこで自分の価値観に正直。それ故か、しばしばおバカな言動をするモエナに心の中で毒づくことがある(時に口にすることもある)。
学園に不信感を抱くが、その一方で教官の苗羽とナサナエルの喧嘩を見た事がきっかけで腐女子に目覚める。
モエスの盾になろうとしたモエナを助けるために覚醒する。彼女の武器は大翼を重ねた盾。
彼女の活躍によりセフィロトの撃破に成功するが、一方でその正体が人間に似ていることを知り、セフィロトを殺したことに苦悩する。そのために一時は盾を出せなくなってしまうが、天照が憑依したエリスを救うために力を使う。
モエナとともに燃世の復活の経緯を知る一人。
モエム・レアメタル
年齢:11歳→13歳
出身:ロシア語圏自治州・首都モスクワ
守護宝石:サファイヤ(コランダム青色) 序列:02(象徴:科学)
身長:145cm スリーサイズ:B71、w55、H69 健康体。
本名はモエム・レアメタル=ロマノフ。また、本編では、『モエム・ロマノフ』とも表記されている。
女子生徒の中で最年少だが、唯一ヴァルキューレとして目覚めていた少女。
武器はビーム砲。
髪型はツインテールの縦ロール。負傷後は髪を切り、先端にかけてカールのかかったようなツインテールになっている。
冷静でプライドが高く、周りと距離をおいていたが、回復して授業に復帰して以降は少しずつ打ち解けていくようになったらしい。
10歳の頃にトナエと出会い、彼により01に選ばれる。それからの1年間を彼が連れて来たブランカの少女・レイとともに幸福な日々を過ごした。しかし、セフィロトの攻撃に遭い、レイとともに瀕死の重傷を負う。トナエにより脳を保存し残った体細胞を使うことで、4年の歳月をかけて再生することで救われるが、体が11歳のままの再生となった。それと同時に01の資格がモエナに渡された。
現在の01であるモエナに密かに嫉妬と敵対心を抱き、自分が01であることに強くこだわる。
自分の01の資格と4年の時間を奪ったセフィロトに対し、激しい憎悪を表している。
孟永麗(もう えいれい)
年齢:15歳→17歳
出身:中国語圏自治州・連邦政府直轄特別都市・上海市
守護宝石:モリオン(黒水晶)
身長:150cm スリーサイズ:B69、w56、H77 共生体。
元々は姉の麗々と弟の永々の双子の姉弟だったが、事故によりそれぞれの体がバラバラになってしまう。しかし、トナエに体をつなぎ合わされたことで救われ、現在の共生体となる。顔のつなぎ目の左半分は弟の永々のもの。髪の毛の色もそれぞれ麗々の黒、永々の白と分かれている。また、主人格は麗々にあるが、左脳は永々のものであるため、共用語が得意でない。
オンラインバーチャル格闘ゲーム『バトフィー』の常連プレイヤーで、双子で『光陰双龍(ライトアンドダークネスドラゴンズ)』の名で参戦していた。モエス学園入学後、クラスメイトの燃世がバトフィーの覇権を争うライバルプレイヤーであったことが判明し、リアルで再会することとなった。
武器は姉弟それぞれの望み(爪と槍)が融合したことで大鎌となる。
最終話では、モエナの力により、事故前の双子に戻った。
初期設定では、「モエレ」という名前のヤンデレ少女だった。
序列:12(象徴:不明)
双子の弟。明朗だが、思慮の足りない性格。バトルネームは『白龍』。
第5集で燃世に想いを寄せていることを告白したが、自分が麗々の左半分でしかないと言い、同じく燃世に好意を持つルカのために身を引こうとした。
燃世・本能寺(もえよ・ほんのうじ)
年齢:15歳→17歳
出身:アメリカ自治州第二ヒューストン
守護宝石:トパーズ(黄水晶) 序列:06(象徴:試練)
身長:168cm スリーサイズ:B84、w61、H88 健康特A優良体。
男勝りで格闘好きな少女。一人称は「オレ」。
いつもヘッドギアを着けているが、第5集からはポニーテールに変えている。好物はカレー。
武器は自らの拳を振るい、応戦する。
オンラインバーチャル格闘ゲーム『バトフィー』の常連プレイヤーで、『虎姫星(タイガールスター)』の名で参戦。バトフィー内では、永々と麗々の双子の姉弟とは良きライバルの関係にあった。
入学初日にセフィロトの大エネルギー弾(メテオレ)による攻撃で戦死してしまうが、トナエにより復活する。自身の復活がヒロコの肉体を利用したものと知らず、事実を知るモエナも燃世には知らせたくないと思っている。
下賀茂江梨子(しもかも えりす)
年齢:15歳→17歳
出身:日本語圏自治州・歴史特別都市京都
守護宝石(彼女の石は帯の部分にある):ガーネット(柘榴石) 序列:05(象徴:霊感)
身長:145cm スリーサイズ:B84、w57、H83 健康体。
日本の神社・下賀茂神社の宮司の娘で、斎王になるべく、また、彼女と双子の兄クニエの祖国の神・天照大御神を身に宿す巫女として育てられる。そのため、世俗と遮断された生活をしてきたため、物知らずである。
セフィロトの攻撃から彼女を庇い、左腕を失い出血したクニエの姿が八咫烏に見えたのがきっかけで天照を降ろすとともに覚醒。天照を降ろしている時の彼女は守護宝石の力も伴い暴走状態となり、小型の太陽をいくつも造り出すほどの危険な力を持つ。
武器は梓弓と八咫烏の羽根の矢。
名前は漢字の「江梨子」だが、カタカナの「エリス」で表記されるのがほとんどである(本記事でもこの表記に倣う)。
生家の決まりで髪の毛を切ることを禁じられていたため、髪が女子生徒の中で最も長く、足首ほどある。
内気で争いごとに恐れがある。
霊力を持ち、お祓いや占いが得意。また、その霊感で敵(セフィロト)の襲来や戦いの結末などを瞬間的に予知していた。
下着は褌を着用している。
戦士(男子生徒たち)
ここでは、ダニエル達男子生徒のことを指す。 ナンバリングは07~12まで。 モエナらと違い彼らは全員覚醒済みだったが、入学初日の敵の襲来時には眠らされていたといい、その場で出撃することができなかった。
男子生徒だと思われる07は現在、何らかの理由で欠番。
ダニエル・ロマノフ
上賀茂国衛(かみかも くにえ)
年齢:15歳→17歳
出身:日本語圏自治州・歴史特別都市京都
身長:168cm 健康体。
守護宝石:ムーンストーン(月長石) 序列:08(象徴:均衡)
エリスの双子の兄。名字が違うのは生家の神社が下社と上社に分かれており、それぞれが別々に育てられていたためである。
エリス同様、彼の名前も漢字表記の「国衛」より、ほとんどカタカナの「クニエ」で表記される(本記事でもそれに倣う)。
武芸に秀でて真面目だがシスコン気味。普段は敬語で話すが、ダニエルがエリスの胸を見たことに憤慨し、言葉遣いが悪くなった。
天照の使いである八咫烏として、天照の託宣を聞くために育てられた。エリスが荒ぶる神である天照をその身に降ろすことを望まない。
エリスを庇って左腕を失う深傷を負うが、トナエにより事なきを得る。
武器は神剣・布都御霊剣(ふつのまたまのつるぎ)を使う。
ニーエ・クローゼ
モエス学園関係者
ここでは、モエス学園の教官や指導者など、戦闘の前線に参加する生徒達以外の主な人物を指す。 ナンバリングは13~20まで。
百重・モンカ・ボッテ(モモエ・モンカ・ボッテ)
苗羽・ガーラ(ナエバ・ガーラ)
ナサナエル・ディオキシ
トナエ・ラング
シスター・エーテル
ブランカ
ブランカの一人。元々はモエムの『代わり』であり、かつて01だったモエムと日々を過ごした。
当初のナンバーは『00』だったらしい。
4年前にセフィロトの攻撃からモエムを庇い命を落とす。その後復活するもののモエムの代わりではなくなり、現在はモエナ用となっている。
一方で今もなお、モエムのことを気にかけている。
ラヴィ
エテル(ムヌリス)
年齢:不明(外見は5~6歳)
出身:M13星雲・惑星セフィロト
身長:120cm
守護宝石:地球外物質(オリジナル) 序列:17(象徴:希望)
学長のエーテルを語るセフィロトの子ども(?)。人類滅亡のため59年前に流星雨とともに地球に来た使節の指導者(ムヌリス)。
ナニエルが成長し、人類を惜しむようになったことがきっかけで、彼女もまたセフィロトの攻撃に対抗し続ける人類を見ているうちに彼らに興味を持ち、惜しむようになる。それから使命を放棄し、人類の種の保存のために『モエスの方舟計画』を立案。グラビトン制御技術を地球人に与える。
性別は見た目ではわかりにくいが女性(xx)。しかし、本人はそれにこだわっていない。
普段は艦内の『驚異の塔(メルヴェイユ)』という場所にいる。
セフィロト
『セフィロト(生命の樹)』を名乗り、人類を滅亡させるため攻撃し続けてきた謎の異星人。彼らが名乗るまでは『敵』と呼ばれていた。 その姿や遺伝子情報は人類とほぼ同じであるが、テロメアの長さが人間と比べ異様に長く、おそろしく長命な種族だと考えられる。 しかし、寿命を迎えると心身ともに急速に成長し、衰えて死を迎える。 また、地球人類の言葉を解し、片言ながらも会話ができる(ただしエテルは片言ではない)。子供のような振る舞いや言動が多いが、地球人類のような感情は希薄と思われる。また、死を理解していなかった。 旧暦の1974年11月に地球から発せられたアレシボメッセージにより地球人類の存在を知るが、彼らが長命でなく、自分たちと長い友人になれないと落胆し、地球人類の攻撃を始める。
エテルはセフィロトであるが、地球人類を惜しみ、彼らを裏切った。
ゲボラ
ナニエル
用語
モエスの方舟計画(計画)
トナエらモエス学園関係者が進めているが、現在の段階では遅れが生じているという。
守護宝石(エーデルシュタイン)
学園の生徒たちや教官たちの制服に付いているのはエテルのもののコピー。武装して戦うための装備品でもある。
個人個人によって石の種類は異なる。
ただの宝石ではなく、宇宙服の役割から武器の転送まで、戦闘時にさまざまな役割を果たす。
モエスの艦のエンジンに使われている重力子(グラビトン)エネルギー制御装置(シュテインシステム)と同じものが内蔵されている。
以下の決められた言葉を唱えることで能力を発動させる。
アルメ(arme)
ヴォレ(voler)
ヴォレ(voler)
グレイヴ(glaive)
グレイヴ(glaive)
自分の望む武器を思い浮かべ、発動させる。
ブリュンヒルデ
ヴァルキューレとして覚醒していない彼女を百重やトナエは「ブリュンヒルデの眠りは深い」と語る場面がある。
シティ
都市の一部の空間転移を用いているが、9割が隔壁仮想空間(カキワリ)である。
『大隕石の日』(グランドクロス)
書誌情報
- 「聖モエスの方舟」〈サンデージェネックスコミックス〉(小学館)
- ISBN 9784091572097
- ISBN 9784091572486
- ISBN 9784091572820
- ISBN 9784091573049
- ISBN 9784091573452
関連作品
- 世界制服