花びらめくり
以下はWikipediaより引用
要約
『花びらめくり』(はなびらめくり)は、日本の作家である花房観音による小説。
2016年10月1日に新潮社〈新潮文庫〉より刊行された。カバー装画は、池永康晟が担当している。著者の花房は「東雅夫の文豪怪談アンソロジーで川端康成の短編『片腕』を読んだときに、何とエロティックな話なんだろうと思い、近代文学を代表する文豪たちの名作を、現代が舞台の官能小説にアレンジした」と語っている。『片腕』の他に、芥川龍之介『藪の中』、谷崎潤一郎『卍』、夏目漱石『それから』、三島由紀夫『仮面の告白』をモチーフにしている。フリーライターのさゆは、短編『それからのこと』について、「女性独特のドロドロとした性が描かれており、心を揺さぶられる」と述べている。
あらすじ
藪の中の情事
サラリーマンの多丸は、上司である金沢の家に呼ばれるようになる。金沢の妻の真砂子が作った料理を多丸が美味しく食べると、真砂子は嬉しそうだった。しばらくして多丸は、真砂子に欲情を覚えるようになる。
片腕の恋人
〈私〉は、妻のいる〈あなた〉と付き合っている。ある日、〈あなた〉から「僕の片腕をあげよう」といわれた〈私〉は、「左腕がほしい」と答える。片腕をもらった〈私〉は、〈あなた〉と一緒に夜を過ごせることに狂喜する。
卍の女
園江は、京都の北山にある絵画教室で、蜜子というイラストレーターに出会う。ある日、園江は蜜子に、「絵のモデルになってほしい」と声をかけられ、大原にあるアトリエに行く。
それからのこと
三千子は、アーティストである大輔にも、会社員である平丘にも惹かれていた。あるとき、大輔は仲人気取りで三千子を平丘に押しつける。その流れで、三千子は平丘と結婚する。しかし、大輔は度々、三千子のところに訪ねてくるようになる。
仮面の記憶
小説家である〈私〉は、都心の高層マンションの一室で、腹に短刀を突き立てて、自らの命を絶つことを決意する。しかし、いざそれを実行する段になったとき、思いがけないことが起きる。