花子と寓話のテラー
以下はWikipediaより引用
要約
『花子と寓話のテラー』(はなことぐうわのテラー)は、えすのサカエによる漫画。「月刊少年エース」(角川書店)において連載されていた。単行本は全4巻。2011年に刊行された新装版は全3巻。
あらすじ
都市伝説を信じ込んだ人間は「話」にとり憑かれる。不思議な力を持った物語を「寓話」と呼び、それに憑かれた者は「寓話憑き」と呼ばれる。
ベッドの下の男に悩まされ、眠れない日々を送っていた平沼カナエは、インターネットのチャットから話を聞いた亜想探偵事務所へと赴く。そこの所長、亜想大介は、「100回続けてしゃっくりをすると死ぬ」という寓話と「トイレの花子さん」の寓話と、二つの「寓話」にとり憑かれた「寓話憑き」で、そして「寓話」を退治する「寓話探偵」だった。
亜想に命を救われたカナエは、仕事代を払えなかった為、亜想探偵事務所で働く事になる。亜想、カナエ、そして亜想にとり憑く寓話「花子」の三人は、次々とやってくる寓話絡みの事件を解決していく。
登場人物
亜想探偵事務所
亜想 大介(あそう だいすけ)
本作の主人公。二つの寓話に憑かれている寓話探偵。元刑事。二つの寓話のうち一つは「100回しゃっくりを続けると死ぬ」という寓話で、寓話の気を感じるとしゃっくりを起こし、その回数が100を超えると死亡するとされている。もう一つの寓話については後述。
寓話探偵として「寓話」と「現実」の「境界」に立つ者であるため、現実を寓話に捻じ曲げる能力を持つ。しかし、それを使い続けると自らの存在も「寓話」として「ありえざるべき者」として取り込まれてしまう(人間ではなくなり、寓話の生み出すバケモノとなる)ため、一種の諸刃の剣に近い能力である。
橘真冬の小説作品『花子と寓話のテラー』から、母子二代にわたるファンであったことや、彼自身の本名である『亜想 大介』が同作のファンであった彼の母親が同作から取った主人公の名前であったことなどから「探偵事務所を開く」など、無意識のうちに影響を強く受けてしまっていた。実は彼のしゃっくりも本来は寓話によるものではなく、彼自身の精神的ストレスの発露による症状。少年時代は複雑な環境による対人恐怖症による精神的ストレスがその発作を頻繁に引き起こしていたため、幾度となく闘病生活に晒されていた。
平沼 カナエ(ひらぬま カナエ)
花子(はなこ)
亜想にとり憑いているトイレの花子さんの寓話。機械を弄るのが趣味で、対寓話用のプログラムを開発する。寓話である自分を「見て」くれないので動物を嫌う。トイレのあるところなら自由に移動できるが、トイレ自体からはそう遠くへは移動できない。
彼女の正体は、亜想の少年時代の闘病仲間であり、彼の対人ストレスを治した幼馴染みの少女「春野 花子(はるの はなこ)」である。亜想と共に『花子と寓話のテラー』に触れ、その話に感銘を受けて自らトイレの花子さんを名乗るようになったことがきっかけである。自らの死亡後に対人恐怖症を再発させてしまった亜想を護るため「せめて亜想が自分を必要としなくなるまで」彼に寓話として憑く事になった。一旦、橘真冬により消滅させられるが、その事により自らの本来の姿を取り戻し、カナエに亜想を助けるためのカギとなるオリジナル版の『花子と寓話のテラー』を託す。その後「まだ亜想やカナエといたい自分」の想いと「花子と共に在りたい」というカナエと亜想の願いにより、再び『トイレの花子さん』として復活した。
寓話及び寓話関係者
淵ノ辺 ユリ(ふちのべ ユリ)
平沼 ノゾミ(ひらぬま ノゾミ)
橘 真冬(たちばな まふゆ)
亜想たちを陰から監視する謎の女性。物語『花子と寓話のテラー』の作者を名乗る女性。この事が物語を完結させる大きなキーとなる。
実際には『花子と寓話のテラー』が非常に古い(少なくとも30年以上前の)作品であった事から分かる様に、橘真冬自身が「空想の世界を空想として否定する作者」という「この漫画(世界)『花子と寓話のテラー』は、ファンが実際の世界の出来事として作り上げた寓話という寓話」の体現した存在であった。実際の『花子と寓話のテラー』作者は老齢もしくは死亡していると考えられる。また、この世界では彼女か亜想のどちらかが死亡しており、2人の内のどちらかが寓話であると見受けられる。復活した(と、言うよりも本来の姿を取り戻した)亜想にこの事実を突きつけられ、最後には寓話として現実に現出するための整合性を失って崩壊してしまった。
花子と寓話の未来日記
「少年エース」2007年5月号に、えすのサカエが『花子と寓話のテラー』の後に連載した『未来日記』とのクロスオーバー作品である『花子と寓話の未来日記』という漫画が掲載された。
こちらは前編扱いで、内容は『未来日記』の主人公・天野雪輝が、雪輝のストーカーであるヒロイン・我妻由乃の件について亜想探偵事務所へ相談しにやって来るという内容。
「凄春コミックフェア」抽選プレゼント商品の公式同人『花子と寓話の未来日記』には後編も掲載された。
『未来日記』や『花子と寓話のテラー』の単行本には未収録であったが、前編は『花子と寓話のテラー』完全版第1巻、後編は完全版第2巻にて収録された。
書籍情報
レーベルはどちらも共通して角川コミックス・エースレーベルより発売。作者の次作未来日記のアニメ化に際して完全版が刊行された。完全版が刊行されたため、単行本版は絶版になっている。なお、サイズはどちらもB6版である。
- 単行本版(全4巻)
- 完全版(全3巻)