薬屋のひとりごと
小説
著者:日向夏,
掲載サイト:小説家になろう,
レーベル:ヒーロー文庫,
発売日:ソフトカバー版:2012年9月26日,
連載期間:2011年10月27日 -,
巻数:ソフトカバー版:全1巻文庫版:既刊14巻,
漫画
作画:ねこクラゲ,
出版社:スクウェア・エニックス,鶴山文化社,東立出版社,
掲載誌:月刊ビッグガンガン,
レーベル:ビッグガンガンコミックス,
発表期間:2017年5月25日 -,
巻数:既刊12巻,
漫画:薬屋のひとりごと〜猫猫の後宮謎解き手帳〜
作画:倉田三ノ路,
掲載誌:月刊サンデーGX,
レーベル:サンデーGXコミックス,
発表期間:2017年8月19日 -,
巻数:既刊17巻,
アニメ
原作:日向夏,
監督:長沼範裕,
シリーズ構成:長沼範裕,
キャラクターデザイン:中谷友紀子,
アニメーション制作:TOHO animation STUDIO,OLM,
製作:「薬屋のひとりごと」製作委員会,
放送局:日本テレビ系列,
以下はWikipediaより引用
要約
『薬屋のひとりごと』(くすりやのひとりごと、英語: The Apothecary Diaries、中国語: 药屋少女的呢喃)は、日向夏による日本のライトノベル。
概要
架空の中華風帝国、茘(リー)を舞台に、後宮に勤める官女が王宮内に巻き起こる事件の謎を薬学の専門知識で解くミステリー、ファンタジー、ラブコメディ小説である。
2011年10月に小説投稿サイト「小説家になろう」で連載が開始され、人気を得たことから第1部「後宮編」が2012年9月にRay Books(主婦の友社)から単行本として発売された。
その後、ヒーロー文庫(主婦の友社→イマジカインフォス)で2014年8月に第1部が新装刊され、以後継続されて発行されている。
2017年からは『月刊ビッグガンガン』(スクウェア・エニックス)と『月刊サンデーGX』(小学館)の月刊誌2誌で、それぞれ別の漫画家によりコミカライズ版が連載されている。
2021年11月時点でスクウェア・エニックス版のコミックス累計部数は700万部、2023年6月時点で小学館版のコミックス累計部数は850万部(電子版含む)、2023年11月時点でシリーズ累計部数は2700万部をそれぞれ突破している。
あらすじ
医師である養父を手伝って薬師として花街で働く少女・猫猫は、薬草採取に出かけた森で人攫いにあって後宮に下女として売られてしまう。年季が明けるまで目立たぬように勤めるつもりだったが、皇子の衰弱事件の謎を解いたことから美形の宦官である壬氏の目に留まり、様々な事件の解決を手伝わされることとなる。
やがて発生した寵姫の失踪事件は、猫猫を巻き込み国家転覆計画に広がっていく。そして、明らかになる壬氏の正体。二人の関係は微妙に変化していく。
登場人物
- 年齢は特記のない限り初登場時のもので、数え年での表記。
- 担当声優は、ドラマCD版 / テレビアニメ版の順に表記。特に記載がなければ、テレビアニメ版での配役。
主人公
猫猫(マオマオ)
声 - 悠木碧(ドラマCD版・テレビアニメ版)
本作の主人公。17歳→20歳。身長153センチ。
養父とともに花街で薬師をしていたが、物語開始の3ヶ月前に薬草採取のために1人で外出した森で人攫いにあい、後宮務めの下級女官として売り飛ばされた。後宮内で能力を発揮しても、猫猫を売りとばした人攫いへの送金が増えるだけであることから、それを避けるために無能を装っていた。しかし、寵姫の病気の原因を見抜き、匿名で訴えたことで壬氏に薬師としての能力を知られ、玉葉妃付きの侍女に抜擢されるも、その内実は壬氏の手駒として関わることとなる。
顔立ちはそれなりに整っているが、人目を引くほどの特徴はなく、どちらかと言えば地味。それでも、花街では襲われる危険性があるために化粧や黥でシミやそばかすを書き醜女に見せていた。女官となった後も、元に戻すタイミングを逸した上、壬氏からも残すよう言われたためそのままにしている。肌は健康的だが体格は小柄で痩せ型、胸も小さく、猫猫も自覚している。
頭の回転が速く、薬、特に毒に対する好奇心や研究心が旺盛で、造詣も深く、病気への理解にも繋がっている。また、薬や医学に関する養父の蔵書を読むために西洋の言葉を独学で身に付けている。一方、それ以外のことに対してはまったく興味がなく、そのために知識がかなり偏っている。毒薬を自分の体で試した傷跡を隠すために左腕には常に包帯を巻いているが、周囲からは「過去に虐待を受けていたことを隠すため」と勘違いされており、同情を集める一因となっている。毒に詳しい上にさまざまな毒に対して免疫があるため、後宮では主に毒見役を務めた。しかし、好奇心や研究心が強すぎて、いざ毒に当たるとむしろ喜んでしまうため、壬氏などから呆れられている。一方で、蕎麦に対するアレルギーを持っており、一口でも食べると蕁麻疹を発症し、最悪呼吸不全を起こす。自らの経験則からアレルギーを「特定の体質に発する毒」として捉えている。また、ザルといえるほど酒に強く酒好き。なお、後に蝗害を目の当たりにしたことから飛蝗が嫌いになった。
あまり人付き合いは得意ではなく、必要最低限の会話以外は自分から口を開くことはあまりない。ただし、極度に疲労した時や飲酒した時は本人も驚くほど饒舌になることがある。市井の知人どころか小姐たちにまで「友だちがいない子」と認識され、緑青館で小蘭の話をすると、白鈴には喜びのあまり泣かれた程である。妓女の娘として花街で生まれ育ったため、本来の口調はかなり荒っぽい。女官となってからは必要に迫られ改めているものの、身内が相手の時や悪態をつく時などときおり素の口調が出てしまうことがある。また、花街で男女関係の裏まで見て知り尽くしているため、男性を見る目は極めて醒めており、恋愛に対する幻想も持っていない。その一方で、生物学的な興味から「出産は経験してみたい」と述べている。世の中の理不尽に関しても達観しており、権力者の理不尽は「するかしないか」ではなく「できるかできないか」であると語っている。壬氏に対しても「無駄に美しい」容貌や粘着質の性格を苦手としており、つい蛞蝓を見るような目で見てしまうことがある。そのため壬氏の好意に長いことまったく気がつかなかった。
風明の事件の関係者として後宮女官を解雇されたが、壬氏に身請けされる形で外廷勤務に復帰した。その後ふたたび花街に戻ったが、「砂欧編」からは医官付きの官女となり、宮廷医局で働くようになった。宮中から一度出た者が戻ること自体珍しい中、三度目は相当異例であり、顔見知りの女官に不思議がられている。医局で働くようになってから、必要に迫られて外科の技術も身に付け、法律上女性は医官になれないため立場は官女のままであるが、実質的に医官と同等の仕事をするようになっている。西都に行ったあと、雀からの言葉もあり壬氏からの好意に素直になりはじめ、水蓮から「両思い」といわれるようになった。
『このライトノベルがすごい!』女性キャラクター部門では2024年版で9位を獲得している。
壬氏(ジンシ)
声 - 櫻井孝宏 / 大塚剛央
本作における「もう一人の主人公」とも言える人物であり、ストーリー上においても大きな謎を秘めている。
役職は、後宮の管理を担当する宦官。その容貌は大変美しく、「天女の微笑み」「花の顔(かんばせ)」などの形容詞で語られるとともに「性別が違えば国さえ傾ける」とも称され、下女はその姿を見れば顔を上気させ、蜂蜜の様といわれる甘い声をかけられれば失神し、下級妃や男性の武官からも夜の誘いの声がかかるほど。猫猫曰く「無駄に美形」。公称24歳だが、大人びた外見よりも実年齢は若い。少々粘着質なところがあり、また、目的のために使えるものは何でも使う。ただし、その奥の「素」の性格は、外見に反してどちらかというと地味で堅実。
猫猫のことはその能力はもちろん、あえてそれを隠して勤めていた判断力とともに、自らの外見に全く惑わされないことから興味を抱き、それがやがて好意に変わっていった。だが前述の通り、お愛想程度の笑顔で老若男女問わず自身になびいてくる状態だったためか、興味のある相手の気を惹く手法は子供並みで、相手が自分以外の相手を頼ったというだけでもへそを曲げる。また、個人としては善良な部類で、職務上は関わる対象はともかく、罪もない者が理由もなく理不尽な目に遭うことには気に病む質である。
華瑞月(カズイゲツ)
皇帝の弟。18歳→21歳。身長180センチ。
病弱を欺罔し普段はめったに人前に姿を見せず、祭事などどうしても出席しなければならない行事では前髪を深く垂らして顔を隠し、他人と目が合わないようにしている、とされている。
壬氏の本来の立場で、皇帝等の身内からは瑞(ズイ)もしくは月(ユエ)、臣下など本名を呼べない人々からは月の君、もしくは夜の君と呼ばれる。
正体を伏せて王宮内で目立つ容貌で活動することで、皇帝への裏切り者をあぶり出し忠誠心を試す試金石となっていた。また、後宮を安定させて帝の跡継ぎとなる東宮を誕生させることで、自らの皇位継承順位を下げることを目論んでいたが、8巻では自身の腹に焼きゴテを当てて、身体を傷つける形で皇位を拒否する姿勢を見せる。
父親である先帝は幼児性愛者であり、長兄である34歳の現帝とは16歳も年が離れている(作中の社会では親子でも通じる年齢差である)ため、その出自を疑う者もいる。阿多妃によく似た風貌であることから、「出産直後の阿多妃による赤子の取替えにより、蜂蜜摂取により幼少時に亡くなった赤子は『皇太后の子』であり、皇弟として育てられた赤子こそ『阿多妃の子』ではないか」という推理が猫猫によってなされている。
壬氏の関係者とその親族
高順(ガオシュン)
声 - 津田健次郎 / 小西克幸
壬氏付の武官。36歳。(高順は宦官名であり、本名は不明・9巻時点)
代々皇族を守護する馬の一族の一人でもある。その役割もあり、皇帝・阿多妃とは幼少時は共に後宮内で遊んでいた幼馴染にあたる。
守役として幼児期から壬氏に仕えており、主人に振り回されながらも忠義に厚い苦労人。非常にまめで気が利く一方でお茶目なところもあり、甘いものや猫が好き。猫猫のことを「小猫(シャオマオ)」と呼び猫猫の好む道端菓子の「包子(肉まん)」を渡したりと、猫猫からは「癒し」と認識されている。
壬氏と同様に実は宦官ではないが、後宮に出入りする関係から間違いがあってはならないよう男性機能を減退させる薬を常用している。この薬は使い続けると男性機能が完全に失われるリスクが存在するが、本人は16歳で結婚しており後述の馬閃含めて3人の子がおり、長男および長女にもすでに子(高順にとっては孫)がいるため構わないと考えている。妻は年上で壬氏の元乳母。表向きは女帝の怒りを買い、本来の名前を捨て宮刑として宦官にされたことになっている。
桃美(タオメイ)
馬閃(バセン)
馬良(バリョウ)
麻美(マーメイ)
雀(チュエ)
水蓮(スイレン)
声 - 新田京助 / 土井美加
壬氏付の初老の侍女。非常に有能であり、性格のきつい麻美やお調子者の雀、そして壬氏も頭が上がらない。もとは壬氏の乳母で、さらにその前は皇太后付きの侍女だった。皇太后が現在の皇帝を身籠った際、ライバルや政敵に狙われ続けた皇太后を守り抜いたことから、宮中では伝説の侍女として知られている。
壬氏の母親のように周囲の面倒を見てきた。高順とともに壬氏の正体を知る数少ない人物であった。14巻にて阿多の母親であることが判明したため、実は壬氏から見ると実の祖母にあたる。
平民の出であり、阿多を妊娠中に夫が亡くなり、家督問題に巻き込まれる前に実家に戻ったが、出産後直ぐに後宮に出仕させられた。当時妊娠を隠していた安氏を見つけ、侍女兼乳母となった。阿多が妃となっても立場をわきまえて分別をつけていた。
皇帝の一族
皇帝
声 - 遠藤大智
立派な髭を蓄えた偉丈夫で、壬氏の兄。34歳。
豊かな胸の女性を好むことから猫猫からは好色親父と思われているものの、一方で東宮時代に迎えた妃は阿多のみと、現在とは意外な一面も持つ。実際は情に厚い人物で、本来なら後宮から暇を出されても行き場のない妃をそのまま留め置いて保護していたり、上級妃から降ろされた阿多を離宮で面倒みていたりといった処置をしている。名目上は妻である里樹も「母親が幼馴染」ということもあって娘の様に思って気にかけている。
まだ幼児にすぎない東宮よりも、成人している壬氏に皇位を譲りたいと願っている。
鈴麗(リンリー)
安氏(アンシ)
先帝
現皇帝の父で、物語開始の5年ほど前に崩御している。故人であるため本人の登場はないが、その所業の余殃が作中に現れては言及されている。
兄弟が次々と夭折する中でただひとり生き残った皇子として皇帝位についたが、暗愚であったと評されており時の皇太后たる「女帝」の傀儡であった。
女性の嗜好については幼女趣味で、妙齢の妃には目もくれず幼妃の元ばかりへと通っていたため、現帝の母である皇太后も幼くして現帝を帝王切開で出産することになったが、幼女を好むのは自身を支配していた「女帝」の影響で、成人女性を恐れて受け付けないためでもある。現帝は父への反動として、豊満な女性への嗜好に傾いたとされている。
安氏は若いころは壬氏の面影があったと述懐しているが、壬氏(皇弟)の疑惑が事実なら先帝は祖父に当たる。
後宮
上級妃
後宮内で最も格式が高い宝石の名を冠した4か所の宮に住まう帝の妃で正一品の位階をもつ4夫人を指す。国内有力者の縁者や友好国の王族から嫁いでおり、もっとも早く男子が生まれた妃は、一般的に皇后になる。
玉葉(ギョクヨウ)妃
声 - 日笠陽子 / 種﨑敦美
翡翠宮に住む皇帝の寵妃。位は貴妃。19歳→22歳。赤い髪と翡翠の目をもつ胡姫で家庭的な女性。
13人兄弟の末っ子で、皆腹違い。
実母が西洋の出身で身分の低い踊り子だったため、親子ほど年が違う長兄やその家族とは非常に不仲だが、姉妹とは比較的仲がいいらしい。
実は幼い頃、面識はなかったが、一瞬だけ雀を見たことがある。
皇帝との間に一人娘(公主)の鈴麗があり、母子の衰弱の原因を明らかにした猫猫に恩を感じ侍女に迎える。もともと好奇心が強くいろいろなものを面白がる性格であり、その意味でも猫猫を気に入っている。猫猫に対する壬氏の気持ちを見抜いている様子であり、二人の関係を面白がって見ている。
後に東宮となる男児を出産したことで皇后位に就き、「玉葉后」と呼ばれる様になる。
梨花(リファ)妃
声 - 石川由依
水晶宮に住む皇帝の妃。位は賢妃。23歳。帝の妃にふさわしい気品と、「メロン」と形容される見事な乳房の持ち主。
賢妃の名に相応しく寛大かつ懐が深い。猫猫自身も玉葉妃付きの侍女の立場をわきまえながらも、彼女に好意を抱く。
皇帝との間に息子(東宮となる男子)があったが原因不明の病に侵され、猫猫が匿名で知らせたその原因と解決方法を侍女が握りつぶしたため亡くしている。自身も我が子を死に追いやったのと同じ原因によって衰弱の一途をたどっていたが、帝の命をうけた猫猫の看病により回復し、さらに猫猫が花街の妓女から伝え聞いた「秘策」を伝授されたことにより皇帝の寵愛も取り戻した。それに恩を感じているようで、その後は何かと猫猫を気にかけている。
玉葉妃が東宮を出産後、彼女もまた男児を出産する。
里樹(リーシュ)妃
声 - 木野日菜
金剛宮に住む皇帝の妃、位は徳妃。14歳→17歳。
元は先帝の妃として9歳のときに後宮に入ったが、崩御で出家し改めて現帝の妃として後宮に入った。先帝が手を付ける前に崩御したことも含めて、まだまだ恋に恋する年頃で男女の睦事に関しては全く免疫がなく、梨花妃推薦によって四夫人を集めて猫猫の「講義」が行われた際には自分には絶対に無理だとショックを受けている。先帝時代に阿多妃とは「(帝の妃という意味で)姑と(東宮・皇太子の)嫁」という関係だったが仲は良い。だが、それが原因で何度か命を狙われることになる。
その特異な経歴から侍女からも蔑まれており、いじめを受けている。魚介が食べられないことも侍女から偏食と捉えられて嫌がらせとして食べさせられていた。猫猫によってアレルギー持ちであったことが明らかになり、無理に食べさせることが命に係わるという事実を知らされた。また、赤ん坊のころに蜂蜜を食べたことで生死をさまよった経験があり、自身にその記憶はないが気を付けるように言われながら育ったため蜂蜜も苦手。
実母は皇帝の幼馴染みで、物心つく前に他界。実父は彼女が生まれる前から他所に妾を囲っており、母の死後すぐに後妻を迎え、異母兄姉を贔屓して可愛がっていた。何かと不幸が降りかかりやすい境遇であり、猫猫もその点は同情している。
阿多(アードゥオ)妃
声 - 甲斐田裕子
物語開始当時の柘榴宮の主人で、位は淑妃。35歳。皇帝の乳姉弟として育ち、東宮時代に妃となった。
東宮妃時代に男子を一人出産しているが、折悪く皇太后の出産と重なり、医官の手が足りなかったため子どもの生めない身体となったうえ、子どもも乳児期に亡くしている。本来ならば世継ぎを産めなくなった時点で後宮から出るのが自然であるが、皇帝の意向でぎりぎりまで留められていた。男前の性格で、男装すると壬氏とよく似た雰囲気をまとう。
後宮を出た後も離宮で暮らし皇帝の相談役を勤める。その一方で、子氏一族の趙迂以外の生き残った子供たちや翠苓など、表立って外を歩けない訳ありの人々を内密に匿っている。
後宮に仕える人々
やぶ医者 / 虞淵(グエン)
声 - 小形満 / かぬか光明
後宮で唯一医官を務める、どじょうひげをはやした小太りの宦官。後にある者の身代わりとするためひげは剃るように命じられている。
最初は自分の職場を荒らす者として猫猫を警戒していたが、基本的には気のいい性格で、彼女に任せた方がうまくいくとともに楽することができることに気が付き、それ以降は茶や菓子を出してくれるヒロイン的存在。猫猫からは内心「やぶ医者」と呼ばれ、後宮内の医官は彼一人で他と区別する必要が無いため「医官どの」で通用し、彼を本名で呼ぶのは羅門くらいで、単行本の登場人物紹介も含めて作中で本名で呼ばれることは滅多にない。
医官でありながら死体を怖がるなど医師としての技量は極めて低く、後宮内でもほとんど頼りにされていない。羅門の追放後に医官不在となった後宮では先帝の手がついたため後宮外に出られなくなった女官たちが医療技術を身に着け診療所の役割を果たすようになり、彼女らが新たに導入された宦官医官に強い反発を起こしたため、最初の筆記試験に唯一合格した虞淵のみで制度自体が無くなり、実技訓練も動物解体の段階で適性が無いことが判明したため免除された経緯がある。
出身の村は紙漉きを産業にしており、医局でも紙を自由に使う。先帝の時代に村が傾きかけたため、村の移住費を賄うために、そのころ女官を求めていた後宮へ姉が行き、続いて妹も倣おうとしていたのを制止し、女官より高く身売りできる宦官に志願した。
小蘭(シャオラン)
声 - 久野美咲
14歳。猫猫と同時期にやってきた後宮の下級女官で、貧困農家だった実家から後宮に売られた過去を持つがそんな暗さは見せない。猫猫に対して偏見を持たず親しく接する少女。噂話と甘いお菓子が好きで色々な情報を仕入れてくるため、猫猫はお菓子を餌に聞き出すことが多い。
2年間の年季が明け、後宮を去るが下級妃に気に入られたお陰で妃の実家での就職が決まり、無事にそちらで働いている模様。猫猫の元にもたまに手紙がくるらしいが、肝心の勤務先の住所が書かれていないため猫猫自身返事すら出せていない。
老宦官
翡翠宮
紅娘(ホンニャン)
声 - 新田京助 / 豊口めぐみ
玉葉妃の侍女頭。30歳。
猫猫が無能を装っていた理由を聞いて、わざと花瓶を割って送金を帳消しにするなど人の事情を理解する苦労人。猫猫にとっては当たり前だが、後宮という場所では非常識な行いには頭を痛めている。
結婚願望はあるらしく、一時は高順を狙っていた節もある。しかし彼が既婚者と知ってあきらめている。
桜花(インファ)、貴園(グイエン)、愛藍(アイラン)
その他の宮
河南(カナン)
声 - 庄司宇芽香
里樹妃付きの侍女頭。元は毒見役だったが、他の侍女と同様に里樹妃をいじめていた。園遊会では魚介を食べられない里樹妃の膳を玉葉妃用のメニューと入れ替えたりしたが、アレルギー持ちの里樹妃にとっては命に関わるものだと猫猫から忠告を受ける。それ以来親身に接するようになり、金剛宮の中では数少ない味方となった。
河南の前の侍女頭は、正しく里樹妃いじめの首魁であり、妃に贈られた装身具なども着服していた。
杏(シン)
声 - 木下紗華
梨花妃付きの侍女頭。
梨花妃とは従姉妹同士で主上の手が付くことも期待されていたが、自分が上級妃として後宮入りできなかったことを妬んでいた。猫猫の介入により梨花妃に対する悪意が表面化し、梨花妃に盛るための堕胎薬を作ろうとしていたことが暴かれる。皇帝の子に対する堕胎の企てであったため本来は重罪になるはずが、主に対する「暴言の罪」を理由に梨花妃より直接解雇される。
風明(フォンミン)
声 - 日高のり子
阿多妃付きの侍女頭。
東宮妃時代からの古株だが、実家の伝手で手に入れたものが原因で妃に負い目があり、それを隠蔽するために里樹妃の命を狙う。結果的にことは表沙汰にはならなかったが、内々に処理される。彼女の実家と繋がりのあった女官は、その関係の強弱を問わず解雇され、猫猫も人攫いから買った商家(書類上の実家)に繋がりがあったために連座となっている。
子翠(シスイ)
羅の一族
茘の「名持ちの一族」のひとつである名門。羅の一族は、他人と異なる認識能力を持つ人物を輩出し「狂人と天才の一族」と呼ばれている。羅漢の采配や猫猫の薬の分析能力や羅半の数字感覚なども共にこの力に起因するものだが、欠点として自身の興味を惹かない物事にはまったく関心を持たず記憶も曖昧になる。羅門の兄(羅漢の父親)はそういった感覚をもたず、彼らの認識能力を社会不適合者と判断して理解しなかった。
漢羅門(カン・ルォメン)
声 - 家中宏
花街の医者。猫猫の養父であり薬の師匠でもある。
丸い体つきや温和な人相など、しぐさが女性的で「老婆のよう」と形容される。元は後宮医官の宦官であったが、生まれたばかりの皇子を死なせたことから肉刑を受け片膝の骨をとられて追放された過去を持つ。後宮内の其処此処にこっそり薬草を植えていた。
猫猫は「おやじどの」と呼ぶが、実際は羅漢の叔父であり、猫猫にとっては大叔父である。
若い頃からきわめて優秀で、国から派遣されて西洋に留学した経験もある。医官の試験だけでなく文官のための科挙にも合格しており、彼の字を真似れば科挙に合格するとも噂されていた。医師としての腕は国でトップクラスだが、かなりのお人好しである上に運も悪く、そのせいで宦官にされ、さらに肉刑を受けて後宮から追放される羽目にになった。猫猫の包帯のせいで虐待を疑われていた時期もあった。
玉葉妃の出産の際、逆子の疑いがあったため猫猫の申し出で後宮へ呼ばれた。出産後もその腕を惜しまれる形で再び医官として宮中に戻ることになった。かつて後宮にいた際や復帰後も後宮で使うには危険がある物品(鉛白のおしろい、香りの強い香油など)を記した注意書きなどを配布するが、それは逆に悪意のある者にとっても有益な情報だった。
漢羅漢(カン・ラカン)
声 - 桐本琢也
狐目に片眼鏡(実は伊達)を付けた軍師で位は将軍。通称・漢太尉。「漢」の名字は珍しくないが、この肩書きを持つのは国中で彼だけである。
奇異な言動を繰り返すため「変人軍師」とも呼ばれる。猫猫に至っては「あのおっさん」としか呼ばない。しかし軍師としては超一流であり、また人を見る目に長け、優秀な人材の発掘には定評がある。
碁と将棋がとても強く、特に将棋では国内に勝てる者がいないと言われている。相貌失認のため他人の顔が識別できない一方で「その人間の持つ役割が将棋の駒として認識される」という能力を持っており、戦争の際には将棋に倣った人員配置を行うことで軍の適切な運用を行っている。直感が鋭く、その勘働きは滅多なことでは外れないが、何かに気付いても自ら動くことはなく、誰かを焚きつけて動かすことが多い。
羅門の甥であり、また緑青館の妓女である鳳仙に猫猫を生ませた張本人である。つまり猫猫の父親であるが、猫猫は彼を父親と認めておらず嫌っている(猫猫自身の感覚からいうと苦手なだけ)。
一方、羅漢本人は、鳳仙のことも娘である猫猫のことも愛している。猫猫に対しては盲愛といってもいいほどだが愛情表現がことごとく裏目に出ており、猫猫だけでなく周りにもドン引きされている。
また、自分の欠点を補う方法を考え、指南してくれた羅門のことは慕っており、比較的素直に言うことを聞く。羅門にもその能力の優秀さは認められており、猫猫にはその点で嫉妬されている。
猫猫と違い、酒は全く飲めない下戸ですぐ酔い潰れてしまう。甘党で徳利に果実水を詰めて持ち歩いているが、口飲みが原因で体調を崩したことがある。
漢羅半(カン・ラハン)
声 - 小林千晃(ドラマCD版)
羅漢の甥(異母弟の次男)で養子。19歳。やはり狐目に丸眼鏡をかけ、若干くせ毛。帯には算盤をぶら下げている文官。猫猫にとっては従兄であり義兄。
猫猫からは「世界が数字で見えている」、羅半兄からは「異様なほど数へ執着している」といわれるほど数字に対する認識が優れており、王宮では財務を担当している。帳簿の数字から子一族の横領や不正をあぶり出し、壬氏の正体も「皇弟と体の寸法が同じ」ということで見抜いていた。そのような反面、羅漢や猫猫と同様に「自身の好奇心を刺激するもの以外」には関心が薄く、三番や姚から寄せられる感情には気づいていない。
羅半兄(ラハンあに)/俊杰(ジュンジェ)
医局
姚(ヤオ)
燕燕(エンエン)
天祐(ティンユウ)
妤(ヨ)
花街
梅梅(メイメイ)
声 - 潘めぐみ
「一晩の酌で一月の銀がとぶ」といわれる最高級妓楼「緑青館」でトップ3を務める三姫のひとり。
鳳仙の妹分で、面倒見はいいが少々短気。
元々は鳳仙の禿。その縁で羅漢から囲碁や将棋の手ほどきを受けたこともあり、懐いていた。そのためか「緑青館」の人物の中では例外的に羅漢に対して普通に接しており、羅漢が来た際は殆ど彼女の部屋に通される。囲碁・将棋に関しては2人が師匠。羅漢が鳳仙を見つけられるよう手を回し、身請けが決まった際には自身の恋が破れたことを自覚しながらも喜んでいた。
猫猫が西都に行っている間に身請けされる。身請けしたのは「棋聖」とも呼ばれる囲碁・将棋の名人で、妾ではなく弟子として引き取られる。
白鈴(パイリン)
声 - 小清水亜美
緑青館三姫のひとりで最年長。
自由恋愛主義者で心の隅で「白馬の王子様」を待ちわびている。舞踏が得意。色欲が強く、客が少ない時は男衆どころか禿にまで手を出すが、母性もまた強い。
出産経験はないが母乳が出る体質で、かつては猫猫の親代わりとなって育てたこともある。筋肉フェチで李白に興味を示す。
女華(ジョカ)
声 - 七海ひろき
緑青館三姫の中では最年少だが、彼女との会話についていければ科挙に合格すると言われるほどの才女。
やはり猫猫の姉貴分だが白鈴と違い男嫌い。
猫猫の性格は自分に近いと感じ、猫猫の壬氏に対する感情・態度に彼女なりの助言をする。
やり手婆
声 - 斉藤貴美子
緑青館をしきる老婆。名前は不明。実態としては雇われ店長で持ち主は他にいるが、持ち主も頭が上がらない。
金に敏く、儲けにならないことにはいい顔をしない。猫猫を妓女にするため芸事を仕込もうとしてきた。
昔は売れっ子妓女。当時、西方から来た賓客を歓待する国の宴で踊ったこともあり、いくつかの偶然も重なった結果「月の女神」と評され、西方風の肖像画も贈られていた。
固有名詞ではなく作中における役職としての「やり手婆」で、他の楼閣の「やり手婆」も登場はする。
鳳仙(フォンシェン)
緑青館の元妓女で猫猫の母親。碁と将棋が強く、碁なら羅漢にさえ勝つ腕前の持ち主。羅漢が顔を認識できる数少ない内のひとり。
猫猫を産んだことで妓女としての価値が下がり、安い仕事に落とされた末に梅毒のために廃人同様となって離れに隔離されていた。
妊娠は元々彼女の狙い通りだった様子。当時自身の価値が上がり羅漢は3か月に1度しか会いに来られなくなっており、彼と会う頻度を上げられるもしくは身請けしてもらいやすくなるメリットもあったが、羅漢が羅門の失脚に伴う処置で父親から遊説を命じられるという時機が悪いときに重なり、3年も会いに来られなくなるという予想外のことに錯乱し、羅漢に送るために自身と赤子だった猫猫の小指を切り落としている。
猫猫の画策で羅漢に身請けされるも、翌年の春先に他界する。
羅漢は本気で愛しており、身請けした妓女は本来妾扱いにも関わらず、彼女を実父に正妻として会わせようとしている。また、彼女との棋譜を本として大量出版・販売する。
Web版では猫猫の幼少時、羅漢の帰都前に身請けされることなく亡くなっている。
趙迂(チョウウ)
梓琳姉
左膳(サゼン)
国の北部の農家の出身。
食いっぱぐれて子氏の砦で衛兵として働いていたが、幽閉されていた老医師の食事や身の回り面倒を見るなど基本人がいい。
子氏討伐の際趙迂と翠苓に頼まれる形で拷問部屋から猫猫を救出しており、その際の猫猫の行動から都での再会時には彼女を「蛇娘」と呼んでいる。
その縁と老医師から文字や薬草の基本を教わっていたため、猫猫から薬屋の仕事を引き継ぐ。
趙迂のこともあり、「左膳」は前の名前に未練がないからと都に来てから新しく名乗り始める。子氏の砦にいた関係で趙迂の正体を知っており、子一族および砦にいた兵士は表向きは全員処刑されているため、彼自身子氏に雇われていたとバレたらただでは済まないため静かに薬屋をやっている。
克用(コクヨウ)
武官・文官
李白(リハク)
声 - 内匠靖明 / 赤羽根健治
鍛え上げた肉体を持つ若い武官。脳筋タイプ。園遊会の際に、猫猫を含む出会った若い娘たちに片っ端から簪を配る。
能力は高いようで出世株だが、性格がお人よしで猫猫に頼まれると断れないため猫猫からは内心「駄犬」と呼ばれている。武官として鍛えているが、猫猫の言う「危険」の意味が理解できずにケガをすることがある。
猫猫から紹介された白鈴に入れあげてしまい、次第に本気で彼女を迎えに行こうと考えるようになる。白鈴との関係も悪くなく、猫猫は2人の関係を少し応援している模様。白鈴から李白への思いは不明だが、それなりに親しくなっていると思われる。身請け料は「現在の李白の給料10年分」と本気で出世することを考え始める。
壬氏の正体や猫猫の素性も知ることになるが、以前と変わらない態度を取るため、壬氏も気を許している数少ない相手。
陸孫(リクソン)
声 - 内山昴輝
初登場時は羅漢の副官。もとは文官であった。優男風の風貌で物腰が柔らかいが、妙に肝が太い一面もある。一度見た顔は忘れないという特技の持ち主で重宝されていたが、後に先方からの要請で西都の玉葉の兄の元に出仕することになる。
実は西都の商家の出身。「陸孫」という名は西都を出て茘の都に来た時に自分でつけたものであり、その時にもとの名前は捨てている。玉葉后の侍女の三姉妹は実の従妹である。玉袁は親戚にあたり、玉葉后とも幼少期に面識があった。
魯侍郎(ルーじろう)
子氏一族
子昌(シショウ)
神美(シェンメイ)
翠苓(スイレイ)
声 - 名塚佳織
本名は「子翠」。19歳。外廷の官女。猫猫より頭一つ分大きい女性としてはやや大柄。猫猫に言わせるなら骨格も素材も一級品ながら化粧はイマイチ。
子昌と先妻の子のため、楼蘭妃の異母姉にあたる。官女として働きながら子氏一族のための諜報工作活動をしていた。
出生の事情を知らない神美からは「継子」として虐待されて育ち、彼女の精神的支配下にある。実母亡き後は子氏の家で元後宮医官に養育されていたため薬に通じており、養父の遺した処方で仮死状態にしたあとで蘇生可能の効能をもつ「蘇りの薬」を調合できる。
西都
玉袁(ギョクエン)
玉鶯(ギョクオウ)
玉袁の子ども
玉鶯の妻
鴟梟(シキョウ)
虎狼(フーラン)
小紅(シャオホン)
砂欧
愛凛(アイリーン)
用語
国家・地域
茘(リー)
幾つかの国および州によって構成される。北は険しい山脈が連なる。西には砂漠が広がり、点在するオアシスにも国に属する州がある。
皇族は華(カ)を名乗るが、現時点でそれを冠するのは皇帝とその同母弟のみ。
子北州(シホクシュウ)
西都(セイト)
砂欧(シャオウ)
王として男性が君臨する一方、巫女として女性が政をする政治形態で、男尊女卑が強く見られる茘と文化がかなり異なる。
理人(リビト)国
単語
緑青館(ロクショウカン)
中級から上級の妓女を揃えており、その一室を間借りする形で猫猫が薬屋を開業している。
女官・官女(ニョカン・カンジョ)
後宮で働く場合は資格は不要で小蘭や猫猫のように売られた人間も珍しくないが、官女は最低限の資質が求められ、定期的に試験が行われている。猫猫の三度におよぶ宮廷勤めはこの制度を利用している。
名持ちの一族
近年は十二支(子・戌など)が与えられる場合が多いが、漢など古くから存在するために名乗る者が多い場合もある。
漢羅漢の場合、漢が「名」であるが、続く「羅」が家を表し、「羅の一族」だけで彼の身内だと分かる。国としての特徴で、家の名は男系がほぼ受け継ぐが稀に女系にも受け継がれる。
馬の一族(マーノイチゾク)
巳の一族(ミノイチゾク)
戌の一族(イノイチゾク)
風読みの民
評価
批評
ライトノベル研究を行う山口直彦は猫猫をはじめ個性の強い人物が多く登場しており、加えて街並みの背景描写や作中に出てくる薬草の知識もかなり細かいことから綿密な下調べのもとで執筆されていることが窺えると評している。
少女小説研究を行う嵯峨景子は読みやすさとは裏腹に極めて緻密な計算の元に物語が展開されており、その中でも区切りとなる第4巻は物語開始から猫猫が解決してきた謎の全てが繋がって驚きの展開となることから「シリーズ屈指のドラマチックさと面白さを誇る」と評している。
受賞・ランキング
アニメ!アニメ!が実施した「アニメ化してほしいライトノベル・小説は?」と題した読者アンケートでは2019年上半期・下半期で連続第1位を獲得。
「アニメ化してほしいマンガランキング」では2019年から3年連続トップ10入りを果たしている。
「次にくるマンガ大賞2019」コミックス部門第1位。
「第15回全国書店員が選んだおすすめコミック」第5位。
『BOOK☆WALKER大賞2020』ではスクウェア・エニックス版の漫画が準大賞を獲得。
既刊一覧
小説
- 日向夏(著) / 松田恵美(表紙イラスト) 『薬屋のひとりごと』 主婦の友社〈Ray Books〉、2012年10月31日第1刷発行(9月26日発売)、ISBN 978-4-07-285379-5
- 日向夏(著) / しのとうこ(イラスト) 『薬屋のひとりごと』 主婦の友社→イマジカインフォス〈ヒーロー文庫〉、既刊14巻(2023年9月29日現在)
- 2014年9月30日第1刷発行(8月29発売)、ISBN 978-4-07-298198-6
- 2015年2月28日第1刷発行(1月31日発売)、ISBN 978-4-07-410821-3
- 2015年7月31日第1刷発行(6月29日発売)、ISBN 978-4-07-401176-6
- 2015年10月31日第1刷発行(9月30日発売)、ISBN 978-4-07-403100-9
- 2016年5月31日第1刷発行(4月30日発売)、ISBN 978-4-07-416947-4
- 2016年12月31日第1刷発行(11月30日発売)、ISBN 978-4-07-420788-6
- 2018年3月31日第1刷発行(2月28日発売)、ISBN 978-4-07-429772-6
- 2019年3月10日第1刷発行(2月28日発売)、ISBN 978-4-07-436884-6
- 2020年3月10日第1刷発行(2月28日発売)、ISBN 978-4-07-442420-7
- 「ドラマCD付き限定特装版」同日第1刷発行(同日発売)、ISBN 978-4-07-441030-9
- 2021年2月10日第1刷発行(1月29日発売)、ISBN 978-4-07-447215-4
- 2021年5月10日第1刷発行(4月30日発売)、ISBN 978-4-07-448226-9
- 「ドラマCD付き限定特装版」同日第1刷発行(同日発売)、ISBN 978-4-07-448440-9
- 2022年8月10日第1刷発行(7月29日発売)、ISBN 978-4-07-452400-6
- 「ドラマCD付き限定特装版」同日第1刷発行(同日発売)、ISBN 978-4-07-452386-3
- 2023年3月10日第1刷発行(2月25日発売)、ISBN 978-4-07-454379-3
- 2023年10月10日第1刷発行(9月29日発売)、ISBN 978-4-07-455775-2
- 「ドラマCD付き限定特装版」同日第1刷発行(同日発売)、ISBN 978-4-07-441030-9
- 「ドラマCD付き限定特装版」同日第1刷発行(同日発売)、ISBN 978-4-07-448440-9
- 「ドラマCD付き限定特装版」同日第1刷発行(同日発売)、ISBN 978-4-07-452386-3
漫画
2誌とも原作は日向夏、キャラクター原案はしのとうこ。
- ねこクラゲ(作画) / 七緒一綺(構成) 『薬屋のひとりごと』 スクウェア・エニックス〈ビッグガンガンコミックス〉、既刊12巻(2023年9月29日現在)
- 2017年9月25日初版発行(同日発売)、ISBN 978-4-7575-5489-4
- 2018年2月24日初版発行(同日発売)、ISBN 978-4-7575-5640-9
- 2018年7月25日初版発行(同日発売)、ISBN 978-4-7575-5794-9
- 2019年2月25日初版発行(同日発売)、ISBN 978-4-7575-5963-9
- 2019年7月25日初版発行(同日発売)、ISBN 978-4-7575-6216-5
- 2020年3月25日初版発行(同日発売)、ISBN 978-4-7575-6581-4
- 2020年11月25日初版発行(同日発売)、ISBN 978-4-7575-6856-3
- 2021年5月25日初版発行(同日発売)、ISBN 978-4-7575-7271-3
- 2021年11月25日初版発行(同日発売)、ISBN 978-4-7575-7586-8
- 2022年6月23日初版発行(同日発売)、ISBN 978-4-7575-7985-9
- 2023年2月25日初版発行(同日発売)、ISBN 978-4-7575-8324-5
- 2023年9月29日発売、ISBN 978-4-7575-8813-4
- 倉田三ノ路(作画) 『薬屋のひとりごと〜猫猫の後宮謎解き手帳〜』 小学館〈サンデーGXコミックス〉、既刊17巻(2023年9月29日現在)
- 2018年2月24日初版第1刷発行(2月19日発売)、ISBN 978-4-09-157515-9
- 2018年7月24日初版第1刷発行(7月19日発売)、ISBN 978-4-09-157533-3
- 2018年9月24日初版第1刷発行(9月19日発売)、ISBN 978-4-09-157543-2
- 2019年2月24日初版第1刷発行(2月19日発売)、ISBN 978-4-09-157560-9
- 2019年6月24日初版第1刷発行(6月19日発売)、ISBN 978-4-09-157564-7
- 2019年11月24日初版第1刷発行(11月19日発売)、ISBN 978-4-09-157580-7
- 2020年2月24日初版第1刷発行(2月19日発売)、ISBN 978-4-09-157586-9
- 2020年6月24日初版第1刷発行(6月19日発売)、ISBN 978-4-09-157597-5
- 2020年10月21日初版第1刷発行(10月16日発売)、ISBN 978-4-09-157608-8
- 2021年2月24日初版第1刷発行(2月19日発売)、ISBN 978-4-09-157622-4
- 2021年6月23日初版第1刷発行(6月18日発売)、ISBN 978-4-09-157639-2
- 2021年10月23日初版第1刷発行(10月18日発売)、ISBN 978-4-09-157652-1
- 2022年2月23日初版第1刷発行(2月18日発売)、ISBN 978-4-09-157668-2
- 2022年6月22日初版第1刷発行(6月17日発売)、ISBN 978-4-09-157680-4
- 2022年11月22日初版第1刷発行(11月17日発売)、ISBN 978-4-09-157692-7
- 2023年2月25日発売、ISBN 978-4-09-157731-3
- 2023年9月29日発売、ISBN 978-4-09-157783-2
テレビアニメ
2023年2月16日にテレビアニメの制作が発表された。同年10月より、日本テレビ系列ほかにて放送中。全24話予定。初回はキー局の日本テレビなどでは第3話まで連続放送された。ナレーションは島本須美。
スタッフ
- 原作 - 日向夏
- キャラクター原案 - しのとうこ
- 監督・シリーズ構成 - 長沼範裕
- 副監督 - 筆坂明規
- キャラクターデザイン - 中谷友紀子
- サブキャラクターデザイン - 長森佳容、宮井加奈
- プロップデザイン - ヒラタリョウ、みき尾
- シナリオ統括 - 柿原優子
- 色彩設計 - 相田美里
- 美術監督・美術設定 - 高尾克己
- CGIディレクター - 永井有
- 2Dデザインワークス - 南條楊輔
- 撮影監督 - 石黒留美
- 編集 - 今井大介
- 音響監督 - はたしょう二
- 音響効果 - 出雲範子
- 音楽 - 神前暁、Kevin Penkin、桶狭間ありさ
- 音楽プロデューサー - 小林健樹
- チーフプロデューサー - 高橋敦司、武井克弘
- プロデューサー - 菱山光輝、平原唯灯、川村文、森下勝司、武藤大司、岡本順哉、藤村智子
- アニメーションプロデューサー - 稲垣敬文、正田聡史
- アニメーション制作 - TOHO animation STUDIO、OLM
- 製作 - 「薬屋のひとりごと」製作委員会
主題歌
「花になって」
「アイコトバ」
「アンビバレント」
「愛は薬」
挿入歌
「想風」
「明日を訪ねて」
「雪中花」
評価
「読者が選ぶアニメキャラ大賞2023」において、猫猫が「新人賞」で6位を獲得している。
各話リスト
話数 | サブタイトル | 脚本 | 絵コンテ | 演出 | 作画監督 | 総作画監督 | 初放送日 |
---|---|---|---|---|---|---|---|
第1話 | 猫猫 | 柿原優子 | 長沼範裕 | 筆坂明規 | 中谷友紀子 | 2023年 10月22日 |
|
第2話 | 無愛想な薬師 | 千葉美鈴 | 藤田健太郎 |
|
|
||
第3話 | 幽霊騒動 | 小川ひとみ | 山本恭平 |
|
|
||
第4話 | 恫喝 | 柿原優子 | ちな | もああん | 中谷友紀子 | 10月29日 | |
第5話 | 暗躍 | 千葉美鈴 | 筆坂明規 | 志賀岳 | 渡辺奈月 |
| 11月5日 |
第6話 | 園遊会 | 小川ひとみ | 中川航 |
|
| 11月12日 | |
第7話 | 里帰り | 柿原優子 | 長沼範裕 | 大久保唯男 |
|
| 11月19日 |
第8話 | 麦稈 | 綾奈ゆにこ | 藤田健太郎 |
|
| 11月26日 | |
第9話 | 自殺か他殺か | 千葉美鈴 | 長沼範裕 | 是本晶 |
|
| 12月3日 |
第10話 | 蜂蜜 | 小川ひとみ | 野村和也 | 川畑えるきん |
|
| 12月10日 |
第11話 | 二つを一つに | 柿原優子 | 長沼範裕 | 朝木幸彦 |
|
| 12月17日 |
第12話 | 宦官と妓女 | 千葉美鈴 | 横野光代 |
|
| 12月24日 | |
第13話 | 外廷勤務 | 綾奈ゆにこ | 中川航 |
|
| 2024年 1月7日 |
|
第14話 | 新しい淑妃 | 小川ひとみ | 長沼範裕 |
|
|
| 1月14日 |
第15話 | 鱠 | 柿原優子 | 藤田健太郎 |
|
| 1月21日 |
放送局
放送期間 | 放送時間 | 放送局 | 対象地域・備考 |
---|---|---|---|
2023年10月22日 - | 日曜 0:55 - 1:25(土曜深夜) | 日本テレビ | 関東広域圏 / 製作参加 / 字幕放送 |
青森放送 | 青森県 / 字幕放送 | ||
テレビ岩手 | 岩手県 / 字幕放送 | ||
山形放送 | 山形県 / 字幕放送 | ||
日曜 1:25 - 1:55(土曜深夜) | 広島テレビ | 広島県 | |
日曜 1:50 - 2:20(土曜深夜) | テレビ宮崎 | 宮崎県 / 字幕放送 | |
日曜 1:55 - 2:25(土曜深夜) | 静岡第一テレビ | 静岡県 | |
日曜 2:07 - 2:37(土曜深夜) | 四国放送 | 徳島県 / 字幕放送 | |
日曜 2:25 - 2:55(土曜深夜) | 中京テレビ | 中京広域圏 | |
2023年10月23日 - | 月曜 1:25 - 1:55(日曜深夜) | 西日本放送 | 香川県・岡山県 |
テレビ大分 | 大分県 / 字幕放送 | ||
2023年10月24日 - | 火曜 1:59 - 2:29(月曜深夜) | 福岡放送 | 福岡県 |
2023年10月25日 - | 水曜 2:00 - 2:30(火曜深夜) | 日本海テレビ | 鳥取県・島根県 |
2023年10月26日 - | 木曜 1:24 - 1:54(水曜深夜) | 高知放送 | 高知県 |
木曜 1:34 - 2:04(水曜深夜) | 鹿児島読売テレビ | 鹿児島県 / 字幕放送 | |
木曜 1:59 - 2:29(水曜深夜) | 札幌テレビ | 北海道 | |
2023年10月27日 - | 金曜 0:59 - 1:29(木曜深夜) | 熊本県民テレビ | 熊本県 / 字幕放送 |
金曜 1:24 - 1:54(木曜深夜) | 秋田放送 | 秋田県 / 字幕放送 | |
金曜 1:35 - 2:05(木曜深夜) | テレビ金沢 | 石川県 / 字幕放送 | |
金曜 1:44 - 2:14(木曜深夜) | テレビ新潟 | 新潟県 / 字幕放送 | |
テレビ信州 | 長野県 / 字幕放送 | ||
金曜 1:54 - 2:24(木曜深夜) | 山口放送 | 山口県 / 字幕放送 | |
2023年10月28日 - | 土曜 0:30 - 1:00(金曜深夜) | 福井放送 | 福井県 / 字幕放送 |
土曜 0:59 - 1:29(金曜深夜) | 読売テレビ | 近畿広域圏 / 『金曜日はシンデレラ』枠 |
|
土曜 1:56 - 2:26(金曜深夜) | 福島中央テレビ | 福島県 / 字幕放送 | |
土曜 1:59 - 2:29(金曜深夜) | ミヤギテレビ | 宮城県 | |
2023年10月28日 2023年11月1日 - |
土曜 2:54 - 4:24(金曜深夜) 水曜 1:29 - 1:59(火曜深夜) |
長崎国際テレビ | 長崎県 / 字幕放送 |
2023年10月29日 - | 日曜 0:00 - 0:30(土曜深夜) | BS日テレ | 日本全域 / BS放送 / 『アニメにむちゅ〜』枠 |
2023年10月29日 2023年11月2日 - |
日曜 1:10 - 2:40(土曜深夜) 木曜 1:59 - 2:29(水曜深夜) |
北日本放送 | 富山県 |
2023年10月29日 - | 日曜 1:25 - 1:55(土曜深夜) | 山梨放送 | 山梨県 / 字幕放送 |
南海放送 | 愛媛県 / 字幕放送 | ||
2023年10月30日 - | 月曜 23:30 - 火曜 0:00 | AT-X | 日本全域 / CS放送 / 字幕放送 / リピート放送あり |
2023年11月4日 - | 土曜 21:30 - 22:00 | アニマックス | 日本全域 / BS/CS放送 |
初回は放送局により第1話のみを放送したところと、第1話と第2話、または第1話から第3話までを連続放送したところがある。 なお、第1話のみおよび第1話と第2話まで放送の局も、年末に集中放送を行うなどして週遅れ分を解消している。 |
配信開始日 | 配信時間 | 配信サイト | 備考 |
---|---|---|---|
2023年10月22日 | 日曜 1:40(土曜深夜)以降順次更新 |
| 見放題配信 |
最新話限定無料配信 | |||
| レンタル配信 |
BD
ミニアニメ
ミニアニメ『猫猫のひとりごと』(マオマオのひとりごと)が、2023年10月23日よりTOHO animationの公式YouTubeチャンネル、アニメ公式TikTokにて配信中。毎週月曜12時に更新。
話数 | サブタイトル | 初配信日 |
---|---|---|
第1話 | おしろい | 2023年 10月23日 |
第2話 | 巧克力 | |
第3話 | 芙蓉 | |
第4話 | 蒸気風呂 | 10月30日 |
第5話 | 生姜と蜜柑の飴 | 11月 | 6日
第6話 | 食べられないもの | 11月13日 |
第7話 | 眠気覚まし??? | 11月20日 |
第8話 | 炭 | 11月27日 |
第9話 | 南天 | 12月 | 4日
第10話 | 鳥兜の花と蜜 | 12月11日 |
第11話 | 蓮華躑躅 | 12月18日 |
第12話 | 冬虫夏草 | 12月25日 |
第13話 | フェロモン | 2024年 1月 8日 |
第14話 | 小麦粉 | 1月15日 |
第15話 | 海藻 | 1月22日 |
日本テレビ 日曜 0:55- 1:25(土曜深夜) | ||
---|---|---|
前番組 | 番組名 | 次番組 |
EDENS ZERO
(第2期) |
薬屋のひとりごと
|
-
|
参考文献
- 大橋崇行 / 山中智省『ライトノベル・フロントライン 2』青弓社、2016年5月16日、46-47頁。ISBN 978-4-7872-9234-6。
- 嵯峨景子・三村美衣・七木香枝『大人だって読みたい!少女小説ガイド』時事通信出版局、2020年11月30日、71頁。ISBN 978-4-7887-1704-6。
- 石井ぜんじ / 太田祥暉 / 松浦恵介『ライトノベルの新・潮流 黎明期→2021』スタンダーズ、2022年1月1日。ISBN 978-4-86636-536-7。
- 太田祥暉「ウェブ小説のヒット」、127-132頁。
- 日外アソシエーツ株式会社(編集・発行)『漫画・アニメ受賞作品総覧』日外アソシエーツ、2022年1月25日。ISBN 978-4-299-02264-6。
- 『このライトノベルがすごい!』編集部『このライトノベルがすごい!2023』宝島社、2022年12月10日。ISBN 978-4-299-03647-6。
- 『アニメージュ 2023年4月号』徳間書店、2023年4月10日、135頁。ASIN B0BW4P5LJT。
- 『このライトノベルがすごい!』編集部『このライトノベルがすごい!2024』宝島社、2023年12月9日。ISBN 978-4-299-04899-8。
- 『アニメージュ 2024年2月号』徳間書店、2023年4月10日。ASIN B0CQ8RY112。
- 『アニメディア 2024年2月号』Gakken、2024年1月10日。ASIN B0CQKJ5LTS。
- 太田祥暉「ウェブ小説のヒット」、127-132頁。
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