衛府の七忍
以下はWikipediaより引用
要約
『衛府の七忍』(えふのしちにん)は、山口貴由による日本の漫画。『チャンピオンRED』(秋田書店)にて、2015年5月号から2021年1月号まで連載された。
コミックスはチャンピオンREDコミックスより全10巻。最終巻となる10巻と同時発売となった『チャンピオンRED』2021年4月号にはカラーイラスト集「衛府の七忍の世界」が付属し、単行本未収録のカラーイラスト、テキスト付きで描き下ろされた宮本武蔵と沖田総司の戦い、著者である山口からのメッセージが収録された。
概要
同誌で連載していた『シグルイ』や『エクゾスカル 零』と同じく劇画調で残酷描写は多いものの、覚悟のススメのようなケレン味やハッタリあふれる要素も多い。
特定主人公の「○鬼編」という中編を連ねて、怨身忍者が順次に登場していくという構成をとっている。登場人物の多くは、山口の過去の作品に出演した者と同じ外見・名前だが、設定は異なる。諸設定や技にも過去作のオマージュ要素が散見される。特に主人公たる七忍は『エクゾスカル零』に登場したエクゾスカル戦士達に対応している。だが、旧作の主人公たちが用いていた「強化外骨格」「エクゾスカル」が、その名が示すように金属製の鎧という武装であったことに対して、本作の「怨身忍者」は鬼、すなわち妖怪変化の類とされており、主人公たちの身体そのものが変身して、デザインもより生物的になっている。また強化外骨格に準じる兵器は、敵方である覇府の武士たちの方が使用する。さらに単行本4巻収録の第十八話より、『魔剣豪鬼譚』と副題がつけられた「宮本武蔵編」が始まり、怨身忍者への「鬼退治」が描かれる。。9巻の「雷鬼編」にて、衛府の七忍が出揃う。
地獄の戦国時代を終わらせた正義の英雄である徳川家康が最大の敵として設定されており、家康の社会に鬼たる主人公達が反逆するという物語構造になっている。民草は家康に従う「民兵」と化し、主人公達と敵対する。
文明レベルや民の生活は、基本的には一般的な江戸時代初期を舞台とした作品と変わらない。ただし覇府徳川の武士身分が軍備を独占しており、一部の兵器に用いられる技術力は時代不相応に高い。また忍者は異能の技を用いる。
山口の他作品と同様に、雑誌掲載時から単行本化に際して、絵やセリフの修正がみられ、連載時の数話を一話にまとめ直すという構成変更もあり、単行本と連載における話数は必ずしも一致しておらず、連載誌での話数カウントは途中からやらなくなった。
「このマンガがすごい!2018」オトコ編で第5位。2018年には大阪画廊モモモグラで行われた山口貴由原画展にて連載中である本作の原画が展示された。
物語
大和民族が日本列島の覇権を握る。服従を拒んだ異民族は、「まつろわぬ民」としてひっそりと隠れ住むようになる。ときに彼ら被差別民から「怨身忍者=鬼」が出現するも、吉備津彦命などの英雄によって征伐されてきた。中世の武士たちは戦国時代で覇を競い、慶長5年(1600年)関ヶ原の戦いを制した徳川家康が、江戸に幕府を開く。
元和元年(1615年)、家康によって大坂城は落城。豊臣家は敗北した。家康は将来の反乱の芽を摘むため、豊臣残党の徹底的な粛清を行う。徳川幕府「覇府」は市街や山間に隠れ住む残党追討のため印籠の手形「覇府の印」を配下や民兵に配布し、その威を以て豊臣の残党を狩ることを許した。
「零鬼(れいき)編」(第一 - 三話。1巻)
乱世に甦ることを選んだカクゴは怨身忍者・零鬼に変身し、残党狩りを圧倒、彼ら全てを亡き者とした。そうしてカクゴは、伊織と共に家康と対峙することを誓う。
元和元年九月、信濃での出来事である。
「震鬼(しんき)編」(第四 - 六話。1・2巻)
容疑は晴れたはずの女共の解放という条件で、備中高松城の城主・花房職秀の元に出頭した憐だが、女共は既に処刑されており、憐も釜茹での刑に処され死の淵に立っていたところ、現れた龍神の問いかけに答え、怨身忍者・震鬼に変身。職秀とその配下を瞬く間に惨殺した。銀狐の像を神社に預けて供養した憐は、ヤクザ者を抜けて一匹の鬼として生きる決意をする。
元和元年九月、備州での出来事である。
「雪鬼(せっき)編」(第七 - 九話。2巻)
死に往く中で龍と出会い、怨身忍者・雪鬼として甦った六花は典膳と対決して倒す。死んだ権九郎の頭骨を杖に刺した六花は再び人里に下った。
元和元年十一月、奥羽での出来事である。
「霞鬼(げき)編」(第十 - 十四話。2・3巻)
波裸羅=霞鬼はカクゴと伊織を呑みに誘う。伊織から共闘要請を受けた波裸羅は徳川に反旗を翻すことを決意する。これによって波裸羅は第四の怨身忍者として手配されるも、その表情と言葉は狂おしいまでの生への愉悦に満ちていた。
元和二年三月の出来事である。
「霹鬼(ひゃっき)編」(第十五話 - 十七話。3・4巻)
また秀頼生存を知った薩摩藩は迎えを琉球へと派兵、秀頼らと合流する。秀頼は蛮族の村で暮らしていたことを恥であると、猛丸らの村を口封じに殲滅するよう島津に命じるが、幻之介が猛丸らは犬同然であり殺すまでも無いと取り成したことで、殲滅は免れる。だが猛丸は言葉通り「犬」に貶められ、終には島津武士の鍛錬として身体をバラバラにされ活き肝を奪われた。それを見た幻之介は秀頼の家臣であることを返上し、猛丸の遺体、意志と一つになり第五の怨身忍者となり、琉球を後にする。
元和元年九月、琉球国での出来事である。
「宮本武蔵編・雹鬼編」『魔剣豪鬼譚』(第十八話 - 二十五話。4・5巻)
播磨の鬼は、怨身忍者「雹鬼」明石レジイナ。豊臣方のキリシタン武将である明石全登の姫である。
自らを地獄に落ちた「るきへる」(ルシファー)と断罪していた雹鬼レジイナは、武蔵の二天一流十字の構えにイエスを見出し、あえて斬られることで救いを得る。明石全登が娘の遺骸に「天に召されたのだな」と言うのを見て、武蔵は邪教の鬼と断じ、両者は対峙する。全登の実力は武蔵をも圧するほどであった。逆境の武蔵は巌流島で用いた櫂、巨大木剣「神童殺し」で全登に挑み、また全登は大剣を背負う武蔵に十字架を背負うイエスを重ね見、激突の末に武蔵は鬼征伐を成し遂げる。その顛末を眺める桃太郎。
鬼から人に戻ったレジイナを埋葬し、武蔵と中馬は播磨を去る。元和元年の出来事である。巌流島以降の武蔵の戦いの記録は定かではない。
「霧鬼編」『人間城ブロッケン』(第二十六話 - 二十九話。5・6巻)
ツムグは頼水に怒り、武田信玄の軍扇で戦うも敗れて死ぬ。だが怨身忍者として蘇ったツムグが舞六剣の主となったことで、頼水は負けを認める。
元和元年十月、諏訪湖での出来事である。
「沖田総司編・霓鬼編」『魔剣豪鬼譚』(第三十話 - 三十九話。6 - 8巻)
柳生宗矩対虹鬼。宗矩に打つ手無し。そこに伝説の桃太郎卿が現れる。鬼退治の英雄は、いとも簡単に虹鬼を討伐する。沖田総司対霓鬼。総司の三段突きが霓鬼の心臓を貫くも、再生力で傷が塞がってしまう。総司はさらなる荒技で霓鬼を滅ぼし、何とか生還する。
総司は、鬼には血も涙もあることを知る。覇府は総司に仕官を誘うも、総司は断り、単身江戸を出奔する。元和元年の出来事である。
波裸羅対金太郎(第四十話。8巻)
「雷鬼編・上泉信綱編」(第四十一話 - 第四十六話。8・9巻)
黒須京馬対上泉信綱。剣聖信綱は強く、京馬は十忍法を駆使して尚、相討ちであった。追い付いた四勇士は、京馬を蘇生させ、命を捨てて敵の追撃から逃がす。雷鳴を背に、おのごろ忍者雷鬼が誕生した。元和元年の出来事である。
「竜宮編」(第四十七話 - 第五十三話。10巻)
地上は平和となり、しわ寄せは海底娼館竜宮城に行く。伊織が浦島太郎によって竜宮に連れ去られる。怨身忍者たちは合流し、浦島太郎と戦いとなるも、霧鬼ツムグが争いを収める。竜宮城は怨身忍者たちの居住船となり、鬼たちは南蛮船を襲撃して奴隷を救い出す。徳川秀忠の覇府と竜宮の衛府が対立する理由はなくなる。
登場キャラクター
主人公・怨身忍者
カクゴ / 零鬼(れいき)
憐(れん) / 震鬼(しんき)
六花(りっか) / 雪鬼(せっき)
波裸羅(はらら) / 霞鬼(げき)
「霞鬼編」の主人公・敵。「霞鬼」に変身するが、家康側に与する。異常出生の逸話をもつ両性具有者で、「現人鬼(あらひとおに)」の異名をとる。
志摩国は石鏡の漁村出身で、身ごもっていた母もろとも殺されるも、龍と出遭い、突き刺された刃物を吸収して蘇生した。常に不敵な態度で、武技は無双を誇り、化身せずとも人体をたやすく断ち切る。武器は胴田貫の太刀。
型破りにして孤高。あまりにも破天荒すぎて、志摩城主の守隆では御し切れなかった。出生ゆえに、下位身分の少数者に寄ってたかって暴力をふるう「民草」の者たちを嫌悪している。桃太郎に敬意を抱いており桃太郎からも「現人鬼、その美しさ鬼とは呼べぬ」と評されたが、零鬼との対戦の後に桃太郎と実際に対面して端麗人(≒不老不死)のことを聞くと思うものがあったようで後に桃太郎配下の累人と対立、反逆している。
猛丸(タケル) / 霹鬼(ひゃっき・ヒャッキー)
明石レジイナ / 雹鬼(ひょうき)
「雹鬼編」の主人公であり、「宮本武蔵編」の敵。豊臣方のキリシタン武将である明石全登(洗礼名ジュスト)の姫。
素性を徳川方に偽り落ち延びたものの見抜かれ、父と家臣達を殺され、自身も責め殺されたところで龍に出遭い、怨身忍者として蘇生した。
責め苦を受けた際に、胸に十字架形の生傷を刻まれ、両手の爪は剥がされた。その指先から呪いを帯びた「鬼の爪」を発射して攻撃する。
怨身忍者となった事実を、信仰と神による地獄堕ちと認識しており、家康派と尖兵の薩摩武士を滅ぼすべく行動する。その際には家臣三人と父に鬼の血を与え、眷属として蘇生させた。
雑誌掲載時は瞳が描かれないシーンが多く、また大人びた容姿であった。明石全登の子女として記録にある人物。
ツムグ / 霧鬼(むき)
谷衛成(たに これなり) / 霓鬼(げいき)
「霓鬼編」の主人公であり、「沖田総司編」の敵。眼鏡の武士。徳川の刀剣鑑定を務めており、剣技は作中白眉を誇る。「兜首落面割重ね胴截断」「土塀越し四ツ胴截断」等の剣技は、試し切りの成果として刀の銘に刻まれるもの。
高潔な人間性を持ち、権力者の指示で剣を振るい人の命を奪う行為に、葛藤を抱いていた。虹鬼の血を浴びて怨身の鬼と化したことをきっかけに、己の正義に従って江戸の旗本を斬り殺し回っている。服部半蔵の調査によって、幕臣でありながら鬼であるという秘密が暴かれ、討伐にやって来た総司と対決。壮絶な戦いの末に総司に敗れて散る。
霓鬼は左右非対称の体の鬼。熱血の異能を補助に、もっぱら剣技で戦う。霓鬼の刀には、柄頭に回転式の刃がついている。
雑誌掲載時の名の読みは「もりなり」。
雀(すずめ) / 虹鬼(ななき)
「霓鬼編」の主人公の一人であり、「沖田総司編」の敵。小柄な少女。舌が無いため会話することができず、また全身には無数の傷跡がある。これらの負傷は、武家奉公での粗相の咎として、舌切り雀になぞらえて舌を切られ、さらに衛成に「古代の銅剣」で斬られて全身をバラバラに切断されたゆえのもの。鬼として蘇り、衛成を同族の鬼に変えた。さらに騙されて毒殺されかけ、完全に覇府を敵視する。
武芸ならぬ鬼の異能だけで柳生宗矩を圧倒し、攻略不能と追い詰める。だが乱入した桃太郎の圧倒的武力に、身体を引きちぎられて敗北。蘇生の可能性もあったが、桃太郎が宗矩に授けた知恵により封じられ、完全に絶命した。
鬼として、火炎を吐く異能を有する。四足獣のような鬼の形態と、雀の人型、そして両者の中間態を自在に使い分ける。
雑誌掲載時の名の読みは「こうき」。
黒須京馬(くろす きょうま) / 雷鬼(らいき)
兵藤 伊織(ひょうどう いおり)
銀狐(ぎんこ)
テヤン / てや
主人公・魔剣豪
宮本武蔵(みやもと むさし)
『魔剣豪鬼譚』「宮本武蔵編」の主人公。作州浪人。二天一流の剣豪。誰にも出来ぬ難題と聞けば、ならば己がと挑戦する男。人を斬り続けてきたことで、死者の念などは無く己の剣こそを信じているが、それらを超えた超常未知の存在「鬼」が現実にいることを知る。
播州にて、薩摩藩の中馬大蔵に鬼退治を依頼され、「備中守実高」の鎧を譲られる。この鎧は鉢かづき姫の逸話に由来し、目方三十四貫(127kg相当)、並の者なら一歩も動けない「枷」という代物を、己の「外骨格(ほね)」と纏う。さらにチェストを「知恵捨て」と喝破し己の兵法とする。大小二刀は、拵えにも開閉式刃を仕込んだ特製の「武蔵拵え」。
巌流島決闘など有名なエピソードは回想にて断片的に言及される。
沖田総司(おきた そうじ)
『魔剣豪鬼譚』「沖田総司編」の主人公。幕末の新選組剣士。菊一文字則宗を所持する。細身で弱そうな外見ながら、新選組の仲間からは「戦国時代なら大名にまでなれた」と太鼓判を押される名剣士。特に突き技を得意とする。幕末の晩年は病がちであったが、深刻な死病ではなく、池田屋事件での吐血の逸話には「殺した敵の血を啜っていた」という真相がある。
慶応4年=明治元年より、菊一文字と共に元和年間の江戸にタイムスリップしてくる。歴史の予備知識を持つが、行動原理が「誠」の価値観であるために、江戸の剣士とトラブルになる。時代を超えてやって来た己の使命を「鬼退治」と自覚し、幕臣として、江戸に仇なす谷衛成=霓鬼と対決する。衛成を「志士の正義がある」と見立てるも、新選組として斬る決意がある。羽織の下には拡充火忍無縄(伊賀忍の拡充具足)の防具の一部を着込み、剣技の補助に火器も用いる。
桃太郎と鬼哭隊
伝説の剣豪たちで組織した「鬼哭隊」(きこくたい)。判明しているメンバーは、吉備津彦命、塚原卜伝、伊東一刀斎、上泉信綱、疋田残酷丸、宝蔵院慈悲丸、坂田金時。
吉備津彦命(きびつひこのみこと)
孝霊天皇皇子・大吉備津彦命。通称を桃太郎卿。御伽噺にちなんだ摩訶不思議な武具と、奇怪な配下を多数有する。「鬼哭隊」の長。
飛鳥時代の温羅征伐の軍神で、備州鬼ノ城を居城とする。時代の支配者からまつろわぬ民の粛清と引き換えに不老長寿を得るための「置き血」を受け続けた結果、1000年以上生きている伝説の英雄。元和元年時点では天下を取った徳川家康に与している。権力に逆らう衛府の者達とは長年にわたり戦いを続けてきた。
初登場は「震鬼編」で、地元備州を治める花房職秀に、豊臣秀頼の落胤狩りを命じる。怨身忍者が出現した事態を受けてその後も少しずつ登場しており、「沖田総司編」にて遂に出陣。虹鬼をた易く引きちぎり、神州無敵と称される実力を披露した。
三柱の神獣:串猿(くしざる)、毬犬(まりいぬ)、紅雉(べにきじ)
累人(かさねびと):栗彦(くりひこ)、針彦(はりひこ)、泥彦(どろひこ)、臼彦(うすひこ)
柳生宗矩(やぎゅう むねのり)
金太郎(きんたろう)
上泉信綱(かみいずみ のぶつな)
重要人物
龍(りゅう)
深見 権九郎(ふかみ ごんくろう)
犬養 幻之介(いぬかい げんのすけ)
中馬大蔵(ちゅうまん おおくら)
明石全登
フランキス与四郎(フランキスよしろう)
梟(ふくろう)
猿飛佐助(さるとび さすけ)
覇府(はふ)
徳川 家康(とくがわ いえやす)
本多 正純(ほんだ まさずみ)
大久保 忠隣(おおくぼ ただちか)
服部 半蔵(はっとり はんぞう)
大名・旗本
花房 職秀(はなぶさ もとひで)
豊臣秀頼(とよとみ ひでより)
「霹鬼編」に登場。落城した大坂城主。先立つ「震鬼編」にて、桃太郎により彼の落胤狩りが行われ、これが震鬼現出のきっかけとなった。
大坂城跡にて発見された遺体は影武者であり、本人は琉球の集落に匿われるが、現地人への感謝は無く、それどころか彼らを畜生以下と蔑視し、恥辱に怒りを燃やしていた。
幻之介を捨てたことで島津義弘にも不信を買い、霹鬼に不信を増幅された義弘から顔の前面を削ぎ落とされ、再起の道を絶たれる。その後は薩摩の地で住民に慕われ68歳まで生きながらえた。
嫡子の豊臣国松7歳は「雪鬼編」で処刑されたことが語られており、正式な後継は絶えた。また「霞鬼編」にて波裸羅は、死罪宣告された国松の関係者を装う作戦で、零鬼と伊織をおびき出した。
島津 家久(しまづ いえひさ)
武田信玄(たけだしんげん)
諏訪頼水(すわ よりみず)
千本 義隆(せんぼん よしたか)
零鬼編
薄田惨四郎(すすきだ ざんしろう)
震鬼編
雪鬼編
白怒火 典膳(しらぬい てんぜん)
武御雷丸(たけみかづちまる)
霞鬼編
霹鬼編
武市千加太郎(たけち ちかたろう)
宮本武蔵編
佐々木 小次郎(ささき こじろう)
霧鬼編
イキチ
ゴンゾ
沖田総司編
雷鬼編
用語
まつろわぬ民
戦国から覇府徳川政権下での日本列島では、身分制度が徹底しており、高貴なる者と民草の間には厳格な格差が存在している。だがまつろわぬ民は、覇府の権力には従おうとしない。
衛府(えふ)
覇府(はふ)
覇府の印には、「炎に丸と三つ葉葵」の御紋が描かれている(徳川家の御紋は「丸と三つ葉葵」、『水戸黄門』の印籠は「雲水に徳川家御紋」である)。
民兵(たみへい)
覇府の印を所持した武士に使役された百姓や(零鬼編)、役人に踊らされる町人たち(震鬼編)など、様々な身分の者たちがいる。徳川の威光を笠に着て、本来身分が上である豊臣侍を蹂躙することができるため、武士以上に残虐な行為を嬉々として実行する。
武士
弓矢槍鉄砲などの武器を用い、ほとんどの者が基本装備として刀を差している。徳川方の組織化された正規軍人は二本差ししている場合が多い。
また一部の者は強力な鎧・具足を纏って戦う。
伊賀忍者
おのおのが不可思議なからくりの忍術を身につけ、徳川の任を仕果たすためなら喜んで命を捨てる。伊織評によると相当強いが、零鬼ならば一対一で撃破が可能。
「沖田総司編」にて、頭領の服部半蔵が登場。火薬の製造技術にも長けており、江戸の屋敷には時代を先取りした秘密兵器を隠し持つ。諜報にも優れ、霓鬼と虹鬼の素性すら調べ上げるも、(別時代からやって来た)総司の調査は全く手がかりが見つからず断念している。
薩摩藩
「チェスト」の掛け声や「ひえもんとり」などの行事に代表されるような、死を恐れぬ強力な武士道で統制されている。
幻之介が「腕は確か」と評するほどの実力者達の集団であるが、武蔵の武芸や鬼の異能には力およばない。
旗本奴
最初に雷音寺 鬣丸(らいおんじ たてがみまる)、花房 死万騎(はなぶさ しまんき)、鍋島 轟羅夢(なべしま ごうらむ)の3人が登場。総司を鬼と疑い戦いとなるも、総司の幕末で培った実戦技と天然理心流の突き技に敗れて全滅する。総司曰く「幕末の腑抜けた旗本よりはるかに強かった」という。宗矩は総司と旗本奴による警備組の立ち上げを構想していたが、総司に拒否され実現しなかった。
書誌情報
- 山口貴由 『衛府の七忍』 秋田書店〈チャンピオンREDコミックス〉、全10巻
- 2015年11月1日発行(同年10月20日発売)、ISBN 978-4-253-23851-9
- 2016年6月1日発行(同年5月20日発売)、ISBN 978-4-253-23852-6
- 2017年1月1日発行(2016年12月20日発売)、ISBN 978-4-253-23853-3
- 2017年9月1日発行(同年8月18日発売)、ISBN 978-4-253-23854-0
- 2018年4月1日発行(同年3月19日発売)、ISBN 978-4-253-23855-7
- 2018年10月1日発行(同年9月20日発売)、ISBN 978-4-253-23856-4
- 2019年4月25日発行(同年4月19日発売)、ISBN 978-4-253-23857-1
- 2020年1月1日発行(2019年12月20日発売)、ISBN 978-4-253-23858-8
- 2020年7月1日発行(2020年6月19日発売)、ISBN 978-4-253-23859-5
- 2021年3月1日発行(2021年2月19日発売)、ISBN 978-4-253-23860-1
関連作品
- 魔剣豪画劇 - リイド社の『コミック乱ツインズ 戦国武将列伝』に連載されたフルカラー漫画。衛府連載開始号の『チャンピオンRED』に別冊付録として添付された。