解体屋ゲン
題材:建設業,
以下はWikipediaより引用
要約
『解体屋ゲン』(こわしやゲン)は、原作:星野茂樹、作画:石井さだよしによる日本の漫画作品。芳文社発行の週刊漫画誌『週刊漫画TIMES』にて連載中。
概要
『週刊漫画TIMES』2002年4月19日号から5月10日号まで、全4回の短期集中連載を行った後、2003年1月10日号より本格的に連載が開始された。2012年10月26日号で短期集中連載版を除いた通算連載回数が500話に、2021年2月19日号で900話、2023年6月2日号で1000話に達している。
2003年9月に刊行された唯一の単行本(第1巻)にコンビニコミック2巻を合わせた3巻しか刊行されていなかったため、過去の回を読むことが困難という状況が長らく続いていたが、2015年にスマートフォン用アプリ「漫王」で期間限定ながらも過去回が無料公開され、以後、電子書籍として単行本が刊行されている。電子書籍に関しては芳文社が権利放棄しており、2次使用権は作者が所有している。長期連載ながら紙の単行本が出ていない理由を、作者の星野は「第1巻が惨敗」したことを理由のひとつに挙げているが、2023年時点で「僕たちもいまだにわからないんですよ」と語っている。
2006年6月に奥村遊機からタイアップのパチンコ台「CR解体屋ゲン」が発売されている。
実際に起きている日本の建築業界の抱える問題、労働者たちの置かれた現状を作中に取り入れるのは無論のこと、ニコニコ動画、Ustream、Twitter、Facebook、インディーゲーム、擬人化萌えアニメ、『アイカツ!』といった執筆当時に流行していた題材をも作中に取り入れている。これは単にその時々の流行を追っているのではなく、その時代の空気を切り取ることで、時が経って読み返した際にも古臭くならない、作品発表当時を読者が思い出して共感を得るためであると原作者の星野茂樹は語っている。
星野自身は建築業界のプロではないため、解体業者など多くの専門家に取材しており、中には実名で作中登場することもある。流れとしては星野の構想を専門家を通して嘘くささを削り、作画の石井さだよしの画力で形にするという製作工程だという。
あらすじ
孫請け解体業者「朝倉工務店」の社長・ゲンこと朝倉巌は、大手ゼネコン「三友重機リース」社員・大月慶子が持ち込んだ爆破解体の仕事をきっかけに、世界を股にかけて活躍していた爆破解体技師としての情熱を取り戻し、彼女からの「三友グループ」への参加の誘いを請け、爆破解体会社「三友爆破株式会社」を設立する。その後、古い知り合いである木造建築の専門家・「曳き家のロク」こと岩下ロク、借金を苦に自殺しようとしていたクレーン技師・ヒデこと時田英夫、元タレントであるトラック運転手・中原光を仲間に加え、さらにその後、倒産の危機にあった昔の仕事仲間である「十円」こと近藤敏行の会社を吸収合併し、事業を拡大していったが、建設業界に根強く残る談合などの因習に囚われない「日本一の解体屋(こわしや)」を目指すために「三友グループ」を脱退し、「五友(いつとも)爆破株式会社」として再出発する。
主な登場人物
本項の登場人物の年齢は、第329話までページの柱に記述されていた登場人物紹介の年齢に基づく。なお作中では季節が何巡もしているが、子供の年齢以外はあまり加齢を感じさせない。原作者によると、厳密さの保証はできないものの3年で1歳加算されるルールがあるらしい。
朝倉巌(あさくら いわお)
38歳。本作の主人公である「五友爆破株式会社(旧・三友爆破株式会社)」社長。通称・ゲン。身長191cm、体重120kg。かつては世界を股にかけて活躍する爆破解体のエキスパートであったが、帰国後は後に妻となる大月慶子と出会うまではやる気を失い、ゼネコンの孫請け解体業者に甘んじていた。現在は不況の折もあり、「五友爆破」は爆破解体だけではなく建築物の緑化や商店街などの復興支援といった事業にも手を広げている。
性格も見た目も典型的なガテン系で、特にその体形は熊と間違えられる程の体力の持ち主。大雑把な性格で声が大きく口調は荒めで短気で手も出やすいが正義感が非常に強く、談合の誘いは一切拒絶する上危機に陥っている社員や同業者、友人等は放っておけず金銭的な面も含めて危険を顧みず助けに向かい、暴力団や大企業の妨害や警察を相手しても物怖じせず面と向かって立ち向かい場合によっては殴り込みすら辞さないところは特に取引先や現場の人間を中心に人望が高い。しかし、後先を考えず突っ走って暴走してしまう面もあるため正義感による行動が家族の不仲を引き起こしたり、営業停止や取引先の喪失という損害を与えてしまうこともある。
怖いもの知らずに見えるが、爆破解体前日や強いプレッシャーを受けるとひどく臆病になる繊細な一面もある。流行やデジタルに非常に弱くネット社会に不信感を持つ一方で、「安全くん」と呼ばれる現場の交通整理の人形を蒐集する趣味があり、珍しいものを見ると目がなかったり、建機シミュレーターのスコア更新に熱中したり、女児向けアーケード用ゲームやネットワークゲームに嵌る癖がある。
海外に爆破技師の修業に出ていた間に両親を一度に亡くしたこともあって家族や家庭へのこだわりが強く、一人息子の鉄太に対しては周囲も呆れるほどの子煩悩である。また妻の慶子にはまったく頭が上がらない。
朝倉慶子(あさくら けいこ。旧姓・大月)
岩下ロク(いわした ロク)
菅原ミチ(すがわら みち)
時田英夫(ときた ひでお)
時田光(ときた ひかる。旧姓・中原)
ジョージ富田(ジョージ とみた)
52歳。オーストラリア生まれの日系三世。オーストラリアを拠点とする爆破解体会社「ダイナメンション・インク」の経営者だったが、香港の乗っ取り屋トミー・ウォンにより会社を追われ、その後、彼の秘書であったリサ島本と共に住宅リフォーム会社「サンシェルターリフォーム」を設立する。
その後、自分から全てを奪っただけでなく日本の建築業界を支配しようとするウォンへの復讐のために自家製の爆弾を作成した罪で国外退去となり、オーストラリアに帰国後「ダイナメンション・インク」を再興、東北の復興支援の為に別会社を立ち上げている。現在は時々Eメールでゲンにアドバイスすることもある。
当初はゲンのライバル的存在で、象徴的な高笑いを含めた高慢な態度がが見受けられる上爆破解体を実用的工法というよりエンターテインメントの一つとして捉えていため逆に爆破解体を実用的工法と考え、見せ物ではないと考えていないゲンとは相容れなかった所があった。しかし方向性の違いで一見ゲンと互いに反目しあっていても、彼なりに解体や建築業には真剣に取り組んでおり表には出さないが実際は互いを認めあっている。
リサ島本(リサ しまもと)
近藤敏行(こんどう としゆき)
40歳。通称・トシ。赤銅色に焼けた肌から十円とも呼ばれていた。ゲンの昔の仕事仲間で、「近藤建設」という会社を経営していたが、不況による会社倒産の危機を「三友爆破(当時)」への吸収合併により救われた。ゲンに負けない体力の持ち主で、ゲンが真正面からぶつかり合える数少ない相手で本気で喧嘩しても勝負がつかない程。しかしその分互いの信頼も篤い。一方、怪談や手術などの怖い物には非常に弱い。一時は大きい現場を仕切るようになったゲンへのコンプレックスでアルコール依存症に陥るが、周囲の協力で目の前の酒も平気になっていくが追い詰められると飲酒の欲をぶり返すが、その度に依存症と向き合いながら闘っている。
恋愛に関しては純情で不器用だが、想いを寄せていた元小料理屋の女将・高田葉子(小雪)への5年越しの恋が実り、彼女と結ばれた。現在は一児の父で高田鍵子という女児をもうけている。
本納有華(もとのう ゆうか)
野島秀美(のじま ひでみ)
朝倉鉄太(あさくら てった)
笹原権二(ささはら ごんじ)
44歳。通称・ゴン。元々は炭坑などで発破を扱う土木作業員として働いていたが、不況で仕事がなくなったことにより、以前から憧れていたゲンの名を騙って各地の旅館やホテルで無銭飲食を繰り返していた。だがそのことを知ったゲン達に捕まったことにより改心し、それ以降は時折迷惑も掛けるが「五友爆破」が担当する現場の作業員として働いたり、手配師や倉庫管理などの仕事を時々行っている。関西出身らしく、レギュラー登場人物の中で唯一大阪弁を喋る。
入手が困難な品物を調達したり海外への作業員の斡旋を行うほど人脈が広いが、怪しげな儲け話に目がないせいか、面倒事に巻き込まれそうになったゲンに怒られたり時には命の危機に見舞われることもある。
倉庫前で屯していたホームレスに社会復帰を支援したり、長屋での英夫たちの覗きをひとりで罪を庇う(後に被害者から赦しをもらっている)など情に篤い。
鶴見幸夫(つるみ ゆきお)
内田佐知(うちだ さち)
谷大輔(たに だいすけ)
「朝倉組」
「さくら商店街」の店主達
佐倉百合(さくら ゆり)
トミー・ウォン
ボテ
単行本
解体屋ゲン
- 芳文社コミックス(通常の単行本)
- 短期集中連載版全4話と第1 - 7話までの計11話を収録。
- 作者いわく「コミックがでないのは出版社のほうの事情」(第1巻が当時、商業的に振るわなかったとの話である)
- 芳文社マイパルコミックス(コンビニコミック)電子書籍版あり
- 2012年1月16日発売 ISBN 978-4-832-23282-2
- 芳文社コミックス版第1巻全11話に数作品を追加、計20話を収録。
- 2012年5月16日発売 ISBN 978-4-832-23300-3
電子書籍
- スマートフォンアプリ「漫王」(配信終了)
- 2015年12月にプロローグ4話+1話から100話まで(合計104話)、2016年4月に101話から200話まで、2016年9月に201話から300話までの無料配信が行われた。後に事業撤退により閉鎖。
- 解体屋ゲン ベストセレクション〜危機一髪 爆破解体編〜(芳文社、2012年1月)
- 解体屋ゲン ベストセレクション〜ゲンさん大奮闘編〜(芳文社、2012年5月)
- 上記のコンビニコミックの電子版。主要な電子書籍ストアで配信されている。
- 「解体屋ゲン」の導火線 ベストセレクション見本版(電書バト、2019年4月)
- 単行本の新装版配信を控え、Kindleストアのみで配信されたベスト版。「爆破解体」「ぶっきらぼう」「曳き家のロク」「ゲンの壁」「みんなのゲンさん」「公共工事」「職人の資格」「半径10メートルの救済」「400mの主張」「秘密の花園」「異世界のゲン」の11話と、あとがきを収録。
- 解体屋ゲン ベストセレクション版(電書バト、2022年11月)
- 爆破解体編 1
- グルメ編 1
- 曳家岡本編 1
- ゲーム・異世界編 1
- 人工知能ボテ編 1
- ジョージ富田編 1(2022年12月)
- トシ編 1(2023年2月)
- 商店街立て直し編 1(2023年4月)
- 単行本(クリエイションアドバンス、2017年7月 - 2019年4月〈販売終了〉)
- 2017年7月に、Kindleストアとピッコマで配信。発行元はクリエイションアドバンス、発売元はベンジャネット。掲載誌をスキャンしたものが使われていたため、ページが傾いていたり、雑誌のページ番号や欄外には本作品とは無関係の雑学コーナーが掲載されていたりするなど品質は悪かった。これに加えて電子書籍の印税の未払い・支払遅延もあったため、2019年4月に販売を終了。
- 単行本(電書バト、2019年4月 - )
- 2019年6月からは、版元が佐藤漫画製作所の電書バトに変更され、主要な電子書籍ストアで配信。紙面は掲載誌の版下を使ったきれいなものに置き換えられており、目次も追加されている。第1巻から第90巻までは1巻につき10話収録、毎月1巻のペースで刊行。第91巻以降は8話収録のペースで刊行している。2023年4月時点で、第99巻まで配信されている。
2015年12月にプロローグ4話+1話から100話まで(合計104話)、2016年4月に101話から200話まで、2016年9月に201話から300話までの無料配信が行われた。後に事業撤退により閉鎖。
上記のコンビニコミックの電子版。主要な電子書籍ストアで配信されている。
単行本の新装版配信を控え、Kindleストアのみで配信されたベスト版。「爆破解体」「ぶっきらぼう」「曳き家のロク」「ゲンの壁」「みんなのゲンさん」「公共工事」「職人の資格」「半径10メートルの救済」「400mの主張」「秘密の花園」「異世界のゲン」の11話と、あとがきを収録。
- 爆破解体編 1
- グルメ編 1
- 曳家岡本編 1
- ゲーム・異世界編 1
- 人工知能ボテ編 1
- ジョージ富田編 1(2022年12月)
- トシ編 1(2023年2月)
- 商店街立て直し編 1(2023年4月)
2017年7月に、Kindleストアとピッコマで配信。発行元はクリエイションアドバンス、発売元はベンジャネット。掲載誌をスキャンしたものが使われていたため、ページが傾いていたり、雑誌のページ番号や欄外には本作品とは無関係の雑学コーナーが掲載されていたりするなど品質は悪かった。これに加えて電子書籍の印税の未払い・支払遅延もあったため、2019年4月に販売を終了。
2019年6月からは、版元が佐藤漫画製作所の電書バトに変更され、主要な電子書籍ストアで配信。紙面は掲載誌の版下を使ったきれいなものに置き換えられており、目次も追加されている。第1巻から第90巻までは1巻につき10話収録、毎月1巻のペースで刊行。第91巻以降は8話収録のペースで刊行している。2023年4月時点で、第99巻まで配信されている。