課長バカ一代
以下はWikipediaより引用
要約
『課長バカ一代』(かちょうバカいちだい)は、野中英次によるギャグ漫画である。漫画雑誌「ミスターマガジン」(講談社刊)に1996年から2000年まで連載された。略してカチョバカ。
概要
家電メーカー「松芝電機」の社員で、「課長補佐代理心得(後に「心得」が取れて課長補佐代理に"昇進")」というよく分からない肩書きを持つ主人公「八神和彦」とその部下たちが、大して内容の無いバカな話を真面目に語り合うなどする。これは後に週刊少年マガジンで連載されて人気となる『魁!!クロマティ高校』に通ずる作風である。劇画チックな絵とは裏腹に、その内容性から1~3巻の表紙には「劇画ファンの手の届かない場所に保管してください」という注意書きがある。
ミスターマガジンの休刊に伴い全182話で終了し、後に週刊少年マガジンに183・184話が掲載され、その後発売された傑作選「子供用」やKCDX版に追加収録されている。また、KCDX版発売に伴って少年マガジンに掲載された185話は「魁!!クロマティ高校」のガイドブック「魁!!クロマティ高校入学案内」に収録されている。なお、ワイドKCモーニング版に収録された「5分で描いたマンガ」などの書き下ろしページはページの都合で一部しか掲載されていない。
また、2007年には小説版とコンビニなどで販売されるKPC(講談社プラチナコミックス)としてDXの愛蔵版が発売された。
登場人物
松芝電機
世界でも上位の一流家電メーカー。現在の社長が大学卒業後数人の友人とともに設立し、爆発的ヒットはないものの地味に努力し一代で大規模な会社へと成長した。
八神 和彦(やがみ かずひこ)
主人公。正式な肩書きは「家電メーカー・松芝電機 商品開発部企画課 課長補佐代理心得」。この漫画は彼こと「課長バカ」の一代記である。
パーフェクトなバカであり、そのバカさ加減と思いつきの奇行で周囲の人間やライバル企業・産業スパイまでも翻弄する。常に真っ白なスーツとオールバックというファッション。年齢は1996年の連載開始時は33歳だったがどうやら歳をとっているらしく、2003年に週刊少年マガジンに特別編が掲載された時は39歳になっていた。誕生星座は獅子座。パチンコをするとパチンコ台が壊れたり玉が出なくなったりするなどの不運が起こる。
第四十章「昇格」において、課長補佐代理心得から課長補佐代理に昇進したが、以降最終回まで昇格することはなかった。後に新たに設立された「第二企画課」に異動し、自らの提案で設立された「スパイ課」と共に、そこでも課長補佐代理を務める。
稀に役に立つ商品を開発することもあり、物語終盤は前田以外の部下に対するツッコミに回ることも多かった。
大の野球好き。部下に「ロッテのスターティングメンバーを知らずに野球通ヅラするな!」といなした上で、ガリクソンの桑田との真摯なエピソードを語ったり、球場でタニシゲを応援している。裏設定として、「実は双子の兄弟がおり、妻と別居中」という設定があるが、本編には全く関係がない。
英検4級の資格を保持しているが、英語で1月から12月までを言うことすらできず、言い逃れ用の台詞「ストマックエイク(腹が痛い)」ぐらいしか覚えていない。
子供の頃の将来の夢は「フェラーリになりたい(フェラーリ関係の仕事というわけで無く、あくまでも車自体に)」。好きな映画は「ジョーズ」。
31話まではネクタイの柄が回ごとに変わっていたが、32話以降は同じデザインのネクタイを着用。
ドラマ版では「心得」が取れることなく最終回を迎えたが、最後に会社の危機を救い、あまつさえ「課長」の座にこだわり続けたことによって、「課長バカ一代」の特別な役職を得る。
松平 芝之助(まつだいら しばのすけ)
松芝電機代表取締役社長。話の途中から出てくる場合、「←社長」と注釈が付けられることが多い。
家庭は中流で国立大学を卒業し松芝電機を一代で世界的企業にした。よほどヒマなのか、よく八神の奇行に付き合い、八神や林田の影響で単なるごきげんなオッサン扱いされるまでに落ちぶれてしまった。自伝を作ろうとした時はあまりのエピソードの無さに八神達にも呆れられた。キャラクター紹介で「八神や林田を入社させたので、一番の元凶はコイツかもしれない」と言われる始末。
小説版では、「トイレの個室に潜んで、部下たちが自分の悪口を言った時に現れ、優しく許して器の大きいところを見せたい」という願望を叶えようとしたエピソードがある。
ドラマ版では温厚かつやや剽軽な人物であるものの、八神の行動理念をしっかり読んでいる一面もある。
前田 仁(まえだ じん)
八神と同じ商品開発部企画課の係長。左利き。昇進した八神の後任として営業部から異動してきた。かつては「仕事の鬼」と呼ばれていた優秀な人材で、異動ついでに上司の八神を蹴落そうと企む野心家であったが、八神の下に就いて奇行に振り回されるうちに彼に影響されてしまい、作中ではすっかり単なるツッコミ役となってしまった。八神の異動後は後任として商品開発部企画課の「課長補佐代理代行」の役職を務めるが、いつの間にか八神と行動を共にする機会が多くなる。さらには、「係長」と呼ばれ否定しない場面もある。
額が広く両親に顔がよく似ている。当初は大阪支社から転勤し一人暮らしであったが、いつの間にか両親と同居し始めた。一応常識人だが、たまに八神の行動に疑問を持たずに付き合う時がある。
そのキャラクターは「クロ高」の前田に引き継がれている。
ドラマ版では早々に八神に心酔し、忠実な部下となるほか、鍋奉行としての一面を見せる。
林田 一郎(はやしだ いちろう)
商品開発部の社員。元々は営業部で焼肉にうるさいキャラとしての登場だったが、いつの間にか八神の部下になった。
八神と同等か時に彼を更に超えるバカさぶりを見せ、主に八神の碌でもない思いつきを更に加速させる厄介な役割につく。登場人物紹介にて「八神と組んだ時のバカさ加減はハンセン&ブロディ組に匹敵する」と紹介された。彼の登場後八神はツッコミに回る機会が増えた。物語後半では話の混乱を引き起こすのは常に彼。
趣味はゴルフとジャズ。理由は「どちらもスウィングしているから」。
松芝電気に入社した理由は「電気製品が安く買えるから」。小説版において、社長は「彼を入社させた覚えがない、いつの間にかいたのだ」としている。
そのキャラクターは「クロ高」の林田に引き継がれており、「クロ高」版の「5分で描いたマンガ」にて一度だけ会社員版と高校生版が共演したことがある。モデルは講談社の編集者らしく、「クロ高」のヒットの影響で業界では他社の人間にも知られるようになったらしい。
ドラマ版では体育会系の主任として登場。
焼肉奉行ぶりは「焼肉番長」の異名を持つ男として再現されている。
上岡 宍太郎(かみおか ししたろう)
井上 武治(いのうえ たけはる)
村上 源次郎(むらかみ げんじろう)
販売促進部の部長。何故か八神とよくつるんで登場する。当初は井上のライバルで派閥拡大を狙う野心家だったが、その足掛かりによりにもよって八神に声をかけてしまった事からつるみ始めてしまう。井上と同様に回が進むに連れその設定は作者によって忘れられてしまったらしい。野球大会(八神がグラウンドを取り忘れて中止)では商品開発部を「ロクでもないものばかり作っている給料ドロボウの集団。売る側のこっちの立場を考えろ!」となじる一面も。後半ではただのロボット好きな人物に成り下がる。肩、心臓を患っている。
小説版では、雨の日に捨てられている子犬を拾うなど、実は優しい人であるという設定が加わった。また、その野心・優しさが、最終的に重要な役割を担うことになる。
ドラマ版では第一話から販売促進部担当常務に昇格しており、社内野球に関しては販売促進部エースとして、非常に強く思い入れを持っている。
三宅 剣蔵(みやけ けんぞう)
ボブ207(通称ボブ、ボビー)
高山さん(たかやま-)
第二企画課
第百章「抜擢」で新設された部署。年間20億円もの予算が当てられるらしいが、コーヒー代や歓迎会費などは毎月部費として直接徴収されている。前田のレギュラー復帰や林田の登場により存在自体が消えていった。
鶯谷由紀恵(うぐいすだに ゆきえ)
J・T・スペンサー
永井
東下電機
NCE電機
松芝電機のライバル企業の一つ。産業スパイが多く活動している。
産業スパイ
NCE電機の役員の依頼を受け松芝に派遣されたり社員として忍び混んだ男たち。
工作員13号
田中(仮名)
この他に「目立電機」、「ソミー電機」、「メショメル電機」などが存在する。
その他
三井沢彬光
マークランド
三浦敏
前田母
宇宙人
松芝製新商品カタログ
電卓ライト
ラジペン
WINTOWS95(うぃんとーす95)
洗濯バス「洗えん坊将軍」
マッサージガサ
自動米とぎ機「コメっとさん」
電磁波防御装置
タテ長ロングテレビ
新世代カーナビ
超小型LSIチップ
次世代型完全無音無振動洗濯機「駆動静か1号」
正義のサラリーマン
ゲーム2作目(タイトル不明)
21世紀饅頭
携帯型炊飯器「持てるんジャー」
一見素晴らしい商品に見えるが、炊いている最中は湯気が出てくるため、ターゲットであるサラリーマンが通勤に持ち歩くには向かないという欠点がある。また、単三電池を36本必要とする上に、炊ける前に電池が切れてしまう欠陥があったが(試作品での欠陥。完成品で改善されたかは不明)、こちらは手動発電で補うことが可能。この手動発電機能を利用すれば、災害時にも役立てることができる。
炊き上がったご飯は十分に美味しく、社長は絶賛するが、八神はオカズがないのを悔やんでいた。その後、CMの製作権をめぐってコンペも行われたがどうなったのかは不明。
なお、2010年7月に電池式ではないものの琳聡堂より同様のコンセプトで、ご飯が炊ける弁当箱「HOTデシュラン」が販売された。
カラオケ機能つき携帯電話
後にある携帯電話会社が実用化した時は「パクられた」と担当と作者が驚いたものの、漫画と同じく歌っている人の声しか聞こえないらしい。
ロボット(初期型)
新型掃除機
動物のカード
ホリー君一号
焼肉ロボ一号・二号
お悩み相談マシーン「ボブに聞け」
単行本
- ワイドKCモーニング 全7巻
- 1996年12月9日 ISBN 4-06-337317-7
- 1997年7月9日 ISBN 4-06-337334-7
- 1998年3月9日 ISBN 4-06-337356-8
- 1998年11月9日 ISBN 4-06-337379-7
- 1999年10月8日 ISBN 4-06-337416-5
- 2000年1月7日 ISBN 4-06-337425-4
- 2000年3月9日 ISBN 4-06-337433-5
- 週刊少年マガジンKC 課長バカ一代 子供用 全1巻
- KCDX 課長バカ一代 全3巻
- KCノベルス 小説課長バカ一代 THE NOVEL(著:ベンジャミン野口)
- KPC 課長バカ一代 天の巻・地の巻・人の巻
その他
- ワイドKC5巻の表紙は、単行本の担当者がくだらない理由で遅刻したことに激怒した作者が単行本カバーの原稿を渡さなかったため、連載の担当者が作品内の絵と背景写真を使用して製作されており、作者コメント欄で愚痴を交えて事情を説明した。
- 企画段階では前田は元々、別な世界観の設定で出てくる怪獣が変化したものらしい。
- 林田の髪型はモデルとなっている某編集者に伴って少年マガジン掲載時には変化している。
- パソコン静穏化キット「駆動静か」、運搬車「三輪駆動静香」という商品が実在する。
テレビドラマ
BS12 トゥエルビにて2020年1月12日から3月22日まで毎週日曜に放送された。それに先がけて1月4日よりひかりTV、dTVチャンネルで毎週土曜に配信された。スピンオフのタイトルは「外伝 係長 前田仁」。
主要キャスト
- 八神和彦:尾上松也
- 前田仁:木村了
- 小泉梨花子:永尾まりや
- 林田一郎:板橋駿谷
- 高橋浩祐:小村昌士
- 石野誠:山元駿
- 野々村さやか:辻本みず希
- ボブ(松芝一号焼肉ロボ AIR / ホリーくん / お悩み相談ロボ / おさがし女房)・声:山本夢
- 天使(松芝電機イメージキャラクター):若槻千夏
- 井上武治:武野功雄
- 村上源二郎:九代目坂東彦三郎
- 松平芝之助:市川左團次
- ナレーション / 謎の声 / ホリーくんの声 / 劇中CM:ホリ
- 立花八重子:紺野ぶるま
- 戸田光穂:キンタロー。
- 香坂瞳:春本由香
- 秋野潤一郎:少路勇介
- 坂本小太郎:三河悠冴
- 剣崎宗一:小林且弥
- 人事部長:水道橋博士(浅草キッド)
- 山下正:有野晋哉(よゐこ)
- ?:仁科貴、加藤衛、大辻賢吾、深月信之介、萩野肇、ひと:みちゃん、はぎの一、鎌田規昭、山崎紘昇、浜名健匠、丸山龍星、皆川健太郎、高山綾平、倉本秀美、原カントくん、外山将平、函波窓、カシューナッツ(ゆんぼだんぷ)、望月亮佑、長野こうへい、伊藤慶徳、菊田倫行、イアン・ムーア、一ノ瀬ワタル、松崎悠希、BOB、高阪勝之(男肉 du Soleil)、城之内コゴロー(男肉 du Soleil)、江坂一平(男肉 du Soleil)
主要スタッフ
- 脚本:村上大樹(#1・2・4・5・9・10)、近藤啓介(#3・6 - 8)、池浦さだ夢(男肉 du Soleil)(スピンオフ)
- 監督:守屋健太郎(#1・2・9・10)、近藤啓介(#3・6 - 8)、村上大樹(#4・5)、池浦さだ夢(男肉 du Soleil)(スピンオフ)
- 音楽:牧戸太郎
- 主題歌:THE イナズマ戦隊「リーダー論争」
- 主題歌プロデューサー:妻鹿勇人
- 撮影協力:松竹エンタテインメント、コンワビル、CAFÉ BunS
- 協力:松竹エンタテインメント、ジャパンコンテンツファクトリープロダクション、調布市、調布市文化・コミュニティ振興財団、調布市市民プラザ あくろす、daze、アシスト、シネマサウンドワークス、メディアハウスサウンドデザイン、トウタリング、Film Train、ヨーロッパ企画
- 企画プロデューサー:麻生英輔(TBSグロウディア)
- プロデューサー:佐橋範昭(BS12 トゥエルビ)、小林智浩(ネクスト)、坂井正徳(the ROOM)
- 製作:小林智(NTTぷらら)、小泉裕幸(TBSグロウディア)、森内譲(BS12 トゥエルビ)、大角正(松竹)
- エグゼクティブプロデューサー:佐藤久道(NTTぷらら)、高橋俊之(TBSグロウディア)、清水友明(BS12 トゥエルビ)、小松貴子(松竹)
- 制作:TBSグロウディア
- 制作プロダクション:ネクスト、the ROOM
- 製作・著作:「課長バカ一代」製作委員会
- 花野竜郎・平石京子(NTTぷらら)、梶本明宏(TBSグロウディア)、井上晴之助・瀬尾弘(BS12 トゥエルビ)、森口和則・斉藤泰彦(松竹)
- 主題歌プロデューサー:妻鹿勇人
- 花野竜郎・平石京子(NTTぷらら)、梶本明宏(TBSグロウディア)、井上晴之助・瀬尾弘(BS12 トゥエルビ)、森口和則・斉藤泰彦(松竹)
DVD
- DVD-BOX(2020年7月8日、松竹、DASH-0069)