警察庁から来た男
以下はWikipediaより引用
要約
『警察庁から来た男』(けいさつちょうからきたおとこ)は、佐々木譲による日本の警察小説。
「笑う警官」に続く、“道警シリーズ”の第2作である。
あらすじ
「前作」から8か月後以上経過している。道警本部生活安全部に、警察庁から特別監察が入る。キャリア監察官の藤川は、郡司事件以来、腐敗が一掃され浄化されたはずの道警に、第二・第三の郡司の影を感じているらしい。人身売買されたタイ人少女が、交番に助けを求めたにもかかわらず暴力団に引き渡された事件・風俗店から転落死した男性が早々に事故死扱いにされた事件・すすきのの一斉摘発で大した成果が上がらなかった件、藤川は、生活安全部に暴力団と癒着している者がいるのでは、と疑念を抱き、かつて郡司事件で“うたった”ことのある津久井に監察の協力を要請する。
同じ頃佐伯は、転落死した男性の父親が息子の事件の再捜査を求めて道警を訪れた後、ホテルで部屋荒らしに遭うが、何も被害がない、という奇妙な事件を担当することに。佐伯はこれを「再捜査をするな」という警告と受け取る。
「タイ人少女の売春組織」、かつて津久井と佐伯がタッグを組みおとり捜査をし、失敗した事件。今回の2つの事件は根幹であの事件と繋がっていると感じた佐伯は、事件の謎を追い始める。
登場人物
主要人物
佐伯 宏一(さえき こういち)
大通署刑事第一課盗犯係。階級は警部補。婦人警官殺しで不正規な捜査を行ったが、支持してくれる警官たちも多かったため、おおっぴらには処分されなかった。しかし本来なら係長の地位にあるにもかかわらず、新宮と共に「特別対応班」というチームのリーダーにさせられ、単純で小さな事件ばかりを担当させられるようになった。
キャリアに対しては妙な偏見を持っており、藤川の話を聞いた時は「嫌みなくそキャリア」と決めつけていた。その藤川に小島が「監察を受けた」と聞いた時は多いに怒っている。
ホテルでの部屋荒らし事件を担当したところ、被害に遭ったのが「萌えっ子クラブで事故死した男の父親」だと判明。父親は再捜査を求めて大通署を訪れ、その帰りに部屋に遭っていた。この部屋荒らしが「嗅ぎ回るな」という警告だと見た佐伯は、新宮と共に再捜査に踏み切る。
新宮 昌樹(しんぐう まさき)
津久井 卓(つくい すぐる)
道警警察学校総務係営繕担当。階級は巡査部長。昨年、百条委員会で道警の数々の不正を“うたった(証言した)”ため、警察学校に配属され、総務(ようは雑用)を担当させられてしまう。これまでのキャリアを全く生かせない報復人事をくらったものの、正しいことをしたという誇りと自尊心は失っていない。しかしそれも8か月もすると退屈に感じており、そんな時に藤川から道警の腐敗を洗い出すサポートを頼まれる。
基本的には敬語敬称で話し冷静さを失わない性格だが、今作では悪党に対して酷薄な態度を見せるという面が描かれた。
佐伯とは7年前、人身売買組織の摘発でコンビを組んだ間柄。今でも信頼関係は強く残り、佐伯のことは「優秀な捜査員」と述べている。
藤川 春也(ふじかわ はるや)
警察庁長官官房監察官室。30代半ば。階級は警視正。キャリア。時間にルーズな男が嫌い。
あえて嫌みな態度を取ることもあるが、本質的には正義感の強い人物である。露骨な持ち上げや接待は嫌っているが「自然に接待を受けるのもキャリアの資質」と割り切っている。
しかし、「下」の人間の心情を斟酌しないところがあり、「退職後の就職先なんて気にするほどか?」と無邪気に言って周囲を凍りつかせている。
「萌えっ子クラブの不審な転落事故死」「交番に保護を求めたタイ人少女が警察官によって暴力団に引き渡された」という問題を知り、道警の腐敗を感じ取り監察に訪れる。そこで道警の不正をうたった津久井の正義感を見込み、今回の観察の協力者に指名した。始めは津久井や小島から信用がなかったが、次第にどういう人物か理解されて行き信頼を深めていった。
クライマックスでは事件の結末を見届けるべく津久井と共に行動を起こし、その正義感をいかんなく発揮させた。それを見た佐伯からも「監察官グッジョブ!」と褒め称えられた。
種田 良雄(たねだ よしお)
警察関係者
鹿島 浩三(かしま こうぞう)
その他
ナンタワン・ヤーン
栗林 啓一(くりばやし けいいち)
栗林 正晴(くりばやし まさはる)
西原 拓馬(にしはら たくま)