豹マン
題材:怪獣,
以下はWikipediaより引用
要約
『豹マン』(ジャガーマンまたはひょうマン)は、ピー・プロダクションが企画した特撮キャラクター。読みの異なる2作品が存在する。
豹(ジャガー)マン
1967年8月にピー・プロダクションが製作した、特撮巨大ヒーロー番組のパイロットフィルム。約15分、カラー。
経緯
パイロットフィルムのスタッフ・キャストは『マグマ大使』から引き継いでいる。実物大の怪獣の頭や、渡辺善夫による作画合成とミニチュアセット、アニメーション合成を駆使した特撮などを見せ場に、フジテレビに持ち込まれた。これに並行してコミカライズ版が「冒険王」(秋田書店)誌上で連載された。しかし秋田書店とは別に掲載権を持っていた講談社から、「もっと野獣的なイメージが欲しい」と回答を受け、企画は再検討となる。
ストーリー
スタッフ
キャスト
キャラクターとしての豹(ジャガー)マン
マイクロバスから変形する水陸空万能マシン「オールマイティーカー」という超兵器を持っている。
マスクの造形は高山良策による。
仮面が金色なのは前年に公開された映画『黄金バット』の影響であった。
漫画
豹(ひょう)マン
『豹(ジャガー)マン』の後を受けて製作された、等身大ヒーローのパイロットフィルム作品。豹マンのアクション以外は、イラストでの紹介というもので、監督は小嶋伸介。約10分、カラー。
経緯
ストーリー
キャラクターとしての豹マン
こちらの豹マンも「オールマイティーカー」を持っているが、ミニチュアの形状は大幅に変わっている。
マスクは後年のタイガージョーやタイガーセブンに共通する、豹そのものの「ネコ科動物」タイプで、高山良策が造形。変身シーンは、実写の秋月光太郎の顔や手に毛を貼りつけるなどのメイクを施しながらのコマ撮りや、リアルなアニメ合成で徐々に豹の毛が描き加えられるという、怪奇映画の『狼男』のようなビジュアルとシチュエーションだった。
豹(ひょう)マンの漫画連載
後年の作品への影響
いずれの企画も実現には至らなかったが、その後のピー・プロ作品に大きな影響を与えている。
1971年の『宇宙猿人ゴリ(スペクトルマン)』は本作品の企画を継承しており、金色のマスク・等身大ヒーローと巨大ヒーローを兼ねた部分はスペクトルマンに、動物マスクのキャラクターはゴリにそれぞれ引き継がれている。「マンドー」と「グレートマグモン」が、「ゼロン」と「ミドロン」として登場している。さらに「ゼロン」は、後に身体を赤く塗りなおして改造され、同作にマグマザウルスとしても再登場している。
モチーフを豹からライオンへ、そして時代劇へと大幅な変更を経た『快傑ライオン丸』(1972年)としてテレビシリーズ化を果たし、ネコ科の猛獣をモチーフにしたヒーローの路線を築く。
『豹(ジャガー)マン』の敵、「マントルゴッド」の設定の一部は『風雲ライオン丸』(1973年)に流用されている。
1980年に外国との共同制作で再び猫科の猛獣をモチーフにしたヒーローが登場するSF作品の『シルバージャガー』が企画され、パイロットフィルムが製作された。
映像ソフト
1980年代に株式会社SHOWAから、『豹(ジャガー)マン』と『豹(ひょう)マン』の両方を収録したビデオソフト(9800円、品番:SOW9)が発売され、ピープロの通販などで販売された。
オープニングや本編のダイジェスト映像は、以下の映像ソフトに収録されている。
- 東映ビデオ「TVヒーロー主題歌全集9 ピープロ編」(VHS)
- ハミングバード「ピー・プロ テーマ&変身コレクション」(VHS・LD)
- 株式会社SHOWA「シルバージャガーの誕生」(VHS)
DVD版やBD版は未発売である。
エピソード
- 『豹(ジャガー)マン』で使用されたぬいぐるみ怪獣「マンドー」と人形アニメ用モデル「グレートマグモン」のうち、「マンドー」はアニメ作品『ちびっこ怪獣ヤダモン』(1968年)に怪獣「ゼロン」として実写合成で登場。
- 『豹(ジャガー)マン』に登場した渡辺善夫によるマントルゴッドの合成画は、『風雲ライオン丸』(1973年)に流用されている。
- 高山良策は3種類の豹マンを造形したが、1種類のマスクは映像未使用に終わっている。
参考文献
- 『スペクトルマンvsライオン丸 「うしおそうじとピープロの時代」』太田出版、1999年6月26日。ISBN 4-87233-466-3。
- 『別冊映画秘宝 『電人ザボーガー』&ピー・プロ特撮大図鑑』洋泉社〈洋泉社MOOK〉、2011年11月14日。ISBN 978-4-86248-805-3。
- 『別冊映画秘宝 特撮秘宝』vol.3、洋泉社、2016年3月13日、ISBN 978-4-8003-0865-8。