超機動暴発蹴球野郎 リベロの武田
以下はWikipediaより引用
要約
『超機動暴発蹴球野郎 リベロの武田』(ちょうきどうぼうはつサッカーやろう リベロのたけだ)は、にわのまことによるサッカー漫画。『週刊少年ジャンプ』(集英社)にて1991年13号から1992年50号の間連載された。単行本は全9巻。
主人公の武田弾丸が埼玉県の「あけぼの高校」サッカー部に入部して全国大会出場を目指す物語で、作中のギャグの多さと常軌を逸した必殺技が頻繁に登場することが特徴である。本項目では続編『超機動暴発蹴球野郎 リベロの武田 〜2002年世界飛翔編〜』についても記述する。
ストーリー
サッカー好きの武田弾丸は高校1年生の春、サッカー部のある高校を探し求め13回もの転校を繰り返した後、あけぼの高校のサッカー部へ入部する。弾丸はプレー経験の少ない素人ながらもボールへの執着心と運動量が認められて、最後尾のリベロ(ディフェンダー)のポジションを獲得する。あけぼの高校は麻宮道夫や豊臣三郎を擁する黄昏学園高校との練習試合に挑むと、弾丸の超絶プレーもあり善戦するが終了間際に弾丸がオーバーヘッドキックでオウンゴールを決めてしまい敗れる。この試合でリベロとしての自信を得た弾丸は、必殺シュート「バズーカ・チャンネル」を編み出す。
あけぼの高校はインターハイ予選に挑むと、白鳥浪美夫や水島大和を擁する土砂一高校や、由井兄弟を擁する風神高校を下して決勝進出を果たすが、今川雷丸や平賀源外を擁する雷電工業に敗れ代表校の座を逃す。インターハイ予選の快進撃も冷めやらぬ中、あけぼの高校の面々は高校選手権予選に向けて練習に励むが、突如としてムエタイ部の藤堂影虎とトラブルになる。弾丸と藤堂は互いの部の吸収合併をかけた異種格闘技戦で勝負を決することになり、「バズーカ・チャンネル」で藤堂からノックアウトを奪い部の存続を果たすと同時に、藤堂を新メンバーに加える。
そんな中、弾丸の父・武田機関銃がJリーグに参入する埼玉ガラパゴスFCの監督に就任することになり、人材発掘の一環として埼玉県下の高校選抜チームとの対戦が決まる。試合は弾丸をはじめ埼玉高校選抜の面々が超絶プレーを繰り出してプロ選手達を圧倒し5-0と大量リードを奪う。これを見かねた機関銃が試合に乱入し、弾丸と1対1のバトルを繰り広げるところで物語を終える。
登場人物
主要人物
武田 弾丸(たけだ たま)
本作の主人公、ポジションはリベロ。身長147cm。あけぼの高校1年生。背番号0。
幼少の頃からサッカー好きでありながら様々な事情が重なり、高校入学までプレー経験がなかったが、持ち前のボールへの執着心と数歩でトップスピードに至る瞬発力と運動量を見込まれてレギュラーとなった。目立ちたがりの性格であり、当初はフォワードを希望していたが、マネージャーである春日からリベロの真の意味をアドバイスされたことを契機にリベロを天職と考えるようになる。必殺技は「バズーカ・チャンネル」であり、「バズーカ・チャンネル・串刺しモード」や、「バズーカ・チャンネル・ブリットボール」などの派生技がある。目標とする選手は当時のイタリア代表DFでACミランのフランコ・バレージ。水墨画が得意。バームクーヘンが好物。
得意技はバズーカチャンネルの他に、両踵でリフトしながらドリブルをする「消えるドリブル」、ボールにバックスピンをかけて身体に上らせる「カタパルト・アタック」(ここに上杉がヘディングを決めたりする)、リオデジャネイロ・パラダイスのみなさんを呼んで踊る「コーヒー・サンバ」、藤堂影虎の必殺シュート「タイガーナパーム」に「バズーカ・チャンネル」をボレーで重ね撃つ合体技「アトミック・チャンネル」などがある。
武田 機関銃(たけだ きかんじゅう)
あけぼの高校
上杉 不破人(うえすぎ ふわと)
北条 時彦(ほうじょう ときひこ)
サッカー部のキャプテンで3年生。ポジションはミッドフィールダー。背番号10。
不真面目な部員の中で例外的に常識人であり、素人同然だった弾丸の潜在能力に注目して入部を認めると同時に彼をリベロに配置させ、(マネージャーの春日の手助けもあって)後に快進撃のきっかけを作る。
真面目だが少し抜けている所もあり、弾丸のギャグに巻き込まれたり被害に遭ったりする。商店街でのインターバル・トレーニングの際、道行くおばさんの間をフェイントをかけてすり抜けるという技を披露した時に「グリコ・ジャイアントコーン」をチョイスして奪えれば大したものだ、と言っていた(この当時、あけぼの高サッカー部は町の恥として悪い方で有名であり、商店街でその姿を見た者から石を投げられるほど嫌われていた)。
春日 翔子(かすが しょうこ)
球小路菊麻呂(たまのこうじ きくまろ)
あけぼの高校1年生FW。背番号は12。151cm、47kg。コメディリリーフ。平安貴族の末裔で蹴鞠が得意なことから、あけぼの高サッカー部に入部。古くから伝わる「蹴鞠道五球書」に書かれている必殺シュートを使う。必殺シュート「竜巻蹴足」を撃つと、涙・鼻汁・唾液が一気に出る「どりぃ症状」が後遺症で訪れる。
あけぼの高校サッカー部は弱いからすぐにレギュラーになれると聞いていたものの、バレーのスパイクでシュートをしたり、オフサイドの意味が分からなかったりなどサッカーのルールを知らなかったため入部からしばらくは翔子にルールを教えてもらった。
バズーカ・チャンネルと同じ「竜巻蹴足」の他にも「百足蹴足」や「袈裟懸け蹴足」「臨戦格闘蹴足」などの技を持つがあまり役に立ったことはない。
自分も「バズーカ・チャンネル」のようにかっこいい横文字が使いたいという理由で絶好のシュートチャンスに用いた名前は「NHK教育チャンネル」。白鳥にしっかりとキャッチされた。
作者によると後に京都に転校させ、全国大会のライバルにする構想があった。
藤堂 影虎(とうどう かげとら)
黄昏学園高校
麻宮 道夫(あさみや みちお)
私立黄昏学園1年生FW。背番号は10。弾丸のストーリー上のライバル的存在。ブーメランショットという必殺シュートを持つ。キザ男であり常にバラの造花を持参している。あけぼの高サッカー部マネージャー・翔子に惚れているが全く相手にされていない。黄昏学園サッカー部のアイドル的存在で練習試合でも女生徒の黄色い歓声が飛び交う。翔子に振られた際、「こいつでも振られることがあるのか」と周りに言われた。
豊臣三郎(とよ とみさぶろう)
春雨高校
石田堅吾(いしだ けんご)
春雨高校のFW。181cm、102kg。ボディビルダーのような体格。傲慢で自己中心的な性格で周囲を振り回すことが多い。春雨の布陣は石田のみ攻撃して残り10名全員で守備を行う「ワン・トップ」型であり、石田はあけぼのとの対戦でチームプレイに目覚めるも、超攻撃型のプレイスタイルで最後まで戦った。26の秘密があるらしい。
蹴るボールが石のように重く(チームのバスに乗り遅れた弾丸が春雨のバスに乗せて貰った時に、その代償として喰らっている)、特に「ストーンヘンジ」と名付けている必殺シュートは速度が遅い代わりに、並みのキーパーでは余りの圧力と重さでゴールに押し込まれてしまうほどの強烈な圧力が込められている。
しかし弾丸たちがキーパーの黒田を総力挙げて守ったことで形勢を逆転され、春雨高校は予選1回戦で涙を飲む羽目になる。敗退後、「覚えてろよ、このクソ武田ー!」と弾丸に雪辱を果たすこと(半ば復讐)を誓った。
土砂一高校
白鳥浪美夫(しらとり ろみお)
水島 大和(みずしま やまと)
風神高校
由井 寛太郎(ゆい かんたろう)
ヒゲと金髪アフロという風貌で、弾丸に「山賊」と呼ばれた。風神高校FWの”風使い”(ただし自分たちで任意に風を吹かせることはできない為、無風状態では風を操ることはできない)。双子の弟の紋次郎との合体技・「サイクロン・バリケード」が必殺技。サイクロンバリケードで武田のバズーカ・チャンネルと菊麻呂の竜巻蹴足をはじき返すが、武田が偶然放った、バズーカ・チャンネル田楽刺しモードで破られる。
「サイクロン・バリケード」の他に障害物を迂回するシュート「タイフーン・ランチャー」や「上昇風」「下降風」「砲撃突風」など様々な風を使う。
山奥で両親と4人暮らしをしていたが酷く貧しい生活だったため、サッカーで有名になり両親に恩返しをするという夢がある。
雷電工業高校
今川 雷丸(いまがわ いかづちまる)
雷電工業電気科2年C組。正GK。背番号は1。195cm、80kg。身長195cmの長身ではあるが、非常に高い身体能力を持っている(PK戦で相手がシュートした後に動いても余裕で止められるほど)。体質なのか両手が帯電しており(両手の指を合わせるとキャップの電圧計の針が反応する)、その体質を利用した「マグネットセービング」が必殺技。
よく他校の試合を視察し、各選手の癖などを把握している。
非常に短気な性格(本人曰く、「背も高ければプライドも高い」)。麻宮に「あまり調子に乗るな」と言われ激怒し、オーバーハンドで怪我をしている麻宮の足首にボールを投げつけた。なお、麻宮はその威力で転倒している。
バズーカ・チャンネルを止めた唯一のGK。県大会決勝において、あけぼの高校の全国大会進出を阻んだが、その試合での無理がたたって腕を骨折し、全国大会では2回戦で敗北。よく武田や豊に名前を「カナヅチ丸」と間違えられる。天龍源一郎のテーマ曲「サンダーストーム」を口ずさむ。態度も大きくプライドも高いが、年上の人間にはやや従順である。
平賀 源外(ひらが げんがい)
磁空 壊(じくう かい)
用語
埼玉県立あけぼの高等学校
守備の脆さが最大の弱点だったが、北条の発案により素人同然の弾丸をリベロにコンバートしたことや、弾丸の常識外れのプレーの数々もあってインターハイ予選では快進撃を見せたが、決勝となった対雷電工業戦で、今川雷丸の鉄壁の防御に阻まれて敗退する。
バズーカチャンネル
後遺症
私立黄昏学園
埼玉県立雷電工業高校
今川の特異体質を活かした技「マグネットセービング」によって、これまで一点も取られた事が無い鉄壁の防御を誇る。県大会決勝となった対あけぼの高校戦で「バズーカ・チャンネル」をも防ぎきって全国大会出場を決めたものの、今川が「バズーカ・チャンネル」を止めた際の無理がたたって腕を骨折してしまったために戦線離脱を余儀なくされ、全国大会2回戦で敗退している。
超機動暴発蹴球野郎 リベロの武田 〜2002年世界飛翔編〜
連載終了から10年後の2002年に、『MANGAオールマン』(集英社)No,9からNo,12まで短期連載された続編。全4話。アフリカのジャングルの奥地で生活していた武田弾丸がサッカー日本代表の切り札として代表に招集されることになり、グランドカップに挑むストーリー。作者のにわのは「ファンの方には喜んでいただいたが、ワールドカップ直前の企画モノという性質上、お祭り的な展開はやむを得ず、十分描き込むまでには至らなかった」と評している。
ストーリー
アフリカに渡ったまま行方知れずとなっていた弾丸がジャングルの奥地で見つかり、日本代表に招集されるため帰国する。監督のアラン・パティシエは弾丸を時代遅れのポジションとなっていたリベロではなく、フラット3の中央での起用を宣言し、そのテストとして上杉、麻宮、水島をはじめとした元・埼玉高校選抜と試合を行うことになる。試合は日本代表が元・埼玉選抜の上杉に先制点を許し、弾丸とDF陣との連携がかみ合わず崩壊寸前になるが、攻撃参加の封印を解いた弾丸が本来の攻撃力を爆発させ1-1のスコアで引き分ける。試合後、弾丸は全盛期をすでに過ぎ代表入りを逃した仲間たちからグランドカップでの活躍を託される。
グランドカップ直前の最終テストマッチで日本代表は世界最強と称されるフランス代表と対戦。弾丸はワールドクラスの選手達とのプレーを楽しみ、決勝ゴールを決める場面で物語を終える。
2002年世界飛翔編からの登場人物
アラン・パティシエ
佐伯 ジロー(さえき ジロー)
ジョロリーヌ・ヂョダン
書誌情報
- にわのまこと 『超機動暴発蹴球野郎 リベロの武田』集英社〈ジャンプコミックス〉、全9巻
- にわのまこと 『超機動暴発蹴球野郎 リベロの武田 2002年世界飛翔編 - にわのまこと短編集2』集英社〈SCオールマン〉、全1巻