逃げ上手の若君
以下はWikipediaより引用
要約
『逃げ上手の若君』(にげじょうずのわかぎみ)は、松井優征による日本の漫画作品。集英社の『週刊少年ジャンプ』にて2021年8号から連載中。2022年6月時点、電子版を含む累計発行部数は100万部を突破している。
概要
『暗殺教室』終了以来、約5年ぶりとなる松井の連載作品。鎌倉時代から室町時代にかけて、北条時行の生涯を描く歴史漫画である。足利尊氏によって鎌倉幕府が滅ぼされ、北条家の一族郎党が次々と死を選ぶ中、高氏の手から逃げ延び諏訪頼重らとともに再起を期す時行の物語が展開される。戦って死ぬことこそが武士の誉れとされた時代において、敵から逃げることで英雄となった時行の生涯を、史実をもとに描いている。
第1話は『週刊少年ジャンプ』の2021年8号に掲載されたが、その際に「駆け出す! 史上最も逃げ上手の英雄!!」「史実スペクタクル逃亡譚」などのキャッチコピーが掲載された。また「逃げ若」との略称も掲載された。連載開始時、北条時行や南北朝時代を題材としたことが反響を呼び、時行本人についても話題となった。第1話から第3話がボイスコミック化され、YouTubeにて公開された。
連載誌には、漫画本編の後にコラム風の読み物ページ『解説上手の若君』が掲載されており、南北朝時代の歴史や風習などが解説され、単行本にも再録される。
NHK『英雄たちの選択』2021年8月25日放送回で松井は、天皇家はデリケートな問題が絡むと言及しており、作中でも後醍醐天皇の正体を明かさないなど、配慮が見られた。その後方針が変わったのか第112話「インターミッション1336②」で素顔を見せている。 また、時代考証の本郷和人が足利直義を専門としていた佐藤進一を支持していることもあり、敵ながら分別のあるキャラクターとして登場させている。
本作から松井の作画がフルデジタル化した。鎧や武具の作画コストなどで松井は連載準備段階から第四話までの原稿料程度の私費を投じた。鎧の3DGCモデリングをはじめ筆書、着物柄、水墨画、単行本装丁などを外注しており、単行本全巻の巻末にはスペシャルサンクスとして制作スタッフの名前が挙げられている。
2022年、「全国書店員が選んだおすすめコミック2022」にて第8位にランクイン。2024年、第69回小学館漫画賞を受賞。
あらすじ
時は1333年、鎌倉幕府の後継者である少年・北条時行は、武士としての取り柄を持っておらず、武芸の稽古からも逃げ続ける日々を送っていた。しかし、後醍醐天皇と内通した御家人・足利高氏(後の尊氏)の突然の謀反により、鎌倉幕府は滅亡する。故郷も家族も全て失い、一人生き残った時行は信濃国の神官・諏訪頼重に保護される。頼重は未来が見えると言い、時行が「2年後に天を揺るがす英雄となる」と予言する。時行は誰よりも逃げ隠れ、生き延びる才能に秀でていた。潔く死ぬことが名誉とされた時代において、自らに降りかかる過酷な運命を「逃げ」で切り開いていく英雄譚の始まりである。
頼重の根拠地である信濃国諏訪へ落ち延びた時行は、頼重の指導の下、同年代の郎党「逃若党」と共に仇敵・尊氏を打倒し天下を取り戻すべく力を蓄えていく。諏訪大社の稚児・“長寿丸”として素性を偽る時行だが、彼の前に北条残党を捜索する信濃守護・小笠原貞宗が立ちはだかる。当代随一の腕前である貞宗の弓術に惹かれた時行は、正体を隠しつつ技術を盗むことを試みる。犬追物の場で時行と貞宗の弓矢対決が実現し、時行は窮地に陥るも、逃げながらの後方射撃を編み出したことで逆転勝利を収める。しかし、貞宗は一向に北条狩りを諦めず、帝の綸旨を盾に諏訪領の没収を宣言。時行は変装が得意な盗人・風間玄蕃と共に貞宗の館に忍び込み、市河助房の追跡を掻い潜りつつ綸旨を盗み出して企みを阻止する。
1334年初冬、諏訪領北の国境にある集落へ偵察に出向いた時行達は、二刀使いの軍師・吹雪に出会う。逃若党は村を侵略する悪党集団「征蟻党」と交戦、時行は吹雪から伝授された奥義「鬼心仏刀」で敵の首領・瘴奸を打ち破り村の防衛に成功する。同じ頃、時行は頼重が一時的に失った神力を取り戻す過程で、頼重の娘である逃若党の執事・雫の持つ神秘的な力を体験する。
同年春、国司・清原信濃守の圧政に耐えかねた北信濃の保科弥三郎が反乱の兵を挙げる。被害を抑える命を受けた時行達は戦場に赴き、死を覚悟する武士達を説得。逃若党の副将・弧次郎の奮戦もあり、国司軍から保科とその郎党を逃がすことに成功した。その後、貞宗に正体を怪しまれた時行は守護館に呼び出され、一対一の舌戦に臨む。執拗な追及から時行を助けたのは、逃若党の便女・亜也子の芸才だった。一方、鎌倉では尊氏の弟・足利直義率いる関東庇番が街の復興を進め、新たな統治者として君臨していた。
1335年3月、帝の綸旨を受けた国司・守護連合軍と親北条派の抵抗勢力が北信濃で激突する動乱が発生。天下を取り戻す前哨戦として始まったこの戦に、時行は複数の戦場を駆け回る伝令役として参加。諏訪神党三大将をはじめとする味方勢力と交流を深める。瘴奸の奇襲により四宮左衛門太郎の軍に損害を許すも、諏訪神党の結束は確固たるものとなった。
いよいよ時行の決起が迫る中、神職を引き継いだ頼重の孫・諏訪頼継は、祖父に関心を向けられる時行に嫉妬するが、互いの本音をぶつけ合ったことでわだかまりは解ける。同年6月、諏訪に時行の叔父・北条泰家が現れる。泰家は大乱の実行に向けて頼重と協議を進めるが、足利方の忍集団「天狗衆」が諏訪を監視していた。天狗衆の追及を躱すため、時行は泰家と共に密かに京の都へ向かう。
時行たちは京の都でひょんなことから佐々木道誉の娘・魅摩と友人になり、楠木正成から逃げの極意を学び得る。そして尊氏を暗殺しようとするが失敗。同じく西園寺公宗と泰家が共謀した後醍醐天皇の暗殺計画も失敗し、からくも信濃へ帰還する。だが期せずして京を混乱させることに成功し、これを好機とみた頼重・時行はついに挙兵。1335年7月、中先代の乱と呼ばれる大戦が始まる。
登場人物
担当声優は特記がない限りテレビアニメ版での配役。
主人公
北条時行(ほうじょう ときゆき)
声 - 結川あさき / 大塚琴美(ボイスコミック版)
本作の主人公。1333年時点で8歳。
北条氏の惣領である得宗北条家の御曹司。鎌倉幕府の執権を務めた北条高時の次男・正室子として生まれた。ゆくゆくは彼が家督を継ぐと目されていたが、尊氏の裏切りによって家と親族郎党を滅ぼされる。鎌倉幕府滅亡後は頼重の下に身を寄せ、武芸や学問の手解きを受けつつ、打倒足利家と北条家再興をはかる。諏訪大社で暮らすようになってからは素性を隠し、「小泉長寿丸」(こいずみ ちょうじゅまる)の仮名を名乗っている。
弓取りが比較的マシな以外は非力かつ武芸全般を苦手とする一方、追手や追撃から逃げたり隠れたりする事に関しては非凡な才能を持つ。しかもただ恐れて逃げるだけでなく、逃げる事そのものに興奮や奮起を感じる変わった性格。しかしどれだけ逃げに徹していても、心に決めた信念からは決して目をそらさない。逃げ上手なことを除けば、素直で心優しく仲間想いな、どこにでもいる平凡な少年。
物語冒頭と回想シーン内では、得宗北条家の御曹司らしく「三つ鱗の家紋」がいくつも描かれた着物に身を包んでいたが、倒幕勢力の目を盗んで鎌倉から諏訪まで逃亡を図る途中で追っ手の目を誤魔化すために頼重の発案で神社に仕える子供らしい装いをして以降は、必要に応じて様々な装いをしている。
逃若党
読み方は「ちょうじゃとう」。時行の郎党で、彼と同世代の若者で構成される。時行の逃げを戦略にする党であることから命名された。
雫(しずく)
声 - 矢野妃菜喜 / 高木遥香(ボイスコミック版)
諏訪頼重の娘。巫女のような装束を着用する。秘術や事務に優れた才能を発揮し、頼重を手伝う。少々毒舌家で、見るからに胡散臭い父のフォローを全然しないためその都度父の頼重に文句を言われている。頼重としては、ゆくゆくは雫を時行の執事にして、家政を取り仕切らせようと考えている。神事で信濃各地を回っていたため様々な情報に精通しており、諸将に顔が利くため、根回しや献策を得意とする。また、頼重ほどではないものの勘が鋭く、未来を予知しているかのように危険な状況から距離を置いたりすることが出来る。
年齢に見合わず聡明だが、どこか浮き世離れした雰囲気の持ち主。時行とは同い年の主従関係となるが、彼に1人の女性として思いを寄せていることが、頼重から「時行の正体がバレないよう、部外者の前では別の名前を」と言われた際、顔を赤らめて「兄様」という彼女なりの呼び名を発案していることから伺える。
弧次郎(こじろう)
声 - 日野まり / 佐藤恵(ボイスコミック版)
時行の郎党候補として頼重が抜擢した少年で、諏訪神党に連なる祢津一族の出身。時行と同年齢だが、この世代としては随一の太刀の使い手と称される。頼重としては、ゆくゆくは弧次郎を武将にし、軍を率いさせようと考えている。
時行のことを「若」と呼び、「○○っス」といったざっくばらんとした口調で話す。ノリが軽く負けん気が強い性格で、時行とは友人のような関係を築く。攻撃が苦手な時行に代わって敵を攻め立てるのが主な役回りで、逃げることに楽しみを見出す時行と同様に、強敵との殺し合いに興奮を覚える。戦場を駆け回って味方の世話を焼く献身的な戦いぶりから、逃若党の副将として厚い信頼を寄せられている。
その出自は、祢津家当主・頼直の妹が北条に近い御内人に乱暴されて産まれた子供。妊娠させた男は認知せず、母親は弧次郎を産んだ際に命を落としたため、一族内では厄介な出自の孤児として扱われている。頼直の嫡男・祢津小次郎と同じ名を与えられ、影武者として働いている。
亜也子(あやこ)
声 - 鈴代紗弓 / 綾瀬みゆう(ボイスコミック版)
時行の郎党候補として頼重が抜擢した少女で、望月重信の庶子(側室の子)。時行とは同年齢だが大人と見紛う程に背が高く、人並外れた怪力の持ち主で、力任せで豪快な戦いを得意とする。また、踊りや楽器などの芸才にも恵まれており、その才を目にした時行からは「平和な世なら皆の憧れになれる才女」と評されている。頼重としては、ゆくゆくは亜也子を便女(下女)とし、時行と陣中を共にさせようと考えている。
天真爛漫で明るい性格。木曽義仲に仕えた女武将・巴御前に憧れを抱いており、時行を側で護ることを誇りとしている。また時行に思いを寄せており、彼の子を産むことを目標としている。
風間玄蕃(かざま げんば)
声 - 悠木碧
信濃の桔梗ヶ原に悪名を轟かす盗人。敵を欺く変装や工作に長けており、その能力を買った頼重から時行に一党加入を勧められた。特殊な粘土で作った狐面を常に被っており、仮面を練ることで人相を別人に変化させる技術を持つ。守銭奴で、女性に目がない俗物。
元は諏訪氏の支流である風間一族の生まれだが、父は忠誠を尽くした主君のために身につけた技を卑劣だと非難された上に盗みの嫌疑をかけられ没落の憂き目に遭う。玄蕃は父から技と名前、そして「金以外信じるな」という信条を継いだ。そうした境遇から当初は時行のことも信じようとせず精神的な揺さぶりをかけるが、時行の一途さや自分を庇って時行に怪我をさせてしまったことへの負い目から出世払いで国を一つ貰うことを条件に、逃若党と契約する。
吹雪(ふぶき)
声 - 戸谷菊之介
長髪で片目を隠した青年。武芸に秀でた二刀使いであると同時に優秀な軍略家であり、人の才能を見抜き教えることに長ける。冷静な策士だが、情に厚く幼子の頼みは断れない。また非常に健啖家で、空腹になると力が抜けて戦場でも戦えなくなる。
かねてより自身の才能を活かすことのできる主君を探して各地を放浪しており、瘴奸一派に襲撃された諏訪領北国境の集落で孤児達を指揮して村を守っていたところ、偵察に来た逃若党と出会う。共闘の後に長寿丸の正体を打ち明けられ、時行に夢見て逃若党に加入する。
その素性は高一族の庶流にあたる彦部氏の子。足利学校で文武を身につけ、遠目に見た程度だが尊氏の顔も知っている。当時は出世に執着する父親から虐待に近い鍛錬を強いられていたが、過酷な生活に耐えられず父を殺して家を出た過去を持つ。
京で時行に尊氏暗殺を献策し、決行するも失敗に終わる。この際に尊氏の神力を浴び動揺を見せた。中先代の乱・相模川の戦いで尊氏に敗北するとそのまま投降、師直の猶子となって高師冬と名を改める。
その後の活躍は#尊氏郎党の高師冬の項を参照。
北条家
北条高時(ほうじょう たかとき)
北条邦時(ほうじょう くにとき)
北条泰家(ほうじょう やすいえ)
名越高家(なごえ たかいえ)
名越高邦(なごえ たかくに)
清子(きよこ)
三浦八郎(みうら はちろう)
諏訪家
時行に協力する親北条派の勢力。諏訪明神の信仰の下に固く結束する「諏訪神党」という武士団を有する。
諏訪一族
諏訪頼重(すわ よりしげ)
声 - 中村悠一 / 鈴木将之(ボイスコミック版)
信濃国諏訪郡の神官。諏訪家は建御名方神の末裔と伝えられており、建御名方神を祀る諏訪大社の大祝を代々務めていることから、御神体として扱われる。そのため、彼も神性を帯びており、不完全ながらも未来を見通す能力を持ち、天候をも自在に操る。一方で、諏訪家は諏訪郡を治める領主でもあり、得宗北条家の御内人でもあった。頼重は京の天皇や出雲大社の出雲家と並ぶ現人神として敬われており、その信仰心を背景にした武士団である諏訪神党を従える。
見た目は孫がいるとは思えないほど若く、線の細い優男だが、感情が昂ると後頭部から後光を放ちながら胡散臭い笑みを浮かべ、頻繁に奇行に走る。そのため、初対面の時行からは「インチキ霊媒師」呼ばわりされ、諏訪の領民からも「バカ明神」と呼ばれるなど半ば呆れられている。未来が見えるということで作中では遥か未来に当たる21世紀の現代の文化を見て中途半端に引っ張ってきて時行達から訝しがられたり、メタ的な発言をつぶやく一面も持つ。
祈祷のため鎌倉を訪れた際に時行と出会い、「時行は2年後の10歳の時に天を揺るがす英雄となる」と予言した。鎌倉幕府滅亡に際しては高時から依頼され、時行を諏訪に匿う。時行の天下奪還のため、彼に武力や知力をはじめとする勝つためのすべてを教え込み、武士としての成長を促す。時行からは第二の父のように思われるようなり、天下を取り戻したら時行の元服で髪を切るという約束を結んだ。
戦では、現人神としての信仰を力に変え、味方の士気と戦闘力を向上させることができる。また不定期に未来視の力が完全に消える期間があり弱点となりうる。
諏訪時継(すわ ときつぐ)
諏訪神党
海野幸康(うんの ゆきやす)
保科弥三郎(ほしな やさぶろう)
四宮左衛門太郎(しのみや さえもんたろう)
その他
牡丹(ぼたん)
雫曰く、隣国で噂になっていた「山に出没する、人を食べる巨大な牛鬼」で、その通りの並外れた体躯と4本の牙と6つの突起のある顔をした、南北朝鬼ごっこ「牛鬼」。狩猟に出かけた時行一行が突然遭遇したことで、まだ「逃若党」と名乗る前の一行にとっての命がけの戦いの相手となる。
弧次郎と亜也子が射た矢が刺さってもまともな傷にはならなかったが、雫の発案した地の利と時行・弧次郎・亜也子それぞれの能力を活用した策によって、黒曜石の岩塊を削って作った「神様の刃」へと転落して果てた。
なお、雫の見立てでは太古の獣の生き残りにして子孫を残せる家族のいない孤独な身であり、もし孤独でなかったならば人を食らうような魔道には堕ちなかったとのこと。その後、解体されて一行の腹を満たすはずが、その未来を既に見ていた頼重によって完全なる盗み食いよろしく完食された。
足利家
尊氏郎党
足利尊氏(あしかが たかうじ)
声 - 野澤英義(ボイスコミック版)
北条時行の最大の敵。南北朝時代の「絶対的主人公」とまで呼ばれる傑物。
もとは鎌倉幕府の御家人・足利高氏。文武に優れ人々の尊敬を集めており、英雄視されている。武人らしからぬ涼やかで端正な顔立ちをしており、謙虚な態度とにこやかな笑顔でどんな人間の心も掴んでしまう圧倒的なカリスマ性を持つ。時行にも対しても優しく接し、彼からも尊敬されていた。鬼を宿し、また神力を秘めている。理屈を超えた天性の勘に基づいて行動する。
第1話冒頭にて、後醍醐天皇ら討幕派を鎮圧するために京に向かったが、実は後醍醐天皇と内通しており、裏切ってまたたく間に鎌倉幕府を滅ぼした。倒幕後、後醍醐天皇から偏諱を与えられて改名。帝に忠誠を尽くすと語り京の公家たちを虜にすると同時に、自身の郎党らを朝廷に送り込む。一方で、眼の中に複数の瞳が存在するなど、人間離れした表現演出がなされている。武士や貴族をすべて味方につけ、盤石の体制を築き上げている。
頼重・護良親王の両巨頭を以てしても尊氏の暗殺は不可能である。京では時行たちに暗殺されかけるも躱し、楠木正成の介入によりうやむやとなる。尊氏は時行の顔すら覚えておらず、無自覚に時行の尊厳を踏みにじり、さらに鎌倉幕府を滅ぼした理由を問い詰められると笑顔で自分でもわからないと回答した。信濃の乱の首謀者「北条時行」の人相書きを見てようやく例の子供を敵と認識するに至り、弟からの援軍要請に応じて鎌倉に向かい、弟には護良親王の弑逆を命じる。
「現在の研究においても足利尊氏という男は史上最も『わけのわからない』天下人という評価をされている」と作中で紹介され、松井も2023年19号の巻末コメントで「最も格好良く最も気持ち悪く最も実像に近い足利尊氏像を目指している」と語っている。
足利直義(あしかが ただよし)
尊氏の弟。勘で動く兄とは対照的に理に基づいて動く人物。兄との仲は良いが、馴れ馴れしい兄に対して礼節を以て接している。兄に宿る人ならざる者の存在を察し不安視する。
兄の命で赴任した鎌倉では鎌倉将軍府執権として治安維持や復興に尽力し、民衆の人気を掴んでいる。クセモノ揃いの関東庇番を理を以て統率する。政治家としては極めて能力が高いが、唯一にして最大の欠点は「戦に弱い」ことであり、戦場の機微を掴むことができない。
中先代の乱では、南北朝鬼ごっこ「金鬼」として、時行に交渉と舌戦を仕掛ける。高僧のような圧の言葉で時行をねじ伏せかけるが、足利が帝に謀叛を起こす企てを指摘され、交渉は決裂する。戦では三浦時明を理で御そうとするが、それゆえ感情を揺さぶることができずに離反を招くこととなる。最終的に敗北し鎌倉から追い出される。
関東庇番
荒廃した鎌倉に赴任した直義が結成した、街の復興と治安維持を進める組織。足利一門の未来を担う優秀な若者達で構成される。
渋川義季(しぶかわ よしすえ)
一番組筆頭。長髪をオールバックにした青年。得物は身の丈以上もある大太刀「千里薙」。
姉は直義に嫁ぎ、娘の幸子は後に尊氏の子に嫁ぐなど、足利家とは親密な関係にある。それゆえ直義からの信頼は厚く、また足利家への忠誠心は人一倍強い。生真面目で実直な性格で、「武士たるもの忠義を尽くして正々堂々」という美学を何より重んじる。その一方で融通が利かない面もあり、敵が己の理想の武士像と違えば怒り狂って戦闘力が向上する、南北朝鬼ごっこ「阿修羅鬼」。
生来の性格は強固な正義心と優しさを持った好青年で、討幕の戦では妻の実家に連なる北条家に刃を向けることを拒否していた。しかし、その武勇を惜しんだ直義から一門内での厚遇を約束されたことで逃げ道を塞がれ、足利への恩のために正義を使うようになった。
渋川・岩松・石塔で庇番最強の布陣と称される。中先代の乱では第一陣総大将として武蔵国久米川に布陣し、北条軍を迎撃する。その後、退却する北条軍を追って女影原に進軍。海野との戦いを制して全軍殲滅の命を下すが、乱戦の隙を突いて接近してきた時行と弧次郎との、二対一での戦いとなる。時行の挑発と策で疲労しかけたところに、弧次郎との一騎打ちに持ち込まれ、激しい攻防の末に敗北する。弧次郎の武勇を賞賛し、時行に「正義を貫く苦痛」を忠告して息絶えた。
岩松経家(いわまつ つねいえ)
上杉憲顕(うえすぎ のりあき)
三浦時明(みうら ときあき)
石塔範家(いしどう のりいえ)
足利方の諸将
佐々木道誉(ささき どうよ)
魅摩(みま)
道誉の娘。父譲りの婆娑羅で、露出の多い着物とツインテールの髪が特徴の少女。京の賭場を仕切っており、神力をその身に宿すため賭け事では無敗の実力を誇る。身内には情が深い反面、残忍で苛烈な性格で、誇り高く純朴な存在を汚すのが趣味。
正体を隠して京を訪れた時行達と賭場で揉めるも、その中で時行を気に入り、父への仕官まで提案している。だが中先代の乱で時行が敵であると知ると、涙を流して怒りを露わにする。
なお、当時としては珍しい名前だが史実においては道誉の身内に「ミま」なる人物が確認できるのみで、このような字であったかは定かではない。また、道誉の孫の「六郎左衛門」もしくは妻の「北」であるとの説が主流であり、娘とする解釈は珍しい。
ただし、最晩年の書状に甲良荘尼子郷を「ミま」へ譲ると記してあることから道誉から「ミま」への愛情が深かったことは類推されており、これを反映してか親子仲は良好に描写されている。
長尾景忠(ながお かげただ)
今川頼国(いまがわ よりくに)
その他の討幕陣営
鎌倉
五大院宗繁(ごだいいん むねしげ)
声 - 金城慶(ボイスコミック版)
得宗北条家の御内人。宗繁の妹である常葉前は、高時の側室となり、のちに邦時を産んでいる。そのため、邦時は彼の甥にあたる。北条家の姻族となることで出世を果たした。後醍醐先帝派により鎌倉が制圧された際、高時から邦時を託されたが、懸賞金欲しさに北条家を裏切って邦時を後醍醐先帝派に引き渡す。しかし、あまりにも非道な所業であったため、呆れた新田義貞方から追い出される。太刀で大木を叩き切るほどの腕を持つ他、自らの長所は状況に素早く適応できるものと自負している。
人生を双六にたとえて考えている、南北朝鬼ごっこ「賽の鬼」。さらなる手柄のために時行を狙い、交戦となる。弧次郎・亜也子よりもはるかに強くかったものの、3人の連携で隙を作られ、時行により首を刎ねられる。
信濃国
小笠原貞宗(おがさわら さだむね)
尊氏の推薦により、後醍醐帝より信濃守護に任命された武士。眼窩から眼球が飛び出た、凄みのある顔立ちをしている。尊氏に乗じ支配領域の拡大を狙っている野心家で、驚異の観察力と視力を併せ持つ切れ者。視力を活かした弓の腕前は天下随一で、帝からも絶賛を受けた熟練の武芸者。
南北朝鬼ごっこ「千里眼鬼」。南北朝鬼ごっこにはもう一つの武士モードがある。
もとは諏訪家より格下の地方領主にすぎなかったがいち早く幕府を裏切って守護に任命されたことで諏訪家に命令できる立場へと力関係が逆転した。尊氏から信濃の北条残党狩りを任されており、姑息かつ強引な手段で時行を捜し出そうとするため、諏訪家からは反感を持たれている。一方で礼法に精通しており、「奪う命にも敬意を払え」という理念を抱く。
1333年、長寿丸(時行)と犬追物で勝負して以来、幾度にも渡り戦うこととなる。頼重は時行に貞宗の弓術を観察するよう助言しており、時行は正体を隠しつつ逃げながら技を盗むことを試みる。中先代の乱にて、「北条時行」の名乗りを聞き、単騎で仕留めにかかるも失敗に終わる。そのまま時行の出信濃を見届けた。
市河助房(いちかわ すけふさ)
瘴奸(しょうかん)
悪党集団「征蟻党」(せいぎとう)の首領である入道姿の男。流れ者の賊から小笠原貞宗傘下の地頭となる。
奪うことを生きがいとし、親を殺して子供を売ることに悦びを見出す外道。仏は存在しないと言い放つ。大鎧と二刀の武芸に長ける。野盗らしい悪辣さの一方で兵法にも通じる知将。
南北朝鬼ごっこ「鍼口鬼」。南北朝鬼ごっこにはもう一つの本名武士モードがある。
元は武家の生まれだが、嫡子相続の方針により自分が継ぐ領地がなく兄の召使いになることに納得がいかず、家を出奔。居場所を求めて悪党に身を落とす。名を挙げるため大戦に参加するも敗戦し、楠木正成から逃げを勧められ信濃に流れ着いた。正体は史実では処刑された平野将監(ひらの しょうげん)。楠木に名前を「しょうかん」と読み間違えられたことから、今の偽名を名乗っている。
諏訪領を狙う貞宗の依頼で国境の集落を荒らし回っていたところ、吹雪を軍師に迎えた逃若党と激突する。時行の策で閉所に誘い込まれて「鬼心仏刀」を決められ、意識が朦朧とする中、笑顔で逃げ続ける時行に「仏」の姿を見出しつつ失血で倒れる。貞宗に救出され一命を取り留め、賊から足を洗うことを条件に所領を与えられる。
改心後は領民思いの地頭として村人から慕われる姿を見せたが、内心では過去の悪行を悔いていた。中先代の乱では諏訪軍を背後の山中から奇襲しようとするが、進軍路を時行に読み切られ、奇策「火焔御柱の計」に嵌められ味方と分断される。時行・吹雪と対峙すると、本名を名乗り堂々と決戦に臨み、激戦の末に2人の秘策である「二牙白刀」を喰らい敗れる。絶命の間際、時行の武士としての成長に満足しつつも、領民の少女と「生きて帰る」と約束したことを思い出し未練を抱いて逝く。
赤沢新三郎(あかざわ しんざぶろう)
清原信濃守(きよはら しなののかみ)
後醍醐天皇より新たに信濃国司に任ぜられた反北条派の公家。後醍醐天皇の忠臣。貞宗の上役。保科とは因縁がある。
自身の統治する信濃を「麻呂世界」と呼び、慣例を無視して領民に重税を課したり逆らう者を惨殺するなど、帝の威光を盾に理不尽な独裁を敷く。一方で、この世を変えようとする気概は本物であり、低い家格にもかかわらず国司に抜擢された経歴を持つ。貞宗ら武士連中からは無能な味方扱いされるが、武士の戦の常識を知らないため独創的な発想力を持ち、新しい兵器や建造物を発明する才に秀でる、南北朝鬼ごっこ「火車鬼」。
1334年春、自身の悪政に激怒した保科弥三郎が蜂起すると追撃を命じるが、失策を重ねたことにより保科を取り逃がし、さらに吹雪に殺されかけたことで戦意を喪失する。京の帝に激励され、翌1335年3月には北信濃の抵抗勢力討伐のため自ら出陣し新兵器「戦闘神輿」に乗り戦場に混乱をもたらすものの、結局突破され逃げ帰る。帝から見放されるが、今度は尊氏の神力を注入され鬼に堕ちる。
中先代の乱では諏訪本軍を巨大な「戦車」と、弩を配備した私兵で迎え撃つ。自らは戦車の砲塔部に搭乗し、火車となった。兵装の欠点は領内から攫った奴隷を酷使することで克服しており、頼重や雫は清原の知略に感服すると同時に鬼に堕ちた彼を哀れんだ。頼重・時行による神力攻略の策が試みられ、策は成功し清原は保科に首を刎ねられる。
和田米丸(わだ よねまる)
朝廷・公家
後醍醐天皇(ごだいごてんのう)
足利高氏(尊氏)の協力を得て討幕を果たした天皇。御簾で顔は見えず眼光と下半身部分だけの登場。
劇中では彼が何か発言をすると、配下の公卿が「帝が○○と仰せだ!」と叫ぶのが定番となっている。
鎌倉幕府に代わって天皇と公家が再び天下を治めることを願っており、高氏の功を称賛する。比類なき覇気とカリスマを備えた人物だが、能力が高すぎる故に凡人や弱者に対して配慮が及ばない欠点を持つ。鳴り物入りで開始した建武の新政は身内贔屓や現実に即さない政策から多くの武士達の不満を集め、一年と保たずに綻び始める。
中先代の乱が起こると、野心を持つ尊氏に釘を刺した上で時行征伐を命じる。だが尊氏に離反され、北朝の立ち上げによって王の座を追い落とされるが、吉野に逃亡し南朝を立ち上げる。
護良親王(もりよししんのう)
西園寺公宗(さいおんじ きんむね)
千種忠顕(ちぐさ ただあき)
坊門清忠(ぼうもん きよただ)
その他の武将
新田義貞(にった よしさだ)
楠木正成(くすのき まさしげ)
後醍醐天皇の重臣。「三木一草」の1人。
小勢ながら巧みな軍略で鎌倉幕府の大軍を翻弄し、後醍醐天皇の天下取りの原動力となった「日本開闢以来の名将」「軍神」と評される武将。その本質は時行と同じ無類の逃げ上手であり、「逃げる事は生きる事」という信念を持つ。
平時は過剰なまでに腰が低く、常に変顔をしながらヘコヘコと頭を下げ続けている挙動不審な人物。しかし、その実は様々な角度から相手を見ることによって相手の情報を立体的に把握し、いつでも逃げられるようにするための予備動作である。
素性を隠しながら京に潜入した時行と偶然に出会い、逃げ上手という共通点に惹かれた彼から教えを乞われる。時行の正体を怪しみつつもあえて詮索はせず、自邸に招いて「弱者が強者に勝つ秘訣」を伝授した。時行らの尊氏暗殺に居合せ、失敗して撤退する彼らを助けた。このため高師直らからは襲撃の主犯と疑われ危険視されることとなる。
1336年には自身の献策を後醍醐天皇に却下され尊氏討伐の為出陣。湊川の戦いでは様々な策を弄して尊氏と一対一の状況下を作りひた隠しにしていた武勇を発揮して圧倒するも、最後は尊氏の渾身の一刀を受け致命傷を負い戦死。死の間際で尊氏の人となりを見抜いた上で、自身の死を心から嘆き惜しむ姿を見せる尊氏と打ち解けながらも穏やかな最期を遂げた。
市井の人々
粃(シイナ)
五郎正宗(ごろう まさむね)
用語・設定
南北朝鬼ごっこ
神力(しんりき)
人の目が届かない領域にのみ存在できる力であり、文明の発達に伴い人の力が強まるほど、相対的に弱まっていく。南北朝時代は人と不思議が共存した最後の時代とされる。
本来は神力の弱体化に比例して神力が日本全土に分散する形で国内の人間に供給される筈だが、現在は足利尊氏1人に本来日本中に行き渡るべき神力が一極集中している状態となっており、頼重によれば仮に尊氏が天下を取った場合日本における人類の発展は停滞してしまうと危惧されている。
系図
登場人物に関連する北条氏の系図
源頼朝 | 五大院宗繁 | ||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
北条政子 | 常葉前 | ||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
北条邦時 | |||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
(政子の弟) | (高時の五世の祖) | (高時の高祖父) | 北条時頼 | 北条時宗 | 北条貞時 | 北条高時 | |||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
北条時行 | |||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
(高時の正室) | |||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
北条泰家 | |||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
(高家の高祖父) | (高家の曾祖父) | (高家の祖父) | (高家の父) | 名越高家 | |||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
(守時の高祖父) | (守時の曾祖父) | (守時の祖父) | (守時の父) | 北条守時 | |||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
(守時の妹) | |||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
足利高氏 | |||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
- 赤地に太字が主人公、緑地が鎌倉幕府の歴代執権である。
- 本作に登場した人物のみ人名を表記し、未登場の人物は人名を表記せず括弧で記載した。
- 係累縁者が多数に上るため、本作に登場した人物とそれに関連する北条氏の男系の系図のみを記載した。そのため、母方の系図は省略している。
- 名越高家は、「北条高家」と表記されることも多いが、第1話での表記に準拠し「名越高家」と記載した。
- 足利高氏は、倒幕後に「足利尊氏」と改名する。
- 源頼朝、北条政子、常葉前は、『週刊少年ジャンプ』54巻7号(2021年9号)に第2話とともに掲載された「解説上手の若君」の「図解! 北条家系図」にて人名が明記されたため記載した。
- 北条時頼、北条時宗、北条貞時は、『週刊少年ジャンプ』54巻9号(2021年11号)に第4話とともに掲載された「解説上手の若君」の「南北朝鬼ごっこ列伝その壱――五大院宗繁」にて人名が明記されたため記載した。
書誌情報
- 松井優征 『逃げ上手の若君』 集英社〈ジャンプ コミックス〉、既刊13巻(2023年11月2日現在)
- 「滅亡1333」2021年7月2日発売、ISBN 978-4-08-882710-0
- 「小笠原1333」2021年8月4日発売、ISBN 978-4-08-882734-6
- 「悪党1334」2021年11月4日発売、ISBN 978-4-08-882793-3
- 「生きたがり1334」2022年1月4日発売、ISBN 978-4-08-883010-0
- 「問答1334」2022年4月4日発売、ISBN 978-4-08-883073-5
- 「京1335」2022年6月3日発売、ISBN 978-4-08-883184-8
- 「中先代1335」2022年8月4日発売、ISBN 978-4-08-883198-5
- 「名乗り1335」2022年11月4日発売、ISBN 978-4-08-883291-3
- 「女影原1335」2023年1月4日発売、ISBN 978-4-08-883423-8
- 「ダービー1335」2023年4月4日発売、ISBN 978-4-08-883438-2
- 「鎌倉1335」2023年6月2日発売、ISBN 978-4-08-883561-7
- 「天下人1335」2023年9月4日発売、ISBN 978-4-08-883635-5
- 「逃げ上手1335」2023年11月2日発売、ISBN 978-4-08-883693-5
ボイスコミック
集英社によるデジタルコンテンツ「ボイスコミック」として、YouTubeのジャンプチャンネルにて2021年2月8日以降より順次配信。
テレビアニメ
2024年より放送予定。
スタッフ
- 原作 - 松井優征
- 監督 - 山﨑雄太
- シリーズ構成 - 冨田頼子
- キャラクターデザイン - 西谷泰史
- 副監督 - 川上雄介
- プロップデザイン - よごいぬ
- サブキャラクターデザイン - 高橋沙妃
- 色彩設計 - 中島和子
- 美術監督 - 小島あゆみ
- 美術設定 - taracod、takao
- 建築考証 - 鴎利一
- タイポグラフィ - 濱祐斗
- 特殊効果 - 入佐芽詠美
- 撮影監督 - 佐久間悠也
- CGディレクター - 有沢包三、宮地克明
- 編集 - 平木大輔
- 音響監督 - 藤田亜紀子
- 音楽 - GEMBI、立山秋航
- 音響効果 - 三井友和
- 制作 - CloverWorks
参考文献
本編
- 松井優征「逃げ上手の若君――鬼ごっこ1333」『週刊少年ジャンプ』第54巻、第7号、集英社、2021年2月15日。
- 松井優征「逃げ上手の若君――諏訪1333」『週刊少年ジャンプ』第54巻、第9号、集英社、2021年3月1日。
- 松井優征「逃げ上手の若君――狩猟1333」『週刊少年ジャンプ』第54巻、第10号、集英社、2021年3月8日。
解説
- 本郷和人「解説上手の若君――図解! 北条家系図」『週刊少年ジャンプ』第54巻、第7号、集英社、2021年2月15日。
- 本郷和人「解説上手の若君――南北朝鬼ごっこ列伝その壱――五大院宗繁」『週刊少年ジャンプ』第54巻、第9号、集英社、2021年3月1日。