遙かなる星
以下はWikipediaより引用
要約
『遙かなる星』(はるかなるほし)は、佐藤大輔/著・鶴田謙二/イラストによる日本の小説。徳間書店(トクマ・ノベルズ)より1995年から刊行されていた。
ストーリー
第1巻
アメリカ合衆国が標榜するパックス・アメリカーナの維持のため、自国に対する直接的危機であるこの問題に対し、ケネディ大統領は「ソ連は戦争までには踏み切らない」という予想から、キューバへの直接侵攻による問題解決を決定した。
そして1962年10月22日東部標準時間午前9時。合衆国軍によるキューバ侵攻が開始されると同時に、世界に地獄が出現した。
第2巻
アメリカ合衆国無き世界において、アメリカのみならず他の主要な資本主義国家も壊滅してしまった結果、日本はなし崩し的に資本主義諸国の盟主に担ぎ上げられ、さらに崩壊を免れた資本主義諸国に対してありとあらゆる製品(民生品はもとより各種兵器まで)を生き残るために売り続けなければならなくなった。また、いずれまた来るであろう反応兵器(核兵器)を用いた第四次世界大戦から日本人だけでも逃げ出すため、日本は宇宙開発に狂奔することとなる。
すべてはこの悪しき世界で絶滅しないために。
第3巻
だが1991年、宇宙港であり、海と空の交通拠点であり、交通事故から戦争までの問題と無縁な物資集積所であることを目指すJSP-03に、魔の手が忍び寄る。それは、崩壊したまま再統一がままならないアメリカ合衆国を憂い、同国を名乗る武装勢力「東軍」の一指揮官が率いる特殊部隊だった。
主要登場人物
日本
北崎望(きたざき のぞむ)
黒木正一(くろき しょういち)
原田克也(はらだ かつや)
原田和己(はらだ かずみ)
屋代幸男(やしろ ゆきお)
屋代昌幸(やしろ まさゆき)
ベム
榊原(さかきばら)
児玉(こだま)
穂積綾乃(ほづみ あやの)
榊原琴音(さかきばら ことね)
ソヴィエト連邦
国家
日本
第三次世界大戦の直前、海上自衛隊の駆潜艇が不明水中目標(東京攻撃の任を担っていたソ連海軍の弾道ミサイル潜水艦)を撃沈したことにより、奇跡的に日本本土が反応兵器戦争による直接の被害を免れる。第三次世界大戦の終結後、他の主要な資本主義国の壊滅によってやむなく資本主義社会の盟主に担ぎあげられてしまい、国際的にも国連の常任理事国となる。
反応兵器で崩壊したアメリカ合衆国には自衛隊を派遣しており、このとき回収した数十発の反応兵器を極秘で保有している。この他にもアメリカ軍に代わって中東、東南アジア、インド洋など世界中の紛争地帯に自衛隊を派遣しており、さらに第三次世界大戦直後の不況から脱するべく兵器輸出を解禁。1970年代には資本主義世界最大の経済力をもった兵器輸出国になっている。後述の「会合」による答申を受け、地球脱出のために宇宙開発に狂奔する事になり、軌道上への宇宙ステーションの設置、及びそこに行くためのロケットと宇宙往還機の開発を押し進めている。
ソヴィエト連邦
第三次世界大戦では先制反応兵器攻撃を行ったことで実質的に勝利し、超大国の地位を維持する。しかし合衆国海軍空母機動部隊の自殺的報復攻撃をはじめとする反撃により1500万人の国民が死亡、主要産業にも壊滅的な打撃を受ける。また合衆国海軍の反応動力推進潜水艦の活動とその他の戦術反応兵器の攻撃により、海軍戦力、防空組織、戦略反応兵器製造施設がそれぞれ壊滅するなど軍事的にも大きな被害を受ける。第三次世界大戦後は国連の常任理事国から外された他、手に入れた西ヨーロッパの維持や産業の復興、中国との国境沿いの不正規戦の対応に追われている。
資本主義社会の盟主となった日本への対抗上やむなく宇宙開発を推し進めており、1970年代には有人月面探査を成し遂げているが、経済は現実と同じように破綻への道を突き進んでいる。
アメリカ合衆国
第三次世界大戦ではソヴィエトの先制反応兵器攻撃を許したほか、対応の遅れから報復攻撃に失敗したことで事実上敗北。総計1000メガトンに及ぶ反応兵器攻撃によって主要都市、主要産業、各種社会システムを喪失し、直接的・間接的に1億人以上の国民が死亡する。さらに第三次大戦終結後、州都の生き残ったミシシッピ州が国内難民の受け入れを拒否したことによって難民側が暴徒化。州兵が鎮圧を行うも、それに対し残存していた合衆国陸軍が難民側に立ったことで事態が悪化し、結果的にミシシッピ州において合衆国陸軍とミシシッピ州兵の戦闘が発生。全米にこの動きが拡散したことによって合衆国の崩壊が決定的となる。
この後、アメリカは東西に分裂。西アメリカは日本などに資源を提供することによって辛うじて維持され、西側陣営からは正統な政府として支援されている。対して東アメリカはジョージア州のメーコンに首都を置いており、事実上半封建制社会となっている。非常に人種差別が強いことに加え、1970年代には東米各地で大学・図書館の破壊運動が吹き荒れるなど西側からは合衆国混乱の元凶であると見なされている。
両陣営とも自らを正統政府と自称して内戦状態にあるが、その都度、国連に介入されている。また双方に属さない得体の知れない独立封建領(武装集団、カルト)が東西アメリカ領域の間や内部に無数に存在し、合衆国領内の大半が前近代化社会まで退化していることも合わさって合衆国の腐乱死体とも呼ばれる所以ともなり、それが合衆国の再統一をより一層難しいものにしている。
その他の国々
キューバ
中華人民共和国
ドイツ
フランス
イギリス
オーストラリア、インド
なお、インドは隣国のパキスタンとカシミールを巡って紛争を抱えており、日本は洋上監視のため航空護衛艦をインド洋へ派遣している。
タイ、カナダ、ブラジル
ヴェトナム
中東諸国
またサウジアラビアやイスラエルは戦闘機などの日本製兵器を購入しているほか、第五次中東戦争が起きた際には自衛隊の訓練教官がサウジアラビアに派遣されている。
メキシコ
パナマ
フィリピン
組織
北崎重工
1931年に初代社長である北崎望が設立。業種は精密機械工業。
第二次世界大戦後の混乱に乗じて航空機・ロケット部門の技術者を掻き集めて好きに研究させたため、航空宇宙関連技術のほとんどすべてを抑えている。これは北崎望が死にゆく妻と交わした『違える事の許されない約束』の影響が大きい。
第三次世界大戦前まで、アメリカ合衆国にいる情報源(北崎望のプリンストン大学の同窓生で、北崎望に同性愛を迫ったが跳ね除けられたという弱みを持つ情報関係者)の協力により、NACAや旧ドイツ空軍のデータも大量に確保している。
また、アメリカのノースロップ社とも関係が深く、YB-49の入手にも成功し、二段式空中発射型宇宙ロケットの母機に転用した。
第三次世界大戦直前の段階で、民生の航空機技術において世界と競争可能なレベルに達し、液体燃料ロケットエンジン・誘導技術・費用対効果において日本随一の実用的能力を獲得した。
第三次世界大戦後、軍需系を拡張し、特に各種航空機を世界に対し輸出販売する。また、日本初の人工衛星打ち上げを企業の予算内で成功させたほか、沖縄に総合技術博物館を設立させている。
宇宙開発事業団/NASDA
1973年4月に、日本初の有人宇宙船「ひかり3号」の打ち上げに成功。以降、「あすか計画(ミニバス)」、「おおとり計画(ヘヴィ・リフター)」、「ハイバード計画(対軌道輸送機)」などを積極的に推進する。
宇宙基地(宇宙港)はJSP-01を種子島に、JSP-02を反応兵器攻撃で更地と化していた沖縄本島に、JSP-03をトラック諸島沖の浮体構造式人工島に建設。また恒久的地球軌道ステーションJSS-01を1990年代初頭に建造している。
会合
設立目的は「多角的な視点から、新たな世界における長期的な安全保障策を検討する事」
研究内容が第三次世界大戦後の日本の生存戦略を左右するものであった事から、高度な秘密保持を要求され、その結果として名称はつけられず「会合」と通称された。
当初の設立メンバーは中央官庁、経済界、学界、警察、自衛隊、その他あらゆる組織の人間で構成された。
研究は悲観主義・性悪説で進められ「今後数十年以内に発生するであろう核戦争により、『核の冬』が発生するに違いない」という前提条件の下で行われた。さらに研究内容は核戦争の抑止ではなく、「発生後にいかにして(特に日本の)被害を防いで社会システムを維持するか」についてであった。
研究結果により、「日本は核戦争から逃げ出す為に宇宙開発を推進する」が日本の生存戦略として採用される。その後、会合は地球外脱出へのチェック機構として存続する。
JUNPFORCE(ジャンプフォース)
JUNPFORCEの名はJapan-United Nations Peacekeeping Forceから取られている。アメリカ停戦維持協力隊とも呼ばれている。
崩壊したアメリカでの内戦の停戦実現およびそれの維持や、難民等への生命財産保護などを目的として設置されており、旧アメリカ領内での反応兵器回収業務も行っている。派遣された隊員には、北米大陸にとまる鳩を描いた「アメリカ・シールド」と呼ばれる記章が全員に配られている。
1982年には隊員4000名からなる3次目のJUNPFORCE-3が派遣され、1990年5月10日には4次目となるJUNPFORCE-4の派遣が閣議決定された。
登場兵器・メカニック
日本
航空自衛隊
- 戦闘機
- F104 - F86F:第三次世界大戦時の空自主力戦闘機。第三次世界大戦では日本へと大挙飛来しつつあったソヴィエト空軍機を迎撃する。
- 北崎 F-1C:第三次世界大戦勃発の直前に契約の結ばれた支援戦闘機。1960年代後半には三沢基地などに配備されている。
- 三菱 F-3:第三次世界大戦後に配備された機体。
- 北崎 VF1:第三次世界大戦後に配備された機体。
- 三菱 F-6:多用途戦闘機。後述のF-10Aの配備にともない保管状態に置かれていたが、その後後述するF-9の代わりとしてイスラエルへ格安で売却される。
- 北崎 F-9D:60年代後半に開発された超音速支援戦闘機。高度な爆撃関連装備を搭載し、ターボファンエンジンを採用した複座の双発デルタ翼機で、D型はその最終タイプに当たる。「70年代でもっとも高度な支援戦闘機(戦闘爆撃機)」と評されており、近接航空支援から対艦攻撃・SEAD任務(そして止むを得ない場合の敵戦闘機との空対空戦闘)と多岐にわたる任務をこなした他、1981年には北米での戦闘にも投入されている。しかし1979年の時点ではすでに旧式化して退役が始まっており、また輸出製品としては高度なシステムとなってしまった結果、中進国以下ではまず運用できない機体となってしまったため成功しなかった。偵察機型に改造された「RF-9D」も登場する。
- 三菱 F-10A:1970年代後半の時点で最新鋭の制空戦闘機。
- 三菱 F-13:超音速巡行が可能な戦闘機。AAMを収めるウェポンベイと一応のステルス性を有しており、超音速巡行を考慮しなければ42発もの爆弾を機外に搭載できる。1983年に試作型が飛行しており、1987年時点で1個中隊規模のF-13Cが国連派遣部隊としてメキシコに派遣されている。
- XF-14:日本やオーストラリアを中心とする太平洋諸国が共同開発を計画した戦闘機。計画段階で中止。
- その他
- XB-70ヴァルキリー
- 第三次世界大戦後にアメリカから譲渡された試作超音速戦略爆撃機。エンジン換装などの改造を受けた後、超音速飛行特性研究機「北崎XT7しらとり」に改称された上で実験航空隊により試験飛行が行われる。その後は沖縄の総合技術博物館で地上展示されている。
- T-34Aメンター - T-33A - T-1
- 史実の空自も運用していた練習機。直接登場しないが、作中では第三次世界大戦後も運用されている。このうちT-1は史実と異なり北崎製のエンジンを搭載している。
- C-47 - C-1
- 空自の輸送機。C-1はC-47の後継機。直接登場はしないが、自衛隊に在官中の原田克也が乗ったとされている。
- C-3D
- 三菱重工製の大型輸送機。四発前進翼機体。人員区画と貨物区画を有しており、人員区画に200人の武装人員を乗せられる。
- E-7C
- 胴体側面に合成開口レーダーをはりつけた川崎重工製の空中多用途警戒機。北米に派遣されている。
- HALRROC
- 全長300メートル超の高高度長距離偵察作戦コンポーネント、無人戦略偵察飛行船。赤外線センサーなど各種センサー類を搭載する。背面の太陽電池と内蔵された燃料電池から供給される電気で稼働する。90年代には複数のHALRROCが下部成層圏を飛行しつつ、偵察衛星とともに監視網を構築している。
- F104 - F86F:第三次世界大戦時の空自主力戦闘機。第三次世界大戦では日本へと大挙飛来しつつあったソヴィエト空軍機を迎撃する。
- 北崎 F-1C:第三次世界大戦勃発の直前に契約の結ばれた支援戦闘機。1960年代後半には三沢基地などに配備されている。
- 三菱 F-3:第三次世界大戦後に配備された機体。
- 北崎 VF1:第三次世界大戦後に配備された機体。
- 三菱 F-6:多用途戦闘機。後述のF-10Aの配備にともない保管状態に置かれていたが、その後後述するF-9の代わりとしてイスラエルへ格安で売却される。
- 北崎 F-9D:60年代後半に開発された超音速支援戦闘機。高度な爆撃関連装備を搭載し、ターボファンエンジンを採用した複座の双発デルタ翼機で、D型はその最終タイプに当たる。「70年代でもっとも高度な支援戦闘機(戦闘爆撃機)」と評されており、近接航空支援から対艦攻撃・SEAD任務(そして止むを得ない場合の敵戦闘機との空対空戦闘)と多岐にわたる任務をこなした他、1981年には北米での戦闘にも投入されている。しかし1979年の時点ではすでに旧式化して退役が始まっており、また輸出製品としては高度なシステムとなってしまった結果、中進国以下ではまず運用できない機体となってしまったため成功しなかった。偵察機型に改造された「RF-9D」も登場する。
- 三菱 F-10A:1970年代後半の時点で最新鋭の制空戦闘機。
- 三菱 F-13:超音速巡行が可能な戦闘機。AAMを収めるウェポンベイと一応のステルス性を有しており、超音速巡行を考慮しなければ42発もの爆弾を機外に搭載できる。1983年に試作型が飛行しており、1987年時点で1個中隊規模のF-13Cが国連派遣部隊としてメキシコに派遣されている。
- XF-14:日本やオーストラリアを中心とする太平洋諸国が共同開発を計画した戦闘機。計画段階で中止。
- XB-70ヴァルキリー
第三次世界大戦後にアメリカから譲渡された試作超音速戦略爆撃機。エンジン換装などの改造を受けた後、超音速飛行特性研究機「北崎XT7しらとり」に改称された上で実験航空隊により試験飛行が行われる。その後は沖縄の総合技術博物館で地上展示されている。
- T-34Aメンター - T-33A - T-1
史実の空自も運用していた練習機。直接登場しないが、作中では第三次世界大戦後も運用されている。このうちT-1は史実と異なり北崎製のエンジンを搭載している。
- C-47 - C-1
空自の輸送機。C-1はC-47の後継機。直接登場はしないが、自衛隊に在官中の原田克也が乗ったとされている。
- C-3D
三菱重工製の大型輸送機。四発前進翼機体。人員区画と貨物区画を有しており、人員区画に200人の武装人員を乗せられる。
- E-7C
胴体側面に合成開口レーダーをはりつけた川崎重工製の空中多用途警戒機。北米に派遣されている。
- HALRROC
全長300メートル超の高高度長距離偵察作戦コンポーネント、無人戦略偵察飛行船。赤外線センサーなど各種センサー類を搭載する。背面の太陽電池と内蔵された燃料電池から供給される電気で稼働する。90年代には複数のHALRROCが下部成層圏を飛行しつつ、偵察衛星とともに監視網を構築している。
海上自衛隊
- 駆潜艇
- うみたか型駆潜艇「うみたか」「おおたか」:第三次世界大戦勃発直前、不明水中目標と交戦する。
- 航空護衛艦(空母)
- 「ほうしょう」
- 旧米海軍フォレスタル級航空母艦「インディペンデンス」。
- 第三次世界大戦後、アメリカへの一時的な復興援助と引き換えに日本が買い取り、改装と「ほうしょう」への改称を行った上で海上自衛隊に配備されている。80年代には大陸の監視のため南シナ海に派遣されている。
- 「そうりゅう」「ひりゅう」
- 80年代に相次いで実戦配備された「そうりゅう級」と呼ばれる排水量10万トン超の新造空母。
- このうち「そうりゅう」はカシミール問題の監視のため第1機動護衛隊群を率いてインド洋に派遣されている。
- 航空機
- P2V7:対潜哨戒機。第三次世界大戦勃発直前、不明水中目標と交戦する。
- SH-7E:汎用輸送ヘリを改造した川崎重工製の対潜ヘリ。ノーターかつ着水機能を有する。90年代には春島空港の第51航空隊南洋分遣隊に4機が配備されている。
- うみたか型駆潜艇「うみたか」「おおたか」:第三次世界大戦勃発直前、不明水中目標と交戦する。
- 「ほうしょう」
旧米海軍フォレスタル級航空母艦「インディペンデンス」。
第三次世界大戦後、アメリカへの一時的な復興援助と引き換えに日本が買い取り、改装と「ほうしょう」への改称を行った上で海上自衛隊に配備されている。80年代には大陸の監視のため南シナ海に派遣されている。
- 「そうりゅう」「ひりゅう」
80年代に相次いで実戦配備された「そうりゅう級」と呼ばれる排水量10万トン超の新造空母。
このうち「そうりゅう」はカシミール問題の監視のため第1機動護衛隊群を率いてインド洋に派遣されている。
- P2V7:対潜哨戒機。第三次世界大戦勃発直前、不明水中目標と交戦する。
- SH-7E:汎用輸送ヘリを改造した川崎重工製の対潜ヘリ。ノーターかつ着水機能を有する。90年代には春島空港の第51航空隊南洋分遣隊に4機が配備されている。
陸上自衛隊
- 86式戦車:北米に派遣されている陸上自衛隊の戦車。同じ作者の『征途』の世界にも同名の陸自戦車が存在する。
- 84式装甲戦闘車:上記の86式戦車とともに北米に派遣されている装甲車両。
- 73式装甲車:史実にも存在する装甲車。増加装甲と20㎜機関砲を装備した「73式装甲車改」が北米に派遣されている。
- 85式小銃:5.56㎜ライフル弾を使用する突撃銃。3点バースト射撃が可能。
北崎重工
- RA01:1961年に打ち上げられた二段式空中発射型宇宙ロケット。
- YB-49:北崎が関係を深めつつあったノースロップ社から入手した試作戦略爆撃機。第三次世界大戦前、エンジンを自社製品に換装するなどの改造を施した上で、空中発射型宇宙ロケットRA01の発射母機として使用。
- DC-3:中古の輸送機。レーダーなどの各種観測機材を搭載してRA01の試験観測に使用。
- CT-3:小型双発ジェット輸送機。量産性を重視したモジュール構成で、モジュールの配置次第で高翼機にも低翼機にもなる。インドネシアやタイ空軍などに販売している。
- CT-6:200席の乗客席を有する旅客機。
宇宙開発事業団(NASDA)
- ひかり:三人乗り低軌道周回用宇宙機。作中世界では3号機が日本人を初めて宇宙に送り込む。「征途」でも同名の有人衛星が、同じく3号機目で日本人を初めて宇宙に送っている。
- あすか:全長23メートル、ペイロード6トン前後の再使用型軽便宇宙機。ミニバス(宇宙バス)と呼ばれる。1987年5月には故障した衛星の回収を目的とした打ち上げが予定されていたが、その前に起きたとある事故への対処のため、ある目的で急遽使用される。
- おおとり:軌道上へ大重量物を打ち上げるためのヘヴィ・リフター(HL、重量物打ち上げロケット)。1987年には有人仕様の2号機「おおわし」が、1989年には無人仕様の6号機が打ち上げられている。
- JSP-03:90年代にトラック諸島沖に新たな宇宙港として建造中の十字型浮体構造物。
- JASPEX:太陽発電衛星技術試験機。1号機のJASPEX1は、ヘヴィ・リフター6号機によって1989年に軌道投入されている。
- X-HS89/PEVAU:宇宙開発事業団が防衛庁技術研究本部と共同で開発中の硬式宇宙服(ハードスーツ)。JSP-03で3機がテスト中。ARMSとも呼ばれている。
- JSS-01:1990年代のはじめに完成した最初の軌道基地。実際の名前は「沖縄」で、日本で唯一第三次世界大戦の被害を受けた沖縄の不幸を忘れないためにつけられた。しかし一般には分類番号である「JSS-01」の名称が使われている。
その他
- TMA-0:1956年7月に王城寺原演習場で試射された国産ロケット。前年に打ち上げられたベビーロケットの同型機で、史実にも存在する。高校時代の屋代幸男はこれの発射実験を目撃することとなる。
- ボーイング707:パンアメリカン航空が運用していた旅客機。羽田空港に降りていた際に起きた第三次世界大戦で行き先を失い、その後全日本空輸が買い取り運用する。
- DRS:レーダー偵察衛星。日電製の合成開口レーダーを搭載する。
- はやて:写真偵察衛星。最大分解能13センチの傾斜撮影カメラを搭載する。
- ひびき:防衛通信衛星。静止軌道上に展開している。
アメリカ
第三次世界大戦以前
- RC121Cウォーニング・スター早期警戒機 - ERB47H電子偵察機 - RB57D偵察機
北崎重工による二段式空中発射型ロケットの打ち上げを監視した米軍機。
- 空母「エンタープライズ」
米海軍の運用する世界初の反応動力空母。キューバ侵攻時には本艦を含めた8隻の攻撃型空母を筆頭とする183隻の米海軍艦が第136任務部隊を構成してキューバを包囲する。
- タイタン - アトラス
アメリカのICBM。キューバ侵攻前に144基のこれらICBMの要員に警戒命令が出される。しかし第三次世界大戦では発射命令を出すのが遅れ、大半が発射されることなく地上で撃破される。
- ポラリス
アメリカのSLBM。第三次世界大戦では早期に命令系統が破壊されたため、ポラリス搭載潜水艦は1隻を除いてこれを発射しなかった。
- B-52 - B-47 - B-58
米空軍の戦略爆撃機。キューバ侵攻時に反応兵器パトロールが強化され、1000機が地上で待機する。しかし第三次世界大戦ではソヴィエトの先制攻撃でほとんどが地上で撃破され、空中待機中の機もEMPで軒並み撃墜される。第三次世界大戦後はどこからか日本に回収されたB-52が沖縄の総合技術博物館で地上展示されている。
第三次世界大戦後(東軍)
- 戦車・装甲車両
- M47パットン - M4A3E8シャーマン・イージー・エイト
- 第三次世界大戦前の合衆国軍と州軍のものを引き継いで運用している旧式戦車。東軍の二線級部隊に配備されており、作中では東軍機械化大隊に配備されている車両が登場する。
- M3ハーフトラック
- 第三次世界大戦前の州軍に配備されていたハーフトラック。東軍の二線級部隊が運用していた。
- チーフテン
- イラン経由で密輸されたイギリス製戦車。主に東軍の前線部隊に配備されている。
- グリズリー
- カナダから密輸された装輪兵員輸送車。チーフテンと同じく、東軍の前線部隊に配備されている。
- 砲/銃火器
- 155㎜砲:前線部隊に配備。
- 75㎜榴弾砲:二線級部隊に配備。
- AK-47突撃銃:前線部隊に配備。
- M1ガーランド小銃:二線級部隊に配備。
- 航空機
- F100スーパーセイバー
- 第三次世界大戦前の合衆国空軍が運用していたジェット戦闘機。東軍ではかき集めた予備部品で再生機をつくり上げた機体を運用しており、ピッツバーグ近郊の野戦飛行場などに少数が配備されている。
- IA58プカラ
- アルゼンチンから密輸された地上支援機。少数が運用されており、F-100とともに東軍の数少ない航空戦力の一部となっている。
- HSS-1
- 旧合衆国海軍の旧式ヘリ。
- 潜水艦
- バラオ級潜水艦「コーポラル」
- 通常動力潜水艦。近代化改修が施された第二次世界大戦中の潜水艦で、東軍が運用している12隻の潜水艦の1隻。
- M47パットン - M4A3E8シャーマン・イージー・エイト
第三次世界大戦前の合衆国軍と州軍のものを引き継いで運用している旧式戦車。東軍の二線級部隊に配備されており、作中では東軍機械化大隊に配備されている車両が登場する。
- M3ハーフトラック
第三次世界大戦前の州軍に配備されていたハーフトラック。東軍の二線級部隊が運用していた。
- チーフテン
イラン経由で密輸されたイギリス製戦車。主に東軍の前線部隊に配備されている。
- グリズリー
カナダから密輸された装輪兵員輸送車。チーフテンと同じく、東軍の前線部隊に配備されている。
- 155㎜砲:前線部隊に配備。
- 75㎜榴弾砲:二線級部隊に配備。
- AK-47突撃銃:前線部隊に配備。
- M1ガーランド小銃:二線級部隊に配備。
- F100スーパーセイバー
第三次世界大戦前の合衆国空軍が運用していたジェット戦闘機。東軍ではかき集めた予備部品で再生機をつくり上げた機体を運用しており、ピッツバーグ近郊の野戦飛行場などに少数が配備されている。
- IA58プカラ
アルゼンチンから密輸された地上支援機。少数が運用されており、F-100とともに東軍の数少ない航空戦力の一部となっている。
- HSS-1
旧合衆国海軍の旧式ヘリ。
- バラオ級潜水艦「コーポラル」
通常動力潜水艦。近代化改修が施された第二次世界大戦中の潜水艦で、東軍が運用している12隻の潜水艦の1隻。
ソヴィエト連邦
- ゴルフⅡ級潜水艦「ヴェルチンスキー」
ソ連海軍の弾道ミサイル潜水艦。第三次世界大戦勃発直前、アメリカ西海岸近海へと航行中だったが、無理な命令変更を受けて日本近海へと展開し、海上自衛隊の駆潜艇と交戦して損傷する。その後、沈没前に搭載する3基のSS-N-5を東京(皇居上空)・航空自衛隊府中基地・横須賀海軍施設にそれぞれ発射しようとするが、燃料である液体酸素の注入作業中、乗員のミスにより艦内に漏洩した液体酸素が引火・爆発して沈没した。
この「ヴェルチンスキー」の撃沈により、奇跡的に日本本土は反応兵器戦争と化した第三次世界大戦による直接の被害を免れることに成功した。
- SS-N-5
ソ連のSLBM。「ヴェルチンスキー」などのソ連戦略ミサイル潜水艦に搭載されており、第三次世界大戦勃発とともにアメリカ本土などへ発射される。
- R7
ソ連のICBM。第三次世界大戦勃発を受けて120発以上がアメリカに向けて発射される。
- 50メガトン級試作大型反応弾
第三次世界大戦中、数発がパナマ運河に投下される。これによりパナマ地峡はパナマ海峡に変貌している。
その他
第二次世界大戦中ドイツ
- A4ロケット
大日本帝国陸軍中尉時代の原田克也が武官として訪れた第二次世界大戦中のドイツ・ペーネミュンデ陸軍兵器実験場で打ち上げに立ち会ったロケット。後のV2ロケットの原型。
- ケーニクス・ティーゲル重戦車
原田克也がペーネミュンデに移動する途中で目撃した重戦車。
- Ⅵ号重戦車E型ティーゲル
ベルリン郊外の演習場にて原田克也たちドイツの同盟国武官らに公開される。
北崎重工総合技術博物館(沖縄) 展示品
- 中島十八試陸上攻撃機 連山
アメリカ本土の空軍スクラップヤードから回収。レストア完了ははやくとも1995年予定。島村和人が博物館を訪れた際、案内役の榊原琴音に「十八試」の意味をその場凌ぎで尋ねている。
- 実験用小型往還機母機
Z計画により国際共同で開発されていたが、中止となった小型往還機用母機の実験機。
- B-52 - XB-70ヴァルキリー
先述した通り展示されている。大きすぎるので野外展示となっている。
- 一式陸上攻撃機
ニューギニアから回収。新品同然にレストア済み。
- 月光 - 銀河 - 雷電
厚木の滑走路の端から掘り出されたもの。
- 疾風 - 隼
- 四式重爆
出所の怪しいレストア品。
- 零式艦上戦闘機
三菱と協力して図面から新造した物も含め、一一型以降のほとんどの型式が展示。
- 震電 - 流星改 - 桜花
アメリカ本土の反応兵器攻撃の対象とならなかった空軍基地に保管されていたところを回収。
- モーリス・ファルマン水上機
1912年型と1914年型の復元機。
このほかにも、崩壊したアメリカを含む世界中のあちこちからかき集められた日本、ドイツ、アメリカをはじめとする世界中のあらゆる航空機、宇宙機、さらには戦車からトラックに至る軍用車両まで様々なものが技術博物館に展示されている。
第4巻の構想
本作は全3巻が出版されているが、著者である佐藤大輔は第4巻「遙かなる星 4」を執筆する予定があったことを語っている。これによると、第4巻は1999年の前半頃に出版を予定しており、作品内容としては軌道基地JSS-01の実働と、統合(航宙)自衛隊の創隊、そしてそれらに地球近傍物体問題を絡めて描く予定だったという。
しかし2017年3月22日、佐藤が虚血性心疾患で死去したことにより、第4巻は出版されることなく絶筆となった。
既刊一覧
新書版
トクマ・ノベルズ(徳間書店)
文庫版
ハヤカワ文庫JA(早川書房)