遠い山なみの光
以下はWikipediaより引用
要約
『遠い山なみの光』(とおいやまなみのひかり、A Pale View of Hills)は、カズオ・イシグロの小説。
概要
- 1982年に刊行。その年王立文学協会(英語版)主催のウィニフレッド・ホルトビー記念賞(英語版)(現在の王立文学協会賞)を受賞。
- 最初の日本語版(小野寺健訳)は、1984年の筑摩書房で、タイトルは『女たちの遠い夏』。
1994年に訳文改訂を行い、ちくま文庫で、2001年に早川書房にて再度改訂し『遠い山なみの光』に改題刊行した。
あらすじ
長崎出身で現在はイギリスの片田舎に住む悦子(わたし)の所へ娘のニキがロンドンから訪ねてきて、悦子は様々な会話を通して、日本での若い女性としての自分の人生と、イギリスに住むために日本を離れた経緯を振り返る。彼女と日本人の夫の二郎は娘を設けて、その数年後に悦子はイギリス人の男性に会い、彼と一緒にイギリスに引っ越した。彼女は長女の景子をイギリスに連れて行き、新しい夫と一緒に暮らした。悦子と新しい夫に娘ができると、悦子は彼女を現代風な名前にしたがり、夫は東洋風の名前を欲しがったので、「ニキ」という名前に妥協して、悦子には完全に英国人のように聞こえるが、彼女の夫に少なくともわずかに日本人らしい名前だ。
イギリスで、景子はますます孤独で反社会的になる。景子は大きくなるにつれて、自分の部屋に閉じこもり、母親が台所に置いておく夕食の料理を食べるだけの生活になったことを思い出す。こうした行動は、読者がすぐ分かるように、景子の自殺で終わる。「あなたのお父さん」と悦子はニキに言う、「彼女はここで幸せにならないでしょう。」
物語の冒頭で、悦子は娘のニキに、長崎で佐知子という友達がいたと話す。佐知子には万里子という娘がいた。万里子は、悦子によると、並外れて孤独で反社会的な少女であった。佐知子は「フランク」という名のアメリカ兵と一緒に麻理子をアメリカに連れて行くことを計画していたと、悦子は、回想する。明らかに、佐知子の話は悦子の話と非常によく似ていた。物語は、ニキがロンドンへ帰る所で終わる。