醍醐真司の博覧推理ファイル
題材:漫画,
以下はWikipediaより引用
要約
『醍醐真司の博覧推理ファイル』(だいごしんじのはくらんすいりファイル)は、長崎尚志による日本の推理小説のシリーズ。
第1作となる『闇の伴走者』は2012年4月20日に新潮社から、副題『醍醐真司の猟奇事件ファイル』で単行本が出版された。2015年3月1日に新潮文庫版が刊行された際に、副題は『醍醐真司の博覧推理ファイル』と改題された。フリーの漫画編集者である醍醐真司が、漫画や映画、歴史や食べ物など多方面にわたる博覧強記ぶりを発揮し、舞い込んでくる事件を解決していく様を描く。
2015年にWOWOWでテレビドラマ化された。2018年にはシリーズ第3作『編集長の条件―醍醐真司の博覧推理ファイル―』が『闇の伴走者〜編集長の条件』のタイトルでテレビドラマ化された。
作品リスト
- 闇の伴走者―醍醐真司の猟奇事件ファイル―(2012年4月 新潮社、ISBN 9784103321712)
- 【改題】闇の伴走者―醍醐真司の博覧推理ファイル―(2015年3月 新潮文庫、ISBN 9784101268514)
- 黄泉眠る森―醍醐真司の博覧推理ファイル―(2015年3月 新潮社、ISBN 9784103321729)
- 【改題】邪馬台国と黄泉の森―醍醐真司の博覧推理ファイル―(2017年9月 新潮文庫、ISBN 9784101268521)
- 収録作品:消えたマンガ家 / 邪馬台国の女帝 / 天国か地獄か / 闇の少年
- 編集長の条件―醍醐真司の博覧推理ファイル―(2018年1月 新潮社、ISBN 9784103321736)
- 編集長の条件―醍醐真司の博覧推理ファイル―(2021年2月 新潮文庫、ISBN 9784101268538)
- 【改題】闇の伴走者―醍醐真司の博覧推理ファイル―(2015年3月 新潮文庫、ISBN 9784101268514)
- 【改題】邪馬台国と黄泉の森―醍醐真司の博覧推理ファイル―(2017年9月 新潮文庫、ISBN 9784101268521)
- 収録作品:消えたマンガ家 / 邪馬台国の女帝 / 天国か地獄か / 闇の少年
- 編集長の条件―醍醐真司の博覧推理ファイル―(2021年2月 新潮文庫、ISBN 9784101268538)
あらすじ
闇の伴走者
水野優希は、阿島淑子から依頼を受け、新たにみつかった画稿が故人である阿島文哉のものであるか、違うのなら誰が描いたのか、を調べることになる。その画稿で描かれている物語は"漫画家"と呼ばれる人物が次々に女性を拉致しては殺していくというおぞましいもので、実際に35年前に起きた事件に酷似していた。優希は、フリーの編集者で漫画に造詣の深い醍醐真司の力を借り、共に調査を進める。醍醐は画稿の中に隠された伏線を手がかりにして、画稿にはまだ発見されていない続きがあるのではないかと推測。アジマプロの小澤から当時のアシスタントのリストを入手したり、阿島の編集者であった一峰の話を聞いたりして調査を続けるうち、森田というアシスタントの存在が浮かび上がる。
一方で、独自に調査を続け"漫画家"の正体を突き止めた"漫画編集者"を名乗る男は、"漫画家"に自分にも狩りのしかたを教えるように迫る。"漫画編集者"は自宅地下室に獲物となった女性を監禁し、同時に"漫画家"も軟禁状態とし監視下に置く。そして優希と醍醐が真相にたどり着かないよう、画稿の続きに森田の偽の署名を入れるアイデアを思いつき、"漫画家"に画稿を持ってくるよう伝える。"漫画編集者"は現在監禁している女性を処分し、次の獲物として優希を監禁することを夢想していた。
その頃優希と醍醐は、森田が10年前に自殺していたことを知る。罪の意識から自殺したともとれるし、10年前では事件との間隔が開きすぎていて不自然である、とも考えられる。調査は行き詰ったかに見えたが、醍醐は画稿の中に見られるクセが以前にも別の漫画家の作品の中にあったことを思い出す。その作品に関わったアシスタントがわかれば、"漫画家"の正体に迫れる、と意気込みその作品の出版元を訪ねる。ちょうど同じ頃、優希は阿島淑子から小澤が急死したことを伝えられた。小澤から前日に「画稿の続きがみつかった」と連絡を受けていた優希は小澤の家へと向かう。
邪馬台国と黄泉の森
消えたマンガ家
邪馬台国の女帝
天国か地獄か
闇の少年
編集長の条件
醍醐は想起社の社長や専務に請われ、『漫画ブレイブ』の編集長となった。そこで前任者であった南部正春がビルから転落死したことや、殺人の可能性があることを聞かされる。一方、優希は阿島淑子から紛失していた画稿を南部が寄贈してきたことについて、その出所や南部の死がその件に関係しているのか調査するよう依頼される。想起社で再会した醍醐と優希は再び協力して南部の死の真相を探り始める。
調査の過程で醍醐は編集者の綿貫が「コミックスープレックス」という会社を通して不正に金を請求し横領を繰り返していたことを突き止める。同時期に優希もマンガ専門で闇の故売を行っている「コミックスープレックス」に行き当たっていた。綿貫を問い詰め、南部が『漫画ブレイブ』刷新の切り札として、ある紙芝居作家に目を付けていたことを知る。
紙芝居作家の校条は南部が自分の元を訪ねてきていたことや、南部が校条の描いた下山事件の漫画に興味をもっていたことを2人に話す。下山が謀殺ではなく自殺だったとする漫画の結末を受け、醍醐は南部の死も自殺だったのではと考える。だが優希は納得がいかず、再度南部が落下したビルを訪れ落下する姿を目撃した老婆に出会う。南部が落下する際、奇妙なポーズをとっていたらしいと優希から聞かされた醍醐は、南部が自殺ではなく、ある人物によって突き落とされた可能性に気づく。南部は編集者を侮辱する時、その編集者が担当する漫画の主人公の決めポーズを真似て揶揄していたからだ。
事件は解決し、醍醐は編集部を辞めることとなったが、南部が残していたケーキ屋の電話番号に電話をかけ、意外な事実にたどり着く。『漫画ブレイブ』の編集者たちを無能と罵倒していた南部だったが、裏では彼らがリストラされた後の受け皿となる雑誌の創刊のために奔走していたのだ。
登場人物
醍醐真司(だいご しんじ)
闇の伴走者(登場人物)
邪馬台国と黄泉の森(登場人物)
編集長の条件(登場人物)
テレビドラマ
2015年4月11日から5月9日まで、『闇の伴走者』のタイトルでWOWOWの連続ドラマW「土曜オリジナルドラマ」で放送された。全5話。主演は松下奈緒と古田新太。
第2シリーズ『闇の伴走者〜編集長の条件』(へんしゅうちょうのじょうけん)は2018年3月31日から4月28日まで、WOWOW「土曜オリジナルドラマ」で全5話が放送された。
キャスト
主要人物
- 水野優希 - 松下奈緒
- 醍醐真司 - 古田新太
- 阿島文哉 - ベンガル
- 阿島淑子 - 真野響子
- 竹内康介 - 前野朋哉
- 矢島友之 - 森本レオ
- 水野和江 - 藤田弓子
- 寺田幹男 - 野間口徹
- 江藤健介 - モロ師岡
- マスター - 温水洋一
第1シリーズ
- 小澤幸秀 - 要潤
- 一峰馨 - 田中哲司
- 望月秀正 - 石丸謙二郎
- 貝原章彦 - 平田満
- 戸村和也 - 池田鉄洋
- 室谷祥子 - 藤井美菜
- 園田貴美子 - 藤井美菜
- 漫画家さん - タモト清嵐
第2シリーズ
- 堀尾智 - 津田寛治
- 伊東昇太 - 白石隼也
- 綿貫義正 - 今野浩喜
- 小城利勝 - 平泉成
- 南部正春 - 岩松了
- 南部加代子 - 八木亜希子
- 三浦太一 - 小宮浩信(三四郎)
- 校条啓蔵 - 田中泯
スタッフ
- 原作 - 長崎尚志『闇の伴走者―醍醐真司の博覧推理ファイル―』『編集長の条件―醍醐真司の博覧推理ファイル―』
- 脚本 - 佐藤大(シーズン1のみ)、阿相クミコ
- 監督 - 三木孝浩
- 音楽 - グランド・ファンク
- 漫画 - 田中圭一(シーズン1・2)、伊藤潤二(シーズン1)、森秀樹(シーズン2)、平松伸二(シーズン2)、土山しげる(シーズン2)
- プロデュース - 喜多麗子、羽鳥健一(シーズン2のみ)
- プロデューサー - 川田尚広
- 制作協力 - 東宝映画
- 製作著作 - WOWOW
放送日程
第1シリーズ
話数 | 放送日 | サブタイトル |
---|---|---|
Episode 1 | 2015年4月11日 | 恐怖を克服する |
Episode 2 | 4月18日 | 感覚を研ぎ澄ます |
Episode 3 | 4月25日 | 凡人は必ず裏切る |
Episode 4 | 5月 | 2日人を滅ぼす |
Episode 5 | 5月 | 9日死を恐れない |
第2シリーズ
話数 | 放送日 | サブタイトル |
---|---|---|
Episode 1 | 2018年3月31日 | 転落 |
Episode 2 | 4月 | 7日疑惑 |
Episode 3 | 4月14日 | 迷宮 |
Episode 4 | 4月21日 | 真実 |
Episode 5 | 4月28日 | 共鳴 |
関連商品
DVD・Blu-ray
- 『闇の伴走者』DVD BOX JAN 4988111249081 / Blu-ray BOX JAN 4988111149084、KADOKAWA、2015年11月27日発売
- 『闇の伴走者〜編集長の条件』DVD BOX JAN 4988111253996、KADOKAWA、2018年9月7日発売
漫画
本作を元にしたコミカライズ『闇の少年』が『ビッグコミック』(小学館)にて、2021年23号より2022年16号まで連載された。作中で発表した小説を元にした内容となっている。漫画の作者は椋洸介とされたが、2022年8月に単行本発売の決定が発表された際、漫画を担当した「椋洸介」が一色まことであることが公表された。
当初、この漫画の連載は、本シリーズの架空のホラー漫画家の椋洸介の作中作であるという設定であった。そこで一色が椋洸介の名義で作中作の漫画化を希望し、漫画作品が実現した。しかし椋洸介は誰か、一色の弟子か、など読者の混乱を防ぐため、一色の名義であることを公表するにいたった。それにより、単行本は一色の名義で刊行される。
- 一色まこと・長崎尚志『闇の少年』小学館〈ビッグコミックス〉、全2巻
- 上巻 2022年9月30日発売、ISBN 978-4-09-861447-9
- 下巻 2022年9月30日発売、ISBN 978-4-09-861448-6
- 上巻 2022年9月30日発売、ISBN 978-4-09-861447-9
- 下巻 2022年9月30日発売、ISBN 978-4-09-861448-6