野望円舞曲
以下はWikipediaより引用
要約
『野望円舞曲』(やぼうえんぶきょく)は、徳間デュアル文庫から刊行されている、田中芳樹原案、荻野目悠樹著、久織ちまきイラストのスペースオペラ。本編10巻と外伝1巻が発売している。
概要
人類は〈宙峡〉という各星域間のネットワークを発見後、地球という銀河の辺境の星から宙峡(ブリッジ)を使い、宇宙各地へと進出、居住可能惑星に移民を実施し、人の住む世界を拡大させていった。
拡大期のなかでも人類の生存圏としたのは、オリオン腕というひとつの銀河にすぎなかった。
大きな契機となったのが、〈嘆きの宙峡〉の発見である。その超長距離〈宙峡〉によって、人類は銀河のあいだの深宇宙を渡って、もうひとつの銀河への航行が可能となった。広大な文明圏を築きあげ、宇宙で繁栄を謳歌した人類であったが…。
既刊一覧
野望円舞曲
野望円舞曲外伝―デッドライン23
ISBN 978-4-19-905094-7 発売日:2002年1月
登場人物・国家・勢力
主な登場人物と各国の主だった人物を除き、姓名の五十音順で記述。
主な登場人物
エレオノーラ・ファルネーゼ
商業国家オルヴィエートの国家元首(ドゥーチェ)レオポルド・ファルネーゼの一人娘で、上に異母兄が三人いる。三人の内、長兄フィリッポと次兄カルロには幼少期より暴力など威圧的態度を振るわれ、兄弟の中で唯一優しい三兄ジェラルドには多少なりとも気を許せる。実母であるアンナ・ファルネーゼはすでに他界している。
レオノーラが唯一心を許せるのはベアトリーチェ・ロッセリにのみで、父や兄弟などの他者に対しては自制心を働かせ、儚げで反論する勇気もなく、己の運命を受け入れる寂しげな雰囲気を演じ、決して己の本性を見せないようにしている。
オルヴィエートの行政府庁舎であるドゥカーレ宮に隣接するオルヴィエート国立美術館での仕事を担い、ファルネーゼ家の家宝である〈銀河の涙〉などの希少な物質を期間限定で公開するために美術館との折衝をおこなっていたが、父であり国家元首(ドゥーチェ)であるレオポルドから、オルヴィエートを支える名門豪商のひとつ、マリオーネ家の令息ジーノとの結婚(政略結婚)を言い渡される。しかし、結婚式当日にハネムーンに向かうはずだった船が爆発し、乗船していたジーノは爆死してしまう。
ベアトリーチェ・ロッセリ
エレオノーラの侍女にして、幼少の頃からの盟友。年齢はエレオノーラのひとつ年上。下級市民(ミヌート)出身で、宇宙港の清掃員を勤める父をもつ六人家族の長女。下に三人の幼い弟と妹がおり世話をしていた。
八歳のある日、母親によって最高評議会(セナート)に席をもつ三十六家の名門のひとつ、ファルネーゼ家に食いぶちを減らすためにエレオノーラの世話係の侍女としてともに暮らすこととなる。はじめは両親に売られたと思っていたが、ベアトリーチェの母は数々の名門豪商の家で家政婦として勤めており、知己であるエレオノーラのメイド頭が同年代の少女を塞ぎこみがちな令嬢のために探していたことから、自分の娘を立候補させていたことを知る。それは、いまのままの下級市民であれば食うにも困る生活であったが、名門豪商の令嬢の侍女ともなれば、温かな食事と勉学に困らないという、娘を思うが故の行為であった。
ジェラルド・ファルネーゼ
コンラット・ナオキス
商業国家オルヴィエート
現在、銀河のひとつであるオリオン腕ともうひとつの銀河であるペルセウス腕の二つの文明圏をつなぐ〈嘆きの宙峡〉を独占管理し、他7つの〈宙峡〉も管理し、他国との貿易により独占的な利益をあげる国家。天体を持たず、オルヴィエート本星と呼ばれる人工天体(セスティエーレ)には百万を超える人口を抱える。また人工天体は一個艦隊に対抗しうるほどの火力を装備し、〈宙峡〉までの通商路を警備するために、常に多数の軍艦により周辺宙域を哨戒している。最大の都はオルヴィエート・ヴェッキアで、最高評議会(セナート)が開かれる行政府(シニョリーア)庁舎である「ドゥカーレ宮」と呼ばれる宮殿がある。
他国の政治に関与しないことを国是とし、経済力と対外交渉によって軍事的中立を保つ。
オルヴィエート市民には階級があり、下級市民(ミヌート)と一般市民(グラッソ)、富裕市民の三階級に分けられる。下級市民には選挙権が与えられず、公共サービスも限定され、居住区も差別される。一般市民になるとそれらの差別は大幅に解消されるが、下級市民から昇格するには有力者の推薦状が必要となり、支配体制が確立されている。
レオポルト・ファルネーゼ
フィリッポ・ファルネーゼ
名門豪商関係者
ゴトフリート・アンブロージオ
ファーゴ・カルボーニ
政府・治安関係者
ファブリツィオ・ラ・ガーラ
ヴァッサロ
フォンタナ
パルマーラ
プレカディオ
市民
ルチオ・インザーキ
マルゲリータ・カステラーノ
イレーネ・トラッパーニ
フランチェスコ・トラッパーニ
軍事国家ボスポラス
オリオン腕のほぼ中央に位置するスミルナ星系の第三惑星アナトリアを首星とする。合理的主義者であるケマル・エヴヂミクが大宰相として君臨する。軍事独裁国家でありながら言論の規制されておらず、軍事政権の支持率は八十パーセントを超える。また社会保障制度もかなりの充実ぶりで銀河でも一、二を争う福祉国家ともいえる。治安もよく、女性が夜ひとりで外出しても問題がないという。
銀河腕のひとつであるオリオン腕の三分の二近くを掌中に収め、〈星連〉の本部が置かれた地球も現在支配しているが、これら占領された国家は官僚・貴族による政治の腐敗が進んでいた国で、国民の高い支持率があり政治・社会が安定した国家には手を出していない。
ケマル・エヴヂミク
大提督
大提督(カプタン・パシャ)と称号される軍部の重鎮。18人が叙されており、そのうち4人は女性である。
ムスタファ・ケペル
シャーシ・ジラール
ハカン・シュキル
アールズー・バシュトゥルク
軍関係者
ユルドゥライ・ギュネシュ
ナイム・ダバラ
アスンシオン
オルヴィエートの第七〈宙峡〉を隔てて隣の星域にあり友好条約を結んでいる共和国。首星はアスンシオン太陽系の第四惑星テルスケーリング。首都はテクセル。かつては大統領制を敷き民主国家として普通選挙が施行され、また自動車工業など先進的な工業を主力産業により大国意識があったが、現在はボスポラス帝国の遠隔操作により、国家執政官を最高責任者に傀儡政権が政権を握り、地下ではアドリアナ・セルベッジアという素性がいっさい謎に包まれたままの女性指導者による反ボスポラス運動が活発化しており、情勢が不安定となっている。
アスンシオン太陽系の第五惑星〈フィド〉は鉱物資源の宝庫であり、〈宙峡〉通過システムになくてはならない不可欠な素材であり、軍艦建造にも使用される希少鉱物〈ルクレニウム〉の大鉱脈を有するが、実質ボスポラスが管理している。アドリアナ・セルベッジアによる内乱中に駐留ボスポラス軍により完全に占拠され、産出される希少鉱物の流通が滞り、アスンシオン経済は悪化している。
ウイルダース
シュマイケル
セードルフ
エレファンティナ
三本の〈宙峡〉がつながる小国。ひとつはオルヴィエートの第二〈宙峡〉とつながり、もうひとつはボスポラスの傀儡政権が運営するラブラドル共和国、残りの一本はローレンシア条約機構の中心国であるローンセストンとつながる。星域には二つの有人惑星が存在し、農業が主力産業。経済力と軍事力は低ランクである。首星である第四惑星エンスヘーデには三十億人が暮らすが、首都は人口二十万ほどで、地方都市にしか見えないといわれる。
協定守護協会
宇宙の各地に信者をもつ宗教団体。またの名を〈プレ・ブロティアン聖協会〉とも呼ばれ、かつて人類社会に脅威を与えた存在を排除し、二度と再生させないように結ばれた〈プレ・ブロティアン協定〉を遵守することを教義としている。協定の名の由来である技術者プレ・ブロティアンを聖人として崇め、表向きは無害な世俗的な組織を標榜しており、各国に対する布教と信者保護、慈善活動の目的で支部・協会が建造されている。しかし、利害が一致しないオルヴィエートには教会はなく、信者も少ない。
シドン
アスンシオン共和国と〈宙峡〉を隔てて隣接し、首星以外には有人惑星を有さない。唯一の有人惑星である首星には大洋はなく、内海が複数散在し、陸地は砂漠と山岳地帯が大半を占める。ボスポラス帝国によって傀儡軍事政権が国を長く治めるが、国力は乏しく軍事力も矮小で鉱物資源にも恵まれていないが、アスンシオンを隔てた先には商業国家オルヴィエートと〈嘆きの宙域〉が存在するため、ボスポラスに支配されている。
星連・地球政府
宇宙が統一されていた時代の意思決定機関。人類発祥の地である地球に本部があり、地球政府の元首が事務総長を兼ねた。軍事力の実力をもたず人類社会が分裂し、各星域が独立勢力となっている現在は名前のみの存在となり果てつつある。
ステファーノ・アンブロージオ
ブライアン・クリストファーソン
バーベット・シルヴァーマン
船団
円筒形をしたいくつもの巨大宇宙船に万単位の人間が棲む独立船団。ふたつの星域を破滅させたラムセス事件以後、人類は〈プレ・ブロティアン協定〉という禁止令を発布し、〈思考体〉などの技術が忌避されたことにより、幾多の科学者と技術者が人類の犠牲となり、宇宙で生きる場を失うこととなった。そんな迫害された人々が生き残るために作り上げたのが、この船団国家であった。
〈宙峡〉による短縮航法によって、何億光年と離れている星域と星域を結んで生活をしているこの宇宙において、〈宙峡〉によって連結されている星域以外の宇宙は、利用されることなく、人類社会からうち捨てられる形となっており、この船団国家はそんな見捨てられた場所を隠れるように生活していた。
人間と〈思考体〉が分け隔てなく共存共生する国家で、〈プレ・ブロティアン協定〉が人類社会で結ばれて以降、鎖国状態となり三世紀半を深宇宙のかなたを漂っているが、資源を有さない宇宙空間での船団住民の自足は不可能であり、そのため、人類の生存圏ぎりぎりところで座標維持し、希少資源や情報などを人類社会から極秘裏に入手している。また、少ない資源と居住区を分かち合うために市民の約三分の二が施設で一回に五年間の冬眠状態に入っている。
宇宙を席捲する軍事国家ボスポラスの大宰相ケマル・エヴヂミクと、宇宙に混沌をもたらそうとしているアドリアナ・セルベッジアの出生地でもある。
ハシルメル公国
パクルストン
ローンセストンと〈宙峡〉を隔てた隣国で軍事同盟を結んでいる。ローレンシア条約機構にも加盟しており、ローンセストン軍と肩を並べボスポラス帝国軍と戦う。
ラブラドル
ボスポラス帝国によって傀儡政権が現在政権を握る。ラブラドルは短期間で政変がおこるため、王政と共和制時代が相互に交互する歴史を歩み、現状を誤認して「王国」、「共和国」と呼び間違える人が多い。現在の正式名称は「ラブラドル王国」。
ボスポラスの侵攻により腐敗した政治体制が一蹴され、元王族が現在の傀儡の国王として即位しているが、国民の大多数が自主自立の荒廃した社会体制よりは安定した平穏を享受できる傀儡政権の維持を望んでいる。
ヨアンナ・セフェリス
ウセル・マンスズ
ラムセス
ローレンシア条約機構
ボスポラスの軍事政権に対抗するために諸星域国家による軍事同盟。ローンセストンの名将ドナルド・オブライエンを指揮官に連合国軍を展開する。
ローンセストン
ローレンシア条約機構発足の発起人。銀河でも指折りの士官学校をもつ。
ミリセント・エァルドレッド
キーファー・オブライエンII世
ドナルド・オブライエン
戦役・出来事
本作では、年号や時間などの時系列が不明確なために、作品の流れ順に記述。
オルヴィエート侵攻
商業国家オルヴィエートの八つの〈宙峡〉のうち第三、第五、第七〈宙峡〉がシステム・ダウンを起こし、それらの〈宙峡〉からボスポラス帝国のスムタファ・ケペル大提督率いる三個艦隊が亡命船団を追って、オルヴィエート宙域に不法侵入し、それに対しオルヴィエートは四半世紀ぶりに防衛艦隊を結成する。平時は閑職である防衛艦隊司令長官(ポデスタ)ジェラルド・ファルネーゼ大佐に迎撃命令が下るが、防衛艦隊の指揮はジェラルドではなく国防軍総司令官であるヴァッサロ少将が指揮することが決定していた。
オルヴィエートに災厄をもたらせた亡命船団に乗船していたのは、かつて宇宙を統一支配していた〈星連〉の現事務総長ブライアン・クリストファーソンの息子グレックであった。それを知らずに国家元首の命により、亡命船団を砲撃しようとした矢先、エレオノーラの機転により彼の身柄を確保する。ジェラルドはボスポラス帝国と交渉をおこなうために亡命船団を護衛しながら本星へと帰還の途につく。
最後通牒
国家元首(ドゥーチェ)レオポルドは状況の打開をはかるためにグレック・クリストファーソンの身柄をボスポラス帝国に渡すよう宣言する。しかし、帝国軍の本当の目的は〈嘆きの宙域〉を奪取することにあり、ムスタファ・ケペル大提督は亡命船団の船とその乗組員全員の無条件引き渡しと、グレック・クリストファーソンの無条件引き渡しのほかに、オルヴィエート政府に対しオルヴィエート全軍のボスポラス軍の支配下入りや、宇宙港に以後ボスポラス艦隊を常駐させること、行政府内にボスポラス軍の特別委員会を設置することなど、事実上の占領通告を出す。レオポルドは、最高評議会にはかるための時間を得るためにムスタファ・ケペル大提督と交渉し、娘であるエレオノーラ・ファルネーゼを人質に出すことを通知する。
決戦
ボスポラス帝国艦隊が動き、防衛艦隊は迎撃のために出動命令が再び下った。しかし、指揮官であるヴァッサロ少将が倒れ、ジェラルドが指揮することになる。
新兵器
ボスポラス帝国への内通者はファルネーゼ家の長男フィリッポと次男のカルロであった。ジェラルドの逆転劇により、内通したことがばれる前にとカルロは逃亡したがフィリッポはオルヴィエートに残った。父で国家元首(ドゥーチェ)レオポルドは、彼らが内通していたことを知っていたが、追及はしなかった。
ジェラルド・ファルネーゼ大佐は防衛艦隊司令長官(ポデスタ)として、ボスポラス帝国艦隊を撃退し、オルヴィエートの危機は去ったのである。
第一次アスンシオン動乱
ボスポラスの傀儡政権が国政を運営するアスンシオンでは、アドリアナ・セルベッジアという女性により地下組織による反体制運動が激化していた。アスンシオンからは親善大使の名目でアドリアナ・セルベッジアの手のものが各国に散らばり、アスンシオンへの軍事介入を求めた。
オルヴィエートでは最高評議会(セナート)が開かれ、オルヴィエートの軍備増強とアスンシオンへの軍事介入の決議がはかられた。軍事的中立を掲げる国家元首(ドゥーチェ)の根回しにより、決議は否決されるはずであったが、妻子をエレオノーラに殺されたと憤怒しているマリオーネ家の離反により、アスンシオンへの軍事介入が決定され、防衛司令長官(ポデスタ)指揮のもと半個艦隊が親善使節団の親善艦隊として派遣されることとなる。
親善使節団はジェラルド・ファルネーゼの推挙により長兄フィリッポを親善特使に、エレオノーラが親善使節団の随員として立候補し、アスンシオンへの旅路につく。
第七〈宙峡〉口での戦闘
ハシルメル艦隊遭遇戦
休戦交渉
講和条約締結
国家元首(ドゥーチェ)は、埒のあかない評定に業を煮やし、独自の行動によりアスンシオンに滞在していたフィリッポ、ジェラルド、エレオノーラの三兄妹に旗艦命令を出し、ファルネーゼ家の資産と国家予算という大金を武器に第三国を通じて、ボスポラス帝国へ金融攻撃をかけた。軍拡路線をひた走るボスポラス帝国の矛盾点を巧みに突き、結果としてボスポラスを経済危機に起こすことに成功する。オルヴィエート政府はこの機を逃さず、第三国からの和平交渉の打診を打ち、無益な戦いをしないボスポラス帝国は和平交渉の席につきそれを受諾する。
オルヴィエート暴動
講和条約の締結後、ジェラルド・ファルネーゼ大佐は防衛艦隊司令長官(ポデスタ)より更迭され、ボスポラス帝国本国への駐在大使に任命された。この決定はアンブロージオ老人と毒蛇と揶揄されるラ・ガーラを通じて、長兄フィリッポがファルネーゼ家の後継者を敵地にて抹殺されることを望んでの人事だった。ともかく、ジェラルドは命令を了解し、自身の武装家臣アルフォンソ大尉と大使館付武官に任命されたトロメイ大尉とともにボスポラス帝国首星であるスミルナ星系第三惑星アナトリアの星に降り立つ。
市民蜂起
ルチオ・インザーキが起こした市民暴動はレオポルドが派遣した治安局部隊を襲い、また下級市民出身の部隊員も暴動側に寝返るなどが相次ぐ。暴動は拡大化し、抵抗を排除するためにレオポルドは長男フィリッポにファルネーゼ家の武装家臣(ポリエーレ)を動かし、暴動首謀者の捕縛・殺害を指示する。
自らも下級市民出身のベアトリーチェは、家族を助けるためにエレオノーラに内緒で単身実家のある七区へ向かう。それに気づいたエレオノーラも意を決し単身で部屋を飛び出す。その動きは以前〈銀河の涙〉を目的に、エレオノーラに発信機をつけたボスポラス帝国工作員コンラットの知るところとなる。彼もまたオルヴィエートに滞在しており、貧民区である場所にエレオノーラが向かっていることを察し、同僚ナギブとともにエレオノーラを小遣い稼ぎを名目に手助けすることとする。
エレオノーラと工作員であるコンラットとナギブが合流し七区に向かうにつれ、暴徒が彼女らの乗る車に攻撃を仕掛ける。辛くも攻撃をくぐり抜け、七区の一角である五十三番街でベアトリーチェとその家族を見つけ出し救出する。残された父親を救出するために再び七区へ駆けつけるエレオノーラとベアトリーチェの前に治安局員と武装家臣(ポリエーレ)を率いた長兄フィリッポが、首謀者であるルチオ・インザーキを引きずり出すために暴徒の一人であった下級市民を捕縛し、この下級市民を生贄に殺害を宣告する。しかし、ルチオ・インザーキは現れず次々と暴徒が撃ち殺されるなか、四人目の生贄がベアトリーチェの父であった。
行政府襲撃
全権委任の権限を盾に、国防軍総司令官であり防衛艦隊司令長官兼任しているヴァッサロ少将を動かし、動かした小艦隊とともにランベルディに乗艦してオルヴィエート・ヴェッキア上空に陣取るのであった。彼は短慮の末にオルヴィエート・ヴェッキアに艦砲射撃を加え、レオポルドを亡き者にしようと画策していたのである。これを看破したエレオノーラは父より元首専用艦であるラオコーンを借り入れ、フィリッポの説得をおこなおうとランベルディにドッキングするのであった。
暴動終息
エレオノーラはヘリに乗り、行政府のある中央区画の上空で金をばら撒くという行動をとり、大量の札がにらみ合う暴徒と武装家臣、政府傭兵の頭上に舞い散った。多くの者が銃を放って金に群がり、暴動は収まったのであった。
フィリッポは辛くもランベルディより脱出し、エレオノーラを殺害すべく憤怒し、強化外骨格 (APL) を操縦しエレオノーラに襲いかかる。殺しあう兄妹にむけベアトリーチェは駆け出し、フィリッポの顔にめがけて石の破片を叩きつけ、フィリッポを倒すのであった。
ローレンシア条約機構結成
エレファンティナ会戦
宙域崩壊危機
協定改定宣言
第二次アスンシオン動乱
深宇宙遠征
オルヴィエート攻防戦
艦艇・用語解説
あ行
アティシュ・ラーレ
アナハイム
アル・シマク・アル・アザル
イル・サント
オリオン腕
オルヴィエート・ヴェッキア
か行
カセルタ
カタルーニャ
カル
犠牲祭(クルバン・バイラム)
銀河の涙
空中庭園「ピンチョ」
黒い鷲(アクイラネーラ)
高級クラブ「凱旋門」
さ行
最高評議会(セナート)
獅子心王(ライオンハーティスト)
娼館「黄金宮」
掃宙艦
た行
第二〈宙峡〉
第三〈宙峡〉
第七〈宙峡〉
タウ王国
大提督(カプタン・パシャ)
宙式砲艦
テクセル
鉄甲艦
テルスケーリング
ドゥカーレ宮
ドカーティ
な行
嘆きの宙域
ニュー・ユトレヒト市
は行
パランドケン
百列艦
武装家臣(ポリエーレ)
武装護衛官(セグバン・ジエディート)
宙峡
ペルガモン
ペルセウス腕
ま行
名門豪商(カーゼ・グランデ)
メスウーディエ
や行・ら行・わ行
ラオコーン
ラ・プラダ
ランベルディ
リラス