アニメ

鉄腕アトム (アニメ第1作)


ジャンル:フジテレビ系,

主人公の属性:ロボット,



以下はWikipediaより引用

要約

鉄腕アトム (アニメ第1作)(てつわんアトム)では手塚治虫原作の漫画『鉄腕アトム』のアニメ第1作目を解説する。

フジテレビ系列にて、1963年1月1日から1966年12月31日まで放送。全193話。一部を除きモノクロ作品。

日本で最初の本格的な1話30分の連続TVアニメ、日本初の国産ロボットアニメである。

声の出演

登場人物の設定は登場キャラクター

  • アトム:清水マリ、田上和枝
  • お茶の水博士:勝田久
  • ウラン:水垣洋子→武藤礼子、芳川和子
  • コバルト、星野光一:小宮山清
  • ヒゲオヤジ:矢島正明→和田文雄
  • 天馬博士:横森久、小林清志(172話のみ)
  • サルタン、空港長・月岡:横森久
  • 田鷲警部:兼本新吾、千葉耕市(代役)
  • 中村警部:坂本新兵
  • アトムのパパ:文部おさむ、矢田耕司、戸田皓久、藤岡琢也、峰恵研、富田耕吉、他
  • アトムのママ:太田淑子、他
  • カズスケ:松島みのり
  • 大目タマオ:滝沢茂、他
  • シブガキ:三木広治
  • プルートウ、灰戸博士:北山年夫
  • ノース2号、フーラー博士:千葉順二
  • ブランド:相模武
  • ヘラクレス、レイモン市長、ボックス、ボム博士、憲兵隊長、ハッサム:納谷悟朗
  • ロボット・シラノ:増岡弘
  • ロボイド:肝付兼太、他
  • ミドロが沼のトカゲ:熊倉一雄、他
  • 気体人間:熊倉一雄
  • バリバリ博士:緒方敏也
  • クレオパトラ:前田敏子
  • フリーザー、戸車、マハーリ:塩見竜介
  • ベム:菅谷政子
  • ランプ:田口計
  • ハムエッグ:江幡高志、大塚周夫(代役)、肝付兼太(代役)
  • リンタロー:市村昌治
  • スカンク草井:家弓家正
  • 金三角:根本嘉也(14・22話)、飯塚昭三(136話)
  • 水星の冷人:前田昌明(110話)
  • 青騎士、ホームスパン:金内吉男
  • ロッス博士:永井一郎
  • ガストン:兼本新吾
  • トムソン:田中信夫
  • ロボットP:高城淳一
  • ブラックルックス、月岡月男、パール星人隊長、デッド・クロス殿下、ブロンX、ダン、ロボット三銃士、ニュースキャスター、実況アナウンサー、山本えいいち、ロビオ、タップ、トビオ:市川治
  • ラフレシア:新井和夫
  • テンポ博士:依田英二
  • ロボット学校校長:大宮悌二
  • ノールス記者:八代駿
  • ヌーボー:大塚周夫
  • ブルボの母:坪井章子
  • ヘラルド博士:大木民夫
  • ヤコレフ博士:西桂太
  • ナレーター:谷津勲、矢島正明、他
スタッフ
  • 総監督:手塚治虫
  • 文芸・チーフディレクター(後期):石津嵐
  • 音楽:高井達雄
  • 作画:坂本雄作、石井元明、山本繁、瀬山義文、永島慎二、内野純緒、坂口尚三、沼本清海、藤本四郎、北野英明、青木茂、岡迫亘弘、田中英二、中村和子、林重行、赤堀幹治、正延宏三、石黒昇、樋口雅一、アートフレッシュ(杉井儀三郎、杉井興治、出﨑統、奥田誠治、吉川惣司、宇田川一彦)、スタジオ・ゼロ演出部(石ノ森章太郎、藤子不二雄(藤本弘、安孫子素雄)、つのだじろう、角田喜代一(つのだじろうの長兄)他)他
  • 美術:松本強、半藤克美、八村博也、大脇章子、平林茂、陶山尚治、川崎(石津)節子、吉原一輔 他
  • トレス:白川成子、進藤八枝子、杉井正子、大内充子 他
  • 彩色:松本双葉、鶴田淑子、石井真郷 他
  • 特殊効果:土井通明
  • 撮影:佐倉紀行、広川和行、三沢勝治、原屋楯男、高橋澄夫、日下部光雄、須藤省三、土屋旭、佐野征彦、山浦栄二、熊谷幌史、清水達正、大岩久剛、TCJ映画部 他
  • 編集:古川雅士、松浦典良、下山南、札木幾夫
  • 進行(制作、作画、技術):川畑栄一、石津嵐、片岡忠三、高橋健一、柴山達雄、河井竜、須藤省三、富野喜幸、森柾、若尾博司、明田川進、岸本吉功、黒川慶二郎、高橋良輔、上梨壱也、鈴木良武、田代敦巳、諏訪武夫
  • 資料:野崎欣宏、飯塚正夫
  • 音響:アオイスタジオ(大野松雄、柏原満)
  • 録音演出・フジテレビ担当:別所孝治
  • 制作協力:スタジオ・ゼロ(第34話「ミドロが沼の巻」の下請け)、ピー・プロダクション(第93話から第144話まで下請け制作)など
  • 広告代理店:萬年社(穴見薫)
  • 制作:虫プロダクション
主題歌
  • オープニング1:「鉄腕アトム(インスト)」(1 - 30話)
  • 作曲 - 高井達雄

作曲 - 高井達雄

娯楽映画研究家・佐藤利明の話によると、手塚自ら高井に電話をして「3パターン作って」と依頼し、虫プロダクションから帰る際にその最寄り駅の富士見台駅から池袋駅までの西武池袋線での約15分の間にこのメロディーを作曲したという。

  • オープニング2:「鉄腕アトム」(31 - 193話。185話は除く)
  • 作詞 - 谷川俊太郎 / 作曲 - 高井達雄 / 歌 - 上高田少年合唱団

作詞 - 谷川俊太郎 / 作曲 - 高井達雄 / 歌 - 上高田少年合唱団

谷川の回想によると、手塚自身が電話で作詞を依頼したという。谷川が印税を自分で計算すると1億円になったが、虫プロが出せる額ではないと考えた谷川は虫プロに著作権の買い取りを提案し、50万円で虫プロが買い取ったと証言している。
アメリカでの放映の際に英語の歌詞が先に付き、それを見たフジテレビと萬年社が「うちも日本語の歌詞が必要だ」として谷川に依頼したという(前述の佐藤利明の話による)。

  • エンディング:「鉄腕アトム(インスト)」

作曲 - 高井達雄

オープニング(演出)

オープニングには、前期・中期・後期の3つのバージョンが有る(前期は、インスト・歌有りの2種類あり、インスト版にもバージョン違いが存在するがこちらは収録されていない)。内容は次の通り。

前期(第1 - 76話)
アトムが空を飛びながら、フランケン、ホットドッグ兵団などの悪人達を退治し、最後は地面に立った所で、画面中央に「提供 明治製菓」のテロップが映し出される。なお、インスト版は第1-30話までの使用とされているが、「恐龍人の反乱の巻」本放送当時の録音によればこの頃にも別バージョンのインスト版が使用されていたようである。
中期(第77 - 139話)
空飛ぶアトムが、怪獣に襲われたウランを助け、悪人を退治しながら、ウランと共に世界各国の上空を飛ぶ(それを追うお茶の水博士)。ラストは2人で地面に立った所で、下に雲のようなものが現れ、それが「提供 明治製菓」のテロップとなる。
後期(第140話 - 第193話。第185話は除く)
雷雲を突き抜けたアトムが、飛行機の脇→海上→スイス→未来都市の順で空を飛び、ラストは地面に立つ。
第185話はこの回が通算200回になった記念として、アニメの制作風景などで構成、スタッフを初め、担当声優の清水マリ(アトム役)・勝田久(お茶の水博士役)らがゲスト出演した。

これらの内、後年の再放送や懐かしのアニメ特集、さらにビデオソフト版では、もっぱら後期バージョンの物が使われている。2002年に発売したDVDでは、前期前半・前期後半・中期のオープニングが映像ソフトで初めて収録された。

なお、日本映画専門チャンネルの『手塚治虫アニメシアター』では、第56話を除く全話が後期バージョンで放送された(第56話は、1980年にリバイバル上映された時のオープニングを使用)。ただし別枠で、第116話&第117話が中期バージョンで放送された。

NHK BSプレミアムでの再放送時は、NHK固有の制約で提供テロップになる前に映像が止まっている。

エンディング(演出)

エンディング映像は2バージョン有り、前期(第88話まで)はアトムの表情などで構成された静止画バージョン、後期(第89話以降)は未来都市の上をアトムとウランが飛ぶ動画バージョンとなっている。双方とも映像には余白の部分が有るが、本放送当時は各話のスタッフやキャストのテロップが合成されていた。なお、フィルムの画面に楕円が出ているところでは、明治製菓のマークが合成されて放送されていた。

上記2バージョンは現在ソフト化や配信されているもので確認することが出来るが、「恐龍人の反乱の巻」本放送を録音した音源によればエンディングにも歌有りの「鉄腕アトム」が使用されていたようであるが、こちらのバージョンは収録されていない。 また上記の通りこの話数の頃にもオープニングにインスト版が使用されていたようでありオープニングとエンディングでどちらが先に歌有りに切り替わったのかは不明。

なお『手塚治虫アニメシアター』で放送された際には、一貫して後期バージョンを使用し、スタッフなどのテロップは合成されなかった。その事に関してのお断りは、初期はED放送中にテロップされていたが、後に放送後にブルーバックで表示された。

本放送当時には女性ナレーターがインスト版「鉄腕アトム」に合わせた形で行う次回予告が行われていたようであるが、これはいずれのソフトにも配信にも収録されていない。

視聴率
  • 初回視聴率:27.4%
  • 最高視聴率(ニールセン調べ、関東地区):40.7%(1964年8月29日放送、第84話「イルカ文明」)
  • 最高視聴率(ビデオリサーチ調べ、関東地区):40.3%(1964年3月14日放送、第63話 「人工氷山」)。
各話リスト

1963年 話数 サブタイトル 脚本 演出 放送日 1 アトム誕生 手塚治虫 1963年1月1日 2 フランケン 1月8日 3 火星探検 1月15日 4 ゲルニカ 手塚治虫坂本雄作 1月22日 5 スフィンクス 手塚治虫 1月29日 6 電光人間 杉井儀三郎 2月5日 7 アトム大使 山本暎一 2月12日 8 幽霊製造機 石井元明 2月19日 9 ブラックルックス 紺野修司 2月26日 10 イワンの馬鹿 坂本雄作 3月5日 11 タイムマシン 手塚治虫 3月12日 12 十字架島 杉井儀三郎 3月19日 13 キリストの眼 山本暎一 3月26日 14 人工太陽 石井元明 4月2日 15 植物人間 紺野修司 4月9日 16 白い惑星号 坂本雄作 4月16日 17 ロボットランド 杉井儀三郎 4月23日 18 ガデム 山本暎一 4月30日 19 アトム対魔神 手塚治虫 5月7日 20 気体人間 手塚治虫虫プロ演出部 5月14日 21 人工衛星R-45 5月21日 22 海蛇島 5月28日 23 ミュータント 紺野修司 6月4日 24 海底王国 杉井儀三郎 6月11日 25 地底戦車 山本暎一 6月18日 26 アトラス 林重行 6月25日 27 パール星 紺野修司 7月2日 28 マッドマシン 杉井儀三郎 7月9日 29 想い出の日 山本暎一 7月16日 30 ZZZ総統 石井元明 7月23日 31 黒い宇宙線 林重行 7月30日 32 ホットドッグ兵団 紺野修司 8月6日 33 三人の魔術師 杉井儀三郎 8月13日 34 ミドロが沼 鈴木伸一スタジオゼロ 8月20日 35 人間牧場 山本暎一 8月27日 36 プイプイ教 石井元明 9月3日 37 ウランちゃん 林重行 9月10日 38 狂った小惑星 杉井儀三郎 9月17日 39 赤い猫 白川大作虫プロ演出部 9月24日 40 ネオ・シーザー 柴山達雄 10月1日 41 X爆弾 手塚治虫虫プロ演出部 10月8日 42 黄色い馬 片岡忠三 10月15日 43 デッドクロス殿下 林重行 10月22日 44 エジプト陰謀団 石井元明虫プロ演出部 10月29日 45 クレオパトラの首飾り 杉井儀三郎 11月5日 46 ロボット宇宙艇 林重行虫プロ演出部 11月12日 47 宇宙ガニ 坂本雄作 11月19日 48 天馬族 山本暎一 11月26日 49 透明巨人 杉井儀三郎 12月3日 50 アトム西部へ行く 柴山達雄 林重行 12月10日 51 子象プーラ 虫プロ演出部 12月17日 52 雪ライオン 鈴木良武 山本暎一 12月24日 53 さようなら1963年 高橋健一 杉井儀三郎 12月31日

話数 サブタイトル 脚本 演出 放送日
1 アトム誕生 手塚治虫 1963年
1月1日
2 フランケン 1月8日
3 火星探検 1月15日
4 ゲルニカ 手塚治虫
坂本雄作
1月22日
5 スフィンクス 手塚治虫 1月29日
6 電光人間 杉井儀三郎 2月5日
7 アトム大使 山本暎一 2月12日
8 幽霊製造機 石井元明 2月19日
9 ブラックルックス 紺野修司 2月26日
10 イワンの馬鹿 坂本雄作 3月5日
11 タイムマシン 手塚治虫 3月12日
12 十字架島 杉井儀三郎 3月19日
13 キリストの眼 山本暎一 3月26日
14 人工太陽 石井元明 4月2日
15 植物人間 紺野修司 4月9日
16 白い惑星号 坂本雄作 4月16日
17 ロボットランド 杉井儀三郎 4月23日
18 ガデム 山本暎一 4月30日
19 アトム対魔神 手塚治虫 5月7日
20 気体人間 手塚治虫
虫プロ演出部
5月14日
21 人工衛星R-45 5月21日
22 海蛇島 5月28日
23 ミュータント 紺野修司 6月4日
24 海底王国 杉井儀三郎 6月11日
25 地底戦車 山本暎一 6月18日
26 アトラス 林重行 6月25日
27 パール星 紺野修司 7月2日
28 マッドマシン 杉井儀三郎 7月9日
29 想い出の日 山本暎一 7月16日
30 ZZZ総統 石井元明 7月23日
31 黒い宇宙線 林重行 7月30日
32 ホットドッグ兵団 紺野修司 8月6日
33 三人の魔術師 杉井儀三郎 8月13日
34 ミドロが沼 鈴木伸一
スタジオゼロ
8月20日
35 人間牧場 山本暎一 8月27日
36 プイプイ教 石井元明 9月3日
37 ウランちゃん 林重行 9月10日
38 狂った小惑星 杉井儀三郎 9月17日
39 赤い猫 白川大作
虫プロ演出部
9月24日
40 ネオ・シーザー 柴山達雄 10月1日
41 X爆弾 手塚治虫
虫プロ演出部
10月8日
42 黄色い馬 片岡忠三 10月15日
43 デッドクロス殿下 林重行 10月22日
44 エジプト陰謀団 石井元明
虫プロ演出部
10月29日
45 クレオパトラの首飾り 杉井儀三郎 11月5日
46 ロボット宇宙艇 林重行
虫プロ演出部
11月12日
47 宇宙ガニ 坂本雄作 11月19日
48 天馬族 山本暎一 11月26日
49 透明巨人 杉井儀三郎 12月3日
50 アトム西部へ行く 柴山達雄 林重行 12月10日
51 子象プーラ 虫プロ演出部 12月17日
52 雪ライオン 鈴木良武 山本暎一 12月24日
53 さようなら1963年 高橋健一 杉井儀三郎 12月31日

1964年 話数 サブタイトル 脚本 演出 放送日 54 アルプスの決闘 本間文幸 林重行 1964年1月4日 55 若返りガス 片岡忠三 片岡忠三 1月18日 56 地球防衛隊 鈴木良武 高木厚 1月25日 57 ロボット学校 柴山達雄 山本暎一 2月1日 58 13の怪神像 本間文幸 林重行 2月8日 59 白熱人間 高橋健一 片岡忠三 2月15日 60 ダーマの宮殿 本間文幸 青木茂 2月22日 61 宇宙の寄生虫 山本暎一虫プロ演出部 2月29日 62 幽霊船 柴山達雄 林重行 3月7日 63 人工氷山 山本暎一高橋健一 山本暎一 3月14日 64 こうもり伯爵 坂本雄作 3月21日 65 勇敢な脱走者 柴山達雄 林重行 3月28日 66 スペースバイキング 高橋健一 山本暎一 4月4日 67 夜の勇士達 能加平 手塚治虫虫プロ演出部 4月11日 68 時計塔の秘密 片岡忠三 林重行 4月25日 69 恐龍人の反乱 高橋健一 山本暎一 5月2日 70 ラフレシア 豊田有恒 坂本雄作 5月9日 71 地球最後の日 山本暎一 5月16日 72 宇宙の漂流7日間 能加平 林重行 5月23日 73 ビッグタイタン 柴山達雄 青木茂 6月6日 74 地球探検 山本暎一 6月13日 75 空とぶ町 豊田有恒 林重行 6月20日 76 モンスターマシーン 虫プロ演出部 6月27日 77 ケープタウンの子守歌 山本暎一 7月4日 78 50万年後の世界 豊田有恒 青木茂 7月11日 79 ドクター脳 辻真先 林重行 7月18日 80 ヒューマノイドピル 柴山達雄 紺野修司 7月25日 81 夢みる機械 片岡忠三辻真先 片岡忠三 8月1日 82 ロボット競技大会 坂本雄作 8月15日 83 怪鳥ガルダ 豊田有恒 高木厚 8月22日 84 イルカ文明 勝井千賀雄 8月29日 85 狂ったベルトウェイ 辻真先 青木茂 9月5日 86 時間銃 豊田有恒 林重行 9月12日 87 新かぐや姫 能加平 沢わたる 9月19日 88 細菌部隊 片岡忠三 9月26日 89 ゴメスの亡霊 手塚治虫 杉井儀三郎 10月3日 90 ロボット砦 手塚治虫 10月10日 91 ガロン逆襲 柴山達雄 勝井千賀雄 10月24日 92 ロボット三銃士 能加平上梨満雄 青木茂 10月31日 93 コバルト 辻真先 林重行 11月7日 94 アルプスの天使 高橋健一 沢わたる 11月14日 95 魔のパンチカード 片岡忠三 片岡忠三林重行 11月21日 96 ロボットヒューチャー 新田修介(富野喜幸の変名) 11月28日 97 宇宙の対決 豊田有恒 青木茂 12月5日 98 ゼオの遺産 富野喜幸 高木厚 12月12日 99 小さなコロンブス 能加平 林重行 12月19日 100 ロボットハウス 豊田有恒 勝井千賀雄 12月26日

話数 サブタイトル 脚本 演出 放送日
54 アルプスの決闘 本間文幸 林重行 1964年
1月4日
55 若返りガス 片岡忠三 片岡忠三 1月18日
56 地球防衛隊 鈴木良武 高木厚 1月25日
57 ロボット学校 柴山達雄 山本暎一 2月1日
58 13の怪神像 本間文幸 林重行 2月8日
59 白熱人間 高橋健一 片岡忠三 2月15日
60 ダーマの宮殿 本間文幸 青木茂 2月22日
61 宇宙の寄生虫 山本暎一
虫プロ演出部
2月29日
62 幽霊船 柴山達雄 林重行 3月7日
63 人工氷山 山本暎一
高橋健一
山本暎一 3月14日
64 こうもり伯爵 坂本雄作 3月21日
65 勇敢な脱走者 柴山達雄 林重行 3月28日
66 スペースバイキング 高橋健一 山本暎一 4月4日
67 夜の勇士達 能加平 手塚治虫
虫プロ演出部
4月11日
68 時計塔の秘密 片岡忠三 林重行 4月25日
69 恐龍人の反乱 高橋健一 山本暎一 5月2日
70 ラフレシア 豊田有恒 坂本雄作 5月9日
71 地球最後の日 山本暎一 5月16日
72 宇宙の漂流7日間 能加平 林重行 5月23日
73 ビッグタイタン 柴山達雄 青木茂 6月6日
74 地球探検 山本暎一 6月13日
75 空とぶ町 豊田有恒 林重行 6月20日
76 モンスターマシーン 虫プロ演出部 6月27日
77 ケープタウンの子守歌 山本暎一 7月4日
78 50万年後の世界 豊田有恒 青木茂 7月11日
79 ドクター脳 辻真先 林重行 7月18日
80 ヒューマノイドピル 柴山達雄 紺野修司 7月25日
81 夢みる機械 片岡忠三
辻真先
片岡忠三 8月1日
82 ロボット競技大会 坂本雄作 8月15日
83 怪鳥ガルダ 豊田有恒 高木厚 8月22日
84 イルカ文明 勝井千賀雄 8月29日
85 狂ったベルトウェイ 辻真先 青木茂 9月5日
86 時間銃 豊田有恒 林重行 9月12日
87 新かぐや姫 能加平 沢わたる 9月19日
88 細菌部隊 片岡忠三 9月26日
89 ゴメスの亡霊 手塚治虫 杉井儀三郎 10月3日
90 ロボット砦 手塚治虫 10月10日
91 ガロン逆襲 柴山達雄 勝井千賀雄 10月24日
92 ロボット三銃士 能加平
上梨満雄
青木茂 10月31日
93 コバルト 辻真先 林重行 11月7日
94 アルプスの天使 高橋健一 沢わたる 11月14日
95 魔のパンチカード 片岡忠三 片岡忠三
林重行
11月21日
96 ロボットヒューチャー 新田修介(富野喜幸の変名) 11月28日
97 宇宙の対決 豊田有恒 青木茂 12月5日
98 ゼオの遺産 富野喜幸 高木厚 12月12日
99 小さなコロンブス 能加平 林重行 12月19日
100 ロボットハウス 豊田有恒 勝井千賀雄 12月26日

1965年 話数 サブタイトル 脚本 演出 放送日 101 地図にない世界 辻真先 紺野修司 1965年1月2日 102 魔境の女王 手塚治虫 1月9日 103 宇宙への階段 辻真先 瀬山義文 1月16日 104 悪魔の風船 富野喜幸 1月23日 105 アトム将軍 豊田有恒 青木茂 1月30日 106 宇宙から来た少年 杉井儀三郎 2月6日 107 地球解放 辻真先 永島慎二 2月13日 108 サターンマン 片岡忠三 2月20日 109 不死鳥 辻真先 紺野修司 2月27日 110 水星探検 豊田有恒 北野英明 3月6日 111 ロボットポリマー 富野喜幸 3月13日 112 サムソンの髪の毛 出﨑統 3月27日 113 笑わぬバック国 能加平 青木茂 4月3日 114 メトロモンスター 山野浩一 富野喜幸 4月10日 115 逃げだした大金庫 能加平 高木厚 4月17日 116 史上最大のロボット(前) 手塚治虫 柴山達雄 4月24日 117 史上最大のロボット(後) 石津嵐 上梨満雄 5月1日 118 ロボットラグビー 豊田有恒 青木茂 5月8日 119 空とぶレンズ 能加平 杉井儀三郎 5月15日 120 タイムハンター 富野喜幸 5月22日 121 ガニメート号 豊田有恒 5月29日 122 怪獣マントラー 手塚治虫 6月5日 123 ドッグ隊長 鳥海尽三 出﨑統 6月19日 124 おきみやげ 富野喜幸 7月3日 125 細菌をさがせ 石津嵐 7月10日 126 ロボイド 島海尽三 高木厚 7月17日 127 実験ロボット 石津嵐 西牧秀雄 7月24日 128 インカ帝国の宝 富野喜幸 7月31日 129 アトム対アトム 広川和行 8月14日 130 火星の嵐 石津嵐 岡崎稔 8月21日 131 ムーンチャンピオン 富野喜幸 8月28日 132 ルイ王子 石津嵐 出﨑統 9月4日 133 10年目の復讐 富野喜幸 9月11日 134 脱出作戦 坂本雄作 大西清 9月18日 135 ロボット犬バッキー 西牧秀雄 9月25日 136 ジャガー警部 平見修司 西牧秀雄 10月2日 137 小さいクーリー 石津嵐 高木厚 10月9日 138 長い1日 富野喜幸 10月16日 139 盗まれたアトム 10月23日 140 王様とアトム 石津嵐 岡崎稔 10月30日 141 機関車行進曲 能加平 西牧秀雄 11月6日 142 ミーニャの星 石津嵐 大西清遠藤政治 11月13日 143 バードストリート物語 出﨑統 11月20日 144 失われた友情 片岡忠三 11月27日 145 アトム深海を行く 石津嵐 岡崎稔 12月4日 146 未来からの報告 能加平 大西清 12月11日 147 空中スクリーン 西牧秀雄 12月18日 148 ロビオとロビエット 杉井儀三郎 12月25日

話数 サブタイトル 脚本 演出 放送日
101 地図にない世界 辻真先 紺野修司 1965年
1月2日
102 魔境の女王 手塚治虫 1月9日
103 宇宙への階段 辻真先 瀬山義文 1月16日
104 悪魔の風船 富野喜幸 1月23日
105 アトム将軍 豊田有恒 青木茂 1月30日
106 宇宙から来た少年 杉井儀三郎 2月6日
107 地球解放 辻真先 永島慎二 2月13日
108 サターンマン 片岡忠三 2月20日
109 不死鳥 辻真先 紺野修司 2月27日
110 水星探検 豊田有恒 北野英明 3月6日
111 ロボットポリマー 富野喜幸 3月13日
112 サムソンの髪の毛 出﨑統 3月27日
113 笑わぬバック国 能加平 青木茂 4月3日
114 メトロモンスター 山野浩一 富野喜幸 4月10日
115 逃げだした大金庫 能加平 高木厚 4月17日
116 史上最大のロボット(前) 手塚治虫 柴山達雄 4月24日
117 史上最大のロボット(後) 石津嵐 上梨満雄 5月1日
118 ロボットラグビー 豊田有恒 青木茂 5月8日
119 空とぶレンズ 能加平 杉井儀三郎 5月15日
120 タイムハンター 富野喜幸 5月22日
121 ガニメート号 豊田有恒 5月29日
122 怪獣マントラー 手塚治虫 6月5日
123 ドッグ隊長 鳥海尽三 出﨑統 6月19日
124 おきみやげ 富野喜幸 7月3日
125 細菌をさがせ 石津嵐 7月10日
126 ロボイド 島海尽三 高木厚 7月17日
127 実験ロボット 石津嵐 西牧秀雄 7月24日
128 インカ帝国の宝 富野喜幸 7月31日
129 アトム対アトム 広川和行 8月14日
130 火星の嵐 石津嵐 岡崎稔 8月21日
131 ムーンチャンピオン 富野喜幸 8月28日
132 ルイ王子 石津嵐 出﨑統 9月4日
133 10年目の復讐 富野喜幸 9月11日
134 脱出作戦 坂本雄作 大西清 9月18日
135 ロボット犬バッキー 西牧秀雄 9月25日
136 ジャガー警部 平見修司 西牧秀雄 10月2日
137 小さいクーリー 石津嵐 高木厚 10月9日
138 長い1日 富野喜幸 10月16日
139 盗まれたアトム 10月23日
140 王様とアトム 石津嵐 岡崎稔 10月30日
141 機関車行進曲 能加平 西牧秀雄 11月6日
142 ミーニャの星 石津嵐 大西清
遠藤政治
11月13日
143 バードストリート物語 出﨑統 11月20日
144 失われた友情 片岡忠三 11月27日
145 アトム深海を行く 石津嵐 岡崎稔 12月4日
146 未来からの報告 能加平 大西清 12月11日
147 空中スクリーン 西牧秀雄 12月18日
148 ロビオとロビエット 杉井儀三郎 12月25日

1966年 話数 サブタイトル 脚本 演出 放送日 149 カンヅメ狂騒曲 富野喜幸 1966年1月1日 150 マグネットちゃん 石津嵐 高木厚 1月8日 151 ひとりぼっちのアトム 小森四郎 虫プロ演出部 1月15日 152 ロボット爆弾 岡崎稔 1月22日 153 赤い木馬 西牧秀雄 1月29日 154 青い鳥物語 井上 大西清遠藤政治 2月5日 155 狂った国境線 片岡忠三 2月12日 156 ロボット市長 富野喜幸 2月19日 157 ジプシーの星 豊田有恒 遠藤政治 3月26日 158 おかしな道づれ 能加平 西牧秀雄 3月5日 159 悪魔と天使 石津嵐 岡崎稔 3月19日 160 黄金のフルート 小森四郎 富野喜幸 3月26日 161 夢を売る宇宙人 石津嵐 永樹凡人 4月2日 162 キャンデー作戦 遠藤政治 4月9日 163 別世界への道 富野喜幸 4月16日 164 宇宙ぐも 坂本雄作 4月23日 165 赤ん坊騒動 石津嵐 岡崎稔 4月30日 166 ジュエルの魔像 高木厚 上梨満雄山本義也 5月7日 167 風船がいっぱい 能加平 西牧秀雄 5月14日 168 おどりあがった島 石津嵐 片岡忠三 5月21日 169 未来人の贈り物 西牧秀雄 5月28日 170 二人の王女 石津嵐 上梨満雄 6月4日 171 永遠のクッチャー 能加平 富野喜幸 6月11日 172 ヘラルド兄弟 片岡忠三 6月25日 173 ロボッティ 富野喜幸 7月2日 174 海底大運河 西牧秀雄 7月9日 175 ロボット大戦争(前) 坂本雄作 出﨑統 7月23日 176 ロボット大戦争(後) 山本暎一虫プロ演出部 7月30日 177 ばかでかいロボット 片岡忠三 8月6日 178 チータン夜の冒険 加藤靖三 上梨満雄 8月20日 179 青騎士(前) 富野喜幸 8月27日 180 青騎士(後) 加藤靖三 富野喜幸 9月3日 181 幽霊製造機(2作目) 富野喜幸 9月10日 182 狂ったコバルト 加藤靖三 斎出光布 9月24日 183 宇宙から来た日本人 能加平 富野喜幸 10月1日 184 タイム戦争 佐脇徹 上梨満雄 10月8日 185 アフリカの星 斎出光布加藤靖三 斎出光布 10月22日 186 おばけは夜来る 杉山卓 10月29日 187 ベーリーの伝説 秋玲二 11月5日 188 鞍馬の天狗 富野喜幸 11月19日 189 撮影所騒動 坂本雄作 11月26日 190 メソタミアの奇蹟 斎出光布 12月3日 191 さすらいのロッピ 柴山達雄 上梨満雄 12月17日 192 メドッサの館 富野喜幸 12月24日 193 地球最大の冒険 手塚治虫 12月31日

話数 サブタイトル 脚本 演出 放送日
149 カンヅメ狂騒曲 富野喜幸 1966年
1月1日
150 マグネットちゃん 石津嵐 高木厚 1月8日
151 ひとりぼっちのアトム 小森四郎 虫プロ演出部 1月15日
152 ロボット爆弾 岡崎稔 1月22日
153 赤い木馬 西牧秀雄 1月29日
154 青い鳥物語 井上 大西清
遠藤政治
2月5日
155 狂った国境線 片岡忠三 2月12日
156 ロボット市長 富野喜幸 2月19日
157 ジプシーの星 豊田有恒 遠藤政治 3月26日
158 おかしな道づれ 能加平 西牧秀雄 3月5日
159 悪魔と天使 石津嵐 岡崎稔 3月19日
160 黄金のフルート 小森四郎 富野喜幸 3月26日
161 夢を売る宇宙人 石津嵐 永樹凡人 4月2日
162 キャンデー作戦 遠藤政治 4月9日
163 別世界への道 富野喜幸 4月16日
164 宇宙ぐも 坂本雄作 4月23日
165 赤ん坊騒動 石津嵐 岡崎稔 4月30日
166 ジュエルの魔像 高木厚 上梨満雄
山本義也
5月7日
167 風船がいっぱい 能加平 西牧秀雄 5月14日
168 おどりあがった島 石津嵐 片岡忠三 5月21日
169 未来人の贈り物 西牧秀雄 5月28日
170 二人の王女 石津嵐 上梨満雄 6月4日
171 永遠のクッチャー 能加平 富野喜幸 6月11日
172 ヘラルド兄弟 片岡忠三 6月25日
173 ロボッティ 富野喜幸 7月2日
174 海底大運河 西牧秀雄 7月9日
175 ロボット大戦争(前) 坂本雄作 出﨑統 7月23日
176 ロボット大戦争(後) 山本暎一
虫プロ演出部
7月30日
177 ばかでかいロボット 片岡忠三 8月6日
178 チータン夜の冒険 加藤靖三 上梨満雄 8月20日
179 青騎士(前) 富野喜幸 8月27日
180 青騎士(後) 加藤靖三 富野喜幸 9月3日
181 幽霊製造機(2作目) 富野喜幸 9月10日
182 狂ったコバルト 加藤靖三 斎出光布 9月24日
183 宇宙から来た日本人 能加平 富野喜幸 10月1日
184 タイム戦争 佐脇徹 上梨満雄 10月8日
185 アフリカの星 斎出光布
加藤靖三
斎出光布 10月22日
186 おばけは夜来る 杉山卓 10月29日
187 ベーリーの伝説 秋玲二 11月5日
188 鞍馬の天狗 富野喜幸 11月19日
189 撮影所騒動 坂本雄作 11月26日
190 メソタミアの奇蹟 斎出光布 12月3日
191 さすらいのロッピ 柴山達雄 上梨満雄 12月17日
192 メドッサの館 富野喜幸 12月24日
193 地球最大の冒険 手塚治虫 12月31日

  • 年末特番であった第53話は、16mmフィルムが発見されたため1998年版LD-BOXより収録。
  • 外注プロ制作の、第34話、125話、127話、139話、163話、191話はフィルムが現存せず、DVDでは音声シネテープと映像素材(34話は米版ビデオ映像、125、127、および139話は場面写真と絵コンテ、163、および191話は本編ネガ)を元に復元収録されている。
  • 放映期間中の4年間に全部で193話が作られた。それ以外に、製作が間に合わなかったためのリピート放送(過去のエピソードを再び流すこと)が全部で17回あった。それらを挙げておく。
  • 1964年1月11日:「白い惑星号」
  • 1964年4月18日:「ミュータント」
  • 1964年5月30日:「ウランちゃん」
  • 1964年8月8日:「想い出の日」
  • 1964年10月17日:「ロボットランド」
  • 1965年3月20日:「エジプト陰謀団」
  • 1965年6月12日:「人工衛星R-45」
  • 1965年6月26日:「マッドマシーン」
  • 1965年8月7日:「十字架島」
  • 1966年3月12日:「海底探検」
  • 1966年6月18日:「幽霊船」
  • 1966年7月16日:「イルカ文明」
  • 1966年8月13日:「デッドクロス殿下」
  • 1966年9月17日:「細菌部隊」
  • 1966年10月15日:「新かぐや姫」
  • 1966年11月12日:「ロボット競技大会」
  • 1966年12月10日:「人工氷山」
  • 1964年1月11日:「白い惑星号」
  • 1964年4月18日:「ミュータント」
  • 1964年5月30日:「ウランちゃん」
  • 1964年8月8日:「想い出の日」
  • 1964年10月17日:「ロボットランド」
  • 1965年3月20日:「エジプト陰謀団」
  • 1965年6月12日:「人工衛星R-45」
  • 1965年6月26日:「マッドマシーン」
  • 1965年8月7日:「十字架島」
  • 1966年3月12日:「海底探検」
  • 1966年6月18日:「幽霊船」
  • 1966年7月16日:「イルカ文明」
  • 1966年8月13日:「デッドクロス殿下」
  • 1966年9月17日:「細菌部隊」
  • 1966年10月15日:「新かぐや姫」
  • 1966年11月12日:「ロボット競技大会」
  • 1966年12月10日:「人工氷山」
商品化権の概念の確立

本作は日本のキャラクターとしては初めて商品化権の概念を確立した。本作の関連商品は日本のアニメキャラクターで初めて著作権表示をつけたとされている。本作以前のキャラクター商品は海賊版が当然であり、著作権者に許諾を求めることも、使用料を支払うこともほとんどなかった。

手塚治虫も本作ではそれでいいように考えていたが、ディズニーと取引があったセイカノートがディズニーの許諾業務のノウハウを手塚に教えたのである。セイカノートの狙いは商品化権の独占にあり、商品化権を取得していない同業他社を排除することにあったのだが、結果として著作権者に使用料が払われるようになり、赤字体質だった虫プロを救い、テレビアニメに商業性があることを示した。

もっとも、『アトム』商品が市場に登場したのは放映開始から3ヶ月後である。放映開始が元旦で、当初は半年で放映が終わる予定だった。つまり3ヶ月で『アトム』の知名度を上げ、残り3ヶ月で商品を流通させる計画だったことになる。となると「制作費の不足を商品化権収入で補う」というよりは「制作費の赤字を放映終了までにできるだけ減らす」という「守り」の発想だったのではないか、とする説もある。

制作秘話
費用

「当初の制作費は1話当たり55万円であった」と手塚が生前に書いたり語ったりしたことがあちこちに引用され定説化してしまっている。しかし、各種の資料や当時の関係者の証言などを再調査した津堅信之は、実際には代理店より1話当たり155万円が支払われており、放映終了の頃には300万円を越えていたとしている。

もっとも、『ジャングル大帝』の総監督を務めた山本暎一によると、工業簿記を取り入れて1日単位で制作費管理をした『ジャングル大帝』に対して、『アトム』は簿記管理体制を最終回まで使っておらず、さらに『アトム』では手塚社長による脚本、絵コンテ等のチェックが行われるやり方だったために「先生待ち」(まんが家として超多忙だった手塚はなかなか時間を割いてくれなかった)で制作作業が止まってしまってスタジオがフル稼働できずそのぶん人件費がかさむという悪循環が続き、そのためカラー制作の『大帝』よりも白黒の『アトム』のほうが実制作費がかかったという。

原作ストック

放映開始時にはそれまで10年以上の長期にわたって月刊誌で連載された漫画原作のストックがあった。しかし、1つのエピソードを月刊連載の数回分で完結させていた原作に対し、アニメでは原作の1つのエピソードを毎週放送の1回分で完結させたので(例外は前編と後編に分けた「史上最大のロボット」と「青騎士」だけ)、原作のストックはたちまち使い尽くされてしまった。このため、すでにアニメ化したエピソードをアレンジし直したり、別の手塚漫画作品などを元にしたオリジナルなアトムのエピソードが多数を占めるようになった。

後に映画『ミクロの決死圏』の元ネタではないかという説の出た第88話「細菌部隊」も、手塚が1948年に発表した漫画『吸血魔団』がベースである。また、「幽霊製造機」のように全く同じタイトルで2度制作されたエピソードもある。

手塚原作にはない完全にオリジナルなストーリーは、辻真先や後にSF作家となる豊田有恒などが執筆した。

『鉄腕アトム』の放送エピソードに翻案されて用いられた手塚治虫原作の漫画作品としては、以下のものがある。

  • 第23話「ミュータント」 - 『ケン1探偵長』の「殺人アブ事件」
  • 第31話「黒い宇宙線」 - 『ライオンブックス』の「くろい宇宙線」
  • 第35話「人間牧場」 - 『人間牧場』
  • 第36話「プイプイ教」 - 『旋風Z』
  • 第56話「地球防衛隊」 - 『ナンバー7』
  • 第58話「13の怪神像」 - 『ハリケーンZ』の「13の怪神像事件」
  • 第73話「ビッグタイタン」 - 『魔神ガロン』
  • 第74話「地底探検」 - 『オズマ隊長』
  • 第80話「ヒューマノイドビル」 - 『オズマ隊長』
  • 第88話「細菌部隊」 - 『吸血魔団』(リメイク版は『38度線上の怪物』)
  • 第98話「ゼオの遺産」 - 『偉大なるゼオ』
  • 第128話「インカ帝国の宝」 - 『ボンゴ』
設定

本作では、アトムの誕生日は2013年4月1日という設定(原作では2003年)。

『アトム』原作から続くテーマの1つに人種差別があるが、それを正面から取り上げた第9話「ブラックルックスの巻」は米国では放映されなかった。

製作環境

製作環境は凄まじく、特に放映初期に関しては様々な証言が残されている。その後は安定したかというとそうでもなく、途中から参加した富野喜幸は「製作が放映に間に合わない時には以前のフィルムから使えそうな部分をツギハギして1話分でっち上げた」と後に述懐している。これは主要スタッフが『ジャングル大帝』に異動し、半ば放置されたためである。一説にはこの時の富野の経験が、『機動戦士ガンダム』の軍艦ホワイトベースのプロットのモデルになったとも、この時に富野が「既存のフィルムに最小限の新作を繋ぎ合わせて一作品でっち上げる」技法を身に付けた、とも言われている。

第34話「ミドロが沼の巻」は、手塚治虫本人からの依頼で、スタジオ・ゼロが作画を担当したが、担当者(鈴木伸一・石ノ森章太郎・藤子不二雄(藤子・F・不二雄、藤子不二雄A)・つのだじろうら)毎にキャラクターのタッチが異なってしまっていた為、その後は虫プロからの発注は2度となかった、この回のフィルムは長らく行方不明となっていたが、アメリカで放映されたフィルムが発見され、日本語版の音声テープを組み合わせて2002年にDVD-BOXが発売された際には復元された。鈴木らは、フィルムが行方不明になった理由について「作画が気に入らなかったので手塚が破棄したのではないか」と考えていたという。それに対し、当時スタッフの1人であったりんたろうは「手塚は周囲にとても気を遣う人だったので、外部の人に作ってもらったものを捨ててしまうとは考えられない」と述べている(2002年に放送されたNHKBSの番組のインタビューによる)。

1965年からは、虫プロは『鉄腕アトム』に加えて『ジャングル大帝』『W3』の制作を並行して開始して、生え抜きスタッフはこぞって『ジャングル大帝』に参加した。そのため、手塚治虫本人から旧知のうしおそうじが率いるピープロへ原動画以降の外注を依頼。1965年1月23日放送の104話「悪魔の風船」から1クールの予定が、都合3クール分の39本の外注となった。

この他にも、TCJから独立した大西清が設立した大西プロが、1965年9月18日放送の134話「脱出作戦」から月に1本ということで制作を請け負った。

カラー

第56話「地球防衛隊」のみ試験的にカラーで制作された。ただし、放送自体はモノクロで行われている。この回は40.3%(ニールセン調べ、関東地区)の視聴率を記録した。このエピソードは後に再編集されて劇場公開もされた(下記を参照)。

放送局の決定

本作は手塚がフジテレビに企画を持ち込み、実現したと巷間伝えられるが、フジテレビの別所孝治プロデューサーによれば、実際には当時萬年社の制作課長だった穴見薫が仕掛け人だったという。虫プロのアニメーターに穴見の妻となる中村和子がいたことで手塚と関わりを持ち、スポンサーに明治製菓(現・明治)を引っ張ってきてこれを実現し、この縁で穴見は虫プロに常務待遇で迎えられることとなったそうである。

アニメ演出家の白川大作(フジテレビ幹部白川文造の兄)によると、放送局は萬年社が決めることになっており、日本テレビで決まりかけていた。しかし弟の文造経由でアニメ化の情報を入手したフジテレビが先んじて動き、フジでの放送となったという。

番組終了

最終回「地球最大の冒険」は1966年の大晦日に放送された。内容は地球を救うための太陽活動を抑える装置を載せたロケットをアトムが抱えて太陽に突入するというもので、当時の子供達に与えた影響は大きかった。

ちなみに最終回が放映された時はこの年のプロ野球球団であるサンケイアトムズはセ・リーグの勝率が同率5位だったという。

視聴率はこの時点でも20%を超え好調だったが、終了は輸出先のアメリカのテレビがカラー化が進行していてモノクロの本作品が売れなくなったこと、長期に渡る放送でアトムの商品イメージが限界に来たというスポンサーの明治製菓の意向が理由であった。終了はテレビで予告されて、視聴者の母子からは続行を希望する手紙が殺到したという。

この最終回の続編として手塚が1967年1月24日より執筆したのが、サンケイ新聞連載版『鉄腕アトム』(単行本化の際に『アトム今昔物語』に改名)である。それとは別に、1972年4月から小学館の学習雑誌『小学二年生』『小学四年生』に別設定で連載した。

放映期間中の1965年10月16日に放送された『スター千一夜』に、漫画・アニメの登場人物としては初めてアトムがゲスト「出演」し、三木鶏郎(司会)・手塚治虫と対談した。この出演パートは新たに作画を起こして制作され、完成には約5か月を要した。

劇場版

『鉄腕アトム』劇場アニメはいずれも(未完含め)テレビアニメ第1作の派生作品のため本項で解説する。

鉄腕アトム 宇宙の勇者

1964年7月26日、日活系封切、日本初のテレビアニメからの劇場版アニメ作品。併映作はユーゴスラビアの児童映画『ぼくらの冒険旅行』。

『宇宙の勇者』は正式サブタイトルだが、オープニングではクレジットされていない。

テレビ版の第46話・第56話(上記)・第71話を劇場用にブローアップし再編集した作品。これらの内、第56話はテレビでは使用しなかったカラー版を使用、また第71話は一部がカラー化された。更にプロローグやつなぎ部分が新しく作画された。

当初、映画化に名乗りを上げたのは松竹で、虫プロと共同制作する予定だった。だが松竹では、業績不振から城戸四郎の社長復帰と言う上層部の入れ替えに伴い、製作方針の転換で映画化を断念した。それを知った東宝と日活は虫プロに自主制作を勧め、その結果、配給権は日活が獲得した。

期待された割には興行成績は振るわず、5日前に東映で公開されたまんが大行進(『鉄人28号』『狼少年ケン』などのブローアップ再編集作品で構成)に敗れてしまった。理由は色々だが、一番なのは「アクション映画路線で売った日活で上映したため」だと言われる。

  • 原作・構成・制作 - 手塚治虫
  • 脚本 - 山本暎一、林重行、鈴木良武
  • 演出 - 山本暎一、林重行、高木厚
  • 原画 - 山本繁、瀬山義文、北野英明、青木茂、岡迫亘弘、田中英二、赤堀幹治
  • 動画 - 沼本清海、上梨壹也、正延宏三、森安夫、出崎統、渡辺邦男、西牧秀雄
  • 美術 - 松本強、八村博也、大脇章子、半藤克己
  • 資料 - 野崎欣宏、飯塚正夫
  • 撮影 - 佐倉紀行、清水達正、広川和行
  • 編集 - 古川雅士
  • 音楽 - 高井達雄
  • 音楽構成 - 大野松雄
幻の完全新作版

1966年7月に上映される『フランケンシュタインの怪獣 サンダ対ガイラ』の併映として、東宝系で『鉄腕アトム ロボット大戦争』の公開が予定されていた。こちらは、テレビの再編集版ではなく、フルアニメの完全新作ということだったが、監督の坂本雄作が納得する脚本を執筆できずにいるうちにスケジュール的に無理となり、実現には至らなかった。代替作としてテレビアニメ『ジャングル大帝』のブローアップ再編集版が急遽制作された。なお、没となったストーリーはその後テレビシリーズの第175、176話(「ロボット大戦争」前後編)として1966年の7月23、30日に放送された。脚本は映画の監督だった坂本雄作が担当。

鉄腕アトム 地球防衛隊

1980年3月20日、大映系封切。併映は、『宇宙怪獣ガメラ』。

1964年公開の『鉄腕アトム 宇宙の勇者』から、第56話のみ選ばれて上映。オープニングは新作で、このオープニングは、日本映画専門チャンネルで放送された第56話に使用。

評価

原作者の手塚治虫は、科学的合理主義への疑問や警告をテーマとしていた原作漫画に対し、アニメ版では単純な科学文明礼賛となっており、「アトムが正義の味方となって何らかの悪者を倒す」という勧善懲悪のパターンが定着したことに対して極めて不満を感じていた。後にリメイクする理由としている。

当時のテレビ制作費では紙芝居が限界と言われており、東映動画(現 東映アニメーション)のスタッフも「ここにきてる連中は、皆、画を動かすためにきてる」と自負していた。大塚康生ら、当時東映動画で長編アニメーションを手がけていた人々の間では、動画の動きの少ない本作を評価する人は皆無だった。しかし本作が爆発的な人気を得たことに対して自分たちの仕事を否定されたような衝撃を受けたという。

一方、前述の通り実際に納品に際して支払われた額には諸説あるが、フジテレビは本作で投入額に対して莫大な利益を上げたといわれている。これが後の日本におけるテレビアニメの大隆盛を呼んだ反面、アニメーターの低賃金の労働環境を生み出したとも語られる。しかし手塚はそれに対し存命中にこう反論している。

本作のスタッフでもあるアニメ監督の杉井ギサブローは、従来の動きが主であったアニメーションを、ストーリーが主であるアニメという別ものに作り変えたことで、今日の日本アニメの流れを作った作品であるとしている。

2013年4月にフランス・カンヌで開かれた国際番組見本市MIPTVにより、世界のテレビを変えた50作の1つに本作が選ばれた(2013年3月28日8時2分、朝日新聞インターネット版)。

「鉄腕アトム大全」というLD-BOXが発売された際、22万円の商品が1500セット程度売れたとされる。

放送局

本放送キー局は制作局のフジテレビだが、この当時、フジテレビ系の局は大半が未開局で、FNS自体も未構成だった。フジサンケイグループのテレビ局が未開局のエリアへのネットは、日本テレビ系あるいはTBS系参加局が多い。

◎=フジテレビ系、●=日本テレビ系、△=TBS系、☆=NETテレビ(現・テレビ朝日)系

  • フジテレビ◎(制作局):火曜 18:15 - 18:45 → 土曜 19:00 - 19:30
  • 札幌テレビ●◎(現在●):木曜 12:15 - 12:45(1963年1月10日 - 2月7日) → 日曜 9:15 - 9:45(1963年2月10日 - 10月27日) → 日曜 9:00 - 9:30(1963年11月3日 - 1967年1月1日)
  • 青森放送●(その後●☆→現在●):火曜 18:15 - 18:45 → 火曜 18:00 - 18:30
  • 岩手放送(現・IBC岩手放送)△:日曜 9:30 - 10:00
  • 秋田放送●:火曜 18:15 - 18:45→ 火曜 18:00 - 18:30
  • 山形放送●(その後●☆→現在●):火曜 18:15 - 18:45
  • 仙台放送◎●☆(現在◎):火曜 18:15 - 18:45 → 土曜 19:00 - 19:30
  • 福島テレビ●△(その後△◎→現在◎):火曜 18:15 - 18:45 ※1963年4月の開局より
  • 山梨放送●
  • 新潟放送△:土曜 19:00 - 19:30(1963年3月30日から1966年12月31日まで放送)
  • 信越放送△:土曜 19:00 - 19:30
  • 静岡放送△:土曜 16:00 - 16:30
  • 北日本放送●:火曜 18:15 - 18:45 (1963年10月1日から1967年1月3日まで放送)
  • 北陸放送△:月曜 19:00 - 19:30(1963年4月6日開始時点)→日曜 10:00 - 10:30 →月曜 19:00 - 19:30(1967年1月2日に最終回)
  • 福井放送●(現在●☆):土曜 19:00 - 19:30(1964年4月4日から1966年12月31日まで放送)
  • 東海テレビ◎:火曜 18:15 - 18:45 → 土曜 19:00 - 19:30(1966年12月31日まで放送)
  • 関西テレビ◎:火曜 18:15 - 18:45 → 土曜 19:00 - 19:30
  • 日本海テレビ● - 当時は鳥取県のみ:火曜 18:15 - 18:45
  • 山陰放送△ - 当時は島根県のみ:土曜 19:00 - 19:30
  • 山陽放送(現・RSK山陽放送)△ - 当時は岡山県のみ:土曜 19:00 - 19:30
  • 広島テレビ●◎(現在●):火曜 18:15 - 18:45
  • 山口放送●(その後●☆→現在●):火曜 18:15 - 18:45
  • 西日本放送● - 当時は香川県のみ
  • 四国放送●:火曜 18:15 - 18:45
  • 高知放送●:火曜 18:15 - 18:45
  • 南海放送●:火曜 18:15 - 18:45
  • 九州朝日放送◎☆(第1回〜1964年9月、翌月以降現在まで☆:日曜 9:15 - 9:45 → 土曜 19:00 - 19:30
  • テレビ西日本◎(前月まで●、1964年10月〜最終回):土曜 19:00 - 19:30
  • 長崎放送△:日曜 9:30 - 10:00
  • 熊本放送△:土曜 19:00 - 19:30
  • 大分放送△:日曜 10:15 - 10:45
  • 宮崎放送△:日曜 18:00 - 18:30
  • 南日本放送△:土曜 19:00 - 19:30
  • 沖縄テレビ(当時独立局、1972年5月の沖縄返還以降現在まで◎):日曜 20:00 - 20:30
  • テレビ西日本◎(前月まで●、1964年10月〜最終回):土曜 19:00 - 19:30
ネット配信

いずれもYouTubeの「手塚プロダクション公式チャンネル」で行われている・

  • 2013年12月19日より本作冒頭部のみが常時無料配信、翌12月20日からは劇場版『宇宙の勇者』の冒頭部も常時無料配信されている。
  • 2022年4月4日から同年6月2日まで、第1話から第50話までを4本(第49・50話のみ2本)まとめての期間限定無料配信が行われ、4月8日からは『宇宙の勇者』も6月8日までの期間限定無料配信が行われた。
  • 2022年6月6日から同年8月8日まで、第51話から第100話までの配信が行われた。なお第56話「地球防衛隊の巻」と第71話「地球最後の日の巻」は、OPとEDはテレビ版そのままだが、本編は『宇宙の勇者』用に作られたカラー版(前者はオールカラー、後者は一部カラー)を使用している。
  • 2022年8月1日から同年10月3日まで、第101話から第150話までの配信が行われた。ただし第125話・第127話・第139話は欠番となる。
  • アニメ開始60周年となる2023年1月5日から3月まで、第151話から最終回までの配信が行われた。
  • 2024年1月2日から2月28日までの予定で、第1 - 50話が2022年4月と同形式で配信されている。
補足
  • 1983年2月20日(日)、テレビ放送30周年を記念してNHK教育テレビで放送された特別番組『テレビジョン その時代』(第7夜)で、本作の第3話「火星探検」(1963年1月15日放送)が放送された。なお放送形態は次の様に変更された。
  • オープニング映像は第3期バージョンを使用。
  • OPと本編の間のCMは、「コマーシャル」のカードに差し替え。
  • 本編冒頭の「星の紹介」の場面で、様々な星に混ざって、スポンサーである明治製菓の当時のマーク「旭日マーク」が映されていたが、放送ではその部分をマスキングで消した。
  • エンディングはカット。
  • 2013年7月6日(土)午後9時、NHK BSプレミアム「手塚治虫×石ノ森章太郎 TV作品初回・最終回大集合!」にて、第1話と最終回が放送された。なお、第1話のオープニングと本編後半にあった「提供 明治製菓」の部分は削除して放送された。