銀の三角
以下はWikipediaより引用
要約
『銀の三角』(ぎんのさんかく) は、萩尾望都による日本のSF漫画作品。月刊雑誌『SFマガジン』(早川書房)に1980年12月号から1982年6月号まで連載された。単行本は早川書房より全1巻、白泉社:白泉社文庫より全1巻。
未来世界を舞台にしたSF作品。
第14回(1983年)星雲賞コミック部門を受賞。
概要
究極に科学が発達した未来世界を舞台に、時間移動能力を持つマーリーとそのクローンが、謎の吟遊詩人ラグトーリンとともに絶滅したはずの銀の三角人を救うため、時空間を往来するハードSF長編。
作者は従来、「少女漫画読者のためのSF」を意識してSFの素人にもわかりやすい作品づくりを心がけていたが、本作品についてはSF専門誌『SFマガジン』に連載ということで少女漫画読者向けという制約を外したため、従来作品には見られないほど複雑にして難解な作品となった。
制作の経緯
1979年の秋ごろ、作者は『SFマガジン』から16頁の作品の依頼を受け、本作の第一話「いのりのあさ」のストーリーを用意した。しかし、話が膨らんできたため、かわりに短編「ラーギニー」を編集者に渡し、作者の方から本作の連載を持ちかけた。半年の連載という話であったが、連載は1年半(19回)に及んだ。
制作後、作者は「描き終わってしばらくしたら、すごくミューパントーのことが気になって、どうも、この子のことで、書き残したものがあるらしいので、この話の続きでも同じキャラクターでもないけど、残りをいつか描いてみたいです」と語っているが、実現はされていない。
あらすじ
3万年前に絶滅した銀の三角人は、金色の虹彩の瞳をもつと言い伝えられている。
中央に所属するマーリーは、歌手エロキュスを探しに辺境の星トメイを訪れる。そのときクーデターが勃発し、傷を負ったエロキュスを助ける。エロキュスから金色の虹彩の瞳の少年と吟遊詩人(ラグトーリン)の幻を見た話を聞く。その後エロキュスは死亡し、中央のコンピュータに意識が保存される。
マーリーが吟遊詩人ラグトーリンを探すために赤砂地星を訪れたときに、王国に金色の虹彩の瞳をもつ王子が誕生する。王は不吉なので殺すように命ずるが、王子は何度も生き返る。マーリーは王国の西の地へ赴き、4年前にもマーリー自身がラグトーリンを探しに来たと聞かされ驚く。ラグトーリンを殺そうとするが、逆に殺される。
中央では、マーリーのクローン体(マーリー・2)が再生されるが、コンピュータのミスによりマーリーとエロキュスの2人分の記憶が注入されてしまい、マーリー・2は記憶喪失に陥る。不安に過ごすマーリー・2の前にラグトーリンが現れ、赤砂地星へ誘う。マーリー・2は赤砂地星で王子を救おうとし失敗し殺されるが、ラグトーリンにより時間を戻され生き返り、何度も王子の救出に失敗しては殺される。ラグトーリンは15年後の王子の声が時空をゆがめるので、王子の運命を変えてそれを防ぎたいこと、そのためにはマーリーの助けが必要なことを告げる。その後、マーリー・2は王に捕らえられる。
中央では、マーリーのクローン体(マーリー・3)が再生される。
登場人物
マーリー
ラグトーリン
パントー
エロキュス(エロキュス・ルルゴー・モア)
チェッカー