銀曜日のおとぎばなし
以下はWikipediaより引用
要約
『銀曜日のおとぎばなし』(ぎんようびのおとぎばなし)は、萩岩睦美による日本の少女漫画作品。1983年1月号から1984年12月号にかけて『りぼん』(集英社)にて連載された。
概要
作者の萩岩睦美は、幻想的で心温まる作風と評価されている当時の『りぼん』の看板作家であり、本作は代表作として挙げられる。
純粋な恋愛物を描くにはテレがあるため、家族愛、人間愛、動物愛を盛り込む癖があり、そういった後発作品に現れるテーマの素が本作に詰まっている、と作者は語っている。
なお、スコットのモデルは、萩岩が当時熱狂的ファンであった英国出身バンドであるジャパンのデヴィッド・シルヴィアンではないかと、漫画家仲間の間では噂されている。 実際に単行本の書き下ろしイラストでは、デヴィッド・シルヴィアンが雑誌等の写真でとっていたポーズ等を真似たスコットの姿が見られる。
あらすじ
ヒロイン・ポーは、イギリスの森深くに住む、小人族のお姫様。親友で、ヒタキ科の鳥・リルフィーと出掛けたある日、人間の青年・スコットと出会う。絵画塾の教師をしている心優しいスコットは、彼女とのふれあいによって、新たな世界へと足を踏み入れていく。大きく分けると連載時期で以下の3つの物語で構成されている。
登場キャラクター
人間
スコット・フェリー
フェリー
クレア・マクヴィー
小人族とその仲間達
森に住み、自然や動物達と共存している掌に乗るほどの小人の一族。動物達とは会話が可能である。貨幣はなく、物々交換や手伝い合いなどを対価としている。家は、草木で作る者もいれば、木や地面に穴を掘って作る者もいる。
小人族には、生き物の神経を麻痺させ、神経を操る力が秘められている。この力を使う際は、かなり精神的に消耗する。本来、食物が途絶えたときに動物を捕獲するための力であるが、生贄確保のためにも使われている。
ポー
イギリスの森に住む小人族のお姫様。身長8.5cm、体重102g(作品後期の測定)。お転婆で、ちょくちょく小鳥のリルフィーに乗って森の中を遊びまわっている。言い伝えに言われる、新月の銀曜日に生まれた1000人目の女性であり、彼女の死が部族の最後と言われている。ただし、10歳という年齢にしては幼い行動で、作品中でも5歳程度と見られることも多い(15年振りに読者視点で読んだ作者自ら、4、5歳程度と評している)。心優しい行動も多く、その性格はスコットとともに小人族の存続に影響を与えていく。
第2部以降は、小人族と人間との掛け橋になるように、ポーはリルフィーと一緒にスコット宅に寝泊りし、スコットとともに物語が進んでいく。
女王
銀曜日の言い伝えの秘密
銀曜日とは、人間界でいう金曜日のことである。曜日は部族でも同じように7曜となっているが、昔は金曜日には必ず銀の雪が降っていたとされ、以来、部族の中では銀曜日と呼ばれている。
言い伝えによると、ポー達の部族では、新月の銀曜日に生まれた1000人目の女性が死ぬときが部族の絶えるときであるとされている。部族が助かるには2つの方法があり、一つは10年ごとに人間を生贄にささげること。これにより、1000人目の女性は心のない抜け殻となる代わりに、(生贄がささげられる限り)永遠の命を授かるとされている。もう一つは、互いに信じあう者にしか見えない、そして銀曜日にしか見えないと言われる「虹の玉」を見つけること。但し、見つけた後どうすればよいのか、この方法の代償の有無については、伝承されていない。とされているが、実は女王がページが貼り合わせてあるだけで、実際には見つけた後の方法とその代償が記されている。
他の言い伝えはこれまで外れた事がなく、それ故、この言い伝えも間違いがないこととされている。
単行本
単行本は集英社のりぼんマスコットコミックスより全6巻、集英社文庫(コミック版)より全3巻が刊行されている。
りぼんマスコットコミックス
集英社文庫
平凡社(愛蔵版)
関連作品
1984年に、本作のサウンドコミックがLPレコードで発売されている。イメージソングとして10曲が収録されており、各曲の冒頭でポーの台詞が語られるという内容となっている。
- 音楽:小笠原寛
- ポーの声:杉山佳寿子