鍵人 -カギジン-
以下はWikipediaより引用
要約
『鍵人 -カギジン-』(かぎじん)は、田中靖規による日本の漫画作品。『週刊少年ジャンプ』(集英社)2009年33号から50号まで連載された。2007年の『瞳のカトブレパス』に続く田中の2作目の連載作品で、連載に先駆け「赤マルジャンプ」2009WINTER号に同名のプロトタイプ的読切を発表しているがタイトルと基本設定、主要人物の名前以外は設定をほぼ一新している。
舞台として近未来、文明が崩壊した時代の東アジアを舞台にしている。田中は読切掲載時に、「舞台を空想で描くのは小学生以来15年ぶり」と称している。
あらすじ
古代、人類は「鍵人」と呼ばれる人間兵器を開発した。それは通常の人間の身体能力を遥かに超えた存在であったが、しかしやがて鍵人同士の争いが起こり文明は崩壊した。
主人公の青年・ツバメは砂海で古代の遺物(地下鉄車両等)を掘り起こし、資源として金に換える「サルベージ」を生業として暮らしていた。そこへ、流砂に飲まれ遭難したガッビア帝国の女性少佐・チルダがやって来る。
登場人物
メインキャラクター
ツバメ
本作の主人公。鍵人で、「断空」の鍵の唯一の適合者。鍵穴は右手首にあり、普段は手袋で隠している。
サルベージ団を纏めるボス役を務める青年。ぶっきらぼうで人相も言葉遣いも悪く、金について意地汚い面も見られるが、父親が王宮に仕える考古学者で、その父に習っていたため、この時代の人間にしてはめずらしく古代文字を読むことが出来、サルベージ団の子供達への面倒見も良い。趣味は読書で、夜は子供達に本を読み聞かせることを日課としている。
その正体はガッビア帝国の脱獄死刑囚「58番」で、7年前の処刑前日に逃亡して以来行方を眩ませていた。
実は「鍵束」を見つけたのも彼の父親であったが、鍵の危険性から再度封印しようとしたため、デジャニラと対立し、反逆の罪を着せられて処刑された。
自分と同じ名前の渡り鳥・燕に憧れており、渡り鳥のように自由に生きたいと願っている。
チルダ・ポートマン
ガッビア帝国の軍人である少女。階級は少佐。黒いショートヘアに褐色の肌をしており、言葉遣いも軍人らしく男勝りである。また「ポートマン家」はガッビア帝国に対しての発言力が大きく、彼女もまだ年齢的に階級には見合わない容姿をしている。
元老院の命令により、所在の判明した「58番」の捜索・抹殺の任務を負い、デネブを連れて砂海へやって来る。しかし流砂に飲まれ遭難していたところを、ツバメによって助けられる。元々「7年前の脱獄囚を処刑する任務」「鍵人であるデネブを隊に入れる事」について疑問を抱いていたが、ツバメやサルベージ団のメンバーと出会ったことで貧困階級の実情や「"鍵武威"の能力」を目の当たりとすることになる。因みに「58番」が鍵人であることは知らされていなかった。
ガッビア帝国
「鳥籠に剣」を紋章とする大帝国。それまで伝説と言われていた鍵人の鍵束を発掘し、手中に収めている。
デジャニラ・レオニダス
アルデバラン・ドミティアヌス・ガッビア
サルベージ団
ツバメがボスを務めるサルベージ団のメンバー。
レト
ガッピア帝国領に属する小さな村。
時代背景
いわゆる「現在」の文明が完全崩壊し、新たな文明の萌芽期ともいえる時代である。ガッビア帝国のように国や民を治めるものもいれば、ツバメ達のように砂海を根城にサルベージを生業とする自由民も存在する。ガッビア帝国側から言わせれば、砂海に住む自由民は「無知識・無教養の蛮族」であるらしい。
古代(いわゆる現在)の文明は、その時代の人間にとっては信じ難いものばかりで、例えば地下鉄などを走らせていた当時の人間は魔法使いなのではないか、と考えられている(作中に、車両が停まったまま荒廃している都営地下鉄浅草線新橋駅が描かれている)。
古代人はその文明で「鍵」を開発し強大な力を手にしたが、それが元で争いになり、「鍵人」達によって文明が崩壊し滅亡したといわれている。しかし「鍵」と「鍵人」の存在は、伝説とも事実ともいわれ、研究は進んでいない。
用語
鍵(カギ)
鍵束(キーホルダー)
鍵人(カギジン)
古代文明の崩壊した原因ともいわれ、その存在は長らく伝説となっていたが、近年ガッビア帝国が古代の鍵束を発掘し、デネブを軍人として迎え入れたことによって一般市民の知識的には、存在が現実味を帯びてきた。
鍵武威(カムイ)
マスターキー
読切版
『赤マルジャンプ』2009WINTER号掲載。センターカラー55ページ。連載版と同タイトルで時代背景やキャラクターの名前に面影は残るが、容姿・人格や鍵人の能力設定等は連載版と全く異なる。
あらすじ(読切版)
文明の荒廃した東アジア。サルベージ団の一員として働く無口な少年・ツバメは、ガッビア帝国の紋章が入った首輪を付けた脱走奴隷・チルダを発見する。
連載版との違い
- ツバメが連載版より幼く、且つてサルベージ団のボスに拾われた戦災孤児で、元ガッビアの脱走奴隷「28番」である。また、彼が「鍵人」であることは、ボス以外の人間は知らない。
- チルダがツバメよりも更に幼く、同じく脱走奴隷の鍵人「357番」である(ただし鍵を持たない為、能力発動はしなかった)。また、キャラクター中では容姿や性格が連載と最も異なる。
- デジャニラが政治家ではなく帝国軍大佐で、チルダを追ってサルベージ団へやって来た。
- シズビー・ベンダがツバメより年長で、サルベージ団の先輩である。なおゼルと、イズゥ・キノ兄妹は登場しない。
- ツバメの「相棒」が突然変異生物(空中イルカ)ではなく、「鍵」を首から下げたサルである。
- 「鍵人」の能力が武器ではなく、鍵人の背後にイメージとなって現れる。ツバメの持つ「漆黒の炎」は、額に鍵穴を持った鳥型の頭に、獣とも金剛力士のような体躯を持つキャラクターであった。
単行本
- 上巻 鍵を持つ者 ISBN 9784088747835
- 下巻 反逆者達の晩餐会 ISBN 9784088747835