鎌倉けしや闇絵巻
以下はWikipediaより引用
要約
『鎌倉けしや闇絵巻』(かまくらけしややみえまき)は、赤石路代による日本の漫画作品。
2010年から2012年にかけて『DELETE〜鎌倉けしや覚書』のタイトルで『モバフラ』(小学館)で4話が配信された。『姉系プチコミック』(同)2014年9月号よりタイトルを改めて連載が再開された。単行本はフラワー・コミックスαより刊行され、全7巻。
あらすじ
昔から日本の古い都のそばに点在し、人づてにその存在を知られてきた「けしや」。「けしや」は、依頼を受けて人の記憶を消す商売を連綿と続けてきた。
鎌倉の「鎌倉けしや」の第三十五代目にして「ケシ」の奥之院蒼は「トメ」を務めていた祖母の具合が思わしくなく休業を余儀なくされていたが、父は完璧に仕事をやり遂げたにも関わらず発作を起こして倒れた主婦・石蕗里奈を苦しめる真の原因を解き明かすも戻れなくなるが、通り掛かった少女に連れ戻され助かった。彼女の手首に掛かった「ガムランボール」とその音色が心に刻まれ、ある日、町中で出会った女子高生・都川菜乃葉が助けてくれた人であり「トメ」の能力を持つことを知って彼女をスカウトする。
様々な事情で記憶を消したり消さなかったりするが、徐々に他の「けしや」の存在が浮かび上がり、東京の4つの内で「江戸けしや」が犯行の記憶を消して犯罪者を助けたり、ケシの仕事を強引に持ち掛けて金儲けをしていることが判明する。更には、奥之院家にも秘密があり、旅行中とされている先代の朱門と「ゴ」の紅太郎は亡くなっていることが明らかに。
ある日、天使のような無邪気に見えながら深い闇を抱える少年・百旗部瑛琉が葵の中学校に転校して来るが、彼の記憶を消したことに関連して朱門を含めた「けしや」が死んでいた。
登場人物
主要人物
奥之院蒼(おくのいん そう)
第三十五代「鎌倉けしや」の当主。男子校「東鎌倉高校」の生徒。二階堂川沿いの奥の奥に住む。父・朱門が旅に出ている間にケシの仕事を引き受ける。「トメ」を務めていた祖母の具合が良くなく、ゴもいないため廃業を考えていたが、9月18日の面掛行列の例祭の日に戻れなくなった自身を救ってくれた菜乃葉と出会い、家業を続けていく。幽霊は見えないが、「トメ」である菜乃葉を介して第11話「ひぐらしの怪談」で5年前に殺されて自殺に見せかけて逗子の海に投げ捨てられた少女・深町ほのかの霊の記憶を見て犯人を摘発した。
実は朱門は既に故人であり、生きて外国に旅行中というお芝居を母親のためにしている。第20話「封印のレシピ」で百旗部瑛琉を見かけた際、顔色を変え「なんで、あいつがここにいるんだ?」とあいつ呼ばわりで尋常ではない様子だった。ツイッターの秘密のアカウントを持っている。
都川菜乃葉(みやこがわ なのは)
西鎌倉女子校の生徒。雪ノ下に住む。初仕事で倒れた蒼を現実世界に連れ戻した。町中で暴力を振るわれている女性を助けた際に蒼と再会して「トメ」の才能を持つことが分かり、時給一万円に惹かれて「鎌倉けしや」でバイトをする。ふとしたことで、蒼の父・朱門が亡くなっていることを知る。その件に関連し、百旗部瑛琉に疑問を抱く。蒼が修学旅行でオーストラリアにいる頃、天使のように無邪気な笑顔の少年な瑛琉だが、彼と葵を2人でいさせない方がいいと感じる。
2ヶ月くらい前、鎌倉警察の署長に着任した父親と一緒に鎌倉に移り住み、父親と2人暮らしの父子家庭。母親は幼い頃に亡くなったということだが、実は小学生の頃に離婚して母親に引き取られた。しかし、母親の恋人がDV男で追われて事故に遭い最近まで記憶を失っていた。母親と和解した。
鎌倉けしや
奥之院朱門(おくのいん しゅもん)
常盤紅太郎(ときわ こうたろう)
奥之院月子(おくのいん つきこ)
蒼の祖母
他のけしや
壬生陽色(いくるみ ひいろ)
東京で評判の悪い「江戸御堀端けしや」。十九代と呼ばれている。第10話「ほたるの道」で顔見せに登場し、第11話のラストで菜乃葉の顔を見に来た。犯罪者に記憶を消す形で加担したり、第13話「閻魔様が見ている」で不倫で妻と愛人の板挟みになった人物に2人の記憶を消して愛人の子を養子にした親戚の子だと偽ったのがバレて虐待する妻を止めなかった原因を作っている。悪事を「鎌倉けしや」に暴かれ、逆恨みの憎悪を抱く。
第26話「あと一度の桜」で入院中の母親が余命幾ばくもなくソメイヨシノが咲くのを見たいと願っていたが、2月なので諦めていた。しかし、菜乃葉や蒼の協力で大船フラワーセンターの玉縄桜を見て夫を呼びながら静かに母親が息を引き取ったため、借りを返すと誓う。
平将親(たいら まさちか)
猫園陽貴(ねこぞの はるき)
丹後自由郎(たんご じゆろう)
菜乃葉の家族
都川大悟(みやこがわ だいご)
その他
石蕗果奈(いわぶき かな)
第1話「何かが道をやってくる」で、流産してから悪夢を見るようになった主婦。心臓が悪い。第三十四代が記憶の消去を完璧に行ったが、真の原因は別にあったため、3ヵ月後に新たな発作に見舞われる。大巧寺に安産祈願に参拝し、御霊神社の面掛行列のおかめに触れると安産になるという言い伝えを知り、おかめの面に触れようとして転び流産して以来、悩まされ続けた悪夢の記憶はきちんと処理されるも面掛行列の写真を見て悪夢が蘇ってしまう。実は父・孝志の愛人が本妻の子を殺そうとスーパーでおかめの面を被って包丁で襲い掛かり、母親は亡くなり、元凶の父親は失踪した。惨劇の記憶はないと周囲は判断して親戚に引き取られて育ったが、おかめの面と妊婦というキーワードで深層意識に恐怖は刻まれていた。
小島さなえ(こじま - )
東條莉名(とうじょう りな)
近衛綾乃(このえ あやの)
常岡あすか(つねおか - )
長尾(ながお)
七森桜子(ななもり さくらこ)
梅津雅樹(うめづ まさき)
梶修司(かじ しゅうじ)
村井清子(むらい きよこ)
樹可奈子(いつき かなこ)
近江勇人(おうみ ゆうと)
深町ほのか(ふかまち - )
平沼(ひらぬま)
若松瑠璃(わかまつ るり)
八木沼(やぎぬま)
森谷花香(もりや はなか)
第13話「閻魔様が見ている」で、3年前の手帳に記された自身に記憶のない場所を辿っており、蒼と菜乃葉に「円応寺」のことを尋ねた。東京・丸の内の会社に勤める長野出身のOL。白川辺雄也と愛し合い妊娠・出産するが、白川辺の依頼で「江戸御堀端けしや」に出産を含めた1年間の記憶を消され、白川辺にホルモン異常の病気で倒れたと嘘を教えられて伊東の別荘で療養という名の隔離状態に置かれた。蒼により記憶を消されたことを知り、菜乃葉が夜に白川辺邸に乗り込んで救出した息子と再会した。白川辺は独身だと言って近づいてきたため、自身が愛人だという事実を知らなかった。一般的な日本人の「黒い瞳と呼ばれる焦げ茶(ダークブラウン)」の左眼と蒼曰く「すごい茶色」のライトブランの右眼という「オッドアイ」で、本妻に虐待された息子も母親と同じ右眼が茶色のオッドアイだった。
若宮(わかみや)
白川辺(しらかわべ)の妻
千穂(ちほ)
神崎哲也(かんざき てつや)
進(すすむ)
滝口絵里(たきぐち えり)
滝口政孝(たきぐち まさたか)
狩野光太郎(かりの こうたろう)
五郎丸舞子(ごろうまる まいこ)
五郎丸光樹(ごろうまる みつき)
藤山紅梨(ふじやま あかり)
鍋島将輝(なべしま まさき)
和辻八重(わつじ やえ)、和辻棠香(わつじ とうか)、和辻吉野(わつじ よしの)
黒田一世(くろだ いっせい)
剣崎凪(けんざき なぎ)
石坂大河(いしざか たいが)
池内美亜(いけうち みあ)
ルル
深沢七瀬(ふかさわ ななせ)
百旗部瑛琉(ももきべ える)
15歳。大財閥・百旗部家の少年。幼い頃より行く先々で事件が起こり、その記憶を消すたびに「けしや」が死亡しており、先代「鎌倉けしや」朱門もその1人だった。第20話「封印のレシピ」のレシピの件が解決後、宝戒寺の梅をお供の男性と見ていた。その際、蒼と青志郎は「いるはずのない人間がいる」という表情だった。その後、第28話「エンジェル様エンジェル様」で葵の中学校に転校してきた。小学4年生の頃、埼玉県朝霞市の小学生・桜を好きだったことがあり、彼女を巡り孝輝という少年の転落死に関係がある模様。何かにつけて葵と一緒にいたがるが、危険を感じ取った菜乃葉に警戒されている。
実は百旗部一族に対する怨念の塊に蝕まれ、周囲は謎の事故死が多発していた。蒼たち複数のけしやが協力して記憶を全部消したため、幼児のようになり離婚した母親に連れられて外国で暮らすことになる。
西原ひろた
奥村(おくむら)
用語
ケシ(消)
トメ(留)
ゴ(護)
二階堂川
雪ノ下(ゆきのした)
ガムランボール
矢筈ススキ
オッドアイ
鎌倉周辺の地名と菓子
第1話 何かが道をやってくる
第2話 DELETE
第5話 殺人妄想
第6話 午前三時の地獄
第7話 白雪の辻
第8話 腰越の赤い夕焼け
第9話 桜の無い春
第10話 ほたるの道
第11話 ひぐらしの怪談
第12話 残心のススキ野
第13話 閻魔様が見ている
第14話 青い鬼退治
第15話 俥屋の恋
第16話 紫陽花の谷
第17話 この夏の花火
第18話 かわいそうな茶碗
第19話 クリスマスの家
第20話 封印のレシピ
第21話 思ひ出の海棠
第22話 割れて砕けて裂けて散るかも
第23話 谷中けしや猫絵巻
第24話 歩く人形
第25話 南天の恋
第26話 あと一度の桜
第27話 陽だまりのキネマ館
第28話 エンジェル様エンジェル様
第29話 知らない子供
第30話 写真供養
書誌情報
- 赤石路代 『鎌倉けしや闇絵巻』小学館〈フラワーコミックスα〉、全7巻
- 2015年6月15日発売、ISBN 978-4-09-137105-8
- 2015年10月14日発売、ISBN 978-4-09-137748-7
- 2016年6月10日発売、ISBN 978-4-09-138417-1
- 2017年6月9日発売、ISBN 978-4-09-139285-5
- 2018年2月9日発売、ISBN 978-4-09-139838-3
- 2018年12月10日発売、ISBN 978-4-09-870250-3
- 2019年10月10日発売、ISBN 978-4-09-870667-9