飛天のごとく
以下はWikipediaより引用
要約
『飛天のごとく』(ひてんのごとく)は、宮乃崎桜子による日本の小説。イラストは浅見侑。
平安時代の貴族・藤原頼長が実は女で、西行と恋仲であったという設定のもと、白河上皇の死後から保元の乱までを描く。
あらすじ
上皇による院政が行われる平安時代末期。
関白家の次男・藤原頼長は実は女だったが、母に男として育てられ、そのまま元服を迎える。
ある日頼長は、金で官位を買ったと噂される男に接触するために女装する。その男・佐藤義清は、“綾”と名乗った頼長に一目惚れし、頼長もまた、実直な義清に惹かれ、初めて恋を知る。
頼長はやがて義清から求婚されるが、父の期待を一身に背負う身に鑑みると、全てを捨てて今さら女に戻る覚悟はできなかった。
恋を忘れ、仕事に没頭する頼長の前に、出家し、“西行”と名を変えた義清が現る。“綾”=頼長と知った西行は、今でも頼長を恋い慕っていると告げ、女として生きるつもりがあるならば自分もすぐに還俗すると言う。それでもやはり女に戻る決意が出来ないまま、一公卿と一法師として度々顔を合わせる日々を続け、表立ってはいないものの、2人は互いの想いを確かめ合う。だが、激しい動乱の渦が頼長を翻弄する。
登場人物
主人公
藤原頼長(ふじわら の よりなが) / 綾(あや)
前関白・忠実の次男。
菖蒲の季節に生まれたので幼名は“菖蒲若”(あやわか)。生まれた時に母が吐いた嘘が露顕することなくずっと男として育ち、元服、童殿上し、14歳の夏の終わりに幸子を娶るが、当然同衿することなどないため、夫婦仲は冷え切ったものとなったが、女だとバレてからは、幸子の存在に癒されるようになる。女房“綾”として義清と知り合い、初めて恋を知り、初めて女でありたいと願うようになる。
17歳の時、異例の速さで内大臣に出世し、賄賂や官位の売買がまかり通る現状を正し、院政の廃止を理想に掲げる。家柄に不相応な身分を求める得子や、力でねじ伏せようとする武家の存在を許せない。若さゆえに兄の謀略に気づくことが出来ない。
頼長の親族
藤原忠実(ふじわら の ただざね)
泰子(やすこ)
藤原忠通(ふじわら の ただみち)
朝廷
顕仁親王→崇徳天皇→崇徳院
待賢門院璋子(たいけんもんいん たまこ)
得子(なりこ)→美福門院得子
書誌情報
2009年4月30日発行、講談社X文庫ホワイトハート
- 初恋の巻:ISBN 978-4-06-286594-4
- 動乱の巻:ISBN 978-4-06-286595-1