食堂かたつむり
以下はWikipediaより引用
要約
『食堂かたつむり』(しょくどうかたつむり)は、小川糸による2008年の日本の小説。2011年7月、イタリアの文学賞であるバンカレッラ賞料理部門賞を受賞。
あらすじ
同棲していた恋人に家財道具一式や祖母から受け継いだ調理道具、祖母とともに漬けた梅干などの食材全てを持ち逃げされ、ショックから声を失った倫子は、夜行バスで故郷に帰って食堂「食堂かたつむり」を開く。食堂かたつむりの客は予約制で一日一組とし、事前に面接をして要望などを聞きメニューを組み立てる。倫子のつくる料理を食べた客には次々と奇跡が起き、特に恋愛関係の願いが叶う食堂との噂になったが、惚れ薬としてイモリの黒焼きを粉にしたものを料理に混ぜ込んでいるのではとの通報があったと保健所が調査に来たこともあった。
2月半ばにスナック・アムールでのパーティーに招待され、おかんとネオコンとの間に肉体関係のないことが判明し、さらにおかんが婚約者から捨てられ失恋し、行きずりの男の精子を水鉄砲により注入した処女懐妊でできた子であると知らされる。ある日、おかんから癌で余命が半年であり、担当医としてシュウ先輩と再開したと聞かされた。後日シュウ先輩おかんを連れて食堂かたつむりを訪れ、倫子にルリコとの結婚の許しを請えにきて、倫子は承諾した。そして式や結婚披露宴の日取りが5月の連休と決まり準備も始まったある日、倫子に披露宴のプロデュースとエルメスを披露宴の食材にしてほしいと最後のお願いをされ、ルリコが静かにお別れをした次の日に熊さんの親友の家でエルメスを屠畜し解体したが、血の一滴も無駄にはしないと信念を持って倫子が解体の責任者となりナイフで頸動脈を切断した。
ルリコを見送った後、お世話になった人への挨拶回りや修一のマンションを訪ねた夜に、ふくろう爺の鳴き声が途中で止まったので、屋根裏を覗くとふくろう爺の正体判明とともにルリコからの手紙を発見する。それからしばらくは失意のままルリコが大量に購入していたインスタントラーメンの食事で済ましていたが、ある日鳩が窓に衝突死したのを抱きかかえたときに「死を無駄にしてはだめでしょう」とルリコの声が聞こえ、鳩を調理して食べると、失っていた声が戻り、食堂かたつむりとともに前向きに生きていくことを決意する。
登場人物等
倫子(りんこ)
25歳。本名は倫子だが村の人からは「りんごちゃん」と呼ばれる。不倫の子だから倫子と名付けられたと思い込み、自分でも名前が嫌だった。母親との確執から10年前の中学校卒業式の夜に実家を出て夜行バスで上京し、都会の外れの一軒家である祖母の家に下宿していたが、数年後にバイトから帰宅すると祖母は眠るように亡くなっていた。喪失の中でインド人の男性と出会い同棲を初めて3年後のある日、バイトから帰宅した時、男性とともに部屋に一切の家財道具が無くなっていた。さらにはショックから失声症となり、玄関ドア脇のガスメーターのスペースに入れておいて唯一残されていたぬか床を抱えて失意のまま実家に戻る。実家の物置小屋を改装し食堂「食堂かたつむり」を開業する。
祖母
アリババ
熊さん
シニョリータ
謎の男性
シュウ先輩
ふくろう爺
トルコ料理店
おっぱい山
映画
2010年に公開。
キャスト
- 倫子 - 柴咲コウ(幼少期:佐々木麻緒)
- ルリコ - 余貴美子
- 熊さん - ブラザートム
- ネオコン(根岸恒夫) - 田中哲司
- 桃ちゃん - 志田未来
- サトルくん ‐ 桜田通
- ミドリ - 満島ひかり
- 雅子さん ‐ 徳井優
- 山さん ‐ 諏訪太朗
- 源さん ‐ 佐藤二朗
- ミドリの父 ‐ 山崎一
- ミドリの祖父 ‐ 上田耕一
- お妾さん - 江波杏子
- シュウ先輩(修一) - 三浦友和
- 倫子の祖母 - 草村礼子
- 噂を聞きつけた女子高生 - 瀧本美織
スタッフ
- 監督:富永まい
- 原作:小川糸「食堂かたつむり」(ポプラ舎刊)
- 脚本:高井浩子
- 音楽:福原まり
- エグゼクティブプロデューサー:三宅澄二
- 製作委員会:ミコット・エンド・バサラ、東宝、アミューズ、キングレコード、TBSテレビ、ショウゲート、ポプラ社、SME Records、日本出版販売、毎日放送、大広、中部日本放送、RKB毎日放送、TSUTAYAグループ、Yahoo! JAPAN
- 製作:木下泰彦、島谷能成、畠中達郎、重村博文、氏家夏彦、百武弘二、坂井宏先、村松俊亮、宮路敬久、辰巳隆一、倉田育尚、林尚樹、松田英紀、大宮敏靖、喜多埜裕明
- 企画:市川南
- プロデューサー:渡邉直子、亀田裕子、赤城聡、仁平知世
- ラインプロデューサー:森太郎
- プロダクション統括:塚田泰浩
- 撮影:北信康
- 照明:渡部嘉
- 録音:橋本泰夫
- 美術:小澤秀高
- 装飾:松田光畝
- 編集:森下博昭
- スクリプター:牧野千恵子
- ヘアメイク:佐藤光栄
- 衣裳:櫻井まさえ
- 助監督:村上秀晃
- 製作担当:関浩紀
- 料理制作:吉岡知子
- VFXスーパーバイザー:佐竹淳
- アニメーションディレクター:坂井治
- 音楽プロデューサー:杉田寿宏
- 制作プロダクション:ミコット・エンド・バサラ、東宝映像制作部
- 配給:東宝
評価
- TBSラジオ「ライムスター宇多丸のウィークエンド・シャッフル」のシネマハスラー2010年全映画ランキングでは対象56作品中ワースト2位。
出版情報
- 『食堂かたつむり』(2008年1月 ポプラ社 ISBN 9784591100639)
- 『食堂かたつむりの料理』料理:オカズデザイン(2010年1月 ポプラ社 ISBN 9784591115039)
- 『食堂かたつむり(文庫)』(2010年1月 ポプラ文庫 ISBN 9784591115015)
- 『食堂かたつむり(コミックス)』作画:鈴木志保 (2010年1月 ポプラ社 ISBN 9784591115381)