餓狼伝説
以下はWikipediaより引用
要約
『餓狼伝説』(がろうでんせつ)は、1991年にSNK(旧社)が発売した2D対戦型格闘ゲーム、およびそれを筆頭とする対戦型格闘ゲームのシリーズである。欧米でのタイトル表記は『Fatal Fury』(フェイタルフューリー)。
概要
ネオジオでは初となる本格的な対戦格闘ゲーム。本作以前にSNK製作の格闘アクションゲーム『ストリートスマート』(1989年)が存在し、それが原点となっている。開発にはカプコンからSNKに移籍し、かつ初代『ストリートファイター』のディレクターだった西山隆志とデザイナー兼プランナーだった松本裕司が主導の立場で参加している。そのため、『ストリートファイター』シリーズを模倣した他社の対戦型格闘ゲームの中でも、当作を始めとしたSNKの対戦型格闘ゲームは、正式にカプコンの対戦型格闘ゲームがルーツとなる。
「カプコンに『ストII』あればSNKに『餓狼』あり」と言われたように、1990年代の格闘ゲームブームの中心的存在の片翼であった。
ストーリーの傾向として、兄弟の絆や復讐をテーマとしている。
本作におけるキャラクターボイスは開発スタッフが兼任していたが、当時の社長がその演技に激怒したことから続編となる『餓狼伝説2』からは俳優・声優がキャラクターボイスを担当することとなった。
1992年には『バトルファイターズ 餓狼伝説』のタイトルでアニメ化され、1994年に劇場版『餓狼伝説 -THE MOTION PICTURE-』も公開された。それに先だって、1994年4月10日に東京・銀座の松竹セントラルで映画化記念イベントが開催され、声優の錦織一清、難波圭一や監督の大張正己のほか特別ゲストとして千葉麗子も招き、1200人のファンとともにトークセッションや予告編の上映、ゲーム大会が行われた。
1999年の『餓狼 MARK OF THE WOLVES』をもってシリーズの制作は止まったが、キャラクターは同社の対戦格闘ゲーム『ザ・キング・オブ・ファイターズ』シリーズに出演し続け、現在もシリーズの展開は継続している。
2006年には、SNKプレイモアによりパチスロ化された(餓狼伝説 (パチスロ)を参照)。
2012年にソーシャルゲーム『SNKドリームバトル』、2013年にソーシャルゲーム『KOF×餓狼伝説』に作品が参加している。
2019年、同年11月より、『大乱闘スマッシュブラザーズSPECIAL』の有料DLCキャラクターとして、本作のキャラクターであるテリー・ボガードが出演。
2022年には『餓狼 MARK OF THE WOLVES』以来となる餓狼伝説シリーズ最新作の開発が決定したことが報じられた。
シリーズタイトル一覧
- 餓狼伝説 宿命の闘い
- 餓狼伝説2 新たなる闘い
- 熱闘餓狼伝説2 あらたなるたたかい
- 餓狼伝説SPECIAL
- 餓狼伝説3 遥かなる闘い
- REAL BOUT 餓狼伝説
- REAL BOUT 餓狼伝説SPECIAL
- 熱闘リアルバウト餓狼伝説スペシャル
- REAL BOUT 餓狼伝説SPECIAL DOMINATED MIND
- REAL BOUT 餓狼伝説2 THE NEWCOMERS
- 餓狼伝説 FIRST CONTACT
- 餓狼伝説 WILD AMBITION
- 餓狼 MARK OF THE WOLVES
- 熱闘餓狼伝説2 あらたなるたたかい
- 熱闘リアルバウト餓狼伝説スペシャル
- REAL BOUT 餓狼伝説SPECIAL DOMINATED MIND
- 餓狼伝説 FIRST CONTACT
餓狼伝説(初代)
対応機種一覧 ネオジオ (NG)スーパーファミコン (SFC)メガドライブ (MD)X68000 (X68)ネオジオCD (NGCD)WiiPlayStation 3 (PS3)PlayStation Portable (PSP)Windows (Win)PlayStation 4 (PS4)Xbox One (XB1)iOSAndroid
発売日一覧 NG 199112201991年12月20日 199112201991年12月20日SFC 199211271992年11月27日 1993041993年4月 1993年MD 1993021993年2月 199304231993年4月23日 1993051993年5月X68 199307231993年7月23日NGCD 199409091994年9月9日 199409091994年9月9日Wii 200709182007年9月18日PS3,PSP 201012212010年12月21日 201012222010年12月22日Win(EGG・日本版) 201104192011年4月19日Win(EGG・国外版) 201210162012年10月16日PS4 201612152016年12月15日 201701122017年1月12日XB1INT 201703232017年3月23日NSINT 201704202017年4月20日Win(アケアカNEOGEO)INT 201712152017年12月15日iOS/Android(アケアカNEOGEO)INT 202203102022年3月10日
ゲーム内容
1991年11月25日登場。正式タイトルは『餓狼伝説 宿命の闘い』。8方向レバーとパンチ・キック・投げの3ボタンで構成されている。本作の特徴として、フィールドが手前と奥の2ライン存在することが挙げられる。後の作品では任意に移動可能で戦略にも影響するが、本作ではCPUのみ任意に移動可能。プレイヤーはライン移動した相手を追いかけたときや相手に吹き飛ばされた時のみ別ラインに移動できる。
必殺技は他の格闘ゲーム同様、キャラクター1人につき複数用意されているが、インストラクションカードにはその内の突進技1つずつ(バーンナックル、斬影拳、スラッシュキック)しか記載されておらず、ボーナスステージ後に使用キャラクターに対応したコマンドが1つずつ公開される。コマンドはボーナスステージを経ずとも、プレイヤーが知っていれば最初から使用可能。必殺技の威力は高いが、コマンド入力がシビアだった。
本作のみ、2人プレイの場合は協力プレイとなり、CPUと2対1で戦い、倒した後プレイヤー同士で対戦する(勝った方がそのままストーリーモードを継続)。
多くの格闘ゲームと同様、2本先取した者が勝者となる。引き分けが続き10ラウンド目まで持ち込んだ場合、両者が1本ずつ取った状態で「FINAL ROUND」となる。ただし、この「FINAL ROUND」でも引き分けとなった場合、対CPU戦ではプレイヤーの負け扱い、対人戦では両者ゲームオーバーとなる(対人戦の場合は「DRAW GAME」表示のあとすぐにゲームオーバー画面となり、コンティニューはできない)。
CPU戦では使用キャラクターを選んだ後にマイケル、ダック、タン、リチャードの4人から最初の相手を選択する。5人目からの敵キャラクターの出現順は固定されており、ホア、ライデン、ビリー、ギースの順番で戦う。試合後にはギースのリアクションが中間デモとして表示され、2人倒すごとにボーナスステージとして腕相撲ゲームが行われる。
欧米版では必殺技のコマンドが大幅に変更されている。ゲーム中で公開されない初期技のコマンドは以下の通り。
- テリー:変更無し
- アンディ:左・右+パンチ
- ジョー:下・左下・左+キック
登場キャラクター
プレイヤーキャラクター
テリー・ボガード(Terry Bogard)
アンディ・ボガード(Andy Bogard)
東丈(Joe Higashi)
CPU専用キャラクター
マイケル・マックス(Michael Max)
ジャンプができないが、それを補って余りある攻撃力と、長いリーチの技を持つ。飛び道具の「トルネードアッパー」は、本作の全ての飛び道具の中でも屈指の性能を誇る。ボタン連打で出せる「テンペストラッシュ」(SFC版のみ)の威力は、ビリーの「集点連破棍」を上回る。メガドライブ版のみ、ジャンプすることが可能。
ダック・キング(Duck King)
タン・フー・ルー(Tung Fu Rue)
一定のダメージを与えると、気の力によって筋骨隆々の大男の姿に変身し、各技の攻撃判定が大きくなる。ダメージがさらに一定値を超えると元に戻る。
『バトルファイターズ 餓狼伝説』と細井雄二の漫画版では本作で死亡している。
リチャード・マイヤ(Richard Myer)
彼のステージでは歌が流れる。
ホア・ジャイ(Hwa Jai)
一定のダメージを受けると背景から酒が投げられてくる。ホアが酒を受け取り、飲み干すと、体が赤く変色してパワーアップする。CPU戦では、この状態になると必殺技を出してくる。「ドラゴンキック」は、ジョーの「タイガーキック」をより強化した突進技で、突進速度・威力ともに優れる。
ライデン(Raiden)
通常技をはじめ、攻撃力の高さは群を抜いており、投げ技の威力は驚異的。
ビリー・カーン(Billy Kane)
「旋風棍」で棒を飛ばす等して棒を失うと、画面奥から棒が投げ入れられるまでの間、怯えるように腰を屈めて身を守るだけになる。SFC版だけの必殺技である、ボタン連打で出す「集点連破棍」は、相手の体力を削る量が多い。この技は後に『 リアルバウト餓狼伝説』や『KOF』シリーズでも採用された。
ギース・ハワード(Geese Howard)
移植版
※SNKプレイモアは2016年にSNK(新社)へ社名変更。
家庭用ネオジオ(AES)版
スーパーファミコン版
BGMは1ラウンドことにリセットされる。また、VS画面のBGMがギース戦前のBGM(ギースの部下に連れて行かれるところ)に差し替えられている。こちらのギース戦前は優勝シーンのBGMがずっと流れる。
ネオジオ版ではボーナスステージが腕相撲マシーンとの勝負だったが、こちらでは砂浜で左右から飛んでくるタイヤを打ち返すものに変更されている。敵キャラクターが対人戦モードの2P側でのみで使え、独自のオリジナル技も追加されている。1P側で敵キャラクターを使うことはできないが、主人公3人については同キャラクター対戦が可能。容量は12メガビット。
メガドライブ版
X68000版
ネオジオCD版
PlayStation 2版
Wii版
PlayStation Portable版
ネオジオ作品を16タイトル収録した『SNK Arcade Classics Vol.1』に収録。内容はMVS版とほぼ同じ。
PlayStation 3/PSP版
Windows版
後に2012年10月16日に本作の英語版販売タイトルである『FATAL FURY』も配信され、内容は言文が英語以外は内容は前述と同じ。
後にアケアカNEOGEOの1作品としても配信。MVS版を配信。
PlayStation 4版
Xbox One版
Nintendo Switch版
スタッフ
- プロデューサー:川崎英吉
- ディレクター:西山隆志
- 企画:TSUKAMICHI(塚本高史)、DERU DERU(伊東正剛)
- キャラクター・デザイン:PONSUKE、TSUKAKINGYO、DERU DERU(伊東正剛)、MORIYAN、SOMATOREENO、LUCKY OKKIY、BOKO PYON、SOE SOE!
- キャラクター・バックアップ:KAKAREE SAKITA(さきたこういち)、KAMA KAMA、KIMURYAER(きむらたけし)、WADARIAN、BATAYAN、TABUI CHANG、OCHIAI SHUNIN、TAKEPY、SIMACHANG
- プログラマー:YAMATAN、KURA
- プログラム・バックアップ:KONCHANG、NAKAMUURA
- サウンド:KONNY(西田和弘)、YOKOCHANG(おさかようこ)、MURAISAN、TARKUN(田中敬一)、TATE&BUNNYBOYS、松本裕司、MICHAEL BEARD、GOODAM KAKREE
- ゲーム・アシスタント:MIYAGAMI T.100、S.AKUTAGAWA、TOME、POPYU NATHU 3、TAROU、MUKAI
- スペシャル・サンクス:1ST OPERATION STAFF、ALL SNK STAFF
評価
受賞 | |
---|---|
媒体 | 受賞 |
第6回ゲーメスト大賞 | 大賞10位 ベストアクション賞7位 ベストVGM賞8位 年間ヒットゲーム4位 プレイヤー人気4位 |
アーケード版
ゲーム誌『ゲーメスト』の企画「第6回ゲーメスト大賞」(1992年度)において、大賞10位、ベストアクション賞7位、ベストVGM賞8位、年間ヒットゲーム4位、プレイヤー人気4位、ベストキャラクター賞では「テリー・ボガード」が13位を獲得した。
スーパーファミコン版
ゲーム誌『ファミコン通信』の「クロスレビュー」では合計24点(満40点)、『ファミリーコンピュータMagazine』の読者投票による「ゲーム通信簿」での評価は以下の通りとなっており、21.07点(満30点)となっている。この得点はスーパーファミコン全ソフトの中で130位(323本中、1993年時点)となっている。
項目 | キャラクタ | 音楽 | 操作性 | 熱中度 | お買得度 | オリジナリティ | 総合 |
---|---|---|---|---|---|---|---|
得点 | 3.88 | 3.58 | 3.32 | 3.77 | 3.23 | 3.29 | 21.07 |
メガドライブ版
ゲーム誌『ファミコン通信』の「クロスレビュー」では、6・7・6・5の合計24点(満40点)、『メガドライブFAN』の読者投票による「ゲーム通信簿」での評価は以下の通りとなっており、23.1点(満30点)となっている。また、同雑誌1993年7月号特別付録の「メガドライブ&ゲームギア オールカタログ'93」では、「登場するキャラクタは2人減ったものの、完全移植に近い出来ばえ」、「派手な必殺技がバンバン出せるのが楽しい」と紹介されている。
項目 | キャラクタ | 音楽 | お買得度 | 操作性 | 熱中度 | オリジナリティ | 総合 |
---|---|---|---|---|---|---|---|
得点 | 4.1 | 3.6 | 3.7 | 4.0 | 4.2 | 3.5 | 23.1 |
漫画
餓狼伝説 新たなる闘い(『ゲーメスト』版)
『ゲーメスト』での連載には『餓狼2』のプロモーション的な側面もあり、テリーのコスチューム(ジャンパー)は当初『餓狼伝説』に準じたものだったのがギースとの戦いで袖を破られてベスト状になったり、スラッシュとの戦いにおいて(未完成の)超必殺技・パワーゲイザーを繰り出したりと、『餓狼2』で表現された要素に繋がる描写も盛り込まれている。
SNK公式ストーリー 餓狼伝説2(『ゲーメスト』版)
餓狼伝説SPECIAL(『ゲーメスト』版)
餓狼伝説(『コミックボンボン』版)
『餓狼伝説』と『餓狼伝説2』はタカラ発売のSFC版『餓狼伝説』シリーズを、『餓狼伝説3』はAC版を原作としている。
基本的なストーリーは原作をなぞっているが、漫画オリジナルの技・設定・展開も多い。また『サムライスピリッツ』の覇王丸、服部半蔵、ガルフォード、ナコルルの子孫らと共闘する展開も描かれているが、この話は担当編集者がSNKに許可を取らずに案を出したことから、後に抗議が来ることになり単行本未収録となった。
単行本は『餓狼伝説』全2巻、『餓狼伝説2』全4巻、『餓狼伝説3』全2巻(いずれも絶版)。雑誌掲載時の原稿の描き直しや、『ボンボン』増刊号掲載のエピソードを本誌掲載分と繋げるためのストーリー変更などが若干存在する。
餓狼伝説 戦慄の魔王街(『コミックボンボン』増刊号版)
単行本は全2巻。後に大都社からも全1巻で復刻された(いずれも絶版)。
餓狼伝説スペシャル(『月刊コロコロコミック』版)
題材となった『餓狼SP』に登場するキャラクターの内、ビリー・カーン、アクセル・ホーク、ローレンス・ブラッド、チン・シンザン、タン・フー・ルーの5人は登場しない。
餓狼伝説3(リイド社版)
ギース・ハワード外伝(『ゲーメスト』版)
単行本は『ギース・ハワード外伝』と『闇のギース』の2冊が出版された(いずれも絶版)。
漫画オリジナルキャラクター
メディア・クメール
スラッシュ・ローゼンマイヤー
シェリー
赤面(レッドマスク)
リヒャルト・シュトロハイム
ロブ
ジミー
チビ
スティーブ
ハリー
呂 仁丹(ろ じんたん)
自雷坊(じらいぼう)
ホム・チャック
馬頭竜(ばとうりゅう)
リュオ・ヒムラー
鬼竜幽心(きりゅう ゆうしん)
乱雀(らんじゃく)
狂獣豪(きょうじゅうごう)
武帝王(ぶていおう)
3000年間眠りについていたが、ギースが復活の儀式を行ったことによって復活した。
孤島の鬼
70歳を超える老齢でありながら、強力な殺気を操ることで素手で人間の頭を吹き飛ばすほどの力を持ち、その圧倒的な力から刑務所を私物化し実質的な日本国お抱えの殺し屋として活動していた。
ジュリア反町
パチスロ・パチンコ
パチスロ
- 餓狼伝説(2006年、SNKプレイモア)
- 餓狼伝説Special(2008年、SNKプレイモア)
- 餓狼伝説☆双撃(2012年、SNKプレイモア)
- 餓狼伝説PREMIUM(2014年、SNKプレイモア)
パチンコ
- CR餓狼伝説☆双撃(2012年、大一商会)
サウンドトラック
- 餓狼伝説 / LAST RESORT
- 1992年5月21日にサイトロン1500シリーズのサウンドトラックとしてポニーキャニオンより発売された。
- 1992年5月21日にサイトロン1500シリーズのサウンドトラックとしてポニーキャニオンより発売された。
参考文献
- 『A.A.GAME HISTORY SERIES VOL.2 ALL ABOUT SNK対戦格闘ゲーム 1991-2000』 ISBN 4-88554-677-X 電波新聞社 2000年12月
- 『餓狼伝説 完全攻略本 (SFC)』 徳間書店
- 『懐かしスーパーファミコン パーフェクトガイド』 株式会社QBQ編 ISBN 978-4-86640-008-2 マガジンボックス(M.B.ムック) 2016年9月
- 『スーパーファミコンクソゲー番付』 株式会社QBQ編 ISBN 978-4-86511-709-7 マイウェイ出版 2017年5月
- Scullion, Chris (2021). The Sega Mega Drive & Genesis Encyclopedia. England: Pen & Sword Books Limited. ISBN 978-1-52674-6597
- 「Games」、15-221頁。
- 「Games」、15-221頁。