香水心中
題材:におい,
舞台:軽井沢,高度経済成長期の日本,
以下はWikipediaより引用
要約
『香水心中』(こうすいしんじゅう)は、横溝正史の短編推理小説。「金田一耕助シリーズ」の一つ。
概要と解説
本作は1958年(昭和33年)に『オール讀物』11月号にて発表された。角川文庫『殺人鬼』(ISBN 978-4-04-355504-8) 、春陽文庫『蝋美人』(ISBN 978-4-394-39518-8) に収録されている。
本作は軽井沢を舞台とした作品で、金田一はかつて『犬神家の一族』事件や『不死蝶』事件の捜査に関係したことから信州の警察界では有名なため、本作で捜査主任の岡田警部補から恭しく迎えられている。
あらすじ
「香水王国」こと大手化粧品会社トキワ商会の女社長・常盤松代から軽井沢の別荘に招かれた金田一耕助は、費用は自分が出すからいっしょに避暑にいかないかと等々力警部に誘いをかける。2人は列車で軽井沢へ行く予定であったが、崖崩れで不通になったため、松代の若き側近・上原省三の運転する自動車で向かう。しかし軽井沢に着いた翌朝、依頼したかった件は思い違いであったから、このまま手を引いてほしいという松代の伝言が省三からあった。
釈然としない金田一たちは、いささか面白くない気分でホテルに滞在していたところ、千ガ滝の近くのある別荘で男女の心中死体が見つかったという噂話を耳に入れる。さらに松代の孫娘の松子から、松代が改めて依頼したいことがあるとの伝言を聞かされる。気が進まない様子の金田一だが、松子に説得されて等々力警部とともに同行することにした。依頼内容は、先ほど見つかった心中事件に関することで、男の方は松代の孫の常盤松樹だという。
金田一たちは別荘で待ち受けていた松代からキャンセルの謝罪と、等々力警部が同行していたため一家の秘事をさらすのにためらわれたとの釈明を受ける。さらに松代は、松樹は心中を装って何者かに殺されたのだ、その犯人を突き止めて欲しい、それがたとえ肉親であったとしても、と依頼する。
別荘では人妻の青野百合子の死体がベッドに横たわり、梁からは松樹の首吊り死体がぶら下がっていた。そして現場にはむせかえるような香水の匂いがした。何者かにより現場に大量の香水を振りまかれていたのだ。
登場人物
テレビドラマ
1987年版
『名探偵・金田一耕助シリーズ・香水心中』は、TBS系列の2時間ドラマ「月曜ロードショー」で1987年5月11日に放送された。
- 舞台を軽井沢から伊豆に変更しており、松代は足を骨折して伊豆の別荘で静養中である。金田一たちは最初から省三の自動車で行く予定で、崖崩れで迂回路を辿っていて、同じく崖崩れでバスが使えなくなり歩いていた美代子に追いついて同乗させる。
- 心中現場は静養中の松代を見舞う名目で密会をカモフラージュするために松樹が松彦の名を騙って借りた別荘であった。青野太一は崖崩れで東京へ引き返しており、死体は香水の匂いを不審に思った新聞配達員が発見した。
- 別荘番の市介という松子に従順な大男が登場し、市介が松子のために行った犯行との見立てに警察が傾くと、吊橋からの転落死体となって発見された。
- 松彦は胎児の父が松樹だと承知のうえで美代子に求婚する。省三は金田一も居る前で美代子のことを松彦に託し、隙を突いて崖から海へ飛び降り自殺した。
キャスト
スタッフ